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『産廃創想話例大祭B 弾Done男色天邪鬼』 作者: HJ
「……雨、止みそうにないなあ」
窓から外をちらりと眺めて、黒い装束に身を包んだ少年は呟いた。暗黒色の雲から零れる水流は、彼の居る小屋の薄い屋根を殴りつけ、轟々と騒がしい音を立て続けている。
やれやれといった表情で、少年――封獣ぬえは、右手に持った煙管を口元に寄せる。ぷっくりとした、瑞々しい桃色の唇で、錫製の吸口をそっと咥える。ゆっくりとを息を吸い、煙の味を堪能する。……まあ、たまにはここに泊まるのも悪くはないか。口から漏れる吐息が、白い靄を形作ろうとして、すぐに湿った空気の中に消えていく。儚く消失した煙をぼんやりと眺めて、今度は少しだけ強く、煙管を喫う。
今の封獣ぬえは本来、聖白蓮の命蓮寺の住人である。しかし、ぬえは寺の中では比較的新参者であり、まだ他人と馴染めていないということと、そしてぬえ自身もあまり他の住人に迎合するような素振りを見せないこともあって、どこか寺の中でも浮いたような立場にあった。
故に寺に居てもあまり面白いものではなく、ぬえは気ままにふらりと外に出かけては、何日かして寺に戻るというような生活を続けていた。白蓮はそのことを、寺の外で何かしらの修行をしているのだろうと好意的に受け止めていたが、実際は当てもなく幻想郷をうろついているだけというのが事実であった。
ぬえがこの廃屋を見つけたのは最近のことである。命蓮寺からそう遠くない位置で、人通りのない道外れにぽつんと存在するその小屋は、ぬえのようなはぐれ妖怪にとってまさに渡りに船と言わんばかりの場所であった。普通の妖怪であればその辺りの洞窟や森の中などで睡眠を取っていたのだろうが、一度命蓮寺で屋根のある生活をしたからだろうか、ぬえはなんとなくきちんとした家屋で、枕と布団がないと寝付けないような身体になっていたのだった。
ともかく、しばらくする内にその廃屋は、まるでぬえの別宅とでも言うべき空間に様変わりすることになった。何せ時間だけはいくらでもある。来客用の寝具や、寺に保存してある食料などを勝手に拝借し、こっそりと小屋に運び込む。人目を忍んで作業を続けながら、ぬえは自分だけの秘密基地を作るような、わくわくとした高揚感を覚えていた。
何をするでもなく、のんびりと紫煙を満喫し、時間を贅沢に過ごす。これで雨が降ってなけりゃねえ、と、嘆息しながら天井を見上げる。長年放棄されていた様子の小屋であったが、思ったよりは頑丈に出来ているようで、風雨に揺られて不快な音を立てる様子も、役目を放棄した天井から水滴が漏れる様子も、今のところは見られない。誰が、一体何のためにこんな建物を建てたのか、一瞬だけぬえの胸中を疑問が掠めるが、すぐにどうでもいいかと霧散する。いずれにせよ、今この空間の主はぬえであり、そして自分がそれに満足しているのだから、それでいいのだ。
火の消えた煙管を置き、ぬえは一つ大きく伸びをして、うたた寝でもしようとごろりと床に寝転がる。と、その時、突然騒々しい音を立てて扉が開け放たれる。驚いたぬえは反射的に思わず飛び起き、声を上げながらそれに向かって身構える。開いた空間から、転がり込むようにして人影が入ってくる。
「ああん!? ……ちっ、なんだ、お前、客ならノックくらいしたら――っ!」
ぬえは早鐘を打つ鼓動を抑えて軽口を叩きつつ、素早く目線を走らせて闖入者の正体を確かめようとする。しかしそいつは有無を言わず、突如としてぬえに飛びかかってくる――!
不意を突かれたぬえは一歩も動くことが出来ない。闖入者は無言のままぬえの胸元に飛び込み、拳を振り上げ、無慈悲にそれを下ろそうとして……、二、三歩ふらふらと足を進めると、まるで糸の切れた人形のように、こちらに向かってばたりと倒れ込む。ぬえは咄嗟に両手を伸ばしてその体を受け止めるが、一切の力が抜けた身体を支えることになり、思わず大声を上げる。
「うわっ、ちょっ、お、おい! ……ああもう、一体何なんだよ!」
混乱して左右に視線を振るが、何せこの小屋にいるのはぬえだけである、誰も手助けなどしてくれるはずもない。ぬえは途方に暮れた顔で、腕の中の闖入者を観察する。……白髪混じりの黒髪の間から、二本の小さな角がその先を覗かせている。おそらくこいつも妖怪なのだろう。長い間雨に打たれていたせいだろうか、抱えた両腕から伝わる体温は恐ろしいまでに冷たく、本来なら健康的な色合いであろう唇も青色で、微かに震えては白い息を吐き出している。綺麗に整列する長い睫毛、そこから水滴がひとつ流れ落ちて、その身体を持ち上げている右手に染み込む。苦しげに呼吸する青白い顔に、何故か胸の奥がどきりとして、ぬえは大きく唾を飲みこんだ。
その妖怪は僅かに呻きながら首を曲げ、片目を開けてぬえを見上げる。何かを言いたそうに口を開くが、その瞳と真正面からぶつかることになったぬえは、反射的に思わず顔を背ける。
「って、あっ、えっと……、そう、とりあえず、とりあえず寝かせないと」
慌てて取り繕うように独り言を言いながら、ぬえはおぼつかない足取りで少年を引っ張っていく。木製の床にずるずると、水滴の跡を残しながら、なるべく慎重にそいつを横たえる。やっとの思いで重労働から解放されたところに、強風が雨粒とともに吹き込んでくる。はっとした表情を浮かべ、ぬえは急いで開けっ放しの扉に駆け寄る。そこでようやく、ぬえ自身もだいぶ濡れてしまったことに気が付いた。肌にぴたりと貼りついた服を持ち上げ、忌々しげな面持ちで呪詛を吐くと、ぴしゃりと大きな音を立てて、扉を閉めた。
