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『天則無双変』 作者: げどうん

天則無双変

作品集: 最新 投稿日時: 2015/10/16 13:44:11 更新日時: 2015/10/16 22:44:11 評価: 2/2 POINT: 200 Rate: 15.00
※巨大ロボットが無双する、そんだけの話


ひそーてんそくはむてきのきょだいろぼっと!
かくゆうごうのすっごいぱわーでわるいやつを
すべからくみんちよりひどいありさまにするよ!



「かーっぱっぱー!遂に完成したぞ、科学力と叡智の結晶……非想天則!!」

悪の組織の、という表現が似合いそうな地下研究所にバカ笑いがこだまする。
青髪の河童の先にあるのは吹き抜け建築を縦に貫く巨大な人型……
全てが重厚な金属で構成された存在は巨大ロボットと呼ばれる代物であった。

「圧倒的装甲と高速機動を備え搭乗者の思考制御で自在に動く最強のロボ!
 動力は地底から拉致ってきた地獄烏の核融合による超出力!チート乙!」

ドヤ顔という表現を絵にしたような表情で自身の研究品を誇る――
この河童の科学者の名をにとりという。
3日完徹で仕上げたせいでテンションが多少おかしくなっているようだ。

「私が制御してない時は動力の烏の思念で勝手に動く欠点はあるけど
 私が常に制御しておけば問題ないな!些細などうでもいい欠点だ!」

俗にいうフラグというものが聳え立ったことには気づかないにとり。
このまま運動テストしようと思ったものの、急に猛烈な睡魔に襲われる。

「あー眠いわー3日で実質2時間しか寝てないもんなー実質2時間だもんなー。
 ……おいバカ烏ー、一旦降りて来い!実験中断だ……なんだ、寝てるのか。」
「……うにゅにゅう……ZZZ。」

動力炉に繋いだ通信から返ってきたのは寝言と寝息。
思えば起動実験を何度か繰り返したあとは、ずっと放置していたのだった。

「まーいいか、私も一旦寝てこよ……ふあぁぁ。
 うへへ、起きたらどうテストしよう……山ひとつくらい平らにしてみるかな。」

睡魔に打ち勝てず仮眠所に向かい研究室を去るにとり。
この時、彼女は気づいていなかった……
この兵器は搭乗者の睡眠中の思念にも反応するという、重大な欠陥があることに。


――かくして後に天則無双変と呼ばれる異変はここに始まったのであった。






「ZZZ……うにゅー、さとりさまー?みてよー、おっきいロボット……うにゅー。」

動力供給用座席に座り、寝息を立てる人影……核融合の遣い手、地獄烏の空である。
夢の中に出てきた飼い主へ自身が搭乗する巨大ロボットを披露する空。

「ZZZ……え、悪いやつがいるの?まかせてよー全部やっつけちゃうから……うにゅ」

夢の飼い主に巨悪が迫っていることを告げられ、ロボットを駆る空。
それは、夢の出来事の筈であった――彼女の思念に、非想天則が応えるまでは。

「ZZZ……いけーひそーてんそく。わるいやつをひきにくに変えてやれー……うにゅ」

地を揺るがし咆哮のような駆動音を発した非想天則が、目に光宿し立ち上がる。
一瞬の後、爆音と閃光が研究所内に轟くと同時――非想天則の姿は破壊された隔壁の外へ消えていた。




↑ネタここまで
----------------------------(キリトリセン)-----------------------------------
↓グロここから



「あー、今日も誰もこないわね……来なけりゃこないでいいけど。」

無人の境内へ一瞬視線を向けて神社の奥に歩を返す巫女装束の少女。
今日は何をして過ごそうかなどと思考を巡らせたとき……何かに気づく。

「なんか、揺れてる……地震?ううん、なにか……近づいてく」

その言葉を言い終わることなく、彼女の姿は倒壊した神社の構造物の下に消える。
彼女は目にすることは叶わなかった……
神社であった瓦礫に覆われた更地に、陽光に身を輝かす金色の巨人が仁王立ちしている光景を。


