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『天子に婦女暴行したかった』 作者: 穀潰し

天子に婦女暴行したかった

作品集: 1 投稿日時: 2011/11/18 06:59:17 更新日時: 2011/11/23 23:01:24 評価: 7/14 POINT: 860 Rate: 11.80
「ふぅん、珍しいわね」

天界に広がる草原に寝転んでいた不良天人―――比那名居天子が、『それ』を目にして興味深そうに呟いた。
彼女の目の前には一人の男。そう、天人しか住むことが出来ないと言われる天界に、ただの人間が居るのだ。いくら幻想郷の天界が空に浮かんでいるだけの空間とはいえ、そこに至るまで当然妖怪や他の天人達の妨害がある。
つまり目の前の人間はその妨害を撥ね退けて、今この場へと立っていることになる。
それが天子の好奇心を大いに刺激した。
男がここまで来た手法や経緯などどうでもいい。ただここに居るという事実が重要なのだ。
少なくとも只の人間じゃない、もしかしたらあの巫女や妖怪並に楽しめるかも。
ただ食って寝て踊るだけの毎日に辟易して異変を引起した実績のある彼女にとって、何かしらの変化は大いに歓迎だ。だから天子は何の警戒も抱かずその男へと近づいた。

「地上の人間風情が天界に何の用?」

高飛車な物言いと共に指を突きつける天子。圧倒的な上から目線の言葉に、しかしその男はただぐるり、と天子のほうへ視線を向けただけ。
濁ったガラス球のような一対の瞳。まったく温度を感じないその無機質な輝き。
それに対して腰に手を当て眉を顰めながら男の顔を下から睨み付ける天子。激昂してくるなり、憎まれ口を叩くなり、何かしらの反応が返ってくればそれに対して挑発出来るのが天子の特徴。何せ他人から恨みを買うことに関しては黒白の魔法使い並みに得意なのだから。
だが、それも相手が反応を返してくれればの話。現に目の前の男はじっと天子を見詰めたままだ。

「……何よ、口が利けないわけ? 人間なんて憎まれ口を叩く程度しか能が無いんだから、それならそれで少しは役立てなさいよ」

どうなのよ、とぺしぺしと男の頬を叩く天子。それに対して。

「今回は比那名居天子」

ぼそり、と男が呟いた。瞳同様、低く、無機質な声だった。

「何よ、喋れるじゃない。というか何であんた私の」

ゴギャリッ。

名前を知っている、という言葉が天子の口から漏れることは無かった。代わりに漏れたのは肉同士を打ち付ける嫌な音と空気の漏れるような音。
唐突な浮遊感、ついで背中に衝撃。
顔面がじんじんと痛む。何だから鼻も変な感じだ。

「ぁ、え……?」

数秒の時間を要して、ようやく天子は自分が地面へ仰向けに寝転がっていることに気が付いた。
何で?
いまだ混乱する頭で顔だけ起こせば天子へとつかつか近づく男の姿。その右手が握り拳を形作り、そこに若干の赤い液体が付着している。
痛む顔面、仰向けに寝転んだ自分、握り拳を作った男。
それだけ把握して、ようやく天子は自分が男に殴られたということに気が付いた。
と、同時に一気に頭に血が上る。
それもそうだ、天子にとって地上の人間など文字通り『下の存在』だ。そんな相手によりにもよって暴力を振るわれたなど、天人として以前に天子の性格が許さない。
彼女にとって自分以外はすべて『自分を楽しませる』ものであって『自分で楽しむ』ものではないのだから。

「ふざけんじゃ」

無いわよ、そう叫ぼうとした天子。ここで彼女は一つミスを犯した。
それは無様にも寝転がったまま言葉を吐こうとしたこと。ここでもし即座に体勢を立て直していればまだ抵抗が出来たかもしれない。
しかし結果として天子は体勢を立て直すより男を罵倒することを優先した。
そして男にとってそれを待つつもりは一切無かった。
結果。

「おぶっ!?」

どすり、と男が天子の腹の上に腰を落とした。いくら肉体が鋼のように鍛えられているからといって衝撃や圧力まで感じないわけではなく、ジタバタと暴れては見るものの体の重心を抑えられてまともな抵抗も出来ない。