「あー、おい、お前、大丈夫か」
「うっ……」
横たえた少年の枕元へ腰を下ろし、肩を揺すって呼びかける。苦しげな声を上げながら、少年は重たそうに瞳を開く。はあはあと薄い胸板を上下させながら、天井を見上げて何事かを呟いている。ぬえは身を乗り出して、口元に耳を近づけ、その小さな声を聞き取ろうとする。
「ん? なんだ?」
「……寒い」
「寒いって言ってもなぁ」
さてどうしたものか、とぬえは顎に手を当て、首を捻る。小屋の中を見渡すが、今の季節は初夏が訪れようかというところ。暖の取れそうなものは一つもない。しいて言うならば煙草用の火入くらいだろうが、こんな小さなものでは到底役に立たないだろう。逡巡の後に戻した視線の先には、ずぶ濡れになった少年が、相変わらずに寝転がっている。少年の形に濡れた床を見て、ふむと得心したように頷き、ぬえは口を開く。
「……服、脱がすよ」
「……」
「このままだと、風邪を引く」
「……俺に、構うな」
「あのなぁ。お前、人の親切を――」
「――餓鬼じゃないんだ。……自分で脱げる」
「そうかい」
少年はぬえの手を払いのけるようにしながら上体を起こし、そちらをちらりと一瞥すると、水浸しになった白い上衣を脱ぎ捨てるようにして、幼い肢体を露わにする。ぬえは一瞬だけ視線を逸らすが、すぐに焦点をその身体に合わせる。薄い皮膚にはいくつもの擦り傷や青痣が出来ており、今まで気づかなかったが、よく見ると四肢にも同じような傷痕が見受けられる。痛々しげなその様子に、ぬえはうへえと漏らしながら顔をしかめる。
「うわっ、傷だらけじゃないか。どこぞの巫女にでもやられたのか?」
「……貴様には、関係ない。それより、何か拭くものはないのか」
「……やれやれ」
ぬえはわざとらしく呟いてみせると、そのあたりに落ちていた手拭いを放って寄越す。少年はそれを受け取ると、まず顔を拭い、そして傷だらけの上半身を乱雑に拭いていく。なんとなく手持ち無沙汰になったぬえは、その様子を見ながら、少年に向かって話しかける。
「お前、名前は?」
「――貴様、この俺を知らんのか」
「生憎だが、お前のような奴は知り合いにいないし、見たこともないね」
「そうか。それは良かった。……人に聞く前に、先にそっちから名乗るのが、礼儀だろう」
「……はぁ。いちいち癇に障る奴だなぁ。……まあいい、私は封獣ぬえ。天下の大妖、ぬえ様の名くらい、いくらお前でも聞いたことがあるだろう。さあお前の番だ」
その妖怪は手を休めると、封獣ぬえ、と口を小さく動かし、少しだけ考えるような仕草を見せる。それからぬえに向き直り、吟味するように全身に視線を送る。ぬえはどこかむず痒いようなものを感じて、耳の後ろをぽりぽりと掻いた。しばらくした後に、少年がようやく口を開く。
「……別に、名乗る程の者じゃない。ただの……、しがない野良妖怪だ」
「あのなぁ」
肩すかしを喰らったような返答に、ぬえは呆れたような表情を浮かべる。肩を落とすぬえを尻目に、少年は自身のスカートに手を掛ける。雨に濡れたそれが躊躇なく棄てられると、無駄な脂肪が一つもない、細く締まった太腿が露わになる。踝から脹脛、そして腰にかけてのスマートなラインに、意図せずしてぬえの両目が惹きつけられる。両脚の合流点には、飾り気のない小さな白い下着が、僅かな膨らみを隠している。下着までもがそのまま湖にでも飛び込んだかのように、水気を吸って股間にぴっちりと貼りついており、隠された中身の形状を容易に想像させた。
おい、と呼び掛けられたぬえは、ぴくりと身を震わせ、慌てて顔を上げる。下着一つでほとんど全裸となった少年が、指でくるくると手拭いを振り回しながら言う。
「見世物じゃないんだ。あまり見てくれるな」
「……別に、見たくて見てる訳じゃない。――お前が信用できないだけだ。目を離した隙に何かされちゃ堪らんからね」
「フン。貴様こそ、そこをおっ勃てながら言ったところで、何も信じられんがね」
「なっ――」
言われて初めて、ぬえは自分の股間が熱く、充血していることを意識する。己の下半身にちらりと目線を送ると、自身の形がワンピース越しに盛り上がっているのが確かに分かった。泣きたくなるような気持ちを抑え、もぞもぞと腰を動かして怒張を誤魔化そうとしつつ、ぬえは罵声を上げて目の前の妖怪を睨みつける。へらへらと見下すような両眼に射られ、頬が熱くなるのを感じた。
「う、うるさい。怪我人は黙ってろ」
「おいおい、本当に男の裸を見て興奮しやがったのか、この変態野郎。まさか俺を襲うつもりだったのか? やれやれ、とんだ妖怪がいたものだな」
「うるさい! だいたい、この家に勝手に入り込んで来たのはお前だろうが!」
「どうだかな。案外、手ぐすね引いて俺を待ち伏せしていたのかもしれんし、なんとも言えないな」
「馬鹿っ、そんな訳あるか!」
「ハハッ、まあその様子じゃ、確かに襲われることはなさそうだな。天下の鵺妖怪とやらも、存外奥手らしい。せいぜいあとで思い出しながら、マスでも掻くんだろうよ」
「黙れ!」
変態野郎、とこちらを指してケラケラ嗤う妖怪少年を一喝すると、顔を真っ赤に染めつつ、ぬえは床を叩いて飛び上がった。奇怪な翼を一振りして、一瞬の内に少年の胸元へ距離を詰める。両手を取って上体を床に叩きつけ、少年の上に馬乗りになる。少年の手から弾き飛ばされた手拭いが、壁に当たって湿った音を立てる。ぬえは翼を広げて威嚇し、怒りの視線でそいつを見下ろす。少年は相変わらずにやにやと、薄い笑いさえ浮かべながら、怯まずにぬえを正面から睨み返す。
