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『夢』 作者: 弥生
「また夢…?」
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「霊夢、今日宴会したい。」
霊夢の目覚めは悪い。
最近よく悪夢を見るのだ。
自分が死んだり、殺されたり、あるいは誰かを殺したり。
萃香は今、夢で爆発したばかりなのだ。
だから急に出てきたから驚いた。
霊夢が寝ているからと、起こさずにいた萃香。
寝起きでいつものテンションはウザいだろうから
テンションを低めていた。
萃香の気遣いに気付いた霊夢は罪悪感でいっぱいだった。
「萃香…ごめん……。」
「何で謝ったの?」
涙が流れる。
「あわわわわ、わかった、わかったから泣かないでっ!」
「許して…お願い……。」
「許す、許すからっ。」
何もされていない萃香だが、許してやった。
そうしないと見ていられなかったからだ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………」
霊夢の身体はガクガクと震えていた。
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「まだ呑めるだろ?」
「いや、もう私は……。」
霊夢を励ます為に、萃香は沢山の知り合いを呼んできた。
酒を呑ませて嫌な事を一時的にだが忘れられるようにした。
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酔ってきてからしばらくして、誰かは分からないが
酒を持ってきた。
「それは高い酒!」
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夢から覚めた。
いつの間にか寝ていたのだ。
高い酒の隠し場所へ確認しに行った。
高い酒は呑まれておらず、無事の様だ。
ホッとした後、辺りを見渡した。
周りには爆睡してる少女達が床で眠っている。
毛布を用意した。自分は寝れなかった。
寝るのが怖かった。
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「何かあったの?やつれているわ。」
「何も無いわ。最近悪夢を見るだけよ。」
「そんな貴女にはこれ。嫌な悪夢を見ずに眠れるわ。」
「でもお高いんでしょう?」
「無料よ。」
ただの睡眠薬だって事は分かってた。
「ありがとう、いただくわね。ところで紫。私の事……好き……?」
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目を覚ました。
隣には紫がいた。
お互い全裸だった。
「夢じゃ…なかった……!?」
恥ずかしくなったと同時に怖くなった。
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現実と夢の区別がつかなくなってきたと感じた。
「おい、巫女がいるぜ。」
「ちょっと悪戯しちゃうおうぜ。」
人間の男二人が近付いてきた。
レイプをするつもりだ。
「貴方達は…夢?」
「はぁ?何だこの巫女?」
「あぁそうさ、夢だよ。わはは」
男達が近付いてくる。
「そう、じゃあ……。」
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「どうしてっ!?嘘っ!嘘よっ!!
だって…だって夢って言ったじゃないっ!!」
足下には血塗れの男二人が死んでいた。
「もぅ…嫌ぁ……。」
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「霊夢だー!おーい!」
「やめてっ!来ないでぇ!!」
久々に霊夢に会えたフラン。
しかし、自分を見てる目は恐怖に染まっていた。
「どうしそんな事言うの?」
フランには訳が分からなかった。
悪夢の中で、霊夢のことを散々痛めつけた挙げ句、
殺したなんて知る訳が無い。
嫌われたのか。嫌だ。悲しい。
この3つがフランの頭の中でぐるぐると回る。
「ひぃっ!嫌っ!殺さないでぇっ!!」
一目散に逃げる霊夢の背中を、フランは魂の抜けた目で
見つめ続けた。
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気付くと森だった。
ここで一休みをしよう。
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「おぃ……ぃむ……おい、霊夢!」
目を覚ました。
寝てしまっていた。
目の前には魔理沙が立っていた。
「こんな所で寝てたら風邪を引くぞ。」
「ごめんなさい、今っ…」
「おっと、無理するな。送ってってやるよ。」
