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『フランはコレクション的な感覚』 作者: ギョウヘルインニ
昼下がりの午後とかいう自分の趣味を語るには丁度良い時間の紅魔館の地下室でのこと。
「お姉様、新しいアンモナイトの化石を手に入れたの見て頂戴」
フランは、両手に抱えきれない程のサイズがあるアンモナイト取り出してレミリアに見せた。
「見事なアンモナイトね。結晶化して宝石みたいね」
今紅魔館では、化石を集めることが流行ってた。始めのきっかけはフランが嫌なことがあって地下室の壁を思い切り叩いたことだった。
その破壊行為で石造りの壁は壊れ岩盤が剥き出しになった。するとその岩盤に貝の化石がはいっているのをフランは見つけたのだった。
何かこう、ずっと閉じ込められて居る物に親近感を感じてフランはそれを採取してレミリアに見せたのだった。レミリアは、化石に今まで興味が無かった。しかし、レミリアが持っていないものが、フランの手にあることに激しい嫉妬心を感じた。
だから咲夜に命じて、凄い化石を採ってこさせて対抗したのだった。それから、この2人を中心に化石集めが流行ったのだった。
ちなみにこの話のオチはフランが紅魔館の地下を掘りすぎて地盤沈下起こして紅魔館ごと生き埋めになり化石になってしまうわけではない。生憎吸血鬼は灰になるのは得意でも石化は専門外だった。
「どう? 凄いでしょう? お姉様はこんな凄いの持ってないでしょう?」
「鑑定価格的に100兆ジンバブエドル位?」
「100兆マルクってパチュリーが言ってた」
ちなみに化石のレア度及び鑑定価格は全てパチュリーが行っている。正直適当だった。はじめにフランが見つけて来た化石は50円が3つと40円が6個。
「100兆マルク? 甘いわね。お米をずっと口の中で噛んでるくらい甘い」
「じゃあ、お姉様はもっと凄いの持ってるの?」
その言葉をレミリアは待っていた。今日のために咲夜に命じてすっごいのを準備していたのだった。
「ええ、持って居るわ」
「どれ? 見せてよ。本当は持って無いのに見得はってるだけじゃないの?」
見栄なんかじゃない。レミリアはポケットから1枚の硬貨を取り出した。
「穴無し5円よ」
「え? 化石じゃ無いの?」
「化石だけがコレクションってわけじゃないわ」
「コイン1個……」
化石がブームということを隠れ蓑にして、その財力に物言わせレミリアはフランの持っていないものを準備していたのだった。
「これで、どれだけのガソリンが買えると思う?」
「え? ガソリン? でも、ガソリンの一滴は血の一滴じゃなかったっけ?」
「あなたは、分かっていないは。パチェ曰く。これで、1デシリットルも買えるのよ」
「血液100滴位? 凄いね」
フランは既に魔理沙を啜っているからその価値に驚いた。魔理沙の血液に換算したら1デシリットルは単行本10冊くらいの価値はあるだろう。(某ブック某中古買取価格)
「国会議事堂が素敵でしょ?」
「素敵ね。お姉様。私なんかデザインの格好悪い今の穴なししか持って無いよ」
「え?」
この話のオチはレミリアがフランに嫉妬して高い買い物しすぎて破産するわけではない。
「真ん中に紐が通せなくて保存しにくい」
「フランはお財布を持っていないの?」
レミリアだって、お財布くらいは持っている。それも、咲夜に作ってもらった牛皮の格好良い奴だ。もちろん、宝物で価値はプライスレスで無くしたり壊したりしたら多分誰にも見つからないところで泣いちゃう。かわいそうだから、レミリアのお財布を拾ったりしたら交番に届けてあげよう。
「お財布と預金通帳と判子は全部妻に預けているんで」
「そうだったの」
フランの話にレミリアは反応しなかった。フランの嫁って誰なんだろうとレミリアは逡巡したが今はその5円のせいで嫉妬に狂っている。
「面白く無かった?」
「まあ、そうね。じゃあ、50円あげるからその5円頂戴。保存しにくいのでしょう?」
「え? 50円と交換? これ5円だよ。鯉も食べない」
鯉のエサ10円。最近は100円。
「可愛い妹が苦労しているのだから45円位出すわ」
「良いの? ありがとう。じゃあこれ」
フランはそういうと、例の5円を取り出した。
「え? これは」
「そう、ここに銀玉が詰まっていて。取れないの」
表面が銀製品だから取れないというわけではない。あれは土くれだ。美鈴が気の力を使ってここに埋め込んだ気がする。これが、私の実力ですよ妹様とか言ってたらしい。なお、変形や溶かしたりしているわけではない。
「そ、そうね」
「お姉様ありがとう。この50円はワクチン接種の案件に募金しようと思う」
フランは気がふれていた。だって、恵まれないところに着古した服や靴を送っていたのだった。もしそれを、売ったらもっと恵まれないところを救えるのに。気がふれているから。
「フランは偉いわね」
でも、レミリアはそういいながらも眼は死んでいる。45円で5円のチョコが9個も買えたのだ。掛け算をこの間勉強したから分かる。
そうだ。この敗北、敗戦を悔しく思う。チョコが9個も買えたのだ。チョコが9個も買えたのだ。チョコが9個も買えたのだ。そんなに食べたら虫歯になってしまうくらい幸せだったかもしれない。
「お姉様」
「……フラン。ちょっと、急用を思い出したわ」
「え?」
「明日はもっと、いいもの見せてあげるわ。フランも精々頑張ることね」
「あ、うん。わかった」
レミリアはまだ負けたわけじゃない。戦いは始まったばかりだ。頑張れレミリア、頑張れレミリア。きっと、咲夜が合成樹脂を固めた素敵な人形を持って帰って来てくれることだろう。
フランは知っている。物やお金にばかり価値が在るのではない。大事なのは心だということを。明日になったら、レミリアは凄く高い物を持ってくるだろう。
だから、明日になった紹介しようと思う。妻の霊夢を。レミリアは二人の関係を祝福してくれるだろうか。それとも、お赤飯だろうか?
アンチョビの骨を見ながらかきました。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2014/09/05 13:20:13
更新日時:
2014/09/05 22:36:07
評価:
5/6
POINT:
530
Rate:
15.86
分類
レミリア
フラン
そんなセリフを吐く俺は今、どうぶつの森をやっているのでした