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『わたる世間はおっさんばかり 2』 作者: 戸隠
「お、お、お、おじょうじゃん。かわかわいいね。」
「え?おじじだれ?」
「えへ、えへへh、ええええ。お母さんのちょもだちだ、だよ」
「・・・変態に会ったら。大声で叫べって言われてるの!!きゃーーーーーーーーーー!!!!korosare!!!」
「待って、おじ、お兄さんは変態じゃないよ」
「え?違うの?」
「そうだよ。お兄さんは、お、お、お菓子あげるんだな」
「お菓子?」
「s、そう、お菓子sぃ!」
魔理沙宛てに手紙が届いていたので読んでみようや。
え?あんちゃん勝手に読んで良いっすか?
なんや、戸隠は珍しく魔理沙宛に届いた手紙に興味ないんか?
どうせ、広告のダイレクトメールっすよね。
それが、ちゃうんやなコレ脅迫状やで?
え?
『・・・性的暴行を加えた後で申し分けないが、魔理沙の子供は預かっている。精神的に色々まだ小さいから、ケアすれば心の傷は治るんじゃないの?金貨100枚で交換してあげるよ。おじ、お兄さん待ってるからね。金貨は寺子屋の階段の下の物置に入れておくようにね。PS・早くしないと魔理沙の子供はもっと酷い眼にあうよきゃじゃじゃじゃあじゃじゃ』
「金貨100枚って2年前のアメリカドルに換算して100万ドルじゃないっすか」
「おい、私の子供見なかったか?最近見かけないんだ」
「最近ってお前」
「あんちゃん、魔理沙さんは放任主義っすから。おっぱい飲まなくなってからは自由に生きさせているっす」
・・・10点で、ミルクの缶が1個買える。月に子供は2缶ミルクを消費する。470点であれ?
「なんだよ。あんちゃんも私のおっぱいが飲みたいのか?哺乳類は妊娠して出産しないと出ないんだぜ。分かるよな?」
「魔理沙はなにゆうてんのや?」
また出来ちゃったの。四人目が出来ちゃったのぜ。ぽってパターン狙いの財産目当の。
でも、ワシそんなに財産ないで。
結婚したら、鉱山に送られて死ぬまで働かせられっるす。
あぶないやっちゃな
「で、孕ませるのが孕むのか決めたか?」
「魔理沙さん、それどころじゃ無いっす」
「なんだよ。咎糞は黙ってろ」
「待って、ほしいっす、コレを読んでほっしいす」
「何々、・・・金貨100枚?」
「そうっす」
「餓鬼1人で金貨100枚か。コレはビジネスチャンスだぜ」
非道と外道の間に生まれた少女が生きていくための術は邪道である。餓鬼1人が金貨100枚で売れるならば積極的に子供作って売れば良いんだぜ。
目の前には雄がいるから子種にはことかかない。
もっとも、咎糞は頭数に入らない
「ビジネスチャンスじゃないっす。魔理沙さんの子供のピンチっす」
「せやで」
「あのなぁ、私の子供だぜ。あいつ1人でどうにかするぜ」
「いやいやいやいやそういう問題じゃ無いっす。まだ、あの娘はまだ子供っす」
「どうせ、倫理的にもんだいだから18歳以上だぜ」
見た目は子供でも、年齢は18歳以上なんだろうなと魔理沙はそう思って候
「魔理沙さんがいつ子供産んだか思い出してほしいっす」
「・・・!やばいぜ」
「分かって、くれたっすか??」
大体魔理沙は今何歳なんだ?
アーサーやめやきくなや!