「こ、の!! 退きなさいよ下」

パンッ。

「い゛っ!?」

肉を打つ音が響く。ジンジンと痛む頬とそこから伝わる熱。先ほどは殴られた、今度は叩かれた。衝撃で横を向いていた顔を天子が元に戻そうとし。

パンッ。

二発目。今度は強制的に顔が逆方向へと向けられる。頭の中がぐらぐらする。耳鳴りがする。

「ちょ、調子に」

パンッ。

「!! 〜〜〜ッ!!」

三発目。衝撃で言葉を紡ごうとした天子が舌を噛んだ。痛みに目尻に涙を浮かべながらも男を睨み付け。

パンッ。

それに応えるように男は叩く。

パンッ。

叩く。

パンッ。

叩く。

パンッ。

叩く。

「……ふ、ざ……こ……」

叩かれ続けた衝撃で朦朧とする意識。それでも天子は反抗心を失わない。彼女は、自身に無礼を働いた男にどんな意趣返しをしてやろうかという、ただその一心で意識を繋ぎとめているに過ぎない。
もちろん男にとってもそれは想定内だ。この不良天人の心がそう簡単に折れてもらっては困る。
だから彼は、ガシリッと天子の顎を掴むと頭が動かないよう固定すると。

ジュブチュッ!!

何の躊躇いも無く彼女の眼球へと指を突き立てた。

「っぁぎゃぁあぁぁあああああああっ!!」

初めて響いた天子の絶叫。先ほどまで朦朧としていた意識が覚醒し、同時に体が暴れる。

「痛いいたいいだいぃぃぃい゛い゛い゛!!」
「さすが天人、堅いな」

何処か遠くで男の声が響いた。

「ぁ゛っあぁぁ゛ああ゛ああ……!!」

目に異物が侵入したことに反応しあふれる涙。それがさらに痛みを増大させ天子に獣の声を上げされる。
本能として損傷部位をかばおうとしても両手を動かそうとしても男に押さえつけられていてはそれも不可能。結果として天子は痛みに頭を振りたくるだけだった。

「ぅぐ……くっそ、こ、の、人間がぁ……!!」

碌に機能しない瞳でそれでも男を睨む天子。視線に物理的威力があればそれだけで人を殺せそうな鋭さ。
痛みに震える舌で、それでも罵る事は忘れない天子。

「それでいい」

その気丈さに初めて男の声に温度が篭った。

「ふざ、けんじゃない、わよっ……!?」

ここまで好き勝手にやっておきながら、まるで自分の反応を待っているような言葉。まるで操られているような錯覚に、痛みも忘れ天子が声を上げ。
びりびり。
いまだ反抗心を忘れない天子の耳にそんな音が響いた。それは自分の下半身から。ついで肌寒さを感じた。

「あん、あんた、何や、やってんのよ!?」

いまだ回復しない視界。それが彼女から余裕を奪っていく。今行われている行為を確認できない、それが逆にいろんな想像を天子に思い浮かばせる。
まさか、まさかこいつ。
最悪の可能性を思いついた天子を肯定するように、男は天子の足首を掴み股を開かせる。

「ひゃぁぁああああっ!?」

見えない。それゆえに他の感覚が敏感になる。だから天子は今自分がどんな羞恥を曝しているか理解できる。
普段は絶対あげないであろう乙女然とした悲鳴。実際に自身の身に起きているからこそ分かる、自分の体を好き勝手にされるという屈辱。

「離せ離せ離せぇ!! 汚らわしい変態が!! 何考えて……!!」
「頂きます」

パニックに陥る天子を差し置いて男がただ一言呟いた。その言葉が何を意味するか、天子が理解する前に。
ズブッ。

「……ぇ、ぁ?」

天子が最初に感じたのは異物感だった。股間から腹の中に掛けて熱い棒を差し込まれたような異物感。

「意外とスンナリ」

男の声で、その異物感の正体に気づく。
嘘。
嘘ウソ嘘嘘うそウソ嘘ウソ嘘っ!?
それが何なのか、理解した天子の頭の中はその一言で埋め尽くされた。
それもそうだろう、見ず知らずの人間に暴力を振るわれた上に犯されているのだから。
そんな彼女に構わず。

「いぎぃっ!?」

男の逸物が腹の中を前後した。内臓を抉られる様な痛みと不快感に天子の口から苦痛が漏れる。

「やめ゛っ、やめ、ろ゛っ!! ぐる、苦じぃい!!」

それもそうだろう、潤滑も何もないただ穴に突っ込み前後させるだけの行為。畜生以前にもはや作業とまで言える行為。そんな行為に快感など在ろう筈もない。
自身の上に覆いかぶさっている男に手を突いて引き剥がそうとする天子だが、その程度で止まるようなら苦労しない。
ズブ、ズブ、ズブと、天子の肉穴を抉り続ける男。その肉棒は天子の破瓜の血によってぬらぬらと光っている。