「調子に乗るなよ、野良妖怪。今なら謝れば許してやる」
「ハッ、誰が謝るだって? ……いいからさっさと手を離せ」
「黙れ。私は気が長い方じゃないんだ。あまり怒らせてくれるな」
「……ああ、わかった。――お望み通りにしてやるよ、この変態野郎!」
「ひうっ――!?」
言うが早いや、少年は自由な脚を使い、膝先でぬえの股間をぐりぐりと刺激する。突然のことに、ぬえは頭が一瞬真っ白になるのを感じる。少年はその隙を見逃さず、力の抜けた腕を振りほどくと、ぬえの胸元を掴み、そのままごろりと回転する。勢い余って一回転したところで、更にその勢いでもう半回転。都合二回天地が入れ替わったところで、ようやく停止する。少年は息を荒げながら、ぬえの上で勝ち誇るかのように目を細めると、ぬえの耳元に顔を近づけ、囁くように言葉を紡ぐ。生暖かい吐息が耳朶を舐め、ぬえはぞくりと背筋を震わせた。
「ただし、襲うのは俺だ」
「ふざけ、あうっ!? はっ、ば、馬鹿、やめっ、あっ、はぁっ」
ぬえは少年を押しのけようともがくが、膝で衣服の上から股間をごりごりと圧迫され、思うように力が入らない。それどころか、そこからぞくぞくとした何かが腰の中を駆け抜けていくようで、情けない声まで漏れてしまう。今や服の上からでもはっきりと分かるほど隆起した逸物を弄びつつ、少年が笑いを上げる。
「あははっ。足で押されるのがそんなにいいのか。服の上からでこれなら、直接弄ってやるとどうなるんだろうな。貴様も気にならんか?」
「馬鹿っ、やめろ、やめろよ! ひぐぅっ!?」
じたばたと暴れようとするぬえを抑えつけて、少年はワンピースを捲り上げる。そのまま無遠慮に下着を下ろすと、自身の腹部に貼りつかんばかりに勃起した、ぬえのペニスが露わになる。直接性器を、しかも勃起した状態のものを見られているという羞恥で、ぬえは耳まで燃え上がるような気がした。
少年はにやにやと、侮蔑の目で勃起した男性器を、それからぬえの潤んだ瞳を見下ろすと、転がるようにしてぬえから離れる。ぬえの頭の隅で、今がチャンスだ、という声が流れるが、その刹那、熱く腫れあがった股間に、ぴたりと冷たいものがまとわりついて、一瞬で思考が散乱する。少年が何も履いていない足の裏で、ぬえの股間を踏みつけていた。少年が裸の足で器用に撫でつけたり、指の間に挟んだり、両の足で捻じるように包み込んだりするたびに、ぬえは背筋を強張らせ、腰を浮かせ、嬌声を上げた。
「お前のような変態野郎、手を使うのは勿体ない。足で踏みつけられるのがお似合いだ」
「あうっ、やめっ、いやぁっ! はぁっ、ああっ、あぅっ、うぅ」
「やめて欲しけりゃ、お願いしますと言ってみろ」
「はぁっ、はっ、だ、誰がお前みたいな、野良妖怪なんかにっ、うぅっ」
「ふん、まあいい。二度と不埒な真似の出来んように、このまま踏み潰してやるのも悪くないかもしれん。それとな。――俺の名前は野良妖怪じゃない。鬼人正邪だ。幻想郷をひっくり返す者の名、よく覚えておくがいい」
「ああっ! ひぁっ、わかった、わかったから! はぁっ、はっ、せ、正邪、お願い、お願いだからやめてって」
「あはっ、いいねえ、堪らないね、その表情」
少年――鬼人正邪は愉悦の表情を浮かべつつ、真っ赤な舌を出してぺろりと上下の唇を舐めとった。そして自分の中指を、見せつけるように舐りとると、身体をぐっと倒して、ぬえにぶつからんばかりに顔を近づける。ぬえは顔を背けようとするが、頬を掴まれて無理矢理正面を向かされる。赤黒い眼光に射られて、ぬえはごくりと息を飲んだ。
「俺の好きなことを教えてやるよ。一つは自分が強者と思っている奴に、こうやって懇願されること」
「……そしてもう一つは、その願いにノーと答えてやることだ」
「――っ!!」
ぞっとするくらい残酷な笑顔を目の当たりにして、ぬえの心臓が大きく脈打つ。股間に今までにないくらいの強烈な圧迫と摩擦を受け、腰の奥からこみ上げる熱い感覚をなんとか堪えようとするが、絶えず不規則に与えられる刺激に耐えられるはずもない。言葉にならない嬌声を上げつつ、股間から脳髄まで駆け抜ける衝動に身を染めていく。亀頭を濡らす先走りが、足の間で湿っぽい、卑猥な音を立てた。
「うあっ、いやっ、だ、だめっ、こ、これ以上されたらっ、ああうっ」
「ほらっ、イけ、イけよ、イっちゃえって、この変態野郎!」
「あぁっ、いやっ、ちがっ、やめっ、あぅ、いくっ、ああっ、やぁっ、いっ、イくっ、イくっ――!!」
射精の瞬間、ぬえはぴんと全身を反らして、腰を震わせる。音を立てるように弾ける精液が、白い弧を描いて、ぬえ自身に降りかかった。痙攣するぬえのペニスを、正邪は面白そうに踏みつける。
「うわっ、汚ねえなあ、ホントにイきやがったよ。あははっ、凄い量だ、見ろよ、おい」
「んむ、いや、ん――っ!」
胸元まで飛び散ったぬえの精液を正邪は掬い取り、ぬちゃぬちゃと手の中で捏ね繰り回す。そのまま糸を引く右手を、ぬえの口元へと無理矢理押し付ける。ぬえは硬く口を閉じ、首を捻って逃れようとする。正邪は笑いながら、顔面へ適当に右手を擦りつける。吐き気を催すような、精液独特の青い臭いが、ぬえの鼻腔を刺激した。
正邪は自分の下着を脱ぎ捨て、硬く天を仰ぐ自身の男性器を露出させた。見せつけるようにして、二、三度ゆっくりと扱いてみせる。ぬえの精液が絡んだそれは、薄暗い光に当てられて、ぬらりとグロテスクな輝きを見せる。ぬえはひっと小さな悲鳴を上げ、首を左右に振りながら、後ずさろうと身を捩る。