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気分が悪かった。寝起きというのもあるが。
目を瞑る。
「顔色悪いぞ?どうかしたのか?」
「悪い夢を見るの。」
しかし、魔理沙に言ってもどうしようもない事だ。
「なら、夢を見なきゃ良い。」
「え…?」
「死ね。」
不思議な事に、足に浮遊感は感じなかった。
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ゴンッと鈍い音がした。椅子から落ちたのだ。
あの後、魔理沙は床でなく椅子で眠らせた。
そんな事はすぐ分かる筈だが、
霊夢には考える余裕が無かった。
「殺す……殺す…!」
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バレンタインデーの日。
毒入りのチョコを用意した。
魔理沙に食べさせる為だ。
自分の目の前で、無理矢理にでも食べさせる。
これは計画されたものだ。
紫にも協力して貰った。
「殺られる前に殺る。」
いつからか霊夢の口癖になっていた。
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魔理沙は全てを知っている。
霊夢「キノコにチョコを塗ったの。」
魔理沙は全てを知っている。
霊夢「私が言った通り物を作ったわ。」
魔理沙は全てを知っている。
霊夢「さぁ、食べて。」
魔理沙「あ、急用を思い出した。また今度にするぜ。」
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霊夢「残念だったわ。毒入りキノコを食べさせてあげられなくて。」
そう、魔理沙は全てを知っている。
これから自分がどうなるかも。
いくら全てを知っていても、回避できるとは限らない。
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霊夢「あら、良い所に。キョコ食べない?」
紫に手伝ってもらったのだろう。
一本道。私の3m先のあいつは笑っていた。
私が道を変えれば相手も変えてくる。
回避できるとは限らないとは、こういう事だ。
逃げられる訳がない。後ろには紫がいるのだ。
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体が紫色に変色していく。
あのキノコを食べたからだ。
一度吐くと容赦なく地面に顔を擦り付けられる。
遂に身体中からできものが。
ボコボコしていてぶにぶにだ。
針があれば爆発してしまいそうだ。
唇が膨れ上がる。
目が見えなくなってきた。
息がっ…くっ…しぃ………。
魔理沙は全てを知っている。
心構えは 出来ていなかった。
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「殺ってやったわっ!!あははっ!あは…は?
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どうして…?…また夢なの……?」
目を覚ますと、賽銭箱の前で眠っていた。
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魔理沙が行方不明になったという。
殺したかどうかも分からない。
霊夢は毎日、悪夢と恐怖に魘される。
初めまして、弥生です。
いつもは新徒に投稿しています。
少し『…』や、名前を文中で使い過ぎてしまいました。
この話は、霊夢がどれだけ友人に恵まれているかという話です。
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1 名無しさん>>とても参考になりました。ありがとうございます。
まだ霊夢に余裕がある感じにしたかったのですが、世界観が安定
してなかったですか。
それと、馬鹿馬鹿しい言葉などをつかって、
完全には雰囲気を暗くしない様にしたかったのですが
ただ雰囲気を壊しただけみたいですね。すみません。
アドバイス、改善点を沢山教えてもらい、ありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
3 名無しさん>>私はあの言い回しを場所などで区別してはいません。
次に書く時には、そういうところに気を付けられる様になります。
多少のおふざけを入れたかったのです。
特徴ですか…、そう言ってもらえると嬉しいです。
コメントありがとうございました。
レベル0さん>>区別できないと怖いですよね。
自分の行動も分からなくなってきますし。
弥生
- 作品情報
- 作品集:
- 12
- 投稿日時:
- 2015/03/22 14:19:37
- 更新日時:
- 2015/04/12 11:08:23
- 評価:
- 3/4
- POINT:
- 270
- Rate:
- 11.80
- 分類
