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『アリスと魔理沙の楽しい弾幕ごっこ』 作者: ギョウヘルインニ

アリスと魔理沙の楽しい弾幕ごっこ

作品集: 12 投稿日時: 2015/08/16 06:13:19 更新日時: 2015/08/16 15:13:19 評価: 5/6 POINT: 510 Rate: 15.29
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「……ちょっと、どうしたの?」
「アリスさん、すみません。魔理沙さん遅刻です」



 さて、この話アリスと魔理沙の楽しい弾幕ごっこは始まったばかりなのですが問題が発生しました。この話の主人公である魔理沙なのですが、到着が遅れています。この話に来る途中に川で氾濫が起こり。尚且つ、その辺で山賊達が魔理沙からサイン(山賊さんハート魔理沙)を貰おうと剣を抜き弓をひいているのです。(山賊なので、剣道部の男子からすごく指摘がありそうな型と、弓道部の可愛い娘から羨望のまなざしで見られるような布都マッチョです)

 それで普通の魔法使い魔理沙が遅刻です。この話で共演予定で東方の大御所というべき存在の魔法使いアリスさんにとって大変侮辱的なことなのでした。そして、追撃を掛けるかのごとくついでに朝からお腹が痛いのです。

「ちょっと、そこのあなたモルヒネ買って来なさいよ」

「アリスさんモルヒネはちょっと」

「私を誰だと思って居るの? あなたなんか、無意味に消し去ることができるのよ」

「でも」

 アリスはその辺にいたエキストラの毛玉を捕まえて鎮痛剤を買わせにいこうとしていました。ところが、その鎮痛剤は駄目ゼッタイだったのです。

「く〜!」 

 このままでは、アリスはへそを曲げて帰ると言い出しかねません。とても困ったものなのです。

 それで、仕方なくそれを見かねた別の共演者である程度地位のある幽々子が仕方なく付き人の妖夢にゴマをすって来いと命じたのでした。

「あの〜、アリスさん」

 恐る恐る、妖夢はアリスに話しかけます。失敗すれば主に被害が及ぶ可能性があるからです。実際過去に、お笑いコンビで一世風靡しかけた咲夜の相方レミリア(作中ではレミリアが主人ですがネタを考えるのは咲夜)が夜這いしてアリスの血を啜ろうとしたら逆に啜られてしまった過去があったのです。それが、スキャンダルに発展してレミリアは・・・・レミリアは精神的に追い詰められて本来のキレが無くなってしまいました。……だから、電車に飛び込んだのです。そうです。朝寝坊して遅刻しそうになって駆け込み乗車です。そのことで駅員さんに連れてかれてしまいました。それから干されてしまったとの噂が拡散しています。かわいそうなのです。

「何か用? 私は忙しいんだけど」

 ここで、アリスの体温を測ってみることにします。35.2℃でした。麗血な血筋引いているので冷血なのです。あ、霊夢の体温は36.2℃で平熱ですよ。妖夢の体温は測定不能でした。問題はそこではないのですがこれはこれで重要な問題なことなのかもしれませんので後程触れることは無いでしょう。

「あの、その。えっと、その」

 そんな、アリスに冷たく何か用なんて言われたら経験不足の付き人妖夢です。萎縮してしまい言葉がうまくでませんでした。3年前の寒い朝の日のように朝の暁が怖くて泣き出して、幽々子の服にしがみつかなかっただけ成長したものです。

「言いたいことがあるならはっきり言いなさい」

 そして、自分の立場が上で妖夢の背が小さく力でもかてそうなことを良いことに、アリスは魔理沙のせいで話が進まないイライラのはけ口にするつもりなのです。

「そのえっと。アリスさんは、我侭だと思います!」

 アリスの感覚なら普通なら萎縮して何もいえないはずだったのに。こともあろうに妖夢は相手に脅されたり挑発されると反発してしまうのです。まるで、反抗期を迎えた大学生のようにです。


 その様子を後ろで見て居た幽々子はやって、しまった。はっきり言ってしまった。後ろでこの子に任せるんじゃなかったっと思い青い顔してそっぽむきました。もはや、トカゲの尻尾のような者にその付き人妖夢はなってしまったのでした。

「え?」

 言いたい事をはっきりと言うとは思って居なかったアリスでしたので、情報処理が出来ませんでした。大御所と言われるようになってからこういう風に言われたことは無かったのです。この年のアカデミー賞にノミネートしてもおかしくないほどのほうけた顔をしました。   

「だから! 魔理沙さんが遅刻してるからってその態度は無いと思います。もっと、そこの妹紅みたいに素数を数えていればいいんですよ」

 そういわれた妹紅は本編とかで露出する際は活発で力強い少女なのですが、その実は内気で与えられた役割を遂行することだけだったのです。普段は雲が流れるのとか水溜りが蒸発するのをただなんとなく眺めているのが好きだったのです。不老不死なので時間はいっぱい有りイジメられたことも多くて普段は1人のときが多いのです。慧音が政治家になってかまってくれなくなったこともあり最近さらに進行していました。

