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『『邪正の転逆』C祭大例話想創廃産』 作者: 酔鉄砲

『邪正の転逆』C祭大例話想創廃産

作品集: 12 投稿日時: 2015/06/20 11:25:04 更新日時: 2015/06/21 20:35:08 評価: 10/10 POINT: 980 Rate: 18.27
 「はぁ、はぁ、くそぉ……」

 少名針妙丸は地面へと落下した。起き上がろうとするが、その体力すらもう残っていないらしい。
 無様に地面を抱く針妙丸に、霊夢、魔理沙、咲夜の三人がじりじりと詰め寄ってきた。

 「さぁ、観念しなさい」
 「これで終わりかよ。案外あっけないな」
 「そうですわねぇ、もっと激しくてもよかったのに」

 針妙丸は地に伏したまま三人が迫り来るのをじっと見つめる。既に起き上がる気力も失せていた。
 これ以上の抵抗は悪戯に損害を増やすだけで無意味だ。自分は敗北した。何もかもが、終わったのだ。先代の受けた屈辱も弱者達の遺恨も、歴史の闇へと埋没していくだろう。
 悔しいが、もうどうすることもできない。異変を起こした上に大敗北を喫した愚かな末裔、少名針妙丸。こうなった以上、その汚名も甘んじて受け入れようではないか。それが、敗者の義務ならば。

  (まぁ、私のことなんていいんだ。それよりもアイツは……)

 正邪は、逃げ切れただろうか。自分に真実を教え、見返りも求めず協力してくれた鬼人正邪。針妙丸は正邪の安否が何よりも心配で、正邪のことを想うと胸が痛んだ。自分はどうなってもいいが、正邪のことだけは温情をかけて貰えるように、地に頭を擦り付けても懇願しようとさえ思った。
 迫り来る三人の後ろに、正邪が飛んでいるのが見える。ああ、彼女のことを考えすぎて幻覚が見えた、と針妙丸は思った。
 しかしそれはどうやら幻覚ではないらしい。正邪は勝利の余韻で油断している三人に密度の濃い弾幕を打ち放った。不意を突かれた三人は慌てて飛び上がり、弾と弾の間を紙一重で抜けていく。

 「うぉっと、それは少しばかり危険だぜ」
 「まだやる気なの? 一回倒されたくせに出て来ないでよね」
 「出て来たならまた倒すだけよ。 たくさん斬れてお得ですわね」

 三人は軽口を叩きながらどうという事もなく弾幕を避けた。しかし次の瞬間、この弾幕は単なる目暗ましにしか過ぎなかったことに気付く。正邪が不敵な笑みを浮かべて三人の前方へと回り込み、倒れこむ針妙丸を脇に抱えて一目散に逃げ出したのだ。

  「あ、ちょっと、こら!」

 霊夢が逸早く反応し、追おうとするが体が前に進まない。どころか後ろに下がっていってしまう。

 「おいおい遊んでる場合じゃないぜ、霊夢」
 「うるさいなぁ。わかってるわよそんなこと。全く本当に厄介な能力だわ」

 上下左右全てが引っ繰り返る動きに三人が手を焼いている隙に、正邪は輝針城をひたすら駆ける。出来るだけ遠くへ、今の内に。

 「せ、正邪!何で来たんだよぉ!いや、それよりも、止まって止まって!!」

 正邪に抱えられながら、針妙丸は訴えた。だが正邪に止まる気はない。

 「今止まったら捕まりますよ確実に。そうなりゃ我々は終わりです」
 「い、いいんだ、正邪。もういいんだよ。持てる力の全力を尽くして、駄目だったんだ。潔く負けを認めようじゃないか。その方が、後腐れもない」
 「何を仰られるのやら。負けを認めるなど早計です。我々はまだ、切り札を出していない」
 「き、切り札?」

 正邪の言葉の意味がわからず、針妙丸は小さな首を傾げる。

 「ええ。あらゆる願いが叶う不思議な道具、その小槌ですよ。小槌の力を振るえば、このような逆境などいとも容易く引っ繰り返せるはずです」
 「はぁー?何を言うかと思えば頓狂なことを。小槌の力はもう使ったじゃないか」
 「確かに使いましたね。小槌の力によって物言わぬ道具が意志を持って奴等を襲い、姫は強大な力を手に入れた」
 「だろう?それで駄目だったんだから、もう手なんて……」
 「ありますよ。至極単純な方法が一つだけ」
 「? と、いうと?」
 「その小槌に願うのです。奴等を、殺せと」
 「んな!!な、何を馬鹿なことを!!」

 正邪の言葉に針妙丸は面食らい声を荒げる。

 「お、お前は代々受け継いできた格式ある小槌を、人殺しに使えと言うのか!?」
 「左様で御座います」
 「はぁー、そうかい。ならやはり私達の負けだな。何故なら、私はそんなことに小槌の力を振るうつもりはないからだ!
  いいか、正邪よ。小槌の力は確かに強大だ。使えばどんな相手でも容易く打ち破れる。
  しかしそれで得た勝利に何の意味がある?強大な力を盲目的に振るって得た勝利で、誰が満足するんだ?
  私達の大義はあくまで弱者による強者への叛乱だ。小槌の力はそれを後押しする程度のものに留める。そう言ったのはお前だろう鬼人正邪」
 「ええそうですね、確かにそうでした。しかし、今はもう事情が違う。事は既に、大きくなりすぎたのです」
 「じ、事情が違うだとぉ?つまり、どういうことだ?」
 「お解かりになられませんか、姫。この闘いは、最早我々だけのものではないのです。全ての弱き者達が、この闘いに希望を持って注目している。ここで我々が負けたら弱者達がどうなるかなど、想像に難くないはずですが」
 「そ、それは……ど、どうなるんだ?」
 「我々が乱を起こした為に無用な希望を抱かされた弱者は、我々の敗北によって失意に飲み込まれ、もう二度と強者に歯向かうことは無くなるでしょうね。そして、恒久的に支配され続けることと相成るのです。小人族が受けた屈辱の歴史も、省みられることもなく葬り去られるのです。
  故に、我々に敗北は許されない。我々を信じた弱者のために、勝たなくてはいけない。それが、我々が果たすべき義務であり責任なのです」
 「で、でも、だからといって、殺しの為に小槌を使うのは……」
 「お為倒しの美徳などもう捨てましょう、姫。時には大義に背き、己が手を穢してでも勝利を掴み取らなければならないこともあるのです。そしてそれは、今この時なのですよ!」

 正邪の言葉は、滅茶苦茶に聞こえるが、何処か真に迫る感じだ。不思議と信じてしまいたくなる。
 しかし、針妙丸にも譲れない矜持というものがあるのだ。無闇やたらに力を振るうわけにはいかない。だが正邪の言うことも最もだ。針妙丸の心は揺れ動く。

 「う……いや、しかし、でも……」
 「姫、何も迷うことはありません。正義は我らにあるのですから。虐げられし全ての弱者の勃興と、先代の耐え難い無念を晴らす為に、どうか、どうか御英断を!姫!!」

 「あら、楽しそうな話をしてますわね。私も混ぜてくれない?」

 不意に背後から声がして、正邪は振り向く。今の今まで誰もいなかった筈なのに、銀髪のナイフ女がそこにはいた。
 咲夜は間髪入れずに懐からナイフを取り出し、逃げる正邪に向かって投げる。そしてそれは正邪の右足を見事に貫き、短く呻いて地へと転げ落ちた。