「はな、いっ、離れ、ろぉ!! 変た、い゛っ!! 下ひゅっ、衆、がぁ!!」

痛みを怒りに変え抵抗する天子。それに対し男はふむ、とひとつうなずくと。

「抉るぞ」

端的にそう呟くと、いまだ暴れ続ける天子の瞳に再び指が当てる。

「ひぃっ!?」

感触だけでそれを察した天子が短い悲鳴と共に動きを止めた。
今までも異変の際に痛みを感じたことはあった。だがそれはすべてお遊びでのこと。本気の、しかも急所に対する暴力など彼女の許容を超えている。
さっきは目だった。次はどこだ。鼻か、耳か、口か。見えないことが彼女の不安を一層煽る。
だから初めて天子は怯えた。小動物のように体を震わせて。

「ひぐっ、……離れ、離れな……さぃ、よぉ……」

苦痛に涙声が混ざた。いくら高飛車傲慢鼻持ちならない天人とはいえ、女性として蹂躙されることには慣れていない。
ぐずぐずと鼻を鳴らし始めた天子に対して男は最後の仕上げに出た。
彼は先ほどまで天子の体を押さえつけていた両手を彼女の首へと持っていくと。

「あぐっ!?」

ぎっちりと絞め始めた。一気に絞めつけはしない、じっくりと、ゆっくりとじわじわと首を絞めていく。

「ぁがぁっ、かっ、ぁはっ」

じたばた。
天子が暴れる。振りほどこうと、少しでも空気を得ようと。
だが無意味。いくら体を打たれようと、たとえ爪が刺さろうと、男は一切行動を休めない。ただ腰を動かし、首を絞め続ける。

「―――ぉっ―――っぁ」

もはや天子の口から漏れるの呼気音とも取れる掠れ声のみ。酸素不足と脳への血流不足によって徐々に暗くなってくる視界と遠のく意識。
あ、これはヤバイ。

まだ辛うじて機能する頭の一部で天子はそれだけを感じていた。

死んじゃう。

今まで感じたことのない感覚。自分の体が自分のものでなくなる感覚。浮遊感にも似た意識の消失。

死んじゃう。

もう一度、天子はそれだけを考えた。そしてそれは意識とは別、生物としての本能への部分へと働きかける。

「締まるな」

男がそれだけ呟いた。生死の境目にて、天子の体が生物としての本能―――子孫を残そうとする―――を働かせる。半ば他人のものになったような体で、そこだけは明確に天子の意識へと信号を送る。

「あ……かぁッ……!! はっ……!!」

尾?骨から背骨を駆け上るぞくぞくとした快感を。

ヤバイヤバイヤバイヤバイ。

半ば意識を失っていた天子の脳はただそれだけを思い浮かべた。
それが死が迫る危機に対してなのか、首を絞められ犯される快感に対してなのか、判断できるほどの思考回路は天子には残っていない。
ただ動物としての本能を優先した体が、襲い来る快感に耐える術など在ろうはずもなく。

ヤバイヤバイヤバイヤバイッ……!!

その思考が焦るほど、背骨を駆け上るゾクゾクとした感覚は速度を増し。
そして脳へと達して。

「―――ぁぁ゛っ!!」

気道を絞められ声は出ない。その代わりと言えるほどビクビクと体を震わせる。白目を向き、涙と涎をたらし、股間からは小水まで噴き出して天子は絶頂した。
と、同時に。

「!!」

男が天子の中に白濁液を吐き出したのは同時だった―――。



「―――娘様!!、総領娘様!!」
「……ん」

呼び掛けられる声に目を開ければ、視界に移るのは自身の教育係―――永江衣玖の姿だった。彼女は呆れたような、そして心配そうな瞳でこちらを見詰めている。

「またこのような所でお昼寝をされて……天人の体が丈夫とはいえ、病気にならないわけでは無いのですよ」

寝ていた?
違う、私は意識を失っていたんだ。
そこまで理解して天子はぼそりと呟いた。

「あいつは?」

辺りを見渡せば、先ほどまで自分の狼藉を働いていた男の姿など影も形も無い。それどころか男に破かれたはずの服まで元に戻っている。
夢だったの?
寝起きの所為か倦怠感の残る上半身を起こす天子に衣玖が首を捻る。