「ZZZ……悪いひとの基地、もっといっぱいあるのー?うにゅー……ぜんぶつぶすよー」

搭乗した少女の夢の中そのまま、グッとガッツポーズを決めた金色の巨人は
唸りを上げながらいずこかへ向けて大地を揺るがしつつ駆けだすのであった。





「おいおい、なんだありゃ……霊夢は生きてるんだろうな?」

巨大な金属の威容を目にし、宙を疾駆する箒の上で呻いた白黒装束の少女は魔理沙。
博霊神社が何者かに粉砕されたという情報を聞きつけて来た彼女が見たものは
人里に現れた巨大ロボットが家屋を放り投げ、踏み潰している惨状だった。

「分かりませんが斬りましょう、幽々子様がなんとかするようにと言っておられました」

隣で飛行している少女――半霊の剣士、妖夢が腰に差した日本刀を抜き放つ。
彼女も同じ情報を聞きつけ、この場で魔理沙と出会ったのであった。
互いに異変と呼ばれる事件に幾度も遭遇したが、こうも破壊的なものは記憶にない。

「無茶いう奴だな……あんなデカブツ斬れるもんなのか?」
「あの巨体ならそう動けるものではないでしょう、弱点を突いて斬れば――」


「ZZZ、むにゃ……さとりさまーアレをたおせばいいのー?うにゅーがんばる……」

地獄に生きる動物のカンであるのか、夢の中で現実の敵意に照準を重ねる空。
必殺の一撃を命じられた非想天則は、その思念に全力で応え――吼えた。

「……こっちに気づいた!?魔理沙、離ぶぺ――」

巨大な風切りに混じり水っぽいものが弾けたような音が響いた。
虚をつかれた魔理沙が振り向けばそこには高々掲げられた天則の巨大な腕。
その先端で握られた拳から赤い霧が降り注ぐ様を魔理沙は茫然と眺める。

「よ、うむ……おい?返事……しろよ?」

天則が腕を下ろす――然り、魔理沙の視界に入るその拳の……赤く染まった様。
血と肉片にまみれた拳に、妖夢の着衣を纏ったぺしゃんこの皮が張り付いていた。
例えるならそれは、虫を潰した石の底のような……

「よよよよう……う、うわぁぁぁッ!!マスタースパァァァク!!」

天則の拳に張り付いた妖夢だったもの、その有様を見て魔理沙は恐怖に陥った。
元妖夢の頭部らしき脳漿まみれな毛髪の辺りから、潰れた眼球が毀れ滴り落ちる……
その光景を見た瞬間、魔理沙は思考より早く全力の魔法を撃ち放っていた。
こびり付いた妖夢の死骸ごと眩い閃光の柱に呑み込まれる天則の拳。爆炎。


「はぁ、はぁぁ……どうだ?これなら、あの化け物だって……」

爆音と共に膨大な爆風が生じ、巨人の巨躯があった一帯を完全に覆う。
避けられる距離と姿勢ではなかった……安堵の息を吐く魔理沙。
が、次の瞬間――煙を貫いて巨大な影が現れる。

「うそ、だろ……無傷?そんな、ありえないぜ……?」

煤がついた程度の凹みすらない無傷な天則の顔と目が合い、凍り付く魔理沙。
そもそも開発者のにとりはマスパを防ぐ程度の装甲を前提に天則を設計していたのだった、
当の魔理沙には知るよしもないことではあったが。

「あ……にげ、逃げないと……うわぁぁぁぁ!?」

愕然としていた魔理沙は静かに真下から迫った巨大な手に反応が遅れる。
回避が間に合わず、天則の手のひらに胴を掴まれ捕獲されてしまう魔理沙。
凄まじい握力に全身の骨が軋みをあげ、忽ちに幾本かはへし折れる。

「いぎゃあ゛ぁぁぁッ!?たすけっ、やめてくれぇぇっ!お願いだ、なんでもする!」

激痛に泣き叫び恥も外聞もなく命乞いをする魔理沙。
その返答は……無言のまま魔理沙の上半身へ伸ばされる天則のもう一本の手。
絶望に打ち震えながら魔理沙はその威圧的な掌を凝視する。