「さて、当然だが、これで終わりなはずがないよな? ――そろそろ俺も気持ちよくさせてもらうとするか」
「ひぐっ、うぅ、ウソだろ、馬鹿、やめろよぉ……」
先ほどの行為の余韻のせいか、腰が抜けて立つことが出来ないので、ぬえは手足を使って這うようにして逃れようするが、しかし、正邪がそれを見逃すはずもない。丁度四つん這いの形になったぬえを、背後から覆いかぶさるように抑えつける。はあはあと荒い呼吸をしながら、正邪は早口でぬえに囁く。
「暖を取る最適の方法を知っているか? ――こうして貴様から熱を奪うのが、一番単純で簡単なやり方なんだ」
「あぐぅっ――!?」
めりめりと肛門を引き裂くようにして、ぬえの中に正邪の男根が強引に侵入する。本来受け入れるべきでない場所への、あまりの衝撃と苦痛で、ぬえは呼吸を忘れたように、ぱくぱくと口を開閉する。目の前で火花が散るような激痛に、一瞬気を失いそうになるが、正邪に襟首を引っ張られ、すぐに現実へと引き戻される。……現実は凄惨だった。見ず知らずの野良妖怪に、強引に、しかも足で射精させられ、その上無理矢理肛門を貫かれている。その事実を再度認識しただけで、頭の中が熱く焼けていくのを、ぬえは感じるのだった。
「息を吐け。少しは楽になるぞ」
「うぅ、ふぅ、ふぐっ、ふーっ、はぁっ、はぁっ、ク、クソッ、何しやが、うぅ、さっさと、抜けよ、はぅっ」
「ハハ、まあ慌てるなって。……そんなすぐにヌいちゃあ、愉しめないだろ!」
「ひぃぃっ! ちがっ、やめっ、あっ、あぐっ、う、動くなっ、あぎっ、ばっ、うっ、あぅぅ」
正邪の腰が叩きつけられる度、ぬえは堪らず苦鳴を漏らす。ごりごりと直接内臓を掻き回される肉体的な苦痛と、男に組み敷かれ、まるで女のように犯されるという精神的な屈辱で、ぬえは心臓がバラバラに砕け散ってしまったかのような、例えようのない喪失感とでも言うべきものに苛まれていた。なんで、なんで私がこんな目に――。そう考えるだけで瞳が勝手に潤んできて、またそれが情けなくて悲しくて悔しくて、ぬえは苦しそうに嗚咽を漏らす。
そんなぬえの感情など知る由もなく、正邪はぬえの中を貪るように、激しく前後運動を続ける。引き締まった若い筋肉同士が、乾いた音を立ててぶつかり合う。何度も抉られ続けた体の奥から、じーんと麻痺するような、奇妙な感覚が溢れてくる。それが頭にだんだん流れ込んで来て、何も考えられなくなる。ぬえは焦げ付きそうな脳の片隅で、この悪夢がすぐにでも終わることを願っていた。
「どうした、だいぶ大人しくなったじゃないか。雌犬みたいに犯されて、まさか感じてるんじゃないだろうな?」
「あっ、あぅ、ひあっ!? ああ、やあっ、やだっ、さわる、な、あああっ」
「うおっ、すっげえ締まる……っ! あ、あはは、こんな硬くしやがって、やっぱり感じてるじゃないか。まったく、どうしようもない変態野郎だな、お前! ほら、気持ちいいですって言ってみろ!」
背後から突かれるたびに、ぷらぷらとだらしなく揺れるぬえのペニス。正邪の指がそこに触れると、それだけでぞくりと鳥肌が立つようで、ぬえは全身を震わせ、身悶えする。腸内を犯す正邪のものも、それに合わせて一層大きく、熱を増したようだった。
いや、熱くなっているのは正邪だけではない。男根を受け入れるぬえの内側でも、今まで感じたことのないくらいに熱い何かがぐるぐると渦を巻いて、肛門からペニスの方へどろりと流れていく。その正体が快感だということに気付いた瞬間、ぬえは自分の頭の中で電撃が弾け飛び、僅かに残っていた理性や常識が蒸発していくのを理解した。
ほとんど無意識の内に、ぬえの右手が自分の股間に伸びていく。それを握りしめようとすると、既に股間を弄んでいる、正邪の左手と絡みあってしまう。ぬえがもどかしさを感じながら自分のペニスを握ろうとすると、左手も同じく、再び硬さを取り返した状態のそれを握りしめる。どちらからともなく、二人はちゅぷちゅぷと淫靡な音を立てながら、一つのペニスを扱き始める。苦痛混じりだったぬえの嬌声は、今やすっかり蕩けきった雌の声と化していた。
「ふあぁっ、なん、で、あっ、こんな、いやなのにぃ、あん、あうっっ、きもち、いいよぉ」
「どっちだ、どっちが気持ちいいんだ? ハァ、ハァ、ちんこ弄るのがいいのか、ケツ掘られるのがいいのか、さっさと答えろよ!」
「あっ、あん、ああっ、わからない、わからないよ、あうっ、ひぅっ! どっ、どっち、どっちも、きもちっ、いい、ひゃぅ、ああぁっ、あっ」
「うっ、はっ、はぁ、そうか、クソッ、イきそうだ、このまま、ふぅっ、中に、出してやるぞ、ハァ、ハァ、うぐっ、イクッ――!」
「ああっ、やっ、やめっ、そんな、はげし、いぁっ、あぅ、ま、また、でちゃう、でちゃうから、やめてっ、あぁっ――!」
今までで一番深く、身体の芯にまで響くくらいに、強く腰が叩きつけられる。身体の中で正邪のペニスが一際大きく震えたかと思うと、びくびくと脈を打ちながら、ぬえの体内に精液を注ぎ込んでいく。体の内側から火傷するような錯覚を覚えながら、ぬえも再び射精していた。がくがくと腰を震わせ、涎を垂らしながら、己の快楽の証明が、床を白く汚していくのを、恍惚とした表情で見つめていた。
「ふあっ、ああっ、いやだぁ、犯されてるのに、なんで、精子っ、精子出ちゃう、ひぐっ、いや、いやだぁ……」