 「ちぃい、何時の間に追いつかれて……うぐっ!」
 「正邪ぁ!おい、大丈夫か!?って、んなぁ!?ち、血がこんなに……止めなきゃ!!」

 針妙丸は泡を食って正邪の足に布を巻く。汚い手で触るな余計に痛い、と正邪は心の中で毒を吐いた。

 「おお、追い付いたか。手間かけさせやがって」
 「全くだわ。あんな能力、タネさえわかってれば怖くもないってのに」
 「あら?その割には苦戦してたように見えましたが」
 「……うっさいなぁ」

 咲夜に次いで霊夢と魔理沙が合流し、逃走も虚しく二人は追い詰めれてしまった。このままでは取っ捕まって終いだ。
 刺された足が著しく痛むが、こうなった以上仕様が無い。正邪は歯を食いしばってへたり込む針妙丸を庇う様に両腕を開き、三人の前に立ち塞がる。

 「これはこれは御三人方。しつこく追って来た所悪いんだがな、うちの姫様には指一本触れさせないよ。私の目が黒い内はね」
 「はぁー、死に損ないのクセによく言う。もうアンタに用はないわ。地獄へ逝きたくなかったらそこをどきなさい」

 霊夢は退魔針の先端を正邪に向ける。無論、殺すつもりなどない。単なる脅しだ。
 安い脅迫だな、と正邪は見抜く。しかし、針妙丸は違った。顔を青くして尻餅をつき、そのまま後ろに後ずさる。

 「わわわ、せ、正邪!本当にもうやめよう!な? 終わりにしよう、全部!」

 威厳の欠片もない針妙丸の姿に、正邪はほとほと呆れ果てる。せっかくクサイ芝居とむず痒い台詞で鼓舞してやっているのに、この凡愚っぷり。
 小槌さえ振れば勝てる闘いだとさっき説明したはずなのに、何故それをしない。
 
 「終わりません、何も。一先ず今はお逃げ下さい。そして、勝利の為に何を為すべきか、よく考えてください。それまでこの正邪が、姫の盾となりましょう」
 「せ、正邪、お前……」

 正邪の意志に触発され、針妙丸の心は徐々に傾き始める。お膳立ては十分だ。後はこの馬鹿が小槌を使うのを祈るだけ。
 まるで演劇のようなやり取りをする二人に対して、霊夢は溜息をつき、魔理沙は嘲るように笑い、咲夜は武器を構えて臨戦態勢をとった。

 「盾ですって。それなら何度斬っても安心ですわね」
 「言葉の綾ってやつだな。一回斬ったら死ぬぜ、たぶん」
 「無駄なこと言ってないでさっさと終わらせるわよ。早く帰りたいんだから」

 三人は戦る気だ。むしろ、殺る気までありそうだ。どう贔屓目に見ても、正邪に勝ち目などない。針妙丸は頭を抱えて唸る。
 正邪は逃げろと言ったが、そんなこと出来るわけがない。正邪は大切な仲間だ。燻っていた自分を燃え上がらせ、弱者と小人族の栄冠のために奴等に立ち向かい、敗れても尚こうして自分を守ってくれている。
 そんな者をどうして見捨てることができようか。針妙丸は手に持った小槌を見る。これを振れば闘いに勝てる。仲間を、正邪を救えるのだ。小槌の力を必要以上に振るうのは、一族の沽券に関わる。だが、友の窮地を見捨てて守る沽券に何の意味があるものか。
 針妙丸は震える手で小槌を振り被る。この一振りは何も利己的に振るうわけではない。友を助ける為の、価値のある一振りなんだ。針妙丸はそう心の中で釈明して、小槌を振り下ろしながら叫ぶ。

 「打ち出の小槌よ!我等に仇名す覿面の敵を、磔にしたまえぇ!!」

 瞬間、小槌から俄かに光が溢れて三人を包み込む。これは魔力だ、と魔理沙が気付いた途端に三人の体は何かに引っ張られるように吹き飛び、輝針城の壁に叩きつけられた。

 「うぐぅ!けほっ!かは、な、何なのよぉ一体?」

 両腕を開いた無防備な格好で壁に貼り付けられ、力を入れても体が動かない。
 
 「ん……っ!はぁ、これ、動けませんわね」
 「やられたぜ。こりゃあ、魔法だな。動きを封じるタイプの」

 魔法、そんな生半可なものではない。正邪は顔を伏せてにやりと笑う。針妙丸の心を上手いこと誘導できたらしい。どうせなら殺してくれた方がよかったが、これはこれで面白いことが出来そうだ。
 正邪は針妙丸の方へ向き直り、肩膝をついて恭しく言う。

 「いやぁ姫、助かりました。この正邪、祝着至極に存じます。それに、まさか奴等を殺さずに生け捕りにするとは。なるほどこれなら血を流さずとも勝利することが可能だ。私のような輩には思い付かない優しき選択ですな、姫」
 「えっ、あ、いやぁ。私はただ、小槌を殺生に使いたくなかっただけで、別にそんな優しいとかは……えへへぇ」

 針妙丸は照れくさそうに頬を掻く。針妙丸はかなり、わかりやすい性格をしていた。貶されれば怒り褒められれば喜ぶ。言葉の裏まで考えず、言われた事をすぐに真に受ける。これほど扱い易い駒はない。

 「ご謙遜を。しかしですね姫。これではまだ完全なる勝利とは言えません。まだ奴等には抵抗の余地がある」

 針妙丸と正邪は、横並びで壁に貼り付く三人を見る。

 「ちょっと魔理沙。魔法ならアンタの専売特許でしょうが。何とかしなさいよ」
 「いや別に専売でもなければ特許も取ってないんだが……。それに、これは無理だぜ。私が知らない魔法だ。だから咲夜、どうにかしてくれ」
 「うーん。時を止めても動けなければ何もできないしねえ。こういう時は、霊夢の閃きに期待するのが一番ですわ」
 「うぎぎ、結局そうなるのね」

 動きを封じられているというのに暢気なもので、わちゃくちゃ喋くっている。

 「御覧下さい。奴等はこの状況に置かれても尚、余裕綽々といった様子でしょう。それは何故か?奴等はまだ、力を隠し持っているからです」
 「ち、ちからを……?」
 「ええ。奴等は珍妙な術を扱います。磔にしたとて油断は出来ません。下手を打てば、逆転されるやも」
 「わ、私はどうすればいい、正邪。ここまできたら勝ちたいぞ!」
 「私も全く同感です。ここは今一度、小槌の力を借りましょう。小槌で奴等の能力を封じるのです。我等の勝利を完全なものとする為に、ね」
 「えっそれは……。い、いや、わかった。その通りにしよう」

 針妙丸は一瞬躊躇したが、すぐに正邪の考えに迎合した。頭のいい正邪が言うのだから、それは現状に即した賢策なのだろう。
 針妙丸は再び小槌を振り上げ、奴等の能力を封じよ、と叫ぶ。三人の中で、何かが抜け落ちる感覚があった。嫌な予感を覚え、咲夜は時を止めようとするが、止まらない。小槌の魔力によって、その能力は完全に封じられてしまったのだ。

 「まずいわ。能力が使えない。時間が止まらないの」
 「何だとぉ?そんな魔法あったかなぁ」
 「……いや、これはきっと魔法じゃないわ。それより、もっと厄介なもの。呪いとかそういう類に近いわ」
 「呪いねぇ。だとしたら、解くのは難しそうですわね」
 「な、なぁ、これってもしかして、噂に聞く絶体絶命ってやつか?」
 「もしかしなくてもよ。ちぃ、私がいながらこんなことになるなんて……」