「でもよぉ、金貨100枚なんて用意できないぜ」
魔理沙が働いているひまわり畑のお給金は月に銀貨30枚程度にしかならない。
戸隠がチャオ先生として、寺子屋でローマ字を教えているが、それだってせいぜい年棒金貨1枚だ。
とても、足りなかった。
なんや、あんちゃんの顔見んなや。ワシは日雇いのフリーターやで。金なんてもってない。普段はアーサーにたかってるんや。
「この間、霧雨さんからもらった金貨はどうしたっすか?」
「fxで溶けちまったぜ」
「なんで、そういうことするっすか?」
「しるかよ」
魔理沙の腹を殴って子供を堕胎させてくれと、戸隠は霧雨の親父さんから依頼された。しかし、戸隠にそんな根性はなく祝いのお金と偽り魔理沙に渡していた金貨10枚は今頃誰かの懐を温めている。
「だいたい、今、ここにいくらあるんや」
貯金箱の豚さんごめん無さいっす。
ブー!ブー!
鎚を豚さんの脳天唐竹に一撃
「・・銅銭50枚ってたったそれだけなのか?」
「魔理沙さんが無駄使いするっすからこうなるっす」
「なんだと、戸隠が無駄使いしてるんだろ?なんだ、あの雑誌とビデオの山は?」
「いやっす。なんで、魔理沙さんは現実の話するっす?恥ずかしいっす」
お前ら現実と幻想がごっちゃになっとるで。あ、よくみぃ。雑誌の下のところに1円落ちとるで。
本当っすね。
アーサー:これで、銅銭50枚と1円か足りないだろ。
アーサーすまんが、話は聞いていたやろ?すまんが、少し金を工面してもらえないやろか?
それが、できない。
なんでや、アーサー!お前にとっては金貨100枚なんて大したことないやろ?
いや、冒頭の犯人俺なんだ。自分で人質とって自分で解放する身代金払うなんておかしいだろ?
犯人ってこのセックス依存症め!!ほんまなんなんや!!
・・・・・・あんちゃんは俺の味方だよな。学生時代に紫紹介したのは誰だったか忘れたのか?
ずいぶん古い話を持って来るな。しかし、そうやな。ワシはアーサーの味方や。そのかわり今後も頼むでほんま。
「どうしよう。不味いぜ。私の子供がこのままでは殺されちゃうぜ」
急に魔理沙に母性が目覚めた。なぜ、めざめたのかわかからないが。
「そうっすよ。やっとわかってくれたっすね」
「殺されちゃうぜ。殺されちゃうぜ」
今や魔理沙はヒステリックを起こし始めている。同じところを行ったり来たりすごく可哀想。
幽香「うるさいねぇ。なんなんだい?」
「あ、幽香さん実は・・」
騒音と騒霊が大っ嫌いな幽香が怒ってさわやか寮にやって来た。今日は休日でこれからひまわり畑に散歩に行くつもりだったのにあまりにも煩いので折檻を加えようと来たのだった。
初めは青筋立てて怒っていた幽香だったがだんだんと心配した顔になり真面目に話を聞いた。
この話の中で一番そういう母性とか人情とか持っているのが幽香だった。魔理沙の子供だって、さわやか寮に住んでいたのでよく知って居たし。
魔理沙や戸隠の知らないところで結構面倒を見ていたのである。冒頭で変態に会ったら。大声で叫べと教えたのも幽香だった。
魔理沙の子供も幽香が母親だと思い込んでいる節がある。
幽香「・・・とりあえず警察を呼びなさい」
魔理沙の子供誘拐事件本部
さわやか寮の入口にはそんな看板が掲げられていた。
慧音「まったく、貴様が餓鬼を面倒みないからこういうことになるんだ」
慧音警部補はそこの責任者だった。今は、事件解決前に魔理沙に説教しているところだった。
「ひまわり畑には託児所がないんだぜ。それで、どうやって面倒見れば良いって言うんだぜ。悪いのは社長の幽香ダゼ」
だが、魔理沙はまったく反省する様子もなく幽香に責任転換していた。警察がここにくるまでに魔理沙は大分落ち着いていたのだった。
「ほぉ、私が悪いのか? 魔理沙はそう思うの?」
これには、幽香はかなりいらってきていた。託児所が無いのは事実だが、なんやかんやで仕事現場に子供を連れていくことを容認していたからだった。
見通しの良い長閑なひまわり畑で種拾うだけの簡単なお仕事で危険は無い。魔理沙には関係ないところで春先トラクターを使って畑を耕したり肥料や種を撒くくらいが危険な作業だった。
製油所や酒蔵は関係者以外入れないようになっている。以前、地雷原を買って畑を広げようとしたが失敗した経緯があるがそれはもう忘れた。
「だって、そうだろ?」
「・・・そうか、私のせいか」
幽香は少し考え込んでしまった。
「幽香貴様のせいじゃない。悪いのは子供の面倒見ない魔理沙だ」
「なんだと、お前らは子供持ったことが無いからそんなこと言えるんだぜ。子供の世話がどれだけ大変か分かるか!!」
それを、寺子屋の先生と、魔理沙達を面倒見ている幽香に言うのか。言って良いのか?