絶望と快楽が綯い交ぜになった涙を流しながら、ぬえが声を詰まらせる。ぬえの尻の穴からずるりと、腸液と精液の入り混じった液体とともに、正邪のペニスが引き抜かれる。その瞬間にぬえはもう一度大きく身を震わせ、ペニスの先端から絞り出すように精液を撒き散らす。
身体だけでなく、心からも力が抜けてしまったようで、正邪が何事かを話しかけているようだが、ぬえの頭には届かない。視界の端から滲み出る黒い靄に身を任せ、ぬえは意識を手放すことにした。
「……うぅ……」
ずきずきと痛む頭を抑えつつ、ぬえの意識が覚醒する。はっきりとしない頭で起き上がろうとして、腰を抑えて顔を顰める。その痛みで、それまでの記憶がぬえの脳裏を駆け巡る。急速に頭に血が上ってくるのを感じつつ、はっとして曝け出されたままの股間を抑え、隠そうとする。自分の身体を抱きしめ、ともすれば叫びだしたくなるような感情を、大きく息を吐いて諌める。
周囲に目を凝らすと、無造作に脱ぎ捨てられた衣服や下着がそのままに散乱している。何かの液体が飛び散ったような跡を見つけて、ぬえは顔を歪ませ、思わず呻き声を上げそうになった。その痴態の痕跡の中、一人の少年が、無防備にも全裸で仰向けに寝転がっている。
……鬼人正邪だ。ぬえはゆっくりとした動きで注意深く、その様子を窺う。微かな呼吸の音をさせつつ、規則的に胸を上下させている。どうやら正邪も寝入っているようだった。
(……今のうちに殺すか)
ぬえの中の冷たい部分が囁きかける。あれだけの屈辱を自分に与えたのだから、例え今ここでこいつの息の根を止めたところで、誰にも文句を言われる筋合いはない。
そう、寧ろここで仕留めておかなければ、幻想郷中にぬえの痴態が広まることにすらなりかねない。あるいはこの生意気な妖怪のことならば、アレをネタにぬえを脅迫することくらい朝飯前でやってのけるだろう。一生こいつの言いなりになるのも、後ろ指を指されることになるのも、ぬえには耐えられそうになかった。
(それとも――それとも?)
腹が立つくらいに幸福そうな寝顔を眺めつつ、その考えに至った瞬間、ぞくり、と、ぬえは身体のどこかで歯車が噛みあったような、暗い衝撃が走るのを意識する。
――私も、こいつを犯すか。目の前に横たわった、黒い髪の毛、白い喉首、桃色をした乳首、そして今は萎えた様子の憎らしい性器へと、忙しなく血走った目線を走らせながら、ぬえは考える。それはぬえの中で非常に合理的で魅力的で、素晴らしい解答に思えた。やられたら、やりかえす。犯されたのなら、犯しかえせばいい。……例え殺すにしても、同じ屈辱を味わわせてから殺すというのは、幾分か私の気分も晴れることだろう。
目には目を、毒には皿を食って制すべし、だっけ……? かつて何かで読んだ記憶のある、うろ覚えの格言を思い出しつつ、ぬえは慎重に、正邪に覆いかぶさるように、自分の身体を動かしていく。仰向けに寝転がる正邪の耳元に手をついて、息を整える。なんとも無害そうな少年の寝顔だ。それをこれから完膚なきまでに叩き潰すのだと思うと、否が応でも胸が高鳴るのを感じる。いや、こいつは私を犯しやがった。当然の報いを受けるだけなのだ。ぬえの額から汗が一粒流れ落ちて、正邪の頬で弾ける。それを合図に、ぬえは正邪に襲い掛かった。
「――がっ!? ぐっ、は、離せ、なにしやがる!」
「よう、御目覚めかい、野良妖怪? さっきは世話になったからね、たっぷり礼をしてあげる」
「――!!」
ぬえは正邪を抑えつけ、そのまま強引に唇を奪う。正邪は一瞬呆気に取られたような顔になるが、すぐさま当然のように暴れ出し、ぬえを引き剥がそうとする。しかしもともと妖怪としての力量差はぬえが圧倒的であるし、突然の不意打ちともあれば覆しようもない。たっぷり十数秒、口付けを交わした後、ようやく逃れることが出来た。と、言うよりも、ぬえの方からもう十分だと、突き放したようであった。
「ゲホッ、ゲホゲホッ、がっ、クソがっ! この変態野郎、いきなりなにを――ひっ」
正邪は悪態を吐いてぬえを睨みつけるが、突如として青ざめると、困惑した表情で腹部に手を当てる。しかし、見たところ特になにか異常があるようには見られない。……少なくとも表面的には。ぬえは満足そうに乾いた笑いを漏らし、片手で口を拭いながら言う。形勢は既に完全に逆転していた。
「口の利き方には気を付けろよ、野良妖怪? 前にも言った通り、私は気が短いんだ」
「――なに、しやがった」
「私の使い魔を入れたんだよ。頭のいい子だからね、いきなりお前を食い破ることはしないと思うけど――まあ、お前が暴れたり、私の機嫌次第じゃ、どうなるか分からんがね」
「クソッ、ふざけ――あぅっ」
「学習能力がないなあ、お前? もっと分かりやすく言ってやろうか? 腹を裂かれて死にたくなければ、私に従えってことだよ」
「っ……!」
口付けを交わしながら、ぬえは蛇の形をした使い魔を、正邪の体内に侵入させていた。ぬえの言葉に偽りはなく、その気になればすぐにでも腹を食い破らせることが可能だった。例えそこまでしなくとも、腹の中で何かが蠢くという不快感は、果たしてどれほどのものか、想像するに難くない。
突然の宣告に言葉を失った正邪を見下ろしながら、ぬえはその周囲をゆっくりと歩いて回る。すっかり怯えた様子で小さくなった正邪の姿は、ぬえの黒い感情をぞくぞくと刺激する。背後から正邪の肩に手を乗せると、それだけでひっと悲鳴を漏らしながら、正邪が身震いする。ぬえは笑い出したくなるのを堪えながら、正邪の耳を舐めるように囁く。
「さて、まずはどうしてもらおうか? ……ああ、そうだ、とりあえず土下座しろ、お前」
