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『さとり100%V』 作者: ケテル

さとり100%V

作品集: 2 投稿日時: 2012/01/23 18:17:56 更新日時: 2012/02/18 21:07:12 評価: 10/14 POINT: 1090 Rate: 15.93
 地霊殿の一室。かってここで働いていた鬼神長が食事をとっていた場所。
 そこに、二つの影がみえた。一席に座っていたのは、はちきれんばかりの巨躯。申し訳程度にパンツで隠された息子。筋肉の化け物と化した古明石さとりが、子豚の丸焼きを貪っていた。もう一席に座っているのは、このさとりの妹、古明石こいしであった。
 さとりは、まるで猛獣のような食べっぷりで、大皿に盛られた料理を瞬く間に腹に収めていく。 その様子に、こいしは眉をひそめながら、声を張り上げて姉を呼ぶ。
 
「ねぇ、お姉ちゃん……お姉ちゃん!!ちょっと!!お姉ちゃん!!久しぶりに帰ってきたのに、おかえりも言わないで何一心不乱に食べているの?」
「ふゅひ?」
「お姉ちゃんが、馬鹿みたいにむしゃむしゃご飯を貪るから、食量調達と仕込みを担当している狼達がすごく苦労してるんだからね。分かってるの?」
「ふぉいえふっほ、ひぃっはっぎえるふ、ひゅうしゃのはくめふ」
「食べてからしゃべったらどうなの。そんなにドバドバ子豚の丸焼きの上にプロテイン掛けて。もう別の料理じゃない」

 声を荒げて怒るこいしを気にすることなく、さとりはドバドバと大量のプロテインをかけながら、食事を取り続ける。

「うーん、やっぱりこれよね」
(プロテインって中毒性有ったっけ?お姉ちゃんの表情、完全にキマっている。以前強制的に全てプロテインのたっぷり使われた料理ばかりになって、私とペット達がどん引きしたのは記憶に新しい。あの時は確かお姉ちゃんが他の調味料の缶を全て破壊して、プロテインの缶を置いておいたのだったかしら?私とお空でズタボロにしておいたけど)

 久しぶりに帰ってきたら、自分の姉は筋肉の化け物の100%になっていて、むしゃむしゃとプロテインのたっぷりかかった豚の丸焼きを食べている。もうすっかり自分の姉の奇行に慣れてしまったことに、こいしはめまいを覚える。 

「んぐっ。ふぅ。ところでこいし」
「何よ、お姉ちゃん」
「私、CDを出そうと思っているの」
「CD?」
「そう、CD。出す内容はこれよ」

01. プロテイン工場
02. 超姉貴ショー(1)
03. ドロ♀レス
04. 超姉貴ショー(2)
05. おやつプロテイン
06. 超姉貴ショー(3)
07. 世界の姉貴達
08. 超姉貴ショー(4)
09. アイリス・カイル
10. 超姉貴ショー(5)
11. ミセス・オリンピア
12. 超姉貴ショー(6)
13. おねえ♀さん
14. 超姉貴ショー(7)
15. G・A・M・E

「……却下」
「まぁ。このよさが分からないなんて、おかしな子」
「おかしいのは、お姉ちゃんの頭の中と体つきとそのCD。私はおかしくなんてない」
「みなさい、こいし。この肉体美を。これのどこがおかしいかしら」
「おかしい所しかないよ。ていうか、また裸をみせるつもり?」
「今日はいつもと趣向を変えて、BGMをかけようと思うの。きっとこいしも気にいるBGMよ」

 それと同時に、さとりがBGMをかける。

















ドッギャァァーン!ズギュンズュギュン! ウオォォオン! ドワァアァアン! ブッキィッ!「なぜッ! 故意だ! わざとだ! なぜこんなことを!」 ドッバァァン! ドッワアァーッ! 恋! そのすてきな好奇心がジョジョを行動させたッ! ズギュウゥゥン! バリバリバリバリ! 「そこにシビれる! あこがれるゥ!」 ゴオオオゥゥォオオウ! ガオォオッ! メギャア! ゴシャアッ! ドッガッァーン! 「君がッ」「泣くまで」「殴るのをやめないッ!」 ドッガァァァン! ドババババ! ブァッギャア! KYYYAA−N! グォオーン! ドッギャーン! ボッケァッ! ムォォオォーム! ドドドドドーン! バァッシィ! ファアァゴォオォォッ! ウシャアッ! ビイイイィイイッ! 「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!」 ガッシーン! ドガガガーン! ファアゴォ! ギパァ! ズギュンズギン! 「UUURRRRYYY!!」 ボシッ! ガオン! ギャン! 「貧弱! 貧弱ゥ!」 ボオッ! ドグシャアァ! ドバドバドバン! ドーン! 「なっ!? 座ったままの姿勢! 膝だけであんな跳躍を!」 「パウッ!」 ミシィッ! ブウウウン! クウウゥオオォ! コオォオォオ! メメタァ! ドグチアッ! ショアアアア! 「ディオ様は言ったね!」 ドン! ゴギン! ナデナデ ドボァァ! パクゥ〜 「絶望ォーに身をよじれィ虫けらどもォォォーッ!!」 キュイイィーン! モゴォォォッ! パパウパウパウ! フヒィーン! 「ふるえるぞハート!」「燃えつきるほどヒート!」 バッキューン! ピシュウ! 「ビリっときたあああああ!!」 ブッショオッ! クアァァ! 「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」 グ・・・ ボゴァッ! ブギン! ドッヒャアア! グルルン! ボジュウウ! 「軟骨がうめーんだよ軟骨がァ〜ッ!!」 ブリョォ! ドリュウーム! ドピァァァァ! ドロリン! 「PLUCK(勇気をッ!)」 ドォギュオーオ! ババドバドババ! グォオヒン! ドジュ〜! 「ブフ〜ッ きさまら血のつまった皮袋どもがァ!」 ボバババーッ! ギュキュウーン! ボッゴアァ! ボドァ! ANGYAAAAH!! バムゲデン! 「あたしィィィの赤ちゃあァァァん!」 ビーン! ボキョッ! ガッシン! バオーッ! 「このストレイツォ容赦せん!」 「おれの名はペイジ」「ジョーンズ」 ビン! 「プラント」 ビン! 「ボーンナム」 ビビン! 「血管針攻撃!」 パバァーッ! ビピュッ! オゴオオ! ベボオー! ドォッシュウッ! ジュグジュグジュグ ドッゴオッ! 「ああ! う・・・美しすぎます!」 ギュルン! ドドドドド ゴゴゴゴ ドォーン! 