 ようやく三人の顔に焦りが見え始める。正邪は思わず口角を上げ、勝利を確信した。しかし、これではまだ足りない。もっともっと面白いことが出来るはず。

 「やりましたよ、姫。見て下さい奴等の慌てぶりを。これで我等の勝利は磐石なものとなりました」
 「そ、そうか!ようしそれでは勝鬨を……」
 「いや、待って下さい。念には念を、と言うでしょう。万が一のために、もう一つ手を打っておきましょう」
 「はぁ?これ以上何をするというの?」
 「その小槌で、奴等の心を変えるのです。我々に従順で、決して逆らわない雌犬にね」
 「んな!何を言ってるんだぁ、お前は!そんなことをする必要はないだろう!」
 「必要ならばありますよ。何故なら……」
 「あーあー!もういい!お前の長い話は聞き飽きた!これで決着はついたんだ。私はもう、小槌の力を振るう必要性を感じない!以上、終わり!!」

 正邪は心の中で舌を打つ。こうなると針妙丸は頑固だ。クソガキらしく妙なところで意地を張り出すから面倒臭い。
 本当ならここで針妙丸もぶち殺して、あとは好き勝手やりたいところだが、こう見えて針妙丸は強い。やりあっても勝てはしないだろう。正邪は渋々手を引く事を決めた。

 「……そうですね、申し訳御座いません、姫。それでは、勝利の凱旋と洒落込みますか……ってあれ?」

 針妙丸が、いない。打ち出の小槌だけが残されて、針妙丸の姿がさっぱり見えなくなった。

 「な、なんだ?あいつ、いなくなったぞ?」
 「本当ね、何かの能力かしら。これ以上まだ何かやる気なの?あいつは……」

 霊夢は邪推するが、実際はもっと単純なことだった。針妙丸は小さくなっていたのだ。消えたと錯覚するほど、小さく。

 「あれ?正邪がでかいぞ?小槌も……って、私ちぃちゃくなってる!?ど、どーして!?」

 正邪は足元で精一杯声を張る針妙丸の姿を発見して、目を丸くした。そして小さくなった針妙丸を優しく手の上に乗せて、奇異そうに考え込む。

 「本当ですね……なぜでしょう」
 
 針妙丸は小人族の宿命として元々かなり小さかった。今さっきまで針妙丸が人並みに大きかったのは、大きくなるように小槌に願ったからだ。この闘いに際して強者達と対等に闘う為に、そう願っていたのだ。にも関わらず、今は元の大きさよりも更に小さく、掌程度の大きさまで縮んでしまっている。

 「どういうことですかね。まさか、小槌の力は無限ではなかったのか?」
 「ど、どどどど、どうしよう正邪!!こんなちっちゃくなっちゃったら生活できないよ!小槌だって振れないし!!」

 針妙丸は正邪の掌の上でぱたぱたと喚く。ここまで小さくなってしまえば、そこらの鼠にすら勝てやしないだろう。つまり、今なら簡単に握り潰せる。正邪の心にドス黒い感情がグラグラと沸いてきた。

 「そうですねぇ。こうなっては何も出来ませんね。しかし、これは好機ですよ」
 「こ、好機?この状態のどこが……うぐぅ!?」

 正邪は針妙丸の体を片手で握り、ゴミを潰すように力を込める。

 「はぐぅ!……あがががが……ぐ、ぐるじい……せい、じゃ、おま、何を……や、やめ……れ……」

 体が圧迫されて呼吸ができない。顔がどんどん青白くなってきて、涙と唾液が混ざって零れ落ちた。霞んだ目が正邪の邪悪な笑みだけをぼんやりと映している。

 「ふっふふ、苦しいですか?そりゃあ当然だ。苦しむようにやってるんだからなぁ……!!」
 「あが……!な……が……!」
 「おら、もっと苦しめよ、啼けよ!声ぐらい上げてみやがれぇよ!!」
 「っ……!!!が……ああ……!ぐっはぁ!!はぁ、がふ、が、はぁ」

 圧殺寸前のところで、正邪は掴む手を緩めた。呼吸が通うようになり、針妙丸は激しい咳と荒い息を漏らす。

 「おおっと、私としたことがつい乗っちまった。まだお前には利用価値があるんだったな。殺したら不味い」
 「うぇほ!!げほ、げっほ!!……はぁ、はぁ、な、なんのつもりだよ、鬼人正邪……」
 「何のつもりって、そんなことすら聞かないとわかりませんかぁ?本当に虚け者ですね、オヒメサマは。」
 「な、なんだと……!!」
 「全く、貴女が想像以上に大馬鹿者だったせいで、本当に苦労しましたよ。私の言う事を三割も理解できねぇし、理解できないクセに偉そうに指図する。余計な事をして水を差し、指摘すりゃあ不貞腐れる。我侭なヒメを操るのは本当に骨が折れました。
 だが、それも今ここまで。お前との下らない主従遊びもここで終了だ。楽しかったか?オヒメサマ」
 「お、おまえぇ……!!さ、最初から、裏切るつもりだったのかよぉ!!」
 「最初からだなんて人聞きの悪い。私はずっと、弱者達の叛乱を成功させることだけを考えていたさ。貴女と一緒にね」
 「そ、それならどうして!!」

 正邪は呆然としている三人を睨みつけ、にやりと笑う。

 「私はね、もっと面白い遊びを見付けてしまったのさ」
 「あ、遊びだとぉ?」
 「ああそうさ。そこにいる紅白の巫女。あれは噂に名高い博麗の巫女じゃあないか。妖怪退治の専門家で、異変解決のスペシャリスト。奴の前ではどんな凶悪な妖怪でさえも尻尾を巻いて逃げるらしい。まさに強者の代表格みたいな存在だな。
 アレがいるから、人々は安穏と暮らしていられるってわけだ。だがよ、もしアイツがここで死んだとしたら、人里は、世界は一体どうなっちまうんだろうな?気にならないか?」
 「お、お前、まさか!!」
 「そのまさかだよ。博麗の巫女を殺す。他の二人もな」

 正邪は躊躇いなく言った。殺す。冗談を言っている様子はない。本当だ。正邪の言っていることは、本当。針妙丸は力なく頭を垂れる。正邪は捻くれてて、たまに無礼だったが、でも本当は良い奴なのだと信じていた。ずっと城で過ごしていた針妙丸にとって正邪は、初めてできた仲間だった。だから、そう信じたかったのだ。
 針妙丸は項垂れたまま、呟くように言う。

 「や、やめろ、そんなことをしても、弱者は浮かばれない。私の、先祖もだ」
 「はぁ?弱者?先祖?お前、何言ってんだ?」
 「正邪さ、最初に言ったよね?弱者達の解放と、小人族の屈辱を晴らす為に戦うって。私には、あの時のお前の力強い言葉が、嘘だったようには思えないんだ。なぁ、正邪。一時の気の迷いに惑わされちゃいけないよ。考え直すんだ、正邪」
 「あーーー?んなこと言ったかぁ?最早どうでもよすぎて覚えてないなぁ。弱者の解放?んなもん知らんな。私はただ、弱者に伸されてる強者の顔が見たかっただけだし。小人族の屈辱なんざ、最初から全部でっちあげだしなぁ」
 「で、でっちあげ……?」