「くっ、誰が――!」
「ああ、嫌なら別にいい。この場で腹を食い破られて、無様に死ね。――それともあれか、内臓をちょっとずつ食われながら、ゆっくりゆっくり死んでいくってのも、中々悪くないんじゃないかな?」
「……。わかっ、た」
正邪は唇を強く噛みながら答えると、ぬえに向き直る。せめてもの抵抗としてぬえを睨みつけているようだったが、逆にそれが、ぬえの嗜虐心に油を注ぐようだった。ぬえは唇の端が自然と吊り上がるのを感じながら、黙って正邪の行動を見つめる。正邪は肩を震わせながら、両の膝と手を床に付き、頭を床に擦りつけんばかりに下げていく。
「……すい、ません、でした」
「声が小さい」
「……すいませんでした」
「やっぱり死にたいらしいな」
「すいませんでしたっ!!」
「……ッぷ。くふ、くふふ。あは、あはは! あはっ、まあ、いいだろう。これくらいで勘弁してやるよ。あははっ、ボケッとしてないでさっさと立てよ」
とうとう堪えきれずにぬえが吹き出す。全裸の少年が目の前で自分に土下座しているというのは何よりも滑稽だった。それと同時に、自分の中の欲望が、むくむくと鎌首を擡げだすのを感じる。ぬえは正邪を引っ張って膝立ちの体勢を取らせると、その目の前でワンピースを捲り上げた。半勃ち状態のペニスが、ぽろりと正邪の目の前で露わになる。
「ほら、しゃぶれよ」
「う……」
「歯を立てたら……、どうなるかわかってるだろうな」
正邪は上目使いで、ぬえの顔とそのペニスを交互に見つめる。そして自分の腹部にちらりと目を遣ると、悔しげな表情を浮かべながら、ぬえのペニスに片手を添える。顔をそれに近づけるが、なかなか決心がつかないようで、口を何度も開いたり閉じたり、上唇を舐めたりしている。
ぬえは苛立たしげな様子で、わざと大きく響くように舌打ちをする。正邪は身を強張らせ、怯えきった様子でぬえを見上げる。それからようやく意を決したように、口を開けて、ぬえのペニスをおずおずと咥え込んだ。口の中のぬらついた熱い粘膜に触れた瞬間、ぬえは思わず声を上げそうになるのを、なんとか我慢する。
「あぐっ……、はむっ、ぐっ、んぐっ、んうっ……、んんっ、んぐぅっ」
「ほら、舌も動かしてみろよ」
「んっ、ちゅぷっ……、ちゅっ、じゅぶっ、うぐっ、じゅるっ、ぢゅるっ、んぐっ、ちゅぷっ」
「もっと舌使って、全体をしゃぶって……、そうだ、なかなか上手いじゃないか」
すっかり自分の逸物が硬くなっているのを感じながら、ぬえは正邪の口の中を堪能する。正邪の舌が別の生き物のように蠢いて、ぬえのペニスを万遍なく刺激する。確かに拙いと言える動きではあるが、瞳に涙を溜めつつ、時折苦しげに奉仕をする少年の姿に、ぬえが昂らないはずがない。
「んぐっ、うえっ、うげぇ……、ハァ、ハァ、クソッ、これで満足したか」
「どうすれば満足するか、お前も男なら分かるだろう」
「うぅ……」
正邪は嫌々という表情で、再び手と口を動かし始める。ふとぬえが正邪の下半身に目を向けると、そこにある正邪のペニスも、硬く勃起しているようだった。正邪はそれに気づいているのかいないのか、懸命に奉仕を続けている。ぬえは片足を動かすと、爪先で先端を軽く蹴って刺激する。正邪は思わず手を止め、口にぬえのものを咥えたまま唸り声を上げる。
「おい、まさかしゃぶりながら興奮してるんじゃないだろうな?」
「ちゅぷっ、んぐっ――! はっ、ば、ちが――っ!」
「あはは、チンポ咥えて勃起するなんて、どっちが変態野郎なんだろうな。そうだ、しゃぶりながらオナニーしてみろよ。しないなら、私が踏み潰してやってもいいし、ああ、その前に、中からそこを食い破るってのもいいかもしれないな。ふふん、因果応報って奴か」
「――っ!! ッ、わかった、わかったよ」
「口を動かすのも忘れるなよ」
正邪は左手を太腿の間に伸ばし、反り立った自分自身を握りこむ。ぬえの視界には、自分のペニスを咥えながら、自身のペニスを扱く正邪の姿が映っている。正邪は片方の手の指で、自身の鈴口から滲み出た先走りを亀頭全体に広げ、裏筋を擦り上げ、自慰行為を始めていた。否定できない自慰の快感に腰を浮かせながらも、懸命に奉仕を続けている。他人に自慰を強要させつつ、同時にそいつに口での奉仕をさせるという、今までにないくらい倒錯的な光景。ますます興奮が高まるのを覚えながら、ぬえは正邪の頭を掴んで、腰をその奥に突き入れた。異物を吐き出そうと動く舌や粘膜、歯の動きが、逆にぬえのペニスを刺激し、腰の奥を熱く煮え滾らせる。
「むぐーっ! んぐっ、がっ、おぐっ、ううーっ!」
「もっと頑張れよ。そうすれば、早く終わるぞ」
「んぅ、んーっ! ……うぅ、んじゅ、んっ、じゅぷっ、じゅぶっ、じゅるる、ちゅっ、じゅる」
「うっ……、ふぅっ、そうだ、やれば出来るじゃないか」
正邪は苦しげに悶えつつ、奉仕の速度を上げる。それと同時に自身の股間に伸びる左手の速度も、自然と上がっていく。ぬえは目を細めて、正邪の口の中を堪能する。熱い粘膜とどろどろの唾液で、ペニスが融けてしまいそうな快楽だった。次第に高まる射精感に、もう我慢できないとばかりに、ぬえは正邪の頭を両手で鷲掴みにすると、自分から腰を振り始める。喉の奥まで強引に犯していると、すぐに尿道を精液が駆け上ってくる。
「ああ、出るっ。このまま口の中に出すぞ、全部飲めっ」
「んうっ! んぐ、んんっ、んんんーーっ!! ――んぐっ、うっ、がっ、はっ、げぇっ、あがっ、がぼっ、げぼっ、げほっ、はぁっ、うげぇっ……」