 鳴り響く爆音。そのすさまじさに、こいしは悲鳴声をあげて、椅子から転げ落ちて、床でのたうちまわる。耳をつんざくような凄まじい轟音に、こいしは両手で耳を抑えてありったけの声を張り上げる。

「お姉ちゃん。止めて!!止めて!!」

 こいしの訴えをさとりは聞いていない。ダブルバイセップス・フロント、サイドチェスト、サイドトライセップス、アドミナブル・アンド・サイ、ダブルバイセップス・バック。思い思いのポージングを誇らしげに取りながら、さとりは筋肉を誇示していた。やがてポージングを取り終えると、ラジカセのBGMを止める。
 こいしは、ぐったりとした様子で床に横たわっていた。その様子をみてさとりが不思議そうに首をかしげる。

「行儀が悪いわよ、こいし。そんな所で寝ていて」
「だれのせいで、こんなことになったと思っているの?」

 未だ頭の中で鳴り響く音に頭を抱えながらも、こいしはなんとか立ち上がる。そして、ラジカセを手に取ると、それを指さしながら、口を開く。

「ちょっと、おねえちゃん。なんなのよ。この騒音は」
「騒音だなんて失礼ね。これは私の勝負BGMなのよ。いつもトレーニングする時は、このBGMをかけているわ」
「迷惑なんてもんじゃないわよ。これ。地霊殿が民家の近くにあったら、騒音被害で近隣のみんなに殴り込みかけられるレベルだよ」
「だったら、みんなぶっとばす♥」
「可愛らしく言わないで!!この馬鹿姉!!これは一体なんなのよ、これは」
「ジョジョの奇妙な冒険第一部のあらすじよ。知らないかしら、こいし」
「私読んだことないから分からない」
「ジョジョ。思い返せば私がまだ彼岸で働いていた頃、夢中で少年ジャンプの連載を読んでいたものだわ。他の同僚とはジョジョ談議で盛り上がり、セリフとか良くマネして絶叫していた。ジョジョ語が日常生活で普通に出てきてたし。「URYYY!」とか。「貧弱ゥ! 貧弱ゥ!」とか。勢いあまってジョジョポーズのマネまでしたこともあったわ。そういや、ジョジョのポーズをすることを「ジョジョる」って言ってたかしら」
「ふ〜〜ん」
「これはそのあらすじを分かりやすく、簡潔にまとめたものなの。完璧なあらすじでしょう。いまだかつてこれほど完成度の高いものがあったかしら? これだけで私が感じたジョジョの魅力の80%は伝わる自信があるの」
「はぁ……」
「このあらすじを理解できないのは、ジョジョを読んだことがないか、私と感性がかけ離れすぎているのか、ジョジョを理解していないか、頭のどこかがチャレンジしているかのどれかだと思うの。
こいしは、理解できたわよね、私のこのたぎる想い」
「分かんない」
「OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOU、NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!分からない?分からないのかしら、こいし」
「うるさいわね。分からないから、分からないっていってんでしょう」
「そう、ならしょうがないわ。もう一回、このジョジョのあらすじを聞きなさい」
「聞くって……ちょ、またラジカセ?どこから出したの、それ。ちょっ、待って、止めて。止めてって」
「BGMスタートォオオオオオオオオオオオ!!」

ドッギャァァーン! ズギュンズュギュン! ウオォォオン! ドワァアァアン! ブッキィッ! 「なぜッ! 故意だ! わざとだ! なぜこんなことを!」 ドッバァァン! ドッワアァーッ! 恋! そのすてきな好奇心がジョジョを行動させたッ! ズギュウゥゥン! バリバリバリバリ! 「そこにシビれる! あこがれるゥ!」 ゴオオオゥゥォオオウ! ガオォオッ! メギャア! ゴシャアッ! ドッガッァーン! 「君がッ」「泣くまで」「殴るのをやめないッ!」 ドッガァァァン! ドババババ! ブァッギャア! KYYYAA−N! グォオーン! ドッギャーン! ボッケァッ! ムォォオォーム! ドドドドドーン! バァッシィ! ファアァゴォオォォッ! ウシャアッ! ビイイイィイイッ! 「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!」 ガッシーン! ドガガガーン! ファアゴォ! ギパァ! ズギュンズギン! 「UUURRRRYYY!!」 ボシッ! ガオン! ギャン! 「貧弱! 貧弱ゥ!」 ボオッ! ドグシャアァ! ドバドバドバン! ドーン! 「なっ!? 座ったままの姿勢! 膝だけであんな跳躍を!」 「パウッ!」 ミシィッ! ブウウウン! クウウゥオオォ! コオォオォオ! メメタァ! ドグチアッ! ショアアアア! 「ディオ様は言ったね!」 ドン! ゴギン! ナデナデ ドボァァ! パクゥ〜 「絶望ォーに身をよじれィ虫けらどもォォォーッ!!」 キュイイィーン! モゴォォォッ! パパウパウパウ! フヒィーン! 「ふるえるぞハート!」「燃えつきるほどヒート!」 バッキューン! ピシュウ! 「ビリっときたあああああ!!」 ブッショオッ! クアァァ! 「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」 グ…… ボゴァッ! ブギン! ドッヒャアア! グルルン! ボジュウウ! 「軟骨がうめーんだよ軟骨がァ〜ッ!!」 ブリョォ! ドリュウーム! ドピァァァァ! ドロリン! 「PLUCK(勇気をッ!)」 ドォギュオーオ! ババドバドババ! グォオヒン! ドジュ〜! 「ブフ〜ッ きさまら血のつまった皮袋どもがァ!」 ボバババーッ! ギュキュウーン! ボッゴアァ! ボドァ! ANGYAAAAH!! バムゲデン! 「あたしィィィの赤ちゃあァァァん!」 ビーン! ボキョッ! ガッシン! バオーッ! 「このストレイツォ容赦せん!」 「おれの名はペイジ」「ジョーンズ」 ビン! 「プラント」 ビン! 「ボーンナム」 ビビン! 「血管針攻撃!」 パバァーッ! ビピュッ! オゴオオ! ベボオー! ドォッシュウッ! ジュグジュグジュグ ドッゴオッ! 「ああ! う・・・美しすぎます!」 ギュルン! ドドドドド ゴゴゴゴ ドォーン! 