「なに、なにするんだ……やめろよ、死にたく……ないっ!やめてくれぇぇ……」

恐怖のあまり天則の掌中で小便を漏らして怯え震える魔理沙。
その上半身が天則の手に包まれ、巨大な両手に魔理沙の全身が完全に覆い隠される。
直後、握られた拳から骨折音が鈍く鳴り響いた。

「ぶげお゛ろ゛ぉっ……な゛っ、なにじゅ……ぎゅべえ゛え゛え゛え゛ッッ!?」

雑巾搾りのように互い違いに捻られていく天則の両手。
然り、握りしめられた魔理沙の身は胴を境に各々逆向きに捩じられる。
全身から異音が響き、腰の辺りは凄まじい破砕音を立てて青黒く染まった……直後。

「びゅげぶあ゛ッ!!??」

生っぽい湿った破断音を立てて天則の両拳が離れる。
掌中にはハラワタをブチ撒けた真紅の断面を晒す魔理沙の胴体。
一度強く拳を握った天則は拳を開き、汚れを飛ばすように手を払った。

「……」

奇跡的に絶命をまぬがれた襤褸屑のような魔理沙は1秒後に大地に叩きつけられ
今度こそ完全に魔理沙だった血肉の塊と化して地表に散乱し果てた。


「ZZZ……うにゅぅぅ、やったーかったよさとりさまーてんそくはむてきだー……」

勝利のガッツポーズをグッとキメる天則。
勢い余って魔理沙と呼ばれていた肉塊を踏み潰し完全圧砕したが些細なことだろう。






「まったく、魔理沙ったら一人で勝手に……連携ってものを考えてないわね全く。」

精巧な少女人形を引き連れ風を切るのは森の魔女ことアリス。
無謀に単独先行した相方と……なぜか隣にいる存在に向け溜息を吐く。

「れんけーって何だ?あたいに関係あるのか?ロボってデカいんだよな?」

氷精チルノ、騒ぎがあったと聞きつけて物見遊山気分で纏わりついてきた……
控えめに言って思慮だとか空気を読む機能が完全欠落した存在である。
既に被害も出ている事件だというのにあまりの能天気さにアリスは頭痛すら覚えた。

「なんでもいいから邪魔だけはしないで頂戴、魔理沙だけでも手に余るんだから。」
「おやおや、あの白黒の魔法使いをお探しですかな?」
「\アタイ/\サイキョー/」

宙を駆けるアリスの真上から声をかける人影一つ。
そちらに目をやれば、カメラを片手にした天狗……文の姿。
なにが楽しいのか半笑いの表情で悠然と上空で舞っている。


「死にましたよ、あの魔法使い。あと刀使いの半霊も……いやあ、酷い最後でした。」
「アンタに構ってる暇はないから消え……え?今、なんて……?」
「\ナ、ナンダッテー?/」

思考が追いつかず愕然と文を見るアリス。文は眉ひとつ表情を変えない。
とりあえずHがやかましいので叩き落とす。

「叩き潰され踏みにじられ……おおグロいグロい。ですが一面は決まりました。
 異変解決屋No.2、遂に死す!いやはやいい記事になりそうです。」
「アンタ、それを黙って見ていたっていうの……!?」

憎悪の眼差しを向けるアリス。しかし文は余裕で肩をすくめる。

「あやや、当人の無謀や力不足は記者の私のせいでは……おや、お喋りは終わりですな」
「!?……あれが、ロボット!」


地を揺るがして現れる巨大な金属の塊……堅牢な城を思わせるその威容。
魔理沙が敵わず殺害されたというのも無条件で信じられる強大な存在感を放っていた。

「なんだかよくわからんが、アタイがアレを倒せば白黒よりさいきょーなんだな!」
「あ、待ちなさい!チルノ!!……文!どこへ行く気!?」
「あややや、私はこれにて失礼。遠くで応援致しておりますので。」

