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『焦がし紫風味裸婦像』 作者: ギョウヘルインニ
「……あの作戦はアリスのせいで失敗したんだぜ」
「魔理沙が私の言うこときかなかったからじゃない」
「二人とも。そもそも、無謀な作戦だったんです」
「大体、一番悪いのは早苗だぜ」
「え、なんでですか?」
この三人。魔理沙、アリス、そして早苗さんは公園で花火をするという禁じられた遊びをしてしまったのだった。
そして、少し、いやかなり酒の入った三人は調子にのって公園にあった八雲紫を象った裸婦の像に対して……やってしまった。
そのせいで、三人は八雲藍に追われて敗走中だった。
「なんでって、花火を準備したのは早苗だろ」
「え? だったら、ライター準備したのは魔理沙さんです」
「待てそもそも花火ってなんだ? 花火はアリスだぜ!」
「魔理沙! 今回の私はそんなに清楚で古風じゃないわ」
確かに今回のアリスは公園で花火するってきいたから、いつもの服ではなく和服に見せかけたぺらぺらの浴衣を着ていたのだった。
ただ、いまは逃亡中なので裾を上にあげて縛って走りやすい格好だったので生足が見えていたが、先ほど何かに掴まれて痣ができていて痛そうだ。
「言われてみれば、今日のアリスはいつもと違うな?」
「今さら気がついたの? 魔理沙はにぶいわね。でも、気がついてくれて嬉しい」
アリスは魔理沙の事が好きだったからそういう変化にいつ気がついてくれるかなって思ってとてもドキドキしていたのだった。ハートには火がついて、その辺にフヨフヨ浮いている蓬莱人形の導火線に火がついて。
まるで、私はここに居るというアピールだった。敗走中だというのに。だから、それは必然だったのだと思う。
「あ、危ない! アリスさん! よけて!」
「え? 早苗?」
橙が紫の敵を討つために、捨て身で突っ込んできたのだった。惚気たアリスがそれた隙に自爆攻撃を仕掛けてきたのだった。
橙もまたアリスのソレのように傀儡に過ぎず爆薬を仕掛けられているからよく爆ぜたのだった。
「た! たぁ? あ? あえ?」
「ア! リ。 アリ?」
魔理沙は爆風に吹き飛ばされた。早苗さんも一緒だった。
多分、5mは飛ばされた。何度も何度も全身が回転しながら地面を這い回った。止まったときには息が出来なくて辛いなと思ったのがそのときの事なのか前なのか後なのか分からないが。
そこにピンク色した綺麗な肉片がべちょべちょと顔に全身に当たったのだった。魔理沙が当たったのは魔理沙の右手ではなくアリスの右手だった。
「ひぇぇ。私の手が! でもこれはアリス? 手が? え? 私の手は何処?」
「ま、魔理沙さんの手がぁ!」
早苗さんも飛び散った肉片を全身に受けていたが、幸い自分のではなかった。こちらは魔理沙の手だったのである。尚、早苗さん重症は負った模様でバクサンした橙の爪が数本腹部に刺さっている。
「う、うわぁああああああああ! 私の手がないぜぇえええええ!」
魔理沙は少し正気を取り戻したが、それでも手の事ばかり気にしていた。
『……ま……』
だから、ばらばらでもしぶとく生き残っていたアリスの言葉には気がつかなかった。
「は、早く止血しないと早苗止血してくれ!」
「……に、逃げないと!」
早苗さんは急速な低血圧で楽しく等しく昏倒しかけているのに妙に興奮している魔理沙を尻目を社交的に振って逃げ出したのだった。
「ま、待て! 早苗、逃げ! 助け、たす!」
魔理沙は助けを求めたが誰も答える者は逃げた後だった。右手はからはとめどなく血が吹き出て残り短いから残り短い。残った左手が最期に掴んだのは、まだ、あったかい頭髪とカチューシャ。少しだけ魔理沙は幸せになれた気がした。
「本当に死んだのね。爪に入って居たばい菌のせいで」
「霊夢、その今日は早苗のお葬式に来てくれてありがとうねぇ」
「何? 諏訪子の癖に落ち込んでるの?」
「だって、早苗がヒック、ヒック」
「泣かないで、そんなに悲しまなくてもこのまま信仰が無くなってアンタ等消えるだけじゃない」
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
12
投稿日時:
2015/05/25 10:50:03
更新日時:
2015/05/25 19:50:03
評価:
4/5
POINT:
430
Rate:
15.17
分類
魔理沙
アリス
早苗さん
あとがきはお葬式