「分かったかしら、こいし」
「…………もういいわよ。分かったことにしておいて。とにかく、そのラジカセとプロテインをかけた豚の丸焼きは片付けて。これ以上、わけのわからない生物にならないでちょうだい」
「ふふん、甘いわねこいし。これは私にとってはメインディッシュではないのよ」
「えっ?」
「私のメインディッシュはこれよ」

 そう言うと、さとりは机の片隅に置いてあった小さな銀色の容器に手をかけ、蓋を開く。それはパンツであった。しかも今日こいしが放浪の旅から帰ってきた後、大浴場に入る際に脱衣所に置いたばかりの脱ぎたてパンツだった。

「ふふ、こいしのパンツのロール巻き、コンソメ風。すぅ〜〜〜はぁ〜〜〜〜〜。あぁこいしのとてもいい香りがするわ……」

 恍惚とした表情を浮かべるさとり。引きつった表情を浮かべるこいし。

「…………ねぇ、お姉ちゃん。どうして私のパンツがお皿の上に調理されて乗っかっているのかしら?」
「私が食べる為よ」
「そういえば、少し前から私の部屋にある下着、主にパンツが少なくなっていたんだけれども、どういうことなのかな?」
「私が食べていたからよ」
「なんでそんなもの食べるの?」
「美味しければ美味しいほど、体の細胞は成長するからよ。グルメ細胞といってね。細胞にいい食物を与えることで、私はもっと強く、美しくなるの」
(グルメ細胞。また、変な漫画の影響うけたのね)
「さぁ。食べるわよ。むしゃむしゃ美味しいいいいいいいいいいいい!こいしのパンツ美味しいよおおおおおおおお!!むっしゃむっしゃ」
「食べてる…………うわっ!!ちょっと………お姉ちゃん本当に私のパンツ食べてる……」
「あああはぁあああああああああああああん!!うんまぁああああああああああああああああああああああい!!レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ!!!!こいしのパンツおいししゅぎりゅううううううううううううう!!ズズーズズーズズーズズーレロレロレロレロレロレロズズーズズーズズーレロレロレロレロレロレロ!!!!ありがとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「凄く美味しそうに食べてる…パンツって食べ物なの………嫌嫌嫌嫌……無理無理無理無理絶対食べるものじゃないよ」
「こいしぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!ありがとおおおおおおおおおおおお!!
神様ああああああああああ!!こんな美味しいパンツをお恵みいただきあぁああああああああああああありがとうございまああああああああああああああああす!!」
「神に感謝し始めた……怖い……何か恐ろしい狂気を感じるわ……」

 さとりの狂態に恐怖を覚えながらも、こいしはその側に詰め寄ると、怒声を上げる。

「おかしいでしょお姉ちゃん!!どうしてパンツ食べれるの?調理されてるからとかそう言う問題じゃないよね!!」
「パンツはオカズだから、食べるのは間違いではないわ」
「おかずの意味がちがぁああああああああああああああああああああう!!」

 激昂したこいしはフォークでテーブルを勢いよく叩いた。これはいけない。何とかしないと、いろいろな意味で非常にまずい。

「ねぇこいし。もしこいしが私のパンツを食べるとしたら、何日はいたパンツをご飯に出されるのが好みかしら? 昨日?その前?一週間ぐらい?もっと長い期間履いたのかしら」
(もうやだ、この変質者)
「答えて頂戴こいし」
「あのねぇ。お姉ちゃんはロリコンショタレズで、筋肉マッチョの雄達に殴られる女性を見て興奮する変態だから、未成熟な私のパンツを見て欲情するのは分かるよ。でもね、パンツは食べ物じゃないの。後その筋肉の化け物の姿も止めて」
「…………」
「みんな、誰にも言いたくない性癖なんかは持っているから、一度始めるとなかなか止められないのもわかるわ。でもね、人前でパンツは食べちゃ駄目だよ。パンツはご飯には含まないの」
「う、うぅうううううううううううううう……」
「分かった、お姉ちゃん」
「パンツ……パンツ……」
「?」
「パンツパンツパンツ……こいしは何もわかっちゃいない!これはただのパンツじゃない!こいしのパンツなのよ!!」
「なっ!何を!ちょっと待って!!」
「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!あ、あ、あ、あぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん! うわあああああああああああ!!こいしのパンツなんだああああああ!!」
「きゃっ!な?何よ?お姉ちゃん?」
「うぐう!!うぐううううう!!誰もわかっちゃいない!!誰もわかっちゃいないんだ!!うわあああああああああああ!!」
「待ってお姉ちゃん!!」
「パンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツ!!」

 奇声を上げながら、ドアをぶち破り、外へ飛び出していくさとり。そんなさとりを疲れた目で、こいしは見ていた。

「あの変質者とまともに話し合えると思った私が馬鹿だった。もう私地霊殿に帰るの止めようかなぁ……」





* * * * * * * * * * *





 この日、四季映姫が地霊殿を訪れたのは、そう大した理由ではなかった。数少ない休日に、さとりの下でお茶でも飲もうと思ったのだ。
 映姫はさとりと長い付き合いを持っている。
 初めて彼岸にさとりが勤めた時も。
 さとりが自分の仕事に自身を持てなくなった時も。
 新しい役職を持つようになった時も。
 旧灼熱地獄の地霊殿の責任者として地底に行く事になった時も。
 そのつど映姫は、さとりの色々な姿や表情を見てきた。

「あのひねた娘も、今ではすっかり淑女然とした振る舞いをするようになって。長い間見てきた身としては嬉しいやら微笑ましいやら」

 そう昔を懐かしむかのように目を細めると、映姫は地霊殿の扉を開け、中に入っていく。

「おじゃましますよ。ペットの皆様。今日はさとりと少し話そうと思って、会いにきました」

 地霊殿内で目につくペット達にそういいながら、映姫は広い廊下を歩いていく。光によって輝き方を変えるステンドグラスを時折見ながら、映姫はさとりの部屋へと進んでいく。
 さとりの部屋の前につくと、映姫は咳払いをし、口を開く。