「もういい、貴様に何を言っても無駄だ」
幽香「それよりも、大事なのは子供の命ね」
「ここに、偽金貨100枚用意しておいた。金メッキだが本物に見える」
こういう誘拐事件はよくあるので、偽金貨は準備してあった。見た目は本物にしか見えないが、鉄製なので持ってみると軽い。
それでも、誘拐をするような輩は貧乏なので金の重さが分からず意外とばれない。
なあ、アーサーは金貨の重さ分かるか?
部下のランスロットとかに給与渡すときはいつも直接渡ししてるからわかる。
そうやろうな、で、偽金貨渡されたらわかるか?
まあ、気付くだろうな。
そのばあい、どうするんや?
・・・犯して殺すしかないだろう
さよか
あんちゃん「そんな偽物すぐにばれてしまうで」
「なぜだ?」
「いや、なんとなくだがな」
「あんちゃん貴様何か知って居るのか?」
裏切るのかあんちゃん?
ちゃう、ちゃうがワシ
いまさら良心の呵責にとらわれてどうする?鬼畜になるときそんなものは狗に喰わせたんじゃないのか
せやかてアーサー
「知らん。ワシは何も知らん。アーサーが犯人なんて知らんねん」
「なぜ、アーサーなんだ?」
あんちゃん。
しまった。口が滑った。
ベタなことをやってくれるな。
慧音の妹「・・・」
あんちゃんが焦っていると、背後から慧音先生の妹が現れた。まったく気配がないから急に現れたような感覚にとらわれてしまうのは仕方ない。
慧音の妹「・・・・」
「ん、どうした?何か分かったのか?」
慧音の妹「・・・・・・」
慧音の妹は慧音を一回り縮小した感じだが所謂発達障害を抱えていたからどうにも応対が遅く表情も無表情だからどうにも話辛い。(服装は緑っぽい)
それでも、慧音先生の妹なので普段は役所で働いて居たり。何かを分析するような仕事を与えられていた。
今日は、手紙に付いていた指紋を採取して犯人の手掛かりを探していたのである。
慧音の妹「・・・・・・」
「妹よ。何か言いたいことがあるなら言え」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・これ」
ようやく手渡した指紋の分析結果の紙。よほど、強く持っていたのであろう。持っていたところが曲がっていて、少し手垢で汚れていた。いつものことだからしょうがない。
慧音は分析結果に眼を通してある結論に達したのだった。
「ここに居ないアーサーの指紋が検出されたのか」
「・・・・」
「・・・ここに居ないアーサーの指紋が検出されたのか???」
「・・・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・そう」
馬鹿にしてるんじゃないかと思うときがあるがこれが慧音先生の妹の普通だった。
「わかった。お前はよくやった。役所の仕事があるのだろ帰りなさい」
妹の対応はすごく疲れるので、慧音は妹を帰らせることにしたのだった。
「・・・・・・・」
「どうした? 帰って良いぞ」
「・・・・・・・・・」
「だから、帰って良いぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・犯人はアーサー」
「そうだな。うん。そうなるな」
「・・・・・・・・」