 針妙丸の瞳から涙が滲んできたのを見て、正邪は昂ぶり語調を強める。

 「ああーそうさ!!でっちあげって言葉の意味わかりますかぁ?ぜーんぶ嘘ってこと!!
 いいか?その足りない頭でよく考えてみろよ。小人族は何百年もシャバから隔離されて幽閉されていたんだ。そんな奴等の歴史なんざ、ただの妖怪である私が知るわけねぇだろ!!私が教えた小人族の歴史は頭からケツまで丸っきり出鱈目、創作!!お前に小槌を使わせる為に五秒で思い付いた嘘なんだよ、う そ !!
 あはははは!!!全く傑作だな!どこの馬の骨ともわからねぇ妖怪の言う事なんか真に受けて、代々伝わる秘宝をあっさり持ち出しちまうんだからさぁ!!こんな頓痴気が末裔じゃあ先祖は浮かばれねぇわそりゃあ!!」
 「そ、そんなぁ……信じてたのに、ひどい、ひどいよぉ……う、うううぅぅ……」
 「お?泣くのか?泣いちゃうのか?やめろよな、、私はガキが泣いているのを見るのは嫌いなんだからさぁ」
 「う、うう……。くそぉっ馬鹿にして……!泣くもんか……!!このくらいで……!!えぐっ……」

 言葉とは裏腹に、大粒の涙が溢れ出して止まらない。その様子を見て、正邪は恍惚に浸る。

 「うーん、泣きたくなる気持ちもわかりますよぉ、ヒメ。何たって貴女はこの異変の首謀者なんですから。貴女がもうちょっと思慮深ければ、こんなことにはならなかったんですからねぇ……」
 「う、ううううう、うあああああああん!!あああああああん!!」
 「あーいい泣き声ですねぇ。まるで小鳥の囀りのようだ。もっと聞いていたいが、私はこれからやる事があるんだ。ちょっとここで大人しくしててもらうぞ。あとこれ、要らないから返すわ」

 そう言って正邪は傷口に巻かれた血塗れの布を解き、それで針妙丸の体を縛った。口元から足先まで雁字搦めにされ、動くこともできなければ声も上げられない。
 正邪は適当に針妙丸を放り投げ、磔になった三人を見る。

 「さぁって、いよいよ本番だ。どうしてやろっかなー?」
 「アンタ、本当に下衆ね。趣味悪いわよ」
 「あー?さすがは博麗の巫女だなぁ、手も足も出ないってのに減らず口は出るんだもんな。でもまぁ、褒めてくれてありがとさん」

 正邪は心底嬉しそうに笑みを浮かべながら霊夢の頬を軽く叩く。

 「触らないで。下衆が移るわ」
 「おおー、言うねぇ。そんなに早く死にたいか?しかし残念。お前はメインディッシュだ。最後に殺してやるから、黙ってな」

 そう言って正邪は隣の二人に目を移す。魔理沙はびくっとして目を逸らし、咲夜は何も言わずただ前を見ている。

 「うーん、金髪と銀髪、どっちを先に殺すか迷うなぁ。お前、どう思う?」

 正邪は魔理沙の視線に入り込み、満面の笑みでそう聞いた。

 「え、あう、ど、どっちって……」
 「お前か?あの銀髪か?どっちから死ぬかって聞いてんだよ。どっちだ?理由も付けて答えろ」
 「あ、あ、そ、それは、その、だな」
 「早く答えろよ!お前から死にてぇのかこのボンクラが!!!」
 「ひ、ひいい!!さ、咲夜が、銀髪がいいと思います!!なぜなら白の方が血の色が映えるからです!!!」
 「ちょ、ちょっと魔理沙、あんた何を……!!」

 霊夢は魔理沙の顔を見て、言葉を詰まらせた。恫喝に怯えて顔面は蒼白。唇が小刻みに震えている。こんな魔理沙の姿は見たことも無かった。
 正邪は咲夜に目を向ける。咲夜は魔理沙と違って平静を崩さずに、毅然としていた。

 「あーらら、お友達から指名されちまったなぁ、サクヤちゃん。それじゃあお前から殺すしかないか。しょうがないよな、お前の友達がそう言うんだからさ」

 咲夜は答えない。正邪に目を向けることさえしない。気に入らない、と正邪は思う。

 「しかしまぁ、私も最初に殺すのはお前だって密かに決めてたよ。さっきのナイフの恨みもあるし、何より私はお前みたいな奴が嫌いなんだ」
 「……」
 「その服装を見る限り、お前使用人だな?誰に仕えてる?そいつの名前は?」
 「……」
 「何とか言えよ雌犬!!」

 正邪は咲夜の顔面を思い切り裏手で殴る。それでも咲夜は呻き声すら上げない。

 「だんまりか。恐怖で声も上げられないか、それとも私みたいな奴に開く口はないって腹か?」
 「……」
 「ま、どっちでもいいさ。どの道お前は嫌でも声を上げることになるんだからな」

 そう言って正邪は咲夜のナイフを手に取り、刃先を喉元に突きつける。先端が僅かに触れ、血が一滴ぷっくりと静かに溢れて流れた。咲夜の表情が一瞬歪む。

 「こええか?怖いよな。平気なフリしたって分かるぞ?結局人間ってのは、死への恐怖を克服することなんて出来やしないんだ。だからさぁ、いいんだぞ、泣き叫んでも。下らない矜持なんか、今更守っても辛いだけだろ?なぁ」
 「……」
 「ふーん……。おい、金髪!!!」
 
 急に正邪に睨まれ、魔理沙の体がびくっと跳ねる。

 「は、はい!!!」
 「コイツの主は何て名前だ?男か?女か?」
 「あ、お、お、女だぜ。名前は、レミリアだ」
 「ああん?フルネームで言えよ馬鹿が!!」
 「ご、ごめんなさい!!レミリア・スカーレットです!」

 正邪は満足そうに頷き、咲夜に視線を戻した。

 「なるほど、スカーレット家のレミリアお嬢様か。いーい名だなぁ。そいつにお前は毎日のように媚び諂い、尻尾を振って暮らしてたんだな」
 「……」
 「こうしている間もレミリア様はお前の帰りを待っているわけだ。お前はもう二度と帰ってこないってのに哀れだなぁ。泣けてくるなぁ」
 「……」
 「んでよ、お前がいつまでも帰って来ないもんだから、レミリア様はアホ面晒しながらお前を探すわけだな。サクヤちゃ〜ん、どこ行ったのぉ〜、私一人じゃ自分のケツも拭けないのにぃ〜。ってな具合かなぁ?」
 「……っ!!」

 咲夜は正邪をギロリと睨んだ。ここが地雷か、と正邪は不敵に微笑み更に捲くし立てる。

 「おお?怒ったか?でも事実そうなるだろうしなぁ。何たって私みたいな雑魚に負ける奴が従者なんだ。それじゃあ主の品格もたかが知れてるってこった。阿呆な主に間抜けな従者。お似合いじゃねぇか?」
 「黙りなさい、妖怪!!それ以上言ったら許さないわ!!!」

 敬愛する者を貶されて、思わず叫んでしまった。咲夜ははっとして顔を伏せる。こいつの行動に反応したら悦ばせるだけだと知っていたのに、どうしても我慢がならなかった。
 正邪は全身にぶわぁと鳥肌が立つのを感じ、悦に浸る。早く咲夜の体をブチ壊したくてたまらない。