「こんにちは、さとり。私です。四季映姫です。どうせ、今も暇なのでしょう。お茶でも一緒にのみませんか。」

 さとりから、返事はない。しんと静まり返ったままだ。

「変ねぇ。この時間は、いつもここにいるはずなのだけれども」

 一向に姿を現さないさとりを不思議に思った映姫は、扉に手をかけると、そのドアノブを手前に引いた。ぎぃという音と共に、扉が軽やかに開く。

「開いているじゃない。やっぱりここにいるのね。さとり、さとり。返事ぐらいなさい。私よ。四季映姫よ」

 映姫は呼びかけるが、さとりから返事はない。
 一体さとりは何をやっているのか。そう映姫が疑問に思った時であった。

「さとり……あなた……あなた……」

 部屋の片隅においてある鏡の前。そこに、ピンク色の髪を生やした筋肉の化け物が映っていた。
 化け物は、大胸筋乳房を左右交互、上下にビクンビクンと動かす。汗に塗れたヌメヌメした表皮が、筋肉を光らせ、ストリエーションをさらに際立たせている。乳首は激しい興奮状態で親指より巨大になり、上を向いてそそり立っていた。
 次に、最大限に息を吸い込み、息を吐きながら腹筋に力を込めた。人間の指なら全部入りそうなほど前面に膨張している腹筋は、バックリと8つに割れている。息を吐き、力を込めると腹筋が震え、ビクビクした後、収縮。鋼鉄以上に硬くなった。その体は、腹筋にすらストリエーションが走っている。
 今度は太股を左右に振り、一気に力を込めた。顕になる太股の筋肉。力が込められると4つの巨大な筋肉が盛り上がり、縦横無尽に極太の血管が走った。立ちながら脚を後方に曲げると、脚の力瘤と言える大腿二頭筋がサッカーボールほどの大きさに盛り上がった。
 最後にその状態で肩をいからせ、巨大な広背筋を広げた。ラットスプレットポーズを取って、ポージングを取るのを終えた。
 自分が知っているさとりとはあまりにかけ離れた姿。そんなさとりの姿を見て、映姫は大きく目を見開き、指をさした。そして、意を決したかのようにゆっくりと口を開き、声を紡ぐ。

「さとり、あなた…………成長期に入ったのかしら?」
「あら、よく分かったわね。その通り、今私はまさに成長期。こうしている間にもすばらしい成長段階に入っているのよ 」
「私は嬉しいわ。その姿なら、もうみんなから小五ロリなんて言われなくなるわね」
「そうですとも。小五ロリなんていったら、ぶっ飛ばしちゃうぞ♥」

 映姫は、そんな筋肉むきむきのさとりに近寄ると、がしりとその腕を掴み、口を開いた。

「私を、私をムキムキにして頂戴。私も肉が、たくましい筋肉がほしいの」
「わかったわ。えーと、これはこいしの成長記録に、お燐とお空の現在の身長体重スリーサイズ。あったあった、これでできるわ」

 さとりが誇らしく掲げた手には、筋肉強化のプロテインと書かれたフラスコが握られていた。

「私の汗と愛液とちょっぴりの精液とこいしの汗と愛液を混ぜた特性プロテイン。これを飲めば、あなたも、すぐにむきむきになれるわ」
「これを、飲めば、私もむきむきの筋肉が……」

 映姫は、さとりからフラスコを受け取ると、躊躇うことなく、一気にそれを飲み干した。瞬間眩く輝く光が映姫を包み、その体をたくましく成長させていく。

「こ、これが筋肉の力。凄い……はぁ、すごいわ!!」





* * * * * * * * * * *





「ねぇ。お姉ちゃん。自分の食べたものぐらい自分で片付けてよ。そんなところまでペットにやらせていたら、お姉ちゃん豚に……」

 さとりの部屋の扉を開け、食器を片付けるようにいうこいし。その表情と言葉が、目の当たりにしたものを見て凍りつく。そこには誇らしげにボディビルダーのごとくポージングを決めるムキムキマッチョの変態と、それを見守るムキムキマッチョの変態がいた。

「ふぅううううううん!!ぬふぅううううううううん!!」

 フロントダブルバイセップスという上腕二頭筋を隆起させ、大胸筋、腹筋、大腿筋を強調させるポージングを取る筋肉魔人と化した映姫。やったねさとりん。仲魔が増えたよ。
 映姫は、笑みを浮かべながら筋肉を盛り上げ、躍動させる。腕に力を込めると巨大な力瘤が盛り上がった。同時に肩の筋肉も頭ほどに大きく盛り上がった。腕全体に血管が走りまくり、網目のようになっている。

「うっ!!ふぅううううううううううう!!すばらしい!すばらしいわさとり。これがむきむきの筋肉を持つ喜びなのね!!」
「うふふふふふ。そうでしょうそうでしょう」

 映姫はダブルバイセップスポーズを取った。そのせいでただでさえピチピチに引き伸ばされていた服が破けてしまった。袖の部分は肩の部分まで全て無くなり、背筋周りの服は急に巨大化した広背筋のせいで、弾け飛んでしまい、胸の一部と、乳首を隠すだけのヒラヒラしたタンクトップのようになってしまった。

