所詮は吸血鬼と只の魔法使い。パチュリーみたいに意地悪な魔法も使うわけではないからと、あたしは油断していた。
アリスは内臓を2度も抉り出してもあたしに向かって来る。人形の攻撃はたいした威力は無い。しかし、あたしが1回攻撃を当てる間に、何回も受けてしまう。
あたしは負けることは無いだろう。が、これが495年閉じこもって居たあたしと、アリスの経験の違いなのだろう。
アリスは勝てないが、負けるつもりはないようだ。あたしを弱らせ、隙を見て魔理沙達の下に逃げる気なのだろう。
「ねえ、フラン」
あたしが、物思いにふけりながらアリスと戦っているとアリスが急に話かけてきた。
右上から来る人形の牽制か?
そんな、見え透いた牽制にあたしは乗るかと、アリスを無視して右上の人形を撃ち落す。
「ねえって、フラン!」
また、話しかけてきた。今度は、正面から迫ってきた人形に集中させるためか?
私は、左からきた人形を撃ち落した。思惑が外れて、さぞかし悔しいだろう。
逆にそこにつけこんで、あたしは一気に間合いを詰めてアリスに迫った。
「ぐぅ!」
そして、右手は再びアリスの体内を超えて反対側にはみ出した。
確実に敵を捕らえるその一撃で戦いは決したのだった。
決したはずだった。
「……けぃたぃ」
だが、アリスは血を吐き出しながらも生きていた。
そして、何か言っている。これは呪いの言葉なのだろうか?
悪魔として最期の呪いの言葉くらいは聞いてやろうと思いあたしはその言葉に耳を傾けた。
「け、携帯、な、なってる」
え?
携帯なっている?
それは予想外の言葉だった。
あたしは、あいている左手で携帯をポケットから取り出した。
メールの受信が1件。
美鈴からだった。
『フランお嬢様、命令どおり1円持って行きました。今日3度目です。レミリアお嬢様は馬鹿にしているの門番風情がと言って私の髪を掴んで床に顔から叩き付けました。1回目で、鼻が折れて2回目で前歯が折れてました。それで、今度は完全に心が折れました。もう死にたいです。勝ってに死ぬことをお許しください』
あたしは血相を変えて紅魔館に戻った。
いそいで、戻った。でも美鈴は少し冷たくなっていた。
それから思った今度からガラケーやめてスマホでリアルタイムに会話しようと。
ギョウヘルインニ
無駄話も、量があると文学作品めいた物になるネ☆
さながら誘蛾灯に惹かれる羽虫気分。悔しい、でも……!!
さておき、女に生まれたことを後悔するお仕置きが気になります。
殺伐の世界にフランちゃんの思いやりが美鈴を照らす。
シェイクスピア読んでみると分かる。
ロミオとジュリエットしか読んでないけど……
それにしてもこれだけ意味のわからないものができるとは。
これが30kbの魔力か。
なんかラジオ番組のノリを思い出しました。