 「うっはぁ……。怖い怖い。怖すぎて手元が思わず狂っちまいそうだ。こんな風になぁ!!」

 正邪は咲夜の喉元に突き立てたナイフをそのまま振り下ろした。咲夜の服が縦に裂け、綺麗な白い肌とほどよく実った形の良い胸が露になる。
 咲夜は反射的に胸を手で庇おうとするが、体が動かない。両腕を開いたまま、その身を惜しげもなく曝け出す。

 「なっ!!あなた、何を……」
 「私はなぁ、人様の玩具を滅茶苦茶にするのが大好きなんだよ。それが綺麗な御洋服を着た大事な人形なら尚更な」

 そう言って正邪はナイフの先端で咲夜の腹をなぞる。冷やりとした感触と絶妙に緩慢な動作で咲夜はこそばゆくなり、体をぴくりと震わせた。
 ナイフの先端が臍周りを二回、三回と周回し、その度に得も言えぬ感覚が咲夜を襲う。

 「ん……」
 「なんだぁ?もう感じてるのかぁ?やれやれ人間ってのはつくづく業が深いな。こんな子供騙しの前戯で感じるなんざ、そりゃあ罪だろ」
 「くぅっ……!!!」
 「ならよぉ、こっちのお味はどうだ?サクヤちゃ〜ん」

 正邪は薄桃色の綺麗な乳頭に手を這わせ、優しく、しかし時に乱暴に捏ね繰り回す。咲夜は声を出さないよう必死で口を紡ぐが、体の方はその気がないようで、妖艶な声が漏れる。

 「んんぅっ……はぁぅ……!!」
 「んんー、いい声だなぁ。屈辱と悦楽がいい塩梅に混じってやがる。つまり、最高にいやらしいぞ、今のお前」
 「な、なにをいって……んあぁう!!」

 意志とは無関係に体がびくんと跳ね上がる。正邪は咲夜の首元に息を吹きかけながら双丘を交互に弄い、咲夜は息を漏らして体を震わせた。正邪は焦らずゆっくりと、されど激しく淫靡な手付きで咲夜を陥落させていく。
 咲夜は徐々に何かが込み上げてくるのを感じた。しかしそれは錯覚だ。咲夜は自分に言い聞かせ自制する。熱くて紅潮した顔も、太股に何かが滴る感触も、溢れ出る快感も全部錯覚なんだ。体は正直でも心まで飲み込まれてはいけない。咲夜は必死で込み上げる何かを押し殺す。

 「悔しいかぁ?舐め腐ってた妖怪風情にこんなことされてよ」
 「……っ!!!」
 「愛しのお嬢様が知ったら何て言うかなぁ?想像するだけで愉しくなるよなぁ、おい」
 「……」
 「不潔って言うかな。素敵って言うかな。どっちにしても美味しいな」
 「……」
 「ああん?なんだ、お前……」

 咲夜が急に鳴かなくなったので、正邪は不思議に思い咲夜の顔を見る。口元から、血が垂れ落ちていた。唇を噛み絞め、淫楽から逃れているのだ。

 「へぇぇー。お前中々、可憐しいすることするじゃねぇか。少しだけお前のことが好きになったぞ」
 「……」
 「それじゃあお前の魅力が一つ明らかになったところで、こっちを責めるとするかなぁ!」

 正邪は咲夜のスカートを乱暴に剥ぎ取り、隠されていた部分が衆目に触れる。すらっとした太股と清楚な白い下着。それらは分泌された愛液で汚れていて、咲夜の悦びを存分に体現していた。

 「えっ、なっ、ちょ……」
 「なるほどな。嫌よ嫌よも好きの内ってか。これだけ濡れてりゃあ挿れ易そうだ」

 そう言って正邪はナイフの刃先を手に持ち、柄の方を咲夜の秘所に向けた。咲夜の表情が強張る。年頃の咲夜は知っているのだ。それを挿れたら、抗い様もない快感に襲われることを。

 「や、やめなさい、それだけは、本当にやめて……」
 「なんだぁ?やめてほしいか?でもよぉ、嘘はいけないぞぉ、サクヤちゃん。これだけ汁を出しといて……そりゃあねぇわなぁ!!」
 「ひぐぅ!?ぅ……あぁあ……」

 正邪は憚らずナイフの柄を咲夜の蜜穴へとブチ込み、咲夜の世界を侵し始めた。

 「うんっ……!!んん、んぇう、ぅあん……!!んく、このぉ……」
 「あっはははははは!気持ち良いか?それとも痛いか?もしくは痛気持ち良いのかなぁ!?」
 「うぅぅん!!あ、んああ!!き、きもちよく、はぁ、なんか、うぅん!ないぃぃぃいいん!!」
 「ああーそうか?私は最ッッッ高に気持ちが良いがなぁ!!うへ、うへへへへへ、うあっはははははははは!!!
 抵抗できない奴を蹂躙するってのは本当にいいもんだ!!歪んだお前のツラを見ると愉快でたまらねぇ!!従者がこんなにされてるのも知らずに暢気にしているレミリアちゃまの事を思うと、ゾクゾクが止まらないんだよぉ!」
 「んくぅっ、こ、この、外道めぇ……ぅぅん!!」
 「いいねぇー、もっと言ってくれよ。外道、非道、卑怯者、全部ウェルカム!!もっともっと私を悦ばせてくれよぉ、なああああああ!!」

 正邪は乱暴に柄を挿れたり出したり捻ったり押し込んだりして、どんどん咲夜の奥深くへと侵略していく。痛みと愉悦が入り混じり、咲夜の精神は滅茶苦茶に掻き回され、歯止めが効かなくなってきた。

 「あぁ、んんんん!!あ、あ、んぇえう!!らめ、いや、ああああんむぅうう!!や、やめ、やめぇぇん!!」
 「あーっははは!はぁ。んあー?そろそろイキそうか?ならやめてやるよ。お望み通りにな」

 そう言って正邪は柄をしっぽりと引き抜いた。粘っこい膣液がドロリと垂れ、正邪はべとべとになった柄に舌を這わせる。

 「はぁ……!はぁ……!!」
 「結構いい味してんじゃねぇか、お前」
 「うぅー……!はぁ……!」
 「なんだ?物足りなさそうな顔してんなぁ。こりゃあもっと刺激が欲しいと見える。なぁ、そう思うだろ?金髪」

 魔理沙は見ていられなくて目を伏せていたが、急に振られてさっと顔を上げる。

 「ひ、ひゃい!?え、あ、な、ぇえ?わ、わたしは、その、だな」
 「あー、もういい。サクヤよぉ、お前の友達は言葉もマトモに喋れないらしいな」
 「はぁ、はあ……。だから、らによ……」

 咲夜は余韻で頭がふらつき、回らない呂律で答えた。毅然としようにも、無理だった。どうにも下腹部が疼いてしょうがない。
 正邪は咲夜の耳に顔を近付け、息をかけながら言う。

 「だからさぁ、お前にもっと強烈な刺激をくれてやるって言ってるんだよ。御陀仏間違いなしの絶頂遊戯だ。イクのと逝くのどっちが早いか賭けてみるか、なぁ?」

 正邪は濡れた柄を手に持って、今後は刃先を咲夜の性器に向ける。それが何を意味しているのか、咲夜はすぐに理解した。理解した途端、血の気が引いて顔が青ざめる。

 「うっ……」
 「顔色が変わったな。強がってても、いざ死ぬってなるとやっぱ怖いか。わかるぞ、私も死ぬのは怖いからな」

 刃先で太股をなぞり、囁くように正邪は言う。足が僅かに斬れ、鋭い痛みとともに血がつついと垂れてくる。咲夜の体が恐怖で震え始めた。平静を保つことなど最早できなくて、涙が溢れて止まらない。