「? どなた様のことでしょうか? もしやお知り合いが居られましたか?」
「ん……いや、何でもないわ。それより何で衣玖がここにいるのよ」
「何ということはありません。ただ総領様から総領娘様を探してくるよう仰せ付かっただけですよ。まったく、もはや何度目か分かりませんが、今回は言わせていただきますよ。いくら退屈凌ぎだからといってそう勝手に……」

ガミガミと始まった衣玖の説教を右から左へ聞き流しつつ、天子は思い返す。
あの頬を叩かれた痛みも、目を潰された激痛も、犯された屈辱も、そして死の瀬戸際で感じた絶頂も、すべて夢だったのだろうか。
だとしたら私はとんでもない―――。

「総領娘様? 聞いてますか?」
「はいはい、ごめんごめん」
「……まったく聞いてませんね。もういいです、それより早く戻りましょう。何時までも地べたに座っていてはお腹が冷えますよ」
「何よその子ども扱い」

立ち上がった天子。

「んぐっ……!!」

その体が一瞬びくり、と硬直する。

「? 如何されました?」
「……ああ、うん、何でもない。ちょっとよろけただけ」
「そうで……本当に大丈夫ですか? 何だかお顔も赤いようですが……」

大丈夫大丈夫、と手を振りながら歩む天子。その後ろに付き従う衣玖は気づいただろうか。
天子の歩んだあと、そこに転々と白い何かが落ちていたことに。
太腿を伝う粘液の感触を感じながら天子は熱の篭った溜息を漏らした。
やっぱり、あれは夢じゃなかった。
男も暴力も激痛も絶叫も快感も。
だとしたら。
だとしたらもう一度。

「ねぇ衣玖」
「何でしょうか?」
「私、素敵な退屈凌ぎを見つけたかも知れない」

にたり、と天子の唇が歪んだ。
俺だって本能に従いたい時ぐらい、ある。
でもエロって難しいと思うんよ。

>ギョウヘルインニ様
事も無げに行われるえげつない行為。そういう領域に達したいです。

>NutsIn先任曹長殿
自分が把握している『自分』などただの一面でしかない。
ジキルとハイド、ふとすれば別の自分が顔を出す。

>9氏
これだからドMは……。バッドエンドじゃ普通すぎたんでちょっといい想いさせました。

>10氏
決して許容せず、ただ拒絶する。そういう反応は見ていて楽しいです。
打てば響く反応こそ、我々の嗜虐欲を満たしてくれるのですから。

>pnp様
頂いたコメントで気づきました。私の作品でハッピーエンドって初めてですね。私にハッピーエンドを書かせるなんて、天子恐ろしい子……!!
因みに天子の身体に関しては若干の脚色が入っています。原作だと『頑丈』となっているだけですからね。
穀潰し
作品情報
作品集:
1
投稿日時:
2011/11/18 06:59:17
更新日時:
2011/11/23 23:01:24
評価:
7/14
POINT:
860
Rate:
11.80
分類
比那名居天子
暴行
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0. 180点 匿名評価 投稿数: 7
2. 100 ギョウヘルインニ ■2011/11/18 19:29:24
本能ですね、徒然なるままですね。
6. 100 NutsIn先任曹長 ■2011/11/18 22:45:42
テクニックで女をイかそうなどと考えず、ただ、犯す。

ん……っと、何ていうんだっけこういう男。
この存在感の無さといい、それでいて、ヤッている時の生に満ち満ちた感じといい……。
不意に、その存在に気付いた時、当然の事と受け入れられる。
ああ、またいたか、と彼を認識している。

作り物めいた男。でも生きている男。
苦労して皆が押さえ込んでいる、ヒトの歪んだ願望が具現化したのか?
9. 90 名無し ■2011/11/19 00:46:19
ヤられている時はあれほど嫌がっていたのに、喉元過ぎれば眼を潰されることすら退屈しのぎに出来るとは。天子、恐ろしい子っ!
10. 100 名無し ■2011/11/19 07:18:48
シンプルだがとても良かった
なかなか折れない天人の気高さに感動した
12. 90 pnp ■2011/11/19 16:03:10
まさかのハッピーエンド。
緋想天を全然やってないので天子の詳細を知らない身ですが、
何やら面白そうなカラダしてるんですね。
13. 100 名無し ■2011/12/13 17:26:36
ヤバイヤバイヤバイヤバイッ……!!
総領娘様!
14. 100 名無し ■2012/02/05 20:37:55
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