おじょうさまの話　2

先手を取ったのは霊夢であった
霊力を込めた札をレミリアに向けて身体を覆うように射出する
「遅いわ」
札が身体を覆いきる直前、前に弾丸のように飛び出す
そのまま勢いに乗って霊夢を弾き飛ばそうとする
「夢符「二重結界」！」
レミリアの腕が結界に弾かれ体勢を崩す
「あら？勢いが足りないんじゃないの？」
「ええ、少し足りなかったかしら？でもまだ終わったわけじゃないわよ」
崩れた体勢をすばやく立て直し、結界に拳を叩きつける
結界にはヒビすら入っていないのに対してレミリアの拳からは血が流れている
「あらあら可愛いお手手が痛んでるわよ。お嬢様なのにはしたないわねぇ。」
「お気遣いありがとうございますわ。でもそろそろ自分の心配を始める番よ？」
拳が傷つくのも構わず、さらに一撃二撃と殴打する
次第に結界に小さなヒビが入り、広がってゆく
「悪魔「レミリアストレッチ」」
結界にヒビが広がりきったところを狙い渾身の一撃を叩き込む
結界は盛大に飛び散り床は抉れ、結界から脱出するのが遅れた霊夢が弾かれる
「ぐっ！」
壁にぶつかる直前に後ろに結界を張りさらに痛手を負うことは免れた
「あらあらご自慢の結界壊れちゃったわね。いつも怠けてる
ツケがきてるんじゃない？」
口から流れている血をぬぐい、涼やかな笑みを浮かべるレミリアを
キッと睨み付け呼吸を整える
「これならどうかしらッ！宝具「陰陽鬼神玉」！」
頭上に手を掲げ巨大な勾玉を作り出す
「喰らいなさい！」
レミリアに向かって勾玉を振り落とす
「いいわ真正面から迎えてあげる！」
迫り来る勾玉を両手で受け止める
勾玉はレミリアを押しつぶそうとするがギリギリで耐える
衝撃で床にめり込んではいるものの大したダメージは与えられていない
「貴女の力はこんなものなの霊夢？期待はずれだわ」
勾玉が消滅し、霊夢に攻撃を仕掛けようとしたレミリアだが
「いないっ！？」
勾玉に気を取られていた間に先ほどまでいた場所から霊夢が消えていた
周りを見渡すが霊夢の姿がどこにも見当たらない
霊夢を視界に捕らえようとしているレミリアの後ろの空間が突然歪み、
出現した霊夢が針を取り出しレミリアに打ち込もうとするが僅差で
気づいたレミリアがギリギリでかわす
針は顔を掠め、レミリアが攻撃に移ろうとするが眼前には霊夢の足が迫っていた
「神技「天覇風神脚」！」
レミリアの顎に霊夢の渾身のケリが炸裂し宙を舞う
「ご期待に副えたかしらお嬢様？」
「・・・及第点ってとこかしら。」
強がって入るものの顎にクリーンヒットしたためか
身体はふらふらと揺れている
すかさず接近し攻撃を加える
「さすが吸血鬼ね。頑丈だわ。だけど続けてダメージを受ければどうかしらね。」
ふらふらしているレミリアに一撃、また一撃と拳を放つ
「ぐっ・・・紅符「不夜城レッド」！」
さらに拳を叩き込もうとしていた霊夢がレミリアの身体から放たれた
真紅のオーラに吹き飛ばされる
「まだまだよ！」
吹き飛ばれた霊夢に手を向けて手の先から使い魔を放つ
さらに自らも追撃を加えるため跳躍する
「喰らいなさい！」
霊夢に先ほど放った使い魔が命中した直後に床に向かって叩き下ろす
「がはっ・・・！」
床に思いっきり叩きつけられ意識を失いそうになる霊夢に起き上がることを
許さないかのように蹴り飛ばす
「綺麗よ霊夢？もっと私に苦しむ姿を見せてちょうだい？」
転がっている霊夢にゆっくりと歩み寄るレミリアだったが
直後、身体が動かなくなる
「がっ・・・！何をしたの・・・！」
「はぁ・・はぁ・・・トラップよ・・・！」
見ると足元には気づかれないように札が四角形の形に配置されていた
「霊符「夢想封印　集」！」
霊夢の周囲に輝く光球が浮かぶ
一度散開したのちにその光球はレミリア目掛けて集結する
「ぎゃっ！」
集結した光球はレミリアの身体にぶつかり、弾け、爆発を引き起こす
お互いダメージを受け息も上がり、そろそろ戦いも終焉を迎えようとしている
「次が最後になりそうね・・・」
「えぇそうね・・・全力で殺してあげる・・・！」


To Be Continued