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『神様、魔理沙に会いたいです』 作者: ギョウヘルインニ
「いいか、アリス。今日はひたすら神様にお願いする話だ」
「魔理沙はいつも急に現れてそんなことを言い出すのね」
「急にって、それはお前が私と会いたいって神様に願ったからだろ? そのお願いが叶ったんだぜ」
「え? そうなの? 私、魔理沙と会いたいって神様に願った記憶がないんだけど」
「……良いか。それは代償だ。神様は残酷な面も持ち合わせているから。願いを叶える代わりに、お前から記憶を奪ったんだ」
「え? 本当?」
「そうだぜ」
「まあいいわ。丁度、魔理沙と会ってお話したいと思って居た気がするから。このままお話しましょう」
「……嫌だぜ」
「なんで? 私とお話したくないって言うの?」
「言った」
「お話してよ」
「だったら、神様にお願いすることだな」
「なんて、回りくどい」
「お願いするのかしないのかどっちだ?」
「お願いします。神様、魔理沙とお話したいです……なんてね。これで良いの?」
「なんだか急にアリスとお話したくなったぜ」
「え? 私とお話? 魔理沙、急にいったいどうしたのいつもは冷たく金品だけを要求していく貴女がそんなことを言い出すなんて」
「それは、さっきアリスが私とお話したいって神様にお願いしたから」
「え? そんなことを私が? 神様にお願いした記憶が無いんだけど」
「とりわけ、神様って言うのは気まぐれだから。願いを叶える代償としてお前から記憶を奪ったんだ」
「まあいいわ。お話しましょう。それで、何か話題でもあるの?」
「無いぜ」
「無いって。まったく?」
「お前こそあるのか?」
「無いわ」
「だったら。この話は終わりだな」
「まだ、お話してないのに。もう、終わりなんて嫌よ」
「だったら、神様に願ってみたらどうだ? 話題を下さいって」
「神様、話題を下さい」
「なんか、急に話題を思いついたぜ」
「え? 話題を急に思いついたってどういうこと? 話題で何か困っていた記憶が無いのだけれども」
「アリス、神様って言うのは無償で願いをかなえてくれるときもある。だが、そうそう都合よくいかないことだってあるんだ。多分、記憶がなくなったのはそのせいだ」
「う〜ん、釈然としないわ」
「神様に願って、願いが叶ったというのにそういう態度は良くないぜ。罰が当たるぜ」
「え? 罰が当たるの?」
「それは、これからの態度次第だな」
「態度って、神様に対する?」
「そう言うことになるな。この場合は」
「神様、ごめんなさい。私の態度が悪くて気分を害されたのなら謝ります。許して下さい」
『その願い叶えよう』
「へ? 今の声は魔理沙?」
「……」
「魔理沙?」
「……魔理沙って私のことですか?」
「え? 何言ってるの当然じゃない」
「そ、そうなんですか? ところで、貴女は誰ですか?」
「ふざけてるの? ねえ!」
「え? え? なんで、私が怒られて」
『願いは叶えよう。ただし、代償として魔理沙の記憶を貰っていくがな』
「今の神様の声?」
「あの、急にどうしたのですか? 神様の声って何かの宗教とかですか?」
「魔理沙は黙ってて。えっと、神様。願い下げできますか?」
『できない』
「あ、あの。私どうすれば?」
「だから! 魔理沙は黙ってって言ってるでしょう!」
「で、でも。私、こんな良く知らないところで1人で。あ、今は貴女が居ますがそれでも」
「はいはいそうね」
「何か気分を害されるような事を私がしているというのなら謝ります」
「だから、うるさいわ」
「で、でも」
「……神様、このうるさい魔理沙を黙らせて!」
『その願い叶えよう』
「え? く、苦しい!」
「魔理沙!」
『黙らせるのにはコレが一番だから』
「い、嫌! こんなの事実じゃない! 神様、こんな事実は嫌」
『その願い叶えよう』
アリスはさっきまで何をしていたか思いだすことはできなかった。
ただ、魔理沙に会いたくて心の中で神様にお願いしたのだった。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
12
投稿日時:
2015/05/04 13:12:31
更新日時:
2015/05/04 22:12:31
評価:
6/6
POINT:
600
Rate:
17.86
分類
アリス
魔理沙
神様
不思議な気分になりました