１０パーセントオフ

「魔理沙にこれあげるね」

「霊夢が私に何かくれるって珍しいな」


　魔理沙は特に考えもせず受け取ってしまった。

「なんだこれ？」

「なんだって、クーポン券よ」

　魔理沙がもらったのはクーポン券だった。そして、その内容は魔理沙がこの後セリフで言うことになる。

「虐待や拷問された時に痛みが１０パーセント軽減されるってどういうことだ？」

「そうね？　指１０本切られるとするじゃない。そのクーポン使えば小指は残して貰えるの。良かったわね」


　なにが良いのかなんて、人それぞれだけど。酷い目に合うこと前提のクーポン券を貰うなんて単にこれから酷い目に合う片道切符に過ぎない。

「じゃあ、貰った１０枚全部使えば完全に拷問や虐待から逃れることが出来るのか？」

「それは、無理ね。１回につき１枚しか使えないわ」

　つまりこれから１０回は酷い目に合うということだ。

「……それで、今このクーポン券使えるか？」

「ええ、使えるわ」

　魔理沙は霊夢にクーポン券渡してみた。

　

　だって、霊夢はもう準備が出来ていたから。