 「ゃ、ゃめて……お願い……」
 「やめないね。お前はここで死ぬんだ、これは確定だ。でも安心しな。サクヤちゃんが寂しくないように、他の二人もすぐ殺してやるからよぉ!!!」
 「あぐぅ!!!」

 ズン、と何かが下から突き上がってきた。咲夜は目だけで下を見る。ナイフの刃が自分の股の間を貫いていた。そこから発狂するほど大量の血が噴き出し、辺りを鮮血に染めている。瞬間、耐え難い激痛が咲夜の全身を巡る。

 「ぁ……ああ……!!ふぐっ、がぶっあが、がががが……!!」

 刺されたナイフが胃まで押し込まれ、咲夜の臓器をズタズタに引き裂いていく。血が逆流して口から噴射し、喉が詰まって声が出ない。

 「ひゃははははははははははは!!あーっはははははは!!!綺麗なもんだなぁ!!!たまらねぇぞこいつぁよ!!」
 「が……ぁぐ……」
 「いてぇか?苦しいか?哀しいか?私も哀しいぞぉ、お前を殺せるのが一回きりだなんて、哀しくて泣きそうだ!!」
 「ぐぁっ…………ぁ、……」
 「何とか言ってみろよ!!さっきまでの威勢を見せてみろやこのタコさんメイドがぁ!!」

 正邪はナイフを引き抜き、それを今度は下腹部に突き立てる。ぎぎぎぎぎぎと腹を掻っ捌くと薄紅色の腸が飛び出してきて、正邪はそれを乱暴に引き千切り口に咥えた。

 「ンンー。なるほどなぁ、これが人間の味かぁ。私はあんまり食べたことがないが、これは確かに、素晴らしい珍味だなぁ。妖怪が挙って人間を襲う理由もわかるぞぉ。なぁサクヤちゃん、お前も食べるか?」

 咲夜の黒目は完全に上向き、口はだらしなく開け放たれ、力なく頭を垂れている。すでに、息絶えていた。それでもお構いなしに、正邪は咲夜の口の中に散らばった臓物を詰める。

 「うまいかぁ?って、死んでっから味もわかんねぇか。おい金髪、お前も食うか?」

 そう言って魔理沙の方に目を向けると、魔理沙はガタガタ震えて顔を伏せた。魔理沙の足元に黄色い吐瀉物が広がっているのを見て正邪は下劣に笑い、魔理沙の顔に咲夜の腸を押し付けた。生温かい感覚とぬめりとした血の感触が頬を撫でる。

 「あ、ああ……!!」
 「お前、失礼な奴だなぁ。友達の中身見て吐くなんてよ」
 「は、はぁあ、や、やめてくれ……か、かおにやらないで……」
 「ああ、これ食ったら考えてやるよ。だからはやく……」
 「もういい加減にしなさい!!!!!」

 不意に怒号が響き、正邪は霊夢を見る。霊夢は少女とは思えぬ鬼の形相で正邪を睨み付けていた。何て心地良い視線だ、と正邪は恍惚する。

 「アンタの目的は私を殺すことでしょ?なら先に私を殺しなさいよ!!!」
 「れ、れいむ、お前……」

 咲夜の無残な死を目の当たりにして、霊夢は自棄になっていた。正邪の非道な行為への憤りと、何もできなかった自分の不甲斐無さで心を乱され、冷静ではいられなくなっている。

 「おおぉーう……。そんな顔でそんな声上げないでくれよ。嬉しくなってしまう。だが、お前は最後に殺すと教えたはずだぞ?私は言ったことは必ず守るんだ、おおよそな」
 「どこまでも人を馬鹿にしくさって……!!覚えておきなさいよ下劣な妖怪め。私をすぐに殺さなかったこと、絶対に後悔させてあげるわ!!絶対に!!」
 「はいはい。ま、精々がんばりな。それよりも、今の私はこの金髪に御執心なんだ」
 「え、あ……」
 「なぁー金髪?お前も私と遊びたいよなー?」
 「うっうう……ち、近寄るな!!」

 正邪に詰め寄られ魔理沙は思わず声を張り上げる。正邪は眉間に皺を寄せ、わざと不機嫌そうな顔を作る。魔理沙はびくんと体を震わせて、威勢も殺がれてしおらしくなってしまった。

 「ああーん?お前、今なんか言ったか?」
 「い、いやその……ご、ごめんなさい……。で、でも、お、お願いだから、頼むから、命だけは助けてくれ……!!」
 「はぁー、そうか、助かりたいか。しかしここで残念なお知らせだ。この先何があろうと、お前らが生き延びることは決してない。私はよ、テメェラの命だけは絶対に助けるつもりはないからなぁ!!」
 「そ、そんなぁ……いや、いやだ……」
 「クククッ、しかしよぉ、お前の事は好きだぜぇ?欲望に忠実で、自分勝手。私はそういうの、嫌いじゃあない。こんな形で出会いさえしなきゃあ、もしかしたらいい仲間になれたかもな、私達」
 「な、仲間……?」

 魔理沙の脳内に閃きが走る。生き残る為なら、形振り構っていられない。

 「そ、そうだ……!仲間だ!!私はお前の仲間になるぞ!!」
 「あー?何言ってるんだお前?」
 「私はお前に逆らわない!!お前の手足となって動く!!だ、だから、殺さないでくれ!!!」
 「ちょ、ちょっと魔理沙、アンタねぇ!!自分がなに言ってるのかわかって……」
 「霊夢は黙っててくれよ!!!!」

 一喝されて、霊夢は口を紡いだ。霊夢には魔理沙の言動が理解できなかった。正邪が魔理沙を仲間にするとは到底思えない。魔理沙の行為は火に油を注ぐようなものだ。

 「はぁー。金髪よぉ、てめぇは鳥頭か?さっき私が言ったことをもう忘れたんか?私は、何があっても、お前らを殺す。何回も言わせんな!!
 だいたいよぉ、お前みたいな昼行灯を仲間にしたところで私に何の得があるってんだよ?」
 「と、得ならあるぜ。間違いなくある」
 「あーん?どんな得があるってんだ?20秒で説明しろ」
 「た、たとえば……そ、そう、お前さ、ここで私達を殺すのはいいんだが、その後はどうするつもりだ?この惨劇だってお前の仕業だとバレるのは時間の問題だろうし、バレたら化け物みたいに強い奴等がお前を襲いにくるぞ?それは困るだろ?だからさ、ここで私を生かして、私が証人になるんだ。外の奴等に適当な筋書きを伝えて、真実を煙に巻くんだよ。内容は、そうだな、針妙丸とかいう残虐な奴が狂って私達を皆殺しにしようとした。私は負けて殺される寸前のところで正邪に救われて、何とか帰ってこれた。こういうことにしておけば、お前は追われることもないだろう。どうだ?いい話じゃないか?」 