「あ、あなた! 私に対してその態度はなんなの!」

 ようやく、アリスは妖夢に対して怒りの念をあらわにしました。普段の話で見せているあの柔和な笑みや美しい物腰はここにはありません。醜悪に干からびた巨峰のような顔をしていたのです。

「アリスさんは確かに東方の大御所かもしれませんが、アリスさんを支えてくれた人々が居て今の立場を得たはずです。旧作の人々が積み上げたものの上にアリスさんが立って居ることを忘れないで下さい」

 アリスは東方怪綺談でブレイクした神綺の娘で二世タレントでした。親の七光りってやつなのです。

「もういい! 誰か、この子をつまみだして!」

 ……妖夢はつまみ出されてしまいました。多分、この後すごく妖夢は怒られました。



「私、今すぐ魔理沙を連れて来ないんじゃ帰るわ! 次の話までの出演時間は待ってくれないもの」

「まあまあ」

 それからしばらく別の共演者がアリスを必死になだめました。




 ところが結局、魔理沙はこの話に来ることは出来ませんでした。山賊を二三人打ち倒したところで捕まりサインを書かされてしまったのです。山賊さんハート魔理沙と書いたサイン色紙は手術の同意書でした。書いたところで直ちに麻酔が打たれて緊急手術が始まりました。魔理沙は度重なる話の中で重度の肝臓病を患っていました。医者には、話に参加しないで、手術をしないと死んでしまうと言われて居ましたが共演者に迷惑が掛かるとそれを断っていたのです。とても、とても健気な魔理沙。

 だからこそ、魔理沙が大好きな医者は同じく魔理沙が大好きな山賊と結託して一計を案じたのです。やさしい、医者と山賊の物語なのでした。






 魔理沙が手術で県立病院に搬送され話に参加できないためこの話が打ち切りになったと連絡を受けたこの話の司会進行役がアリスにそのことを伝えに走りました。そうです。司会進行役は犬走椛だったのです。 

「あの、アリスさん大変申し訳有りませんが、この話は打ち切りになりました」

「え? なんですって?」

「魔理沙さんが緊急入院してしまった為中止です」

「入院? 魔理沙なんて這ってでも話に参加させればいいじゃない? 私をこれだけ待たせて入院でしたなんて済まされないわ」

「もうしわけ有りません。今の魔理沙さんは手術中なので話しに参加したら死んでしまいます」

「魔理沙の1人や2人死んだところで換えは幾らでも居るでしょう? それよりも、この話をしないと全国の私のファンが暴動を起こすかも知れないわ」

「しかし」

「もういいわ。後で、この落とし前はつけてもらうわ!」

 言いたいことだけ言って、アリスはこの話を後にしました。




 普段の態度とこの話の共演者にアリスは数々の恨みを人々に作って来ました。そして、先ほどの椛との会話を誰かがボイスレコーダーに録音していて動画サイトに投稿されてしまいました。

 アリスのSNS(フィクションですよ)はこれを聴いた人々からの数々の罵声と批判で炎上してしまいました。中には爆破予告をする輩まで現れたのでした。

 まるで、アリスの未来を予告しているような出来事だったのです。
魔理沙の手術は成功、だが思った以上に手術は難航してしまったから集中治療室で治療を受けている。

数日すれば意識を取り戻すだろう。だが今はまだ酸素マスクが外せない状態だった。

心臓の鼓動や脈拍を測る機械は病状の安定を示していた。

そんな、集中治療室にアリスは忍び込んだ。

この後にアリスのしたことは逆恨みだった。

魔理沙の脳に障害残る。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
12
投稿日時:
2015/08/16 06:13:19
更新日時:
2015/08/16 15:13:19
評価:
5/6
POINT:
510
Rate:
15.29
分類
アリス
妖夢
毛玉
魔理沙
あとがきは逆恨み
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POINT
0. 10点 匿名評価
1. 100 メタメタ ■2015/08/16 17:52:36
親の七光りのところが狙い撃ちだったです。
オチが最高!
2. 100 名無し ■2015/08/16 18:37:38
往年のギョウヘルインニ節が戻ってきたな!こういうノリが最近無かったから実に良い!
3. 100 まいん ■2015/08/17 01:36:48
救えない話。だが、ここではこれが普通。
そして、魔理沙もアリスも未来が救えないので、とても良い。
4. 100 名無し ■2015/08/17 21:50:32
一服の清涼剤
5. 100 名無し ■2015/09/21 17:06:36
走れない魔理沙
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