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おめでとう！
おめでとう！
おめでとう！
キスメおめでとう！
…皆して何？



　ほら、キスメってっさ。それ程、害無いし地上に戻ってもそれ程問題ないじゃん。

　そう思った。地底のみんなは署名集めてさ。キスメを地上に戻すよう陳情したんだよ。

「キスメは私と違ってどくとか、病原菌撒かないし」

「それが、どうしたの？」

　普通陳情なんてものは、適当に処理されてゴミ箱行きだ。ところがところが、キスメを一番応援していたヤマメは頑張ったんだ。
　
　ヤマメの一世一代限りの頑張りだった。それこそ、それだけで一話してしまうくらいの。

　お偉いさんに認めてもらうためにいろんな故事を引用したり、事故に見せかけてお偉いさんの家族を…

「だから、キスメは地上で生活してよくなった。私達頑張ったよ」

「皆に頑張ってもらえるアンタが妬ましいから・・・出て行って欲しいだけなんだからね！」

　パルスィさんはいつも嫉妬してるのでもね。それはね。キスメのことがね好きなのと裏返しなのかもしれない。

「キスメ、パルスィ、地上で私が暮らすなんて聞いてないけど。どう言うこと？」

「言葉通りだよ。明日から、地上で暮らせるんだよ」

「おめでとう、妬ましい」




　ただし、去勢は必要だよね。ノミと玄翁で桶を剥がして地上に送り出すこと。

　それが、条件なんだ。甘い話には裏があるね。