TRICK or TREAT

「TRICK or TREAT　お菓子をくれてもキモイから殺す」
「いらっしゃいませっす。フランドールさん」
「で？お菓子出してから殺されるの？それとも殺される？」
「もちろん、今日は楽しいハロウィンっすからお菓子出すっす」
「汚い手で、お菓子出さないでよ。その眼、潰すよ」







　戸隠はその日、お菓子を準備して待っていた。

　なんのお菓子？

　・・・仮装した可愛い女の子達のためだ現金に違いない。





「でも、戸隠は作者っすから。殺せないっすよ」

「調子に乗るなよ。糞作者」

　かわいらしい声なのに物騒なことを言うフランドールは戸隠のことをキッとにらみつけた。

　まるで、吸血鬼のような眼だ。フランドールは吸血鬼の仮装をしていたのだった。

「え？今のフランさん？」

「どうしたの？キモイの。死ぬの？」

「だから、戸隠は種族作者で死なないっす」

　作者が死んでしまったら作品が作れず投稿されないから、作品が投稿される以上作者は不死なのだ。

「本当に死なないと思って居るんだ。おめでたいね」

「フランドールさん？」

「だったら、私に反撃のTRICK or TREATして見なさい。私は戸隠にお菓子はあげないから」

　この雰囲気は調子に乗ったレミリアに似ていた。見た目は似てないがやはり姉妹なのだろう。

「え？もしかしてそれって」

　フランドールはお菓子をくれない。だったら、戸隠はイタズラしないといけない。

　幼女相手にイタズラだ。戸隠は社会的に死ぬだろう。

「戸隠が小学生だったら友達と遊んでるだけってことで言い逃れできたのにね」

「じゃあ、戸隠は小学生っす」

「何を言って居るの？ここは１８歳未満は閲覧することすら禁止されているのよ」

　フランドールは気が触れている。

「そんな、酷いっす。戸隠はまだ死にたくないっす」

　ここは幻想郷、でも作品が投稿されるのは厳しい現実だった。

　戸隠はこんなの嫌だったので話が変わる。



「TRICK or TREAT　いたずらされるか、お菓子を頂戴」
「いらっしゃいませっす。フランドールさん　お菓子っすね。はいどうぞっす」
「わーい、ありがとう」
「今日は楽しいハロウィンっすからお菓子出すっすよ」
「ところで、戸隠はなんで上下黒のスウェットなの忍者の仮装？」

　これは戸隠の民族衣装っす。上下黒で、敵の目を欺くっす。

「そうっすよ。戸隠は忍者っす」

「じゃあなんか、面白い事やって」

「え？面白いことっすか？？」

「うん、やって」



　戸隠の考える面白い事�@

　戸隠はポケットからアスパラガスを取り出して前歯だけで噛み食べ始めた。

「・・・むーちゃ、むーちゃ、ちあわせ〜っす」
　
　これで、戸隠はゆっくりできるね。

「・・・10点」

「それって、どういう程度の面白さっすか？」

「もっと、面白い事やって」




　戸隠が考える面白い事�A

　戸隠はポケットからミニ八卦炉を取り出して構えた。

「マスタースパークっす！！」

　うえええぇぇぇぇええええええｎ！！！１

　射線上のありとあらゆるものが消滅何も残らない。

「弾幕はパワーダゼっす！！」

　まるで、魔理沙のような動作で戸隠はそんなことを言ってしまった。もうだめだ。

「どうっすか？　魔理沙さんの真似っす」

「…4点」

「え？　下がった」

「うん、そんな程度だった。それに、いくら魔理沙でもここまでの威力無い」

　戸隠は無駄にサイキョという設定だから、マスタースパークもサイキョだ。
　
　ざねだたね。

「どうすればいいんだぜっす」

「きゃはは、似てないし」

「あ、笑ってくれたっす。良かったっす」

「・・・コレ、笑ったんじゃないし。苦笑いだし」



　戸隠が考える面白いこと�B


「てか、まだ続けるの？」

「え？っす？？」

「戸隠の話つまんない〜」

「そんな」

「それに、チョコパフェまだ？戸隠の話つまんない〜」

「え？フランドールさんなんのことっす？」

「さっき頼んだ奴、戸隠の話つまんない〜」

「酷いっす」

　だって、戸隠は作者だもん詰まんないって言われたら涙がでちゃう。

「そう？あ、絶望したその表情は満点！」