 魔理沙の話を正邪は目を瞑りながら黙って聞いていた。そして魔理沙が話し終えると静かに目を開き、ぽつりと呟く。
 
 「……40秒」
 「へ?」
 「制限時間の倍もかけてんじゃねぇよダラズがぁ!!」
 「へぐぅ!!?」

 正邪は魔理沙の顔を右ストレートで思い切りブン殴った。口内の血管が切れて魔理沙は血反吐を吐いて咳き込む。

 「うぇっぐっ……かふぅ……!」
 「で?なんだって?あー、半分も聞いてなかったわ。わりぃ」
 「そ、そんなぁ……」

 魔理沙がガックリして顔を伏せたので、正邪は魔理沙の髪の毛を掴み強制的に顔を上げさせる。

 「いいか?私には仲間なんて必要ねぇんだよ!!気持ちが悪くて虫唾が走る!!私が仲間を作る時は、そいつを裏切るという前提がある時だけだ!!!」
 「あがががが、いたい、いだいいい、かみ、かみはなしてぇぇぇ……」
 「痛いか?そりゃあこの髪が悪いな!!髪さえなければ、痛くねぇもんなぁ!!!」

 そう言って正邪は血に塗れたナイフを魔理沙の額に突き刺した。

 「んが!!!!ぁ、!ああぁぁ……」
 「お前、頭悪すぎるからな。テメェの脳味噌がちゃんと入ってるか見てやるよ。」

 正邪は力任せにナイフをギコギコギコギコ動かして、魔理沙の頭を固い缶詰を開けるようにして徐々に斬っていく。血が決壊したダムのように溢れ、正邪はうひゃーと喜ばしげに声を上げた。
 魔理沙はすでに、意識がなかった。意識がないのに、白い目から涙だけが延々と流れ続けている。魔理沙の亡骸が、死してなお命乞いをしているようだ。

 「おぉぉおー。見ろよ、博麗ちゃん。こんな奴でも脳味噌は入ってたぞぉ、ホラぁ」

 正邪は魔理沙の頭蓋を引っぺがして、その中身を霊夢に見せ付ける。霊夢は唇をぎゅっと噛み締め、悔恨の念を押し殺した。もう、泣きたい。また救えなかった。何も秘策が思い付かないまま、二人を見殺しにしてしまった。

 「あーあー、哀れだなぁ、こんなになっちまってよぉ……。しかし私にしては勿体無いことしちまったな、すぐ殺してしまったよ。でもまぁ、苦しまずに死ねてよかったな、金髪」

 正邪は死に絶えた咲夜の内臓を掴み取り、魔理沙の脳内に詰めながら喋くる。特にこの行動に意味はない。ただ何となくやってみたくてやっただけだったが、霊夢の神経を逆撫でするのには十分すぎる行為だった。

 「ふざけないで……ふざけないでよ!!!殺してやる!!絶対に、死んでも許さない!!!亡霊になってでもお前を憑り殺してやる!!!この腐れ外道がぁああ!!!」
 「おいおい、亡霊になっても私を楽しませる気か?お前はどれだけエンターテイナーなんだよ、オイ」
 「黙れええええええ!!喋るな、喋るなぁあ!!!その戯れたことしか言わない口を今すぐ閉じなさいよぉおお!!!!」

 霊夢は知らぬ間に涙を流していた。感情が爆発して、制御が効かなくなっている。

 「口を閉じたって、現実は変わらんぞ?」
 「黙れ、黙れ、黙りなさい……うっぐ……」
 「お?なになに泣いてんのか? あはははははは!こいつぁ貴重だなぁ!!まさか巫女様の涙が拝めるとは、生きてて良いこともあるもんだ!なぁ、金髪?……あ、金髪はもう死んでたわ。こりゃ失敬」
 「うああああああああああああああああ!!!死ね!!!!魔理沙と咲夜に謝れ!!!謝れええええええええ!!!!!」
 「おおーこわっ。わかったよ、私が悪かったよ、謝ればいいんだろ?サクヤちゃん、金髪、もっと無残に殺してやれなくて、ご・め・ん・ね?」
 「ま、また馬鹿にして!!!うっく、くそ、ちくしょう!!!」

 霊夢は力の限り拘束を振り解こうとするが、体は全く動かない。正邪は霊夢に刃先を向けて、ゆっくりと話し出す。

 「さて、いよいよこの宴もお開きだな。あとはお前を殺して、幻想郷の崩壊を楽しみに待つだけだ」
 「死ね……死ね……!!絶対に殺す、殺してやるぅ……!!!」
 「言ってろ。何も守れない愚図巫女め。さ、そろそろフィナーレですよ、ヒメ。……ってあらま」

 針妙丸は気絶していた。放り投げた時に落下したショックで気絶したのか、この惨劇に耐えられなかったのかはわからないが、白目を剥いて泡を吹いている。

 「全く、最後までしまらないヒメサマだ。ま、いいさ」
 
 正邪は霊夢に目を戻し、首元でナイフを構える。霊夢の頬に冷や汗が一滴流れる。

 「おい博麗ちゃんよ。いよいよお前の死刑執行の時が来たわけだが……何か言い残すことはあるか?」
 「……ない。お前と話すことなんて、もう、何も」

 霊夢はぎゅっと目を瞑って淡々と答えた。
 別に、死ぬことは怖くない。仕事柄、いつでも死ぬ覚悟は出来ていたからだ。ただ、未練が全く無いかといえば嘘になる。それは、幻想郷のこと。自分がいなくなった後の幻想郷は、どうなってしまうのだろう。
 大結界に関しては、自分が死んだ時の対策を紫に話してあるので多分何とかしてくれるだろう。しかし、人里は、この世界に住む人々はどうなる?人は妖怪に勝てる程強くない。だからこそ自分が抑止力となって、この世界のバランスを保っていた。
 そのバランスが崩れてしまう。自分と魔理沙、二つの抑止が無くなるのだから、妖怪達の士気は大いに高まるだろう。早苗だけでは到底止められるとは思えない。退治されなくなった妖怪は、もう人を恐れなくなる。世界が、逆転する。

 「そうか、何も無いか。なら、死ね」

 鮮血に染まったナイフが霊夢の喉元を貫いて、霊夢の意識は暗黒へと落ちていった。


----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 その日、人里には大雨が降っていた。
 嫌な予感がするなぁ、と稗田阿求は何となく思う。嫌な予感というものは当たるから嫌いだ。しかも、大抵が予想の斜め上をいく。

 「こんな日は、家で大人しくしているのが一番……」

 と、思っていた矢先にこの足音だ。バタバタと廊下を駆け、この部屋に向かってくる何かがいる。この遠慮の無さはどうせ小鈴だろう。また何かやらかしたのかな、と阿求は思い溜息をつく。
 程なくして部屋の襖が乱暴に開け放たれ、現れたのは予想通りの人物だった。

 「ぜぇー……ぜぇー……あ、あきゅ、た、たいへんよ、とんでもないことが起きてるの、ぜぇーー」
 「はいはい、まずはお茶でも飲んで落ち着いたら?」
 「ああ、どうも……って!!!そんな場合じゃないのよ!!とにかく来て!!」
 「え、えええ?」

 阿求は小鈴に手を引かれるまま、外に飛び出す。大雨が降っているので傘を持っていこうと提案したが、それすら時間が惜しいと言われ、結局びしょ濡れになりながら里を歩く。

 「もう、何なのよぉ、へっぷし!!」
 「くしゃみなんかしている場合じゃないのよ!!」
 「いや、くしゃみはいいでしょ別に……」
 「あ、あそこよ、ほら見て!!」

 そう言って小鈴は正面を指さす。高い木の周りに、人だかりができていた。何やら徒事ではない様子だ。
 
 「人が、大勢集まってるわね」
 「そうなの、だから、大変なの!!れ、れいむさんが……霊夢さんが!!!」
 「霊夢さんが、どうかしたの?」
 「し、死んでるのよ!!!霊夢さんも、魔理沙さんも!!!」