「犯人はアーサーだな。わかった」
「・・・・・・・・・・帰る」
帰り際に何か慧音先生の妹は言って居るように見えたが、それは飴を舐めているだけだった。
犯人がアーサーだという事がわかったがそれは問題が一つ解決したのと新たな問題が発生したという事だった。
アーサーは郷の重鎮なので手荒な真似が出来ないという事である。もしも、アーサーを捕まえようとすれば手痛い反撃を受けるだろう。領主が村娘に手をだして何が悪いと始まり逆にそれを口実に更なる要求をしてくるだろう。
慧音「もはや、そうなると。金貨100枚準備するしかないか」
幽香「手伝ってあげたいところだけれども、会社経営に余裕がないからお金は出せない」
世の中は不景気、金は無い。あるところにはあるが、此処にはない。
慧音「困ったものだ」
幽香「孫のことだ、霧雨から融通してもらうことはできないだろうか?あいつ、魔理沙が妊娠した時、祝いとして気前よく金貨10枚出したそうじゃないか」
戸隠「あ、幽香さんそれ待って欲しいっす」
霧雨さんは本当は魔理沙さんの子供堕胎させるために戸隠にお金渡したっす。せも、本当のことがばれると魔理沙さんが傷つくから戸隠は嘘ついて(優しい嘘のつもり)お金を魔理沙さんに渡したっす。
もしも、このまま霧雨さんを頼ったらそのことが露見してしまうっす。これは政治的に重大な事件になりかねないっす。
「なぜだ?霧雨の家はそれなりにため込んでいるぞ。男爵の爵位も持っているからな」
男爵?そんなの知らないっす。
なんや、戸隠は男爵も知らないでやんすか?
え?物部さん?
男爵はお芋でやんす。
そうっすか。知らなかったっす。
馬鹿でやんすね。
「でも、駄目なものはダメっす」
「戸隠、貴様何か隠しているな?」
「慧音先生なにも隠してないっす」
本当に?本当に?本当か?
そんな、心に直接語りかけないで欲しいっす。戸隠のピュアな心が丸見えっす。
お前の心なんてピンクかモザイクばかりだろ?
確かにそうっすが。
ほうほう。それで、つまり霧雨は堕胎させたくてお前に金貨渡したのか?
いやん、とがくちの心読まないで。
「・・・幽香。霧雨に頼るのは無理だ」
「ん、慧音までどうした?」
「こいつの心を読んでみればわかる」
「ちょ、え?やめてほしいっすエッチ!えっちっす」
何がエッチだ。
いやっす。なんで、幽香さんまで戸隠の心を読むの
お前が正直に話さないのがいけないのだろ。
大体なんで、二人は心が読めるっす?悟り妖怪じゃないっすよね??
お前だって、こうやってセリフ以外のところで好き勝手話してるじゃないか?
・・・読むのは勝手っすけど。魔理沙さんには秘密っすよ。
ふん、初めからそうしていればいい物を無駄な抵抗するからおかしくなる。
。。。もう、お婿さんに行けないっす。
「なるほど、そういう事か。これでは、霧雨家を頼る無理だな」
「家がどうかしたか?」
「魔理沙さん、なんでもないっす」
「そうか?なら良いが・・・」
今、魔理沙さんに心を読まれたら全て破たんっす。戸隠は変なこと考えてごまかすっす。
・・・・が
・・・・ふぁ!
マッチョぅぅ!!
ここは?
あなた、ピヨピヨ神様
おい、咎糞。
なんすか?魔理沙さん????
ピヨピヨ神って誰だ??