「あ、破れた……まあ全然構わないわ。むしろこっちの方が私の筋肉をもっともっと見せ付けられるっ!いっそ裸で彼岸まで帰ろうかしら。フフッ…」

 うっとりと自分の筋肉を見つめながら、はぁと息をはく映姫。それを腕組みをしながら、うんうんそれがいいわと大きく頷くさとり。

「………………」

 こいしは何も言わずに扉を閉めた。そして、ゆっくりと自分の姿を消していく。

「…………お姉ちゃんのばか」

 完全にその姿が見えなくなる前。どのような表情をして、その言葉を口にしたのか。それは誰にも分からなかった。







* * * * * * * * * * *







「ドッギャァァーン! ズギュンズュギュン! ウオォォオン! ドワァアァアン! ブッキィッ! 「なぜッ! 故意だ! わざとだ! なぜこんなことを!」 ドッバァァン! ドッワアァーッ! 恋! そのすてきな好奇心がジョジョを行動させたッ! ズギュウゥゥン! バリバリバリバリ! 「そこにシビれる! あこがれるゥ!」 ゴオオオゥゥォオオウ! ガオォオッ! メギャア! ゴシャアッ! ドッガッァーン! 「君がッ」「泣くまで」「殴るのをやめないッ!」 ドッガァァァン! ドババババ! ブァッギャア! KYYYAA−N! グォオーン! ドッギャーン! ボッケァッ! ムォォオォーム! ドドドドドーン! バァッシィ! ファアァゴォオォォッ! ウシャアッ! ビイイイィイイッ! 「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!」 ガッシーン! ドガガガーン! ファアゴォ! ギパァ! ズギュンズギン! 「UUURRRRYYY!!」 ボシッ! ガオン! ギャン! 「貧弱! 貧弱ゥ!」 ボオッ! ドグシャアァ! ドバドバドバン! ドーン! 「なっ!? 座ったままの姿勢! 膝だけであんな跳躍を!」 「パウッ!」 ミシィッ! ブウウウン! クウウゥオオォ! コオォオォオ! メメタァ! ドグチアッ! ショアアアア! 「ディオ様は言ったね!」 ドン! ゴギン! ナデナデ ドボァァ! パクゥ〜 「絶望ォーに身をよじれィ虫けらどもォォォーッ!!」 キュイイィーン! モゴォォォッ! パパウパウパウ! フヒィーン! 「ふるえるぞハート!」「燃えつきるほどヒート!」 バッキューン! ピシュウ! 「ビリっときたあああああ!!」 ブッショオッ! クアァァ! 「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」 グ・・・ ボゴァッ! ブギン! ドッヒャアア! グルルン! ボジュウウ! 「軟骨がうめーんだよ軟骨がァ〜ッ!!」 ブリョォ! ドリュウーム! ドピァァァァ! ドロリン! 「PLUCK(勇気をッ!)」 ドォギュオーオ! ババドバドババ! グォオヒン! ドジュ〜! 「ブフ〜ッ きさまら血のつまった皮袋どもがァ!」 ボバババーッ! ギュキュウーン! ボッゴアァ! ボドァ! ANGYAAAAH!! バムゲデン! 「あたしィィィの赤ちゃあァァァん!」 ビーン! ボキョッ! ガッシン! バオーッ! 「このストレイツォ容赦せん!」 「おれの名はペイジ」「ジョーンズ」 ビン! 「プラント」 ビン! 「ボーンナム」 ビビン! 「血管針攻撃!」 パバァーッ! ビピュッ! オゴオオ! ベボオー! ドォッシュウッ! ジュグジュグジュグ ドッゴオッ! 「ああ! う・・・美しすぎます!」 ギュルン! ドドドドド ゴゴゴゴ ドォーン!   

「フン、フン、フン。」

 彼岸のとあるトレーニングジム。そこですさまじい大音量のBGMを流しながら、トレーニングに励むものがいた。鬼を始め力自慢の妖怪達が数多くいるここで、それほどの傍若無人ぶりを発揮しているにも関わらず、それを咎めるものは誰もいなかった。
 今目の前で見ている光景を何も知らない誰かに言っても信じるだろうか。いや、誰も信じないだろう。ベンチプレスで1.5トンをものすごい早さで上下させている映姫の姿に。なんという凄まじい力なのだろうか。持ち上げているものが発泡スチロールでできたものだと思えてくる。
 彼女は筋肉を完璧に操作は出来ないが、力を込めると今の数倍の大きさになり、まさにモンスターマッスルに成長する。トレーニングジムにいるもの達は少し離れた場所から見ていたが、その迫力に圧倒されている。  

「……29、30。よし次2トンね!」

 さとりは、ただでさえ分厚いウエイトを片手で楽々持ってきて、なにもなかったかのように取り付けていく。シャフトに手をかけると映姫はさっきと同じ早さ難なく持ち上げている。大胸筋は見る見るうちに膨らんでいき皮膚を突き破ってしまいそうだ。二頭筋や三頭筋も負けじと膨らんでいく。

「映姫、頑張って!ほら後もう少しよ!」
「こ、こんなもの〜〜〜!でやああああああああ!!!」
映姫は気力を振り絞り一気に持ち上げた!と、同時にシャフトは映姫の持っていた部分から三つに折れてしまった!

「ふう、ふう、ふう。またこわしちゃったわ。さとり」
「ふふっいいわよそんなこと。でも凄いわ映姫。昨日からまた握力があがったんじゃないの?」
「あら?そうかしら」

 映姫は筋肉を盛り上げながら言った。映姫のタンクトップは役目が全くなくなりビチビチに伸びきってしまっている。血管がバリバリに浮かび、筋繊維も一つ残さずくっきりと見えてしまっている。上腕囲もジムに来たときよりもますます大きくなっている。体中に血管が走り、ジムに来たときより巨大化した筋肉は岩石以上に堅く、太さは大木からとった丸太並みだ。
 ジムからもれる嗚咽と悲鳴に気を良くした映姫は、逞しい男の胸囲よりも太い脚を組んで力を込めた。二周りほど巨大化すると縦横無尽に血管が浮き上がり、スパッツを限界まで引き伸ばし、股間あたりまで引き裂いてしまった。
 顕わになった極太の太股は人間離れした大きさで、それを見た女妖怪があまりの迫力に衝撃を受けて倒れ、外に運ばれた。
 これが映姫の100%になった上半身なのだ。
 こうして映姫は2.5トン、3トンと難なくこなし、5トンの時点で映姫はトレーニングを終えた。

「さとり。筋肉が喜んでいるわ。私、もっとさとりみたいに強くなりたい!」
「ふふっ。私も映姫のトレーニング見てたら体中が疼いてきたわ!早く、早くトレーニングがしたいわぁ!」

 さとりのからだがビクビクっと疼き始めている。ジムに来た時点で映姫以上に筋量を誇っていたさとりの身体は一体どうなってしまうのだろうか。

「じゃあ映姫、アップをするから3.5トンから始めるわ!用意してちょうだい!」
「ようし、とことんやってやるわよ〜!!。」

 そしてさとりはトレーニングを始めた。ゴガァン!凄まじい騒音BGMを打ち消すかのように、ビルの建設現場で聞くような音がジム内に鳴り響く。

「フゥゥン!!グッ!ハアアアア!!!」

 さとりは映姫よりも速いスピードで桁外れのバーベルを持ち上げている。本当に3.5トンもの重量があるのかと誰もが目を疑った。

「ふぅ。映姫、もっともっと増やしてちょうだい!もっと刺激がほしいの!!さあ早く!!」

 しかしさとりのトレーニングはまだウォーミングアップの段階であ る。これからますます体は巨大化し凄まじき体に変貌する。
  一気に5トンもの重さでトレーニングをするさとり。その姿を映姫は尊敬のまなざしで見ている。

「凄いわ〜さとり!もう私の100%を超えてる。もっともっと強くならなきゃ!」

 バーベルシャフトは重さですりへり、持っている部分も握力で徐々に手の跡が残り始めている!!

