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『知らないと言う罪と知りすぎる罠』 作者: 狭間レヴィ

知らないと言う罪と知りすぎる罠

作品集: 11 投稿日時: 2014/10/02 07:17:10 更新日時: 2014/10/02 16:17:10 評価: 3/4 POINT: 330 Rate: 14.20
「同人は儲かる」
 またこれだ。タイムラインを賑わす話題がこの話題になると下手糞な絵描きが喚く。その話題に群がる蟲のような人もいっぱいいて嫌なんだ。僕が憧れている有名な絵描きさんはその話題には触れない。フフンとした顔で気取っているように感じた。自分が儲かっているから、勝ち組だからだろう。劣等感、嫉妬色んな感情が湧き上がるが有名絵描きという免罪符が僕の感情を帳消しにしてくれる。ああ、すごいなぁ。心の芯から憧れてしまう。
僕は同人活動をしている。本を二冊出した。両方とも、僕が憧れている人が好きなキャラが登場する。売り上げは小説本だから悪い。赤字であるが同人活動を心から楽しんでいる、自己満足だけどそんな気がする。
どうして、同人をしているか、それを考えると憧れている人と同じ地位になりたかったり、近づきたいからだろう。

 僕は少しずつ近づけている。でも、自己承認欲求はどんどん大きくなる。自分の作品を書いて投稿すると他人からの評価を気にしてしまう。
なりきりや無断転載で承認欲求を満たしていた僕が同人をする理由は憧れているあの人と仲良くしたいから。浅い考えで始めたことだ。見ているだけの存在だけで終わりたくなかった。
 今、僕がどういう立場にいるか。これを考えるだけで虫唾が走る。
そう嫌悪を感じられただけ幸福だった。


 ある日、僕の世界は変わったのだ。ファンタジーやサイエンスフィクションではない。
 これは僕の幻想かもしれない。
 いや、何かズレたようだ。ネットでの窮屈な人間関係、自分以外が作る作品の作風、それに、同人という概念まで変わった。
 同人とは……同じ趣味や志をもった人々や団体のことである。しかし、今の同人は何か違う。
慣れ合い
顕示欲
ヒト、貴重な女
東方というコンテンツが作り出したピラミッド
コミュニティ
セックス、同性、コスプレ
構ってちゃん
憎しみを含めたいくつかの負の感情
腐った果実を求むる欲望
根本的人間同士が求め合う物質上には無い物
新たに誕生し完成された東方に似た同人コンテンツ
エトセトラ、エトセトラ……。
 今、僕は幻想の世界が変わった……壊れた日から生きている、同人をしている生き物として存在している。
 
 壊れた日のことをちゃんと話そう。
 東方は雌が気象で雄が密集するコンテンツである。雄たちは雄の中でも雌となる存在を生み出す。また、亜種として架空の東方キャラクターを両性具有にさせることから発展されたホモ、同性同士の肉体関係のプロセスを作り出した。
 僕はその禍々しい東方というコンテンツの中にある歯車であったホモという部品の間に紛れた蟲としてホモセックスをした。
 相手は同人サークルを運営しているコスプレ女装男子である。
 そこで、僕は同人の負を肉体同士が交わる中で感じてしまったのだ。現在、同人で活躍している人はそんなこと、同じ趣味を持つ同性と肉体関係を行わなくても理解しているだろう。
 自分は幼かった。だから、絶望に似た何かを味わった。
 ただ友人を自分の部屋に一泊させたことが過ちだったのか。その中で彼から目を離して彼にコスプレさせる時間を与えてしまったことが間違いだったのか。

