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『ウッドチャック』 作者: ポリ燐酸ナトリウム
私より弱いくせに、あいつの親友だからといって生意気な態度を私にするパチュリーが許せない。
今はまだその時ではないから、どちらが上でどちらが下とかそういうことまでは求めないけど。態度が許せないからパチュリーを殺すことに私はしたのだった。死ねば、態度とか関係ないから。
そう思った私は地下室から這い出して図書館に向かったのだった。まだ咲夜に焼かれた足の再生が間に合って居なかったけど、図書館に到着するころには治ってるよ。きっと。
「あら、おはよう。それとも、吸血鬼にとってはこんばんはかしら?」
さっそく、生意気な態度のパチュリーだ。私が図書館に入った時点で罠が何個か発動しているのだからお前が座って本を読んでいるところまで来なくても挨拶しに来る事はできただろう。
「おはようで良いよ」
吸血鬼にとってはこんばんはだから昼夜逆転生活している私にとっては、今の時間は朝で良い。
「そう、不健康なのね」
不健康で悪かったわね。でも、それはパチュリー、お前には言われたくなかった。お前の方が、色々不足していて不健康だよね?
自然死する前にきっちり殺しておかないと。
「そうかなぁ? でも、パチュリーほどでもないと思うけど」
「私が不健康なのは今に始まったことではないわ。だから、それ程気にしなくても良いの」
「へぇ」
意味が分からない。気にするしないの問題なのだろうか。
いや、もしかして。すでにパチュリーは私が殺しに来たことに気が付いているのでは?
だとすると、今日死ぬのだから不健康だろうと関係ない。気にしなくていい問題だ。
しかし、そうすると。いつ私が殺そうと思いここに来たことに気が付いた?
「ねえ、ところで何か用があって来たの?」
「やだなぁ。ここは図書館だよ。図書館ですることなんて決まっているじゃない」
「……魔理沙とかくれんぼでもしているの? だったら、ほら。あそこの本棚が良いわ。呪われていて吸血鬼には問題ないけど人間なら卒倒するから見つからない」
「かくれんぼじゃないよ」
え?図書館ってかくれんぼするところだったの?
てっきり、パチュリーの棺だと思っていたのだけれども。だって、パチュリーはここで私に殺されて死ぬのだから。
それに、あそこの本棚に隠れろっていうけども。あそこに薄ら見えてるのは死神っぽい。やっぱり、気が付いているのだろうか?
「かくれんぼじゃない?」
さも、不思議そうな顔をしてこっちを見ている。
「そうだよ」
「それもそうね。さすがに邪推しすぎたわ。お勉強するのよね? 少し位ならお勉強見てあげてもいいわ。あなたは次期、館の主になるのだから」
少し位ならお勉強を見てあげるだと。それは、私が殺しに掛かったら軽く返り討ちにするという意味なのだろうか?
私が、目をつぶして殺さないとでも思っているのだろうか?
「お勉強はまた今度にするよ。それよりも、ねえパチュリー」
「ん? 何?」
また、とぼけた態度だ。気に食わない。だから、私は教えてやる。お前を殺しに来たことを。
「私は今日ねあなたのことを殺しに来たんだよ」
「ふーん」
その態度はなんだ。まったくの無関心で、さっきまでは私の顔を見て話してたのに本を読め始めるなんて。
「パチュリーは、今日死ぬんだよ!」
「そう。それで?」
完全に本に見入っているようで、顔すら本に見えなくなった。
まったく、生意気な態度だ。
「だから、殺す!」
「……もう、死んでいるんだけど。それでも、殺せるの?」
「え?」
不思議に思うことがある。パチュリーあの声は何処から発せられているのだろうか?
不思議に思うことがある。ここは図書館じゃなかったか?
不思議に思うことがある。あの死神っぽいのが目の前になんでいるのだろうか?
「だから、死んでるの。頭がもげてるでしょう?」
「え? いやぁそれは。私じゃないよ。私は殺していない」
いつからか、パチュリーと死神は一緒になって私に迫って来ていた。
あいつの態度が気に食わない。殺してやる。
目の前には、焼けた吸血鬼の死体が落ちている。
落としたのは咲夜だったが、咲夜の持ち物ではなかった。
「まさか、足を焼いただけでこうなるとは思いませんでしたわ。姉の方がまだ頑張ってました」
己の仕事に今日も満足して咲夜はまた次の敵を倒しに向かうのだった。
作品情報
作品集:
11
投稿日時:
2015/02/09 09:51:07
更新日時:
2015/02/09 18:51:07
評価:
3/3
POINT:
300
Rate:
16.25
分類
パチュリー
フラン
咲夜
でもキチガイとキチガイは相容れないんだよねぇ……。
嗚呼、悲しき運命……