・・・巨大ひよこタイフーンっす
なんだ。そうか。
「ふぅ、霧雨さんが実は金貨は堕胎させる為だという事がばれずにすんだっす」
「・・・・なんだって!今、咎糞何言った!??親父が??え_Eえええ?」
慧音「この馬鹿。なんで、霧雨さんが実は金貨は堕胎させる為って言うんだ!」
幽香「こんな時にまでお約束しなくてもいいのに。どんなに馬鹿でも霧雨さんが実は金貨は堕胎させる為なんて口走るか?」
「へへへ、親父が親父、畜生」
魔理沙はショックを受けてふさぎ込んでしまった。たちなおれえそもうないそれはそれで人生だから仕方ない。
何やら、ブツブツ言いながら壁に向かって話しかけてろよ。
物部『リストカットでもするでやんすか?手伝うでやんす』
蘇我『ほら、うで出すある』
魔理沙『なんだ、お前ら』
物部『わっち達は鬱的な時に見える天使でやんす』
蘇我『そうだったあるか?』
魔理沙『なら、楽にしてくれよ。私疲れたぜ』
リストカット用カッターが無かったから魔理沙は死なずに済んでよかったある。
そこで魔理沙がズーンとしているが放っておいて。
「犯人が、アーサーなら金には困っていないはずだ」
「確かに、それがどうした?慧音警視」
お金を集めるのは無理かもしれないが、それ以外の物だったら何とか工面できるかもしれない。
「アーサーが欲しがりそうな物を代わりに用意する。あんちゃん、アーサーが欲しがりそうなものを教えてくれ」
「教えるも何も、女やろ?この間ミスティア欲しがってたで」
「相変わらずセックス依存症なのかアーサーは」
「せやな、相変わらず女好きや」
なあ、アーサー、それ以外に欲しい物なんてないやろ?
ん?確かにそうだが。
どっちが、ええんや?
どっち?
幽香と慧音やどっちもお前好みの巨乳やで。まさか貧乳の魔理沙は無いやろ?
・・・いやどっちも、寝所に入れたら脇腹刺されそうだ
なんやわがまま言うなや決めろや。そして、いっそのこと脇腹刺された方が世のため人の為やで
大体決めたからと言って本当に来るのか?
「・・・わかった私が行こう」
「幽香?貴様が汚されることは無いと思うぞ」
「汚される前に、脇腹を傘で刺してやる」
「なら、私が行っても脇腹を頭突きで同じことだな」
「じゃあ、二人で行ったらどうっすか?」
「・・・戸隠、お前は黙ってろや」
「そうだな、戸隠、お前に喋る権限はない」
どうするんや?こいつらは金貨も女も結局用意できへん
金貨がないなら銀貨出せばいいんだ。
からかうなや。どうするんや?
……しょうがない。今度ラーメンでもおごってくれミスティアのところのな。
鶏ガラスープでは無いで、ミスティアの肢体は舐めれんでそれでええか?
ああ、それでいい。っち!
頭の中で舌打ちすんなや
「今、アーサーと連絡がとれたで。ラーメンおごってくれればええそうや」
しかし、ラーメン一杯って魔理沙の子供の価値が暴落っすね。
せやな。
別に価値なんて物は人それぞれだってことだと俺は思う。
何を偉そうに
「そうか?それにしても、この地文を使った会話?(テレパシー・携帯電話で通話みたいなこと)は便利だな。今度寺子屋の餓鬼にも使ってみるか」
「これ、現実でやってたらかなり危ない人のような気がするっすね」
「大丈夫や」
「え?」
「今のままでもお前は十分危からな」
なあにこれ?すっごい、中だるみした挙句よくわからないうちにあっさり魔理沙の子供が解放されたよ。
所詮戸隠なんてそんなもの、駄目!絶対!何が?