何も考えず突撃を敢行するチルノと背を向け逃亡する文。
各々好き勝手に動く連中に怒りを叫ぶアリス……と、次の瞬間。

「やあやあ我こそは最強の妖精チルびゅぺ」

堂々と宙に仁王立ちで名乗りを始めたチルノの頭部が消し飛ぶ。
巨体とは信じられぬ速度で振るわれた天則の横薙ぎの手刀だった。
下顎を残して頭部を失したチルノは断面から覗く舌を痙攣させたのち、墜落した。


「おお恐ろしい恐ろしい、これはアリス殿もダメそうですな。もう少し離れ……」

余裕綽々で逃げ出した文の後方遥か遠く……天則の眼がこちらを向いた気がした。
その口が開いて内部が何やら煌めいた、と文が思った直後。

「なんですか、光?こっちに……あ」

天則の開口から放射された閃光の柱が大気を灼き、文ごと遥か遠い山までを貫いた。
核融合により生み出された高熱のプラズマ塊を放つ……それは所謂、ビーム砲。
その膨大な熱量は天狗の全身を一瞬にして焼き焦がし水分を残さず蒸発させる。


「文まで……なんてこと。」

焼きすぎた丸鶏のような有様で落下する文の焼死体を目にし、呻くアリス。
アテにしていた者達は残さず瞬殺され、今や彼女一人が残るのみ。

「人形を囮にしてでも、一度退くべきね……!?」

湯気を吐いていた天則がこちらへ向き直り……背からなにかを掴み取る。
それはどう格納していたのか、剣呑な光沢の刃を有した長大な青龍偃月刀。
どんな演出なのか銅鑼の音を鳴り響かせながら天則が長柄を構え上げ……振った。

「ッ!?ドールズ……!」

巨腕が消えたかと錯覚するほどの俊敏さで断頭台の如く振り下ろされる刃。
ありったけの人形を盾に刃を受け流し、その隙に逃亡を図ろうとしたアリス……だが。
次の瞬間、彼女の眼に入ったのは無数の人形を霞の如く切り裂き迫った銀色の刃先。


「あるぇ……な、に?わらひ、どうなへ……あ?せかいが、われへ……ぷげっ」

正中線から真っ二つにアリスの全身が左右に切り離される。
あまりに鋭利に切り裂かれた断面は人体標本の如くその全容を晒し……
直後、鮮血と共に内容物を宙に撒き散らしながら半分ずつのアリスは墜落した。



動く者のいなくなった一帯を見回しグッと決めポーズを取る天則。

それから……天則は紅魔館に突撃して館ごとパチュリーを粉砕しミンチに変え
時を停めようと逃れられぬ規模のプラズマを咲夜に浴びせて蒸発させ
捕まえた美鈴の四肢と頭部をもぎとりレミリアが再生しなくなるまで叩き潰し
そのあたりで目を覚ましたお空が飯食いに帰っていく様を
崩れた地下室から這いでてきたフランはわけがわからないまま見送った。



その後、帰ったお空から事情を聞いたさとりは責任問題の重さに顔面を蒼白にして泡吹いて倒れ
ショック死寸前のうわ言で天即を河童ごと自爆させるよう命じたため
幻想郷初の巨大ロボの歴史は僅か一夜にして河童の余命と共に幕を下ろしたそうな。

唐突に現れ唐突に消えた謎の巨大兵器の起こしたこの異変の真相を知るものはあんまりいない。



天則無双異変――おしまい。
美少女だけを殺す兵器が世に溢れて欲しいですね。どうもげどうんです。
他にも色々書いていますのでお暇がありましたらどうぞ。
げどうん
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2015/10/16 13:44:11
更新日時:
2015/10/16 22:44:11
評価:
2/2
POINT:
200
Rate:
15.00
分類
巨大ロボ
猟奇
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POINT
1. 100 名無し ■2015/10/17 15:10:12
>美少女だけを殺す兵器
そんなもん世に溢れたらブスばっかになるぞ!やめろ!
あ、作品は非常によろしゅうございました^^
2. 100 名無し ■2015/10/17 20:22:02
天則の動く姿を見られぬまま爆殺されるとか中々可哀想
名前 メール
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