「映姫、次7.5トンいくわ!!用意して!!!」

 ウエイトを取り付ける映姫も少しずつ汗を吹きだし ている。それだけさとりのトレーニングはハードなものなのだ。
 その後さとりは10トンの大台を越え、11.5トンでフィニッシュした。

「ふう、ふう。やっぱこうでなくっちゃ!気持ちいいわ〜!」

 さとりの体は恐ろしい威圧感に満ちていた。
 巨大化した僧帽筋は映姫の瞳くらいの位置にまで盛り上がり、肩の大きさは映姫の頭より二回りは大きく、上腕の太さは並の大人の太股よりも圧倒的に太い。二頭筋、三頭筋ともにパンパンに膨らんでいて両者ともスイカほどの大きさがある。
 腹筋は綺麗に前方に盛り上がり、大きなレンガが8つ並んでいるかのようだ。それらを後ろから包み込むように大陸のような背筋。大きく横に張り出している。
 大殿筋にはストリエーションが走りまくり、筋肉だらけになっている。 
 太股は、大腿四頭筋、二頭筋それぞれがメロンほどの大きさとなり、岩石の塊のように見えていた。
 先ほどまでも、自分達より一回りも二回りも大きかった女性が、それを遥かに上回る筋肉を纏って目の前に立っている。想像を絶する威圧感だ。

「みんな私の体見て驚いてるのかしら?ふふっ、じゃ今から良いもの見せてあ・げ・る」

 さとりの筋肉がさらに大きさを増し、浮かび上がる血管もまた増えた。そしておもむろにウエイトに手をかけると紙を破るかのように引き裂く。さらに、バーベルシャフトを自らの体に巻き付けると一気に筋肉を膨張させて引きちぎった。
 筋肉の魔神の力を目の当たりにした者達は、呆然とその姿を見続ける。
 こうしてこの日のトレーニングは終了した。帰り支度をしようとする映姫をさとりが呼び止め、鞄から一枚の紙を取り出す。

「映姫みたいな力を持つ女性を探していたの。これでやっと私の目的がかなう」
 
 さとりは嬉しそうに微笑むと、自分が手に持つ紙面の内容を読むようにうながした。それを読み終えると同時に、映姫の顔に、面白そうだという感情が浮かび上がる。

「いいわ、やりましょう。とてもいい案だと思うわ。私のこの筋肉が役に立つのね。ふん、ふん」
「決まりね。じゃあ、これ。連絡用の送受信器。活動の日時や内容は、私が連絡するわ。よろしく」
「面白くなりそうね。初めての活動が楽しみだわ」

 そう言って、映姫とさとりは意気揚々とジムを後にした。







* * * * * * * * * * *







 食卓の中央に少し大きめの両手鍋がかまどに置いてある。大量の湯気が立ち昇り、白味噌の香りが辺りに漂う。白味噌をおわんに入れた後は、おひつから茶碗にご飯が盛られ、お膳の上に乗せられる。お膳の上には緑茶とのり、川魚の干物に漬け物、それにはし。どこにでもあるごく普通の和食であった。

「いただきます」
「いただきます」
「ごめんねぇ、霊夢。勝手に押しかけたのに止めてもらって、朝ごはんももらって」
「別にいいわよ。あんたはお賽銭くれたし。いつもは、あんたよりもっと困った妖怪が来て騒いでいるのをしばいて寝かせているから。大人しかっただけ、あんたはよっぽどまし」
「また来ちゃってもいいかな」
「また来るの?面倒くさいわねぇ。ま、来たいなら勝手に来たら」

 あの日。さとりと映姫の筋肉の姿を見て、地霊殿を飛び出した後、こいしは霊夢の所に来ていた。
 夜も更けた頃にいきなりこいしに押しかけられた霊夢は、初めは帰れと足蹴にされたものの、お賽銭を多めに渡したこともあって、何とかお風呂と寝床を確保することができた。そして、朝になった今、霊夢と一緒に朝ご飯を食べているというわけだ。
 こいしは、ご飯と白味噌をそれぞれ半分程食べた所で、緑茶に手を伸ばした。その時、霊夢の傍らに紙の束が置いてあることに気づく。

「あら、霊夢。新聞なんて取ってたの?」
「ええ、文の奴が私の新聞を読めって渡してくるから。あいつのすることに興味はないけど、もらえるのなら、もらっとこうと思ってね」
「霊夢、新聞なんて読めるのぉ?あなたみたいな面倒くさがりがそんなもの読めると思えないんだけれども」
「うるさいわねえ。魔理沙じゃあるまいし、こんな細かい字に目なんて通さないわよ。敷物にして使うの」
「ふーーーん。敷物かぁ」

 本来の使われ方をされなくて可哀想ねと、こいしは心の中で新聞に声をかける。

(今日の日付の新聞かぁ。これを読めば、昨日幻想郷で何があったか分かるというわけだ)

 こいしは、緑茶を一口すすると新聞へと手を伸ばし、大きく開いて書かれている内容に目を通していく。
 新聞は、政治欄に命蓮寺の白蓮と人里の長との会合の様子、スポーツ欄に妹紅の輝夜連続殺害記録25連勝達成、他の欄に紅魔館の爆発事故、魔法の森の大火災(この火災で全体の1/3が消失)と続いていた。

「色々なことがあったのねぇ」
「何、あんた、読みたいんなら、そういいなさいよ。後、行儀が悪いから、食べながら見るのは止めなさい」
「はーーい」

 後はご飯を食べてから見ようか。こいしがそう思うと、新聞を閉じながら、味噌汁を口に含む。しかし、新聞の記事の中に、何か見覚えのあるような、おかしなものが写っていたのに気づく。

「ん?ん?」

 いやな予感が全身を襲う。それでも、こいしは新聞を読むことを止められなかった。
これは………これは………


「ぶぅううううううううううううううううううううううううううう!!」
「きゃーーーーーーーーーーーー!!こいし!!なにやってるのよ、あなた!!」

 勢いよく味噌汁を噴き出すこいし。辺り一面に飛び散る味噌汁。

「げほっげほっげほっっうえぇぇえええ!!」
「ほら、早く味噌汁の飛び散った服を脱いで。着替えを持ってくるから。後、これで顔を拭きなさい。本当に何やってんのよ、あんた」
(えぇえええええええええええええええ。何これ。何これぇえええええええええええええええええええ!!)