 コスプレ女装をしていた彼の煽り立てる姿を脳で記憶し貪るように見た。五感が彼を意識していた。
 コスプレをしていたキャラクターは豊郷耳神子である。
 憧れている絵描きさんが好きだったキャラ、その繋がりから僕の思いが大きくなってしまう。心にはキャラクターへの侮辱、女装から漂う下品さや汚さは無かった。
 ベッドの上に座って、性欲を引き立たせ煽り立てる姿。僕のことを誘っているような姿。
 ネットの同人の友人として付き合っていた同性が自分の部屋に憧れたキャラクターの姿をしていた。
 理性が崩れた。ドロドロになった理性は性欲を中心とした本能に溶けて混ざる。
 神子の隣に座り、チョコレートのように甘ったるい粘りのあるモヤモヤした空気を味わった。
「かわいいよ……」
 口が勝手に動いた。手も動き、相手の太ももに指を絡ませる。僕は顔を近づけて、意図を察し目を閉じた神子も顔を近づけた。近づきながら目に見える、つけまつげや黒くどっぷりとしたインクに塗られたメイクを施された目だった。
 僕は唇を重ねた。
 甘い蜜と舌がねっとり……ねっとり……。
「ちゅぶぅっ……くちゅぅぷぱぁ……」
 音をたてる仕草や舌から伝わる熱。
「はぁむぅん……ぅんふぅん」
 舌の重なりと絡み合いが僕の興奮を更に増していた。
 長いキスを続ける。僕の前にいる豊郷耳神子は唇を舌で美味しそうに舐める。官能的な唾液の輝きが美しく見える。見えてしまうのだ。僕の二つの瞳からは理想的な対象に見える。正面に向き合うと意思が通じ合ったのか、スカートを僕に見せるようにすっと上に上げる。そこには、ペニスがあった。の目を見ると恥ずかしさが伝わる目つきと何かをしてほしいという目が僕に向けてくる。
 僕は、必死に手と口を使って、舐めて、弄っていた。少し硬く太いソーセージみたいな感触を舌と口内で愉しむ。先からトクトク、トクトクと我慢汁が溢れる。何とも言えない味の体液が僕の喉を通っていく。
 相手を気持ちよくする行為であるフェラは最初から自分の欲求と感情を押し曲げる行為に変わっていた。僕は今までの東方に向けての概念を押しつぶし、新たに歪んだ概念を作り出していた。
 美味しい、美味しいと何度も自分に言い聞かせるように呟いてしゃぶる。彼女は必死に喘ぎを我慢しているが声を漏らしてしまう姿が僕を興奮させる。
 これは僕が求めていたモノ。
 フェラを途中で止め、交代する。今度は神子が僕のペニスをしゃぶる。
「じゅぅじゅぽっぅ〜〜ッ」
 ひょっとこのように下品な顔をしながら貪る。こっちをいやらしい目でじっと見てくる。僕のペニスはそれに共鳴するように刺激を与えられ、腰が引けて、口から声が漏れてしまう。
「あっぁっ、すごぉっ♪」
 喜んでいるのと耐えることの出来ない痛みに似た気持ちよさが頭の中で響いてくる。
 こっちをチラリ、チラリと感じている姿を貪るように見ている彼女は卑猥な音を立てて僕のチンポを吸っていた。
「ぁあッ、イク、真っ白になる♪」
 腰を前に突き出すように彼女の口内にチンポをそり上げるように出した。自分の今まで溜まっていた感情が吐き出されるのがわかる。膨張していた先端から彼女も女の子のように綺麗な顔を歪めて吸って飲んでいる。
 その後、容赦なく舌をクリクリと尿道付近を舐めとっていく。痛みより気持ちよさが前のめりになっているから快楽が頭の中に流れ出て射精後の陰茎がまた元の形に戻っていく。半分勃起した状態を維持させると彼女は僕に話しかけてきた。
「気持ちよかった?」
 今思い出すと声は男声であったがあの時の僕は気にも留めなかった。
「気持ちよかったです……」
「そっか、そっかぁ……」
 休憩なのだろう。お互い口を開いて本音みたいな物をポツリ、ポツリと話し出す。何を話しただろうか。同人の黒くて触れちゃいけない部分、よく覚えていないけど……。
 よく覚えてないけど。本当は覚えているけど、けど、けど……。知っているんだ。僕が憧れている絵描きさんは、絵描きさんは、色んな人を踏み台にして今の地位を確立した……と、あの人は悪人だ、あいつを信じてはいけない……と。いや、これは真実なのか、目の前にいるキャラクターの恰好をした人間の妬みから創り出された嘘なのか、はたまた、僕が女装ホモとセックスをした報いなのか。