ぬえは遠慮をせず、正邪の口の中に、思い切り精液をぶちまける。射精の快感に身を委ねながら、その眼下で、正邪も同じく、身を震わせて精を放っていた。吸いつかれるような心地よさを覚えつつ、ぬえがずるりとペニスを引き抜くと、正邪は喉を抑えて、咳込みながら精液と唾液混じりの液体を吐き出した。
精と涙と涎でくちゃくちゃに汚れた正邪の泣き顔に、ぬえは出したばかりの下半身が、再び熱く滾ってくるのを感じる。ひっくとしゃくり上げながら、涙目で正邪はぬえを見上げる。萎える様子を全く見せないぬえのペニスに、正邪は絶望したかのような表情を浮かべる。そのままぬえが正邪を押し倒しても、何の抵抗も出来ないようだった。為すがままに股を開かされ、脚を持ち上げられ、小さな窄まりがぬえの前に露わになる。
ぬえはその窄まりにペニスの先端をぐりぐりと押し付けながら、正邪の胸をまさぐる。当然ながら、全く膨らみのない平坦なそこは、ぬえにとってあまり面白みのあるところではないが、しかし僅かな桃色の突起に触れるたび、正邪が逃げるように身を捩らせるのは、いくらかぬえの気分を昂らせた。正邪は唇を震わせながら、嫌悪と恐怖の目線で、ぬえを見上げる。
「入れてください、犯してくださいって、おねだりしてみろ。出来たら、ご褒美をくれてやる。出来なかったら――」
「……入れて、ください。……うぅ、俺を、犯して、ください……」
「もう一回言ってみろ」
「入れて、くださいっ。妖怪、チンポで、いっぱい、犯してくださいっ。お願いだから……、もう、いいから、早く、早く終わらせてくれよ……」
「やれやれ、仕方ないな。淫乱変態ホモ野郎の願いだ、さっさと犯してやるとするか」
「うぎっっ、いいあああああっ! ――はぁっ、はぁっ、ちがっ、あぁっ、貴様が、言えって、はぅっ、言ったからっ、うぁっ、あっ」
ぬえがペニスを正邪に突き入れると、泣き叫ぶような声を上げて、正邪が身を反らせる。初々しい正邪の反応に、それだけで股間にますます血液が集まっていくのを感じる。とろとろに融けた粘膜が、ペニス全体を包んでいるようだった。硬く締まった粘膜の中を抉りながら、ぬえは強引に動き始める。ぬえが腰を引き、そして再び打ち付けると、太腿が引き締まった尻肉にぶつかって、くぐもった音を反響させる。その度に正邪は顔を歪め、苦しそうに息を吐く。
「うるさい。どっちにしろ、お尻にチンポ突っ込まれて悦んでるのは変わりないだろう。ほら、今どこに何が入ってるんだ? うまく言えたら、それだけ早く終わるかもな」
「うぅっ、はぐっ、あっ、いぎっ、ち、チンポ、変態妖怪チンポがっ、あうっ、俺の、俺のケツに入って、えぅ、はがっ、あっ、あぅぅ、いっ、いっぱい犯して、ああっ、はうぅ」
「なんだ、いっぱい犯してほしいのか? 自分からおねだりするなんて、恥ずかしいと思わないのか、この変態クソホモビッチ野郎」
「ちがっ、ちがぅ、ちがうぅ、うぁ、あっ、あぅ、あうぅ!? やぅ、そっ、そこ突かれたらっ、あっ、あん、あぅっ、だめ、だめだからっ」
「そうか、ここがいいのか」
正邪の中にこりこりとした部分を見つけ、ぬえはそこを擦るように、重点的に責め立てる。擦り上げるたびに、どんどん正邪の声が艶めかしいものに変化していく。股間に目を落とせば、さっきまで萎んでいた正邪のそれは、再び硬く天を仰いでは、ぬえが突くたびに先端を揺らし、そこから透明な露を垂れ流している。ぬえはだらりと投げ出された正邪の手を取って、先走りでとろとろになった腹部に押し付ける。それからその手を、正邪の目の前に見せつけるように突き出す。
「ほら、見ろよ、お前。犯されてこんなに感じやがって。ほんとは私に犯されたくてこの小屋に入ったんだろう?」
「あうっ、あっ、あっ、あぁっ、やぁ、ひぅっ、あっ、あっ、あうぅっ」
半ば焦点の合っていない瞳で、正邪は自分の指先を見つめる。呆然と指先を動かすと、絡み付いた粘液が、ぬちゃりと音を立てて糸を引く。最早為すがままと言った状態で、ぬえが肛門を突くのに合わせて、細い喘ぎを漏らすことしか出来ない。生意気な妖怪を心身ともに屈服させたという、残酷な達成感がふつふつと沸いてくる。
「犯されて気持ちいですって、言ってみろ」
「あぅ、あっ、あん、チンポ、チンポに犯されて、ひぐっ、あっ、あっ、き、気持ち、いいで、す、あっ、うああっ、あっ、あぁっ」
「ああ、いいねぇ。聞き分けのいいコにはご褒美をやらないとね」
肉欲と征服欲が同時に満たされていくような気分だった。挿れたばかりのときは狭苦しかった肛門の中も、ぬえと正邪の分泌液で、今や動くたびにちゅぷちゅぷと水っぽい音を立てんばかりとなっている。ぬえは正邪のより深くまで侵入しようと、上体を倒す。正邪はだらりと舌を投げ出して、潤んだ瞳で蕩けきった表情を曝け出している。上気した息遣いを間近に感じつつ、ぬえは腰の動きをだんだんと早めていく。
「ほら、出すぞっ、もっと、尻の穴、締め付けてみろっ」
「ひぎぃっっ! あっあっ、あぎっ、そんな、はげし、くされたらっ、あぅぅ、ひっ、いっ、いっちゃう、から、あぅっ、ひぃっ、ひんっ」
「うっ、はぁっ、はぁっ、出すぞ、尻の中に出すぞっ、全部出すぞっ――!」
「あぅ、あん、あっ、あっ、やっ、いっ、いくっ、いくぅっ、あっ、あああああああっ――!」
自分の胸、そして顔に届かんばかりに、正邪が勢いよく射精する。その精液は、正邪自身だけでなく、身体を密着していたぬえをも白く汚していく。きゅうきゅうと搾り取るような肛門の動きに、堪らずぬえも射精した。身体の中の滾りを白い迸りに変えて、すべてを正邪の中に注ぎ込む。びくびくと痙攣しながら、最後の一滴に至るまで、正邪の中に放ったような気がした。