 味噌汁で汚れたぱさりと新聞を落とし、しゃがみこんで頭を抱え込むこいし。一体彼女は何を見たのであろうか。







* * * * * * * * * * *






 それは、幻想郷の賢者こと八雲紫が、14時間の睡眠から目覚めた時であった。
 紫はのそのそと布団から起き上がると、大きく伸びをし、軽く目をこすっていた。フリルのついた純白のネグリジェ。少々少女趣味がすぎるようなその格好を、ここに咎めるものはいない。無論いたとしても、幻想郷屈指の実力とマイペースさを持つ彼女を、誰が変えることができようか。
 八雲紫は人を困らせて遊ぶような点が度々見受けられるが、逆に彼女自身は何よりも平穏というものを愛している。ただ長く生き過ぎたせいか、感じるものの振り幅が人間とは大きく異なっているせいでそう見えるだけなのだ。
 紫は部屋の空間がいつもより広い事に気づいた。普段なら自分が起きる時間には式である藍が傍にいるはずなのだが、今日はいない。目覚めて直ぐに目にするものがあの暑苦しそうな尻尾、というのがもう何十年と続いた朝の習わしだというのに。

「藍。らぁあああん。いないの?」

 紫は声を上げて呼ぶが、藍の姿形はおろか、気配すら見えない。紫は間を開けながら何回か藍の名前を呼んだが、藍が現れる様子はない。

「まぁ、いいわ。前鬼、後鬼」
 
 彼女が小さく呟くと、どこからともなく「くぁ」と啼き声がする。

「ちょっと藍を探してきてちょうだい、見つけてきた方にはご褒美をあげましょう」
 
 妖艶な笑みで命を告げると、直に羽ばたきの音がした。その姿を確認するように障子を開く。すると夜風が部屋の中を通り抜けて、彼女の体を冷やした。
 紫は右の人差し指を小さく回した。すると空間の一箇所だけが空気が濃くなったように、ぬるりと蜃気楼の様な物が立ち上る。それは密度を増し、やがて非常に濃い暗黒の歪みを作った。
 『隙間』と呼ばれる空間が、宙に三尺ほどの穴を開けたのだ。

「今日はどの服にしようかしら」
 
 そこに勢いよく腕を突っ込むと、思案顔で中をまさぐる。傍から見れば、二の腕より先がぽっかりと無くなっているように見えて、大層気味が悪いのだがここには一人しかいない。だからこそのたのたと準備をすることも出来る。
 紫は隙間から数種類の衣服を取り出すと、それを畳の上に置き左手をぱちんと鳴らした。その音と同時に、ゆっくりと空間の歪みが消えていく。数秒後には、そこには初めから何も無かったかのように、ただの空気の塊が存在していた。
 
「さて……今日は何をしようかしら」

 そう紫が今日の予定をあれやこれやと考えている時であった。自分の近くで強い妖気が急に強くなったのを感じる。

「随分攻撃的で刺々しい妖気ね。一体何を考えているのかしら?」
「どぉおおおおおおおおおおせぇえええええええええええええええええええええええええええい!!」

 紫が呟くと同時に、襖を突き破って何かが飛び込んできた。その姿を見て、紫は怪訝な表情を浮かべた後、僅かに頬を染める。
 侵入者は女であった。顔は全頭マスクで覆われ、他に、マフラー、グローブ、ブーツを身につけ、手にはヌンチャクを持っている。しかし、女が身につけているのはそれだけであった。そう、女は全裸に近い格好であった。胸も乳首も秘所も太腿も全て丸出しの姿は、セクシーというにはあまりにも過激すぎる格好。変態的としか言いようのない格好だ。
 紫はその格好に目を奪われ、目の前の変態女は一体何者なのかと考えていたが、ある一点を見て、驚愕と困惑の表情を浮かべる。

「その尻尾。もしかして、あなた藍なの?」

 そう。紫が目を止めたのは尻尾。きつねのように黄色く、しかも九本ある。それは自分の式である八雲藍と寸分たがわぬ尻尾であった。こんな破廉恥な格好をして、一体自分の式は何を考えているのだろうか。

「ちょ、ちょっと待ちなさい、藍、あなたその姿はなんなの」
「黙れBABAA。私の名前はRAN等ではない!!」
「え?」
「頭隠して体隠さず。真紅の仮面に姿を隠し、セクシーボディを武器に変え、悪を倒す。私の名はけっコン仮面!!」
「けっコン……仮面?」

 某波紋戦士の戦う漫画のごとく、ドドドドドドドドド!!という擬音が聞こえようなセクシーポーズをとる変態。

「いや、あなたはどう見てもら……」
「FuaAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッツツツツツク!!」

 突如、紫の目の前に出現する、巨大な赤っぽい貝の剥き身のようなもの。卑猥なものとだけは一目で分かるもの。それが何かを理解しようとした時、紫は視界が真っ暗になり、身体を押し倒されるのを感じた。
 それは、けっコン仮面の女性器であった。目の前の女は、紫の顔面に自身の股間を密着。同時にすらりとした長い両足で紫の頭を挟み込んで空中で勢い良く旋回。そのまま勢い良く床に叩きつけた。
紫の腰がぐきりと嫌な音を立て、全身を激しい鈍痛が襲う。隙間を使えばそれを防げたかもしれないが、不意をつかれたためそれが叶わなかった。身体がそれ程頑丈な方ではない紫は、うめき声を上げながら地面にうずくまって悶絶する。

「ふん。どうだ私のおっひろげアタックの威力は」
「おっぴろげって……なんて下品な……あ、いたた……」
「ふん、どうしたBABAA」
「いっ、痛い。腰、腰が抜けた」
「ふはははははははは。属にいうぎっくり腰になったようだなぁ」

 紫は藍がここまで怒る理由を、必死で思い返していた。

「BABAA。どうして自分がそんな目に合っているか分からないようだな」
「えぇ。分からないわ」

 そんな紫に、けっコン仮面は一枚の紙切れを勢い良く紫の鼻先に突き出した。それは、今月分の八雲藍の給料明細であった。
 八雲紫の式神は月給制である。給料制ならば、安全に安心に、そして手軽に式の使役を続ける事が出来るからだ。人里に下りる妖怪も珍しく無い昨今では、人に非ずとも貨幣は無用の物では無いのである。

「この明細がどうしたのよ。給料はちゃんと渡したでしょう?」
「BABAA。藍は前々から、何度も給料を上げて欲しいとお願いしていたのだぞ」
「……そうね」
「お前はその度に家計が苦しいのだと仰った。藍はそれを信じて、服一つ買えない薄給でも我慢して来たのだ」
「わ、解ってるじゃない。私だって藍にはもっと給料を与えてやりたいわ。本当よ?だけどほら、先立つものが無ければねぇ」
「見たぞ」
「え?」