「霧雨さん」
「ん?お前はアーサーの部下のランスロットとかいったな?買い物か?珍しいな?ペン軸から枢軸まで何でもあるぜ」
「枢軸ってなんですか?あ、いえ違うんです」
「冷やかしなら帰れよ。俺は忙しいんだ」
「実はわが主アーサー様のお使いで。この子を返却するように?」
「魔理沙?」
霧雨の親父が店番やっていると、そこにランスロットが魔理沙の子供を連れてきた。
魔理沙の子供を見た霧雨の親父は魔理沙が家を飛び出してからの幾星霜を計算するのも忘れて魔理沙が帰って来たものだと思った。
「おじじ、魔理沙知ってるの?」
「おじじ?魔理沙はおまえだろ?」
「あ、違うんです。この子は魔理沙の子供です。アーサー様が迷子になっているところを保護したようです」
「なるほど、そうか、そうだな。そういうことか」
アーサーに誘拐されて犯されていることは伏せられた。幸いにもまだ小さいから何が起こったとかそういうのは、飴を渡されてごまかされている。
あと、体はキレイキレイをしたので。
あの時、戸隠とかいう作者に堕胎させろとうそぶいて渡した金は無駄ではなかった。魔理沙の子供は順調に成長しているようで霧雨の親父はうれしかった。
「この人は魔理沙のお父さんです。つまり、あなたのお爺さんです」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、お小遣いくれるの?」
「あぁ、こいつは本当に魔理沙の娘だな」
小遣いねだるその姿はまるで、小さなころの魔理沙を見ているようで霧雨の親父は昔を思い出した。
「それで、これが魔理沙の子供の送り状になります。受領書にサインしてください」
「ここか? 霧雨と」
「はい、ありがとうございます。それでは自分は戻りますのであとはよろしくお願いします」
「ああ、わかった」
一連の動作が、納品に来る業者みたいだったので霧雨の親父は魔理沙の子供を自然に受け取ったのだった。
「おじじ」
「・・・・おい、どうすんだよ」
受け取った後のことなど考えて居なかった。商品なら、店に並べて置くところだが孫だ。
人身売買も辞さないがさすがに孫だ可愛い。
「おじじ、おうちに帰りたい」
「魔法の森か?」
「違う。さわやか寮」
「さわやか寮。帰る」
「でも、俺は店番してるし魔理沙と会うのは」
魔理沙の子供は霧雨の親父が来ている着物の袖を引っ張り帰りたがった。今日は色々あって疲れてしまって帰りたかったのだった。
母が恋しくて帰りたいわけではない。ただ、家に帰りたかった。
だが、霧雨の親父は困った。セリフ通りだ。店番に娘にも会うのは。
稗田「行ってくるっぺ。店番はおらがしてやるだ」
「稗田?」
「ぎゃー変態だ!!!!1」
「おい、孫。こいつはこういう格好してる変態だが、悪い変態じゃない」
「本当?」
「こいつ眼を見てみろ無駄にきれいだぜ」
「本当にすごく、綺麗」
何処からともなく稗田のおっさんがあらわれた。阿求と同じ稗田姓を名乗っていてまあ近い親類の男。
女装癖がある。
「話は聞いていたべ」
「いつから?」
「ランスロットが来たとごろから」
「お前なにやってたんだ?」
「おらのころは気にしなぐで良いべ。いっでごい」
「なんで、喋れば喋る程なまるんだ?」
「いいがら、いっでごい」
「しかし、娘は勘当して」
「そでばバカル。じぇも。ごんがいはドクレイだべいっでごい」
「・・・ああそうだな。恩に着るぜ。そのありがとうよ」
「家に帰るの?」
「ああ、お前のお母さんのところに帰ろうな」
こうして、霧雨の親父は魔理沙の子供を連れてさわやか寮に向かったのだった。
「ところで、お前の名前はなんていうんだ?」
「名前はまだない」
「・・・あいつ、子供に名前付けないなんて何やってるんだ」
道中で、魔理沙の話を孫から聞きながら霧雨の親父は歩いた。
呆れることの方が多かったが、それでも久しぶりに見る娘の顔を想像すると口元が少し緩んでしまっていることは止められなかった。
霧雨の親父がメンヘラ魔理沙と再開して絶望するのはまた別の話である。
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2014/11/26 09:21:27
更新日時:
2014/11/26 18:21:27
評価:
2/2
POINT:
200
Rate:
15.00
分類
魔理沙
魔理沙の子供
幽香
あんちゃん
慧音
戸隠
蘇我物部
アーサー
ランスロット
稗田のおっさん
霧雨の親父