ちゅぷり、とぬえがペニスを引き抜くと、そのままの形に広がった肛門から、どろりと精液が流れてくる。そしてその奥から、身をくねらせて出てくる物体がある。……他ならぬ、ぬえの使い魔である。ぬるぬるとした粘っこい液体に覆われて出てきた蛇のようなそれは、その衝撃で腰を震わせ、ぴゅると精を漏らす正邪の股の間でとぐろを巻くと、そのまま虚空へと溶けるように消えていった。
ぬえは自分の顔にかかった正邪の精液を掬い取り、ぺろりと舌を出して舐め取る。むせ返るような、濃厚な雄の味がして、頭がくらくらとした。
「……ふぅ」
ぬえは何かを成し遂げたとき特有の、心地よい疲労感を身体に感じながら、正邪を見下ろす。正邪は完全に放心した状態で、四肢をだらりと床に投げ出している。臀部からは精液が垂れ落ちて、床に淫らな染みを作っている。顔に表情はなく、虚ろな瞳でどこかを見つめており、精液の跡の生々しい、薄い胸板だけが微かに上下して、その生を示している。
(……少し、やりすぎたかもしれないな)
全身に漂う気怠さの中で、ぬえは胸のどこかが僅かに痛むのを感じながら、頭をぽりぽりと掻く。しばらくして、正邪がゆっくりとした動きで体を起こそうとする。その目線がぬえと合って、ぬえは内心を気取られないように険しい顔を作りつつ、先手を取って口を開く。
「なんだ、おい」
「……貴様、俺を殺すのか」
「――殺されたいのか?」
「……俺に、選択肢はないだろう? ……俺はお尋ね者なんだ。貴様もあいつらと同じように、俺の賞金首を狙っているのだろう。……精々手柄にして語ることだな」
「賞金首? お尋ね者? 一体何の話だ? ……まあ、お前を襲ったのは、その、なんだ、お前が先に私を襲うからだ。だから、お前が悪い。それだけの話だ」
「……まさか、本当に俺のことを知らんのか」
「だから、お前など知らんと言っているだろうに」
正邪はやれやれといった様子で大きく息を吐く。のそのそと起き上がって服に袖を通しつつ、ここに至るまでの顛末をぽつぽつと語り始めた。曰く、少し前に正邪が異変を起こし、失敗したということ。曰く、それから逃走生活を送っていたが、とうとう指名手配され、お尋ね者になったということ。曰く、賞金狙いの連中と戦いながら、負傷した身体でこの小屋を見つけ、転がり込んだということ。存分に正邪の主観の入り混じった話ではあるが、大筋はぬえにも理解できた。
「ふうん。なかなか面白い話だな」
「……話さなければよかったか。……それで、殺すのか」
「そんなに死にたいなら、いつでも殺してやるよ。もう一度聞くが、お前、死にたいのか?」
「殺さないのか? 俺を突き出さないのか? 幻想郷の反逆者であるこの俺を? それとも、さっきみたいに俺を無理矢理手籠めにする気か?」
「だから、あれはお前が悪いからだって言ってるだろう。……別に、お前の手助けするつもりはないよ。ただ、幻想郷を支配したつもりで気取ってる連中が気に入らんのは私も同じだ。お前如きにひっくり返せるとは思わないが、まあ精々足掻くといい」
「……そうか。なら、俺は行くぞ」
「ああ、勝手にするといい」
「――まあ、俺が幻想郷を支配した暁には、お前を一番の肉奴隷として使ってやろう。せいぜいその日を楽しみにするといい。……さらばだ」
捨て台詞を残して、正邪は扉を開けて飛び立った。正邪が去った後、誰もいない小屋の中で、ぬえは自嘲するように唇を歪める。
遥か千年以上昔、外の世界で時の皇帝に刃向った妖怪がいた。彼は世に対する反逆者として様々な退治屋や祈祷師と戦い、その悉くを煙に巻いた。しかし最終的には、力及ばず地底に封印されることになる。他ならぬ、封獣ぬえ自身の過去であった。
ぬえは熱っぽく反逆の正当性を語る正邪に、どこか昔の自分を見るような、一種の懐かしさを感じていたのかもしれない。ぬえが幻想郷を支配している連中に良い感情を抱いていないことを確かだが、それだけで幻想郷を転覆させようなどとは、考えもしなかったことだ。――あるいは、千年前の私ならば、あいつと一緒に幻想郷をひっくり返そうとしていたのだろうか?
外の雨は既に上がり、窓からは初夏の眩い陽光が室内に射している。答えの出ない問を諦めて、ぬえは大きく背筋を伸ばしつつ、もう少し惰眠を貪ることにした。
左肺ふっ飛ばして人体改造してたのでロスタイム理論で24日です
6畳一間に中学生男子の組を放置していつホモセックスするか観察したい…観察したくない?
正邪くんとぬえくんのナチュラルショタラブホモレイプセックス絵を見たいので投票しよう(ステロイドマーケティング)
HJ
https://twitter.com/H4rdJu5t1ce
作品情報
作品集:
10
投稿日時:
2014/05/25 00:48:35
更新日時:
2014/05/25 09:48:35
評価:
7/8
POINT:
720
Rate:
16.56
分類
産廃創想話例大祭B
正邪くん
ぬえくん
ナチュラルショタ化
ホモレイプ
一転攻勢
一転攻勢
行きずりのホモレイプ♪ 攻守交替まである☆
枯れた元・反逆者と、反抗期真っ盛りの若き現・反逆者の邂逅。
この後、若者はどうなるのだろうか。ズリネタよりもアツくなれる夢を老人は見るのであった……。
見えない?
ぬえ君はどうしてこうマゾ臭いんだろうね。
正邪イラマはとても良かった
また二人は交わる日は来るのでしょうか。