 ぞっとする程冷たい声だった。

「前鬼の明細」
「うっ……!」
「財政がひっ迫していると言いながら、朝から晩まで身を粉にして奉仕している藍より、殆どお前の悪趣味な出歯亀に従事しているだけの前鬼のほうが五倍も六倍も高い俸給を得ている理由。説明して頂けるのなら、是非聞かせて貰いたい所だなぁ」

「そ、それは」

 紫は口をぱくぱくと動かした。ああ、どうして。何故バレてしまったのか。

「それだけじゃない。これを見ろ」
「そ、それは」
「………」

 けっコン仮面が紫の前に突き出したもの。それは幻想郷ではまだ珍しいDVDが収まったカバーであった。そこには、金色と銀色の髪を持つ年端もいかぬ少女達が、首にはめられた首輪から伸びる鎖で互いにつながれ、一糸纏わぬ姿でダブルベッドの上で四肢を投げ出し、『SLAVE』と大きくルージュでペインティングされた腹を見せてあおむけに寝転び、その裸体を見せていた。
 カバーに書かれている題名は、「奴隷少女達のイけない遊び」。俗にいう児童ポルノであった。

「ポルノだぞ、ポルノだぞ、PORUNOだZO、このBABAA!!」

 大事なことなので三回言ったけっコン仮面。その額には青筋が浮かんでいた。

「中の内容は見させてもらった。ここに写っている彼女達がこのベッドで、何をして、何をされたか。その出来事が全部記録されて編集されてここの中に入っていた。
しかも後鬼を締め上げて、お前が他に何かやっていないか聞いたら、人妖問わず、幻想卿中の変態たちに販売していたそうじゃないか」
「・・・・・・」
「ここに写っていたのは、古明石こいしとフランドール・スカーレット。どちらも幻想郷と地底で大きな力を持つお嬢様の妹だ。販売ルートもお前が作ったことは念入りに分からないようになっていた。そんな変態趣味だと死んでも白状しない、できない、そして金をたんまりと持っている奴らばかりに売っていたようだな。こんなものに乗っかる乳臭いメス達もこんなものを買う奴らも馬鹿だがな。BABAA、こいつらに、こんなものを要求するお前は、どうしようもない大馬鹿だよ」






* * * * * * * * * * *





 こいしは、一人で放浪の旅をするための賃金を得るため。
 フランドールは無限に続くような単調な退屈さを紛らわせるための、咲夜以外の皆に禁制されている薬物を得るため。
 少女達は、それぞれ欲しいものがあった。しかし、人間で言う十を過ぎたか過ぎないかの外観の少女達ができることなどしれている。
 そんな少女達の下に現れた紫が提案した、手っ取りばやく稼ぐことができ、かつ欲しいものがすぐに入る方法。それは自分達の痴態をDVDに撮って、紫と人妖怪達に提供することであった。
 フランドールは怒りの表情を見せ、こいしは汚物を見るかの様に、顔を侮蔑の表情に歪めた。当然だった。自分達の痴態を、変態の人妖達にさらされるなど、とても耐えられるものではない。羞恥と屈辱が彼女達を襲っていた。得たれたお金の何割かを、こいしはそのまま、フランドールは薬物に変えて得るとはいえ、どうしてそこまでしなければいけないのか。
 彼女達のそんな様子を見ても、紫は慌てた様子を見せない。きかん気な娘を見る母親のように目を細める。

「あんまり強情を張っているようだと、フランドール。貴方がメイドを通してこっそり薬物でトリップしていることを、レミリアに伝えるわよ。こいし。貴方も地底で一人旅をしている間、お姉さんからもらうお金以外に、暗示を駆使して雄達に身体を売って賃金を得ていたのでしょう。長旅をするにはお姉さんがあげるお金は少ないものね。大丈夫よ。貴方のお姉さんにばれることなんてないわ。私がそんなヘマをするもんですか」
「「……」」
「早く決心なさい。私はいますぐ事をおこしてもいいのよ」
「……分かったわよ。やればいいんでしょう。あいつに薬物やってるのがバレるくらいなら、お前達変態に悦ばれることをしてやるわよ」
「ねぇ変態ばばぁ。私達の絡み合う様子なんかみて嬉しいのかしら。これ本当にお姉ちゃんにばれないのよね。嘘だったら、殺すわよ」
「やるの?やらないの?質問されたことに答えなさいこいし」
「やるわよ。ばれないならね。」
「じゃあ、これにサインなさい。口約束じゃあお仕事にならないものね」

 そういうと紫は隙間の中に手を伸ばし、一枚の紙を取り出し、彼女達に見せた。それは、私達、フランドール・スカーレットと古明地こいしは、八雲紫とその関係者の為に、下記の条項を実行することを誓約します。という言葉で始まる契約書であった。

「さっきもいったけれども、貴方達の安全は守るし、DVDを見た人妖はそのことを口外しない。ばれるようなことはしないわ」

 彼女達は顔を見合わせ、少し躊躇った後に、契約書の一番下に自分の名前と指印を押して、紫に渡す。それを手に取ると紫は満足そうに微笑んだ。

「じゃあ、また来るわ。いいDVDができることを期待しているわよ」

 そう言うと、紫は自分の目の前に隙間を開き、その中に身体を潜り込ませた。後に残されたのはフランドールとこいしだけ。二人は複雑な表情で、紫がいた空間を見つめていた。






* * * * * * * * * * *






「これ以外にも、股間から無数の触手ペニスを生やしたこいしにフランドールが、全身をくまなく犯され続けるものや、互いに向き合った姿で、両手を背中で拘束されて、Mの字に開かれた両足を踵から太腿まで縛られて、秘所の部分に太い双頭バイブが突き刺さって、何時間も放置してイかせ続けているもの、無数の雄とセックスをしているものがあった」
「……」
「BABAA。お前はこんなものを30もシリーズとして作ったんだってな」
「ち、違うのよ、藍! これにはその、のっぴきならない事情があって」

 とにかくこの場を凌がねばと紫は慌てて捲くし立てたが、けっコン仮面は聞く耳持たなかった。

「幼子の心と身体を食い物にする浅ましさ。自分の欲しか考えない愚かしさ。お前がこのけっコン仮面に断罪されるのは当然だ」

 紫は