 ただ、ああこれが話し終わったら本番をするんだな、と言う心が湧き出して締め付けてくる。これは締め付けなのだろうか。さっきまで自分の精子を飲んでいた東方の憧れていたキャラと本当のセックスを楽しめるのだ。
やれ、犯せ、ローションを手に付けろ、また勃起し始めたチンポに付けろ、そんな言葉が頭に響くんだ。身体が変身していく。脳が紅く染め上げられる。怒りなのだろうか。憤怒に似た性欲が湧きでていた。僕はそれから、本番をしたんだ。
 ストレスをぶつけていたんだ。
 まず彼女が持ってきていたローションを手に取ってネバネバした液を手に付けた。座っている彼女のスカートに、もう片方の手で捲り多分開発されているであろうアナルにローションの付いた三本の指でグニグニと広げた。臭くはなかったからシャワーで洗浄していたんだろうね。
「いいよ」
って何回も言ってる彼女はかわいいんだ。彼だ。彼女ではないね。股間が膨れていた。
 ある程度慣らすと自分のを入れたくて、ぐっと腰を近づけた。顔を見たら笑っていた。求めていた。僕の感性だから分からないけど欲しがってた。僕は挿入してピストン運動をした。
 よく漫画であるパンパンって感じじゃなくて途中で抜けてまた入れ直しをしたりした。途中でローションを勃起していたアレに垂らして渇きを防いだ。また犯した。
 果てないと思っていた自分にも限界がきた。二回目だからか。少し痛みを感じた。
「射精する、イク、あかぁっ、イクぅ」
「いいっ、イって! 神子のアナルに射精して!」
 果てた。何も考えないでストレス発散のように精液を出した。彼も満足していた。射精やトコロテンなんてしていない。でも満足しているように見えるのだ。
「メスイキしちゃったよ。ねぇ、またやろうね」
 そんな台詞を男が擬態した僕の好きな、僕の憧れた人が好きなキャラの口から発せられる。
 殺意。
 こいつも構ってちゃん。
 みんな承認と自己顕示
そんなくだらないけど僕には関係があって複雑に絡み合ってる。世界が逆転し、全てが崩れて終焉が来ることを祈っている。
 僕は変わった。
 マックザナイフがどこからか流れる。
 三文オペラが僕を喜ばす。


Oh, the shark has pretty teeth, dear
And he shows them, pearly white
Just a jack-knife has MacHeath dear
And he keeps it out of sight



 さよなら、東方同人。こんにちは、東方同人の闇。
同人の闇を愛するあなたに祝福を

同人の闇を憎むあなたに祝福を

ところでマック・ザ・ナイフをご存知?
狭間レヴィ
https://twitter.com/luxitia_913
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2014/10/02 07:17:10
更新日時:
2014/10/02 16:17:10
評価:
3/4
POINT:
330
Rate:
14.20
分類
CJD
ホモ
豊聡耳神子
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
0. 30点 匿名評価
1. 100 レベル0 ■2014/10/03 01:18:37
レヴィさんキター!!
ちょっと久し振りにここにきたのですが思ったよりも更新されてなくて少し寂しいですね……。
てかタイトルがブレイドネタで 笑った
2. 100 名無し ■2014/10/03 22:43:21
ホモの闇は深く、しかし近い
4. 100 名無し ■2014/10/24 16:04:57
闇となんかさようならしたい!!!!!!やだ!!!!!!やだ!!!!!!!!!!!!!やだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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