 そんな馬鹿な。阿求は信じられずに駆け出す。

 「ちょっ、ちょっと通して下さい!!すいません、通ります!!」

 阿求は人混みを掻き分け、その中心へと飛び出した。その瞬間、信じられない光景に目を見開く。

 「そ、そんな……嘘よ、こんなの……」

 魔理沙の無残な死体が木の根元に転がり、咲夜の死体が枝に吊るされ宙ぶらりんになっている。
 そして、霊夢は。右足、左足。右手左手。それら全てバラバラになって無造作に転がっている。それが誰のものであったのか、すぐに理解した。霊夢の頭だけが、木にへばり付いていたからだ。開かれた口にナイフが突き立てられ、後ろの木まで貫通している。
 霊夢の脳天には小さな旗が刺さっており、そこには『人生の負け犬』と血文字で書かれていた。
 阿求は地面にへたり込み、天を仰ぐ。まさか、こんなことが起こり得るなんて、夢にも思わなかった。

 「お、終わりだわ……幻想郷は、終わり……」

 阿求は力なく項垂れて、そう呟いた。


 「うっはははははは!!見てくださいよヒメェ、奴等の顔!!これは傑作だぁ」

 人里の近くの小高い山で、正邪は双眼鏡を覗きながら楽しそうに言った。
 針妙丸は未だ小さいままだった。体を縛られて、正邪に握られている。生きるも死ぬも正邪の手の内だ。

 「いやぁー、しかしねぇ。ヒメがあまりに馬鹿なもんだから、あの時は見捨てて逃げようかと思ってたんですがねぇ。ヒメを助けに戻ってよかったですよ本当に。おかげでこんな楽しいものを見ることができた。感謝しますよぉ、ヒメ」
 「……正邪、お前は、心が痛まないのか?」
 「あー?」
 「こんなことをして……お前には良心というものがないのか?」

 言われて正邪は一笑に付す。

 「ははっ。何で心を痛ませる必要があるんですか?むしろ弾ませるべきでしょう」

 そう言う正邪の顔はこの上なく晴れやかだ。心底、そう思っているのだろう。
 針妙丸はそれ以上正邪を責めることはしなかった。責めても無駄だと悟ったし、それに、自分に責める権利などありはしないのだから。

 「さて、そろそろ御別れの時間ですね、ヒメ」
 「は?お別れ?」
 「ええ。貴女には利用価値があるかも、と思って生かしておきましたが……特にありませんでしたので、殺そうかと」
 「……そうか。好きにしなよ、もう何でもいい」

 針妙丸の空虚な反応に、正邪は眉を顰める。何てつまらないやつだ、と思いながら、針妙丸を足元に転がす。

 「正邪、私は忘れないぞ、お前の事。地獄からでも這い上がって、復讐してやる」
 「ああ、私も忘れませんよ。ヒメのその間抜け面は、忘れろって言う方が無茶でしょう。またいつか会いましょう。そしたらまた、殺してやるからよ」

 そう言って正邪は無様に転がる針妙丸を思い切り踏み潰した。足の周りに血飛沫が飛び散り、ぐりぐりと足裏を地面に擦り付ける。針妙丸は惨めな肉塊と成り果て、その生涯を終えた。

 (これで、目的は全て達した)

 正邪は微笑んで歩き出す。

 (博麗に組する強者達よ。金髪の盟友達よ。サクヤの主よ。貴様等の大切な人を奪った者はここにいるぞ)

 更に雨足が強まってきた。やがて、雷が鳴り響く。

 (悔しければ私を追って来い。私は逃げも隠れもするぞ?果たして捕まえられるかな)

 正邪はあえて現場にメモを残してきた。三人を殺したのは鬼人正邪だと。捕まえられるものなら捕まえて見ろ、と。
 他人の不幸は蜜の味。逃げ切った時の奴等の顔を想像すると愉快でたまらない。

 「うふ、うはははは、あーっはっはっはははは!!さぁ世界よ、私を嫌え、拒絶しろ。強大な敵意と純粋な殺意を私に向けるがいい!
  お前等の恨み辛み悲しみ全てを!!私は喜んで受けるぞ!!!!そうさ、我が名は鬼人正邪。生まれ持っての、アマノジャクだ!!!」

 雷が何処かに落ちる音がした。開戦の合図か、と正邪は思う。そして、大雨の空へと飛び立って、何処へかと姿を消していった。
 幻想郷が崩壊し、正邪の望んだ世界が来る十日前の出来事であった。
イミテーションでの投稿は初じゃないです。面白く無さそうな企画だったので、つい投稿しませんでした。よろしくお願いしません。書いてて全然楽しくなかったです。もう二度とこんな話は書きたくないっす。自分は天邪鬼じゃないっす。
酔鉄砲
作品情報
作品集:
12
投稿日時:
2015/06/20 11:25:04
更新日時:
2015/06/21 20:35:08
評価:
10/10
POINT:
980
Rate:
18.27
分類
針妙丸
正邪
霊夢
魔理沙
咲夜
アマノジャク
産廃創想話例大祭C
簡易匿名評価
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POINT
1. 100 名無し ■2015/06/20 22:30:15
全然ダメ!少しもゾクゾクしない!!
……ごめんなさい、アマノジャクはここまでとして。自機3人がなすすべもなくズタズタにされていく様子が歯がゆくもありエクスタシーでもあり、新たな扉を開いてしまいそうです。面白かった!
2. 100 名無し ■2015/06/26 05:14:20
それぞれのキャラの特徴を完璧に捕え完璧に演じさせた最高に最低な作品でした
読んでてニヤニヤしっぱなしだった
3. 100 まいん ■2015/06/27 12:59:41
これは良い正邪。一人じゃ何も出来ないから、誰も彼も利用する正しい外道。
って、紫。ちょっと管理が杜撰過ぎない?霊夢の思いも無駄にして。
4. 100 名無し ■2015/07/10 03:49:30
とても気分が悪くなりました
もう二度とやらないで欲しいです
5. 90 hん ■2015/07/13 21:10:22
勇敢な魔理沙と不感症の咲夜が全然それっぽくなくて嫌いでした。

オリックス最強
6. 100 音丸 ■2015/07/14 22:50:23
ニヤニヤが止まらない
7. 90 あぶぶ ■2015/07/15 00:26:48
グルブルお目目の正邪にゃん
8. 100 名無し ■2015/07/18 13:54:36
始めから終わりまで徹底された反逆でした
面白かったです
9. 100 NutsIn先任曹長 ■2015/07/18 14:12:33
逆転ではなく、反逆。
逆転は英雄に許された反転で、反逆は元に戻らないお盆の水。
そう、反逆者は愉快痛快な末路を愉しむ為に生きてきたのですね。
一際惨たらしく滑稽な最後を迎えるのが自分自身だと知ったうえで――。
10. 100 県警巡査長 ■2015/07/18 22:22:03
正邪…どこまでも腐りきってやがるッ!
ここまで来たら、奴さんにはこのまま死ぬまであの姿勢を貫いて欲しいものです。
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