- 霊夢
- 夢オチ
掲示板の書き込みも見かけましたので、折角ですからよく言えば丁寧、悪く言えば面倒臭く書いてみます。
所詮は素人のコメントなので話半分にで読んでください。
夢と現実が分からなくなる系の話自体は目新しくは無いものの、不気味さが良く出ていて面白く読めました。
一方、不気味さとは余り相性が良くない文章表現も目立つ様に感じました。
例えば冒頭、『テンション』『ウザい』というのは軽い言葉ですから、雰囲気が大事なこの作品には余り似つかわしくない様に思います。
『「でもお高いんでしょう?」』や『レイプをするつもりだ。』などの、ネットでよく使われるネタや、余りに直接的、唐突な表現も同じです。
テレビの無い幻想郷で霊夢が「でもお高いんでしょう?」という通販定番の言い回しを知っている筈はありませんし、知っていたとしてもシリアスな場面で使うとも思えません。
エロ同人誌で紙面の都合があって急いでいる時のやたら性欲と腕力の強い謎道具で武装した村人じゃないんですから、悪戯感覚でレイプしようとする人間というのも無茶ですし、よしんばレイプしようと意図する人物が登場したとしても、もう少し言い回しと表現を変えたほうが良いでしょう。
それと、目線がどうも一定しない様に思えます。
三人称で書かれているのに、視点が霊夢などのものになってしまっている様です。
また、文同士のつながりが余り良くない箇所も多々見られます。
夢と現実のつながりが曖昧な作品ですから、逆に普段の文章ははっきりとしている方が、逆にその点が強調されるのではないでしょうか。
これらの言葉選びや視点の不一致というのは、SS、小説その他を書き始めた人が大体ぶつかるものだと思いますので、数書くか、数読めば、自然と上手くなると思います。
SSばかり読んでいると、軽い表現や下品な表現、ネットのスラングやネタが氾濫しているため、感覚が鈍ると思うので、普通の小説も読みまくるといいでしょう。
(良い、というのはSSを書く側としての技術が上達する、という意味であって、他の意味はなんにもありません。勿論私もSS大好きですし、エログロも大好きです。意識のある状態のレミリアの肋骨摘出して、本人の目の前でそれしゃぶりながらフランちゃんをファックしたいです)
最後に、横線や*などの記号の意味は一定しているのでしょうか?
読んでいて、恐らくこの記号が夢と現実の区切りになっているのだろうと思いましたが、どの記号がどういった意味を持つのか、何パターンか考えてみたものの、ちょっと分かりませんでした。
最後のこれは私の理解力が低いか、或いは午前六時にこれを書いているせいでちょっと頭が回らなかっただけかも知れないのですが。
是非これからもSSを書いていってください。雰囲気が上手くなるのは難しいけれど、人称とか語句選びは気をつければどうとでもなる筈ですから。
ついでに最初の部分をちょっと、校正というか推敲というかしてみました。
勿論、これが良い物、とは限りません。単に私だったらこう書くかな、という程度で、しかもこの「私」というのは作家でも編集者でもなんでもないんですから。
「霊夢。今日、宴会したいんだけど……」
最近、霊夢の目覚めは悪い。
頻繁に悪夢に魘されるのだ。
自分が死んだり殺されたり、或いは誰かを殺したり。
だから、目を開けて驚いた。
たった今、その夢の中で爆死したばかりの萃香が自分を覗き込んでいたから。
身を起こし、ぼやける目で室内を見回すと、伊吹瓢と酒のつまみの残りが机にあった。
訪ねて来てから暫くは、寝ている霊夢を起さずに待っていたらしい。
いざ起す段になっても、普段より声を低めた、萃香らしくない静かなやり方だった。
彼女の気遣いを知った霊夢は罪悪感に飲まれた。
「萃香、ごめん……」
ぽつりと口から零れる。
「何で謝るの?」
夢の内容を知っている筈も無い萃香は、怪訝な顔をして聞き返すしか出来なかった。
霊夢の頬を涙が伝う。
「え……? わ、分かった! 分かったからさ、泣かないでよっ!」
「許して……お願い……」
困惑する萃香を余所に、震える声で謝罪の言葉が続いた。
「許す、許すからさっ。どうしたんだよ、霊夢……」
何もされた覚えの無い萃香だが、許してやった。
そうでもしないと、見ていられない程だった。
肩に手を置いてやろうか、それとも抱締めてやるべきなのか。
中腰になり手を伸ばしかけたが、決心がつかない。
顔を両手で覆い、布団の上で背を丸めて震えながら、行き場の無い謝罪を繰り返す友人に、萃香は手の施しようが無かった。
香霖堂に通う霊夢が、外の世界の言葉を知っていても可笑しくないし
夢との分別がつかないから唐突な展開があっても可笑しくないです。
ただ、この書き方は作者の特徴として残しても良いとは思います。
怖いですね。
俺は霊夢が大好きなのでメインに据えてもらって良かったです。
それにしても霊夢が殺意むき出しで襲ってきたらめっちゃ怖いですね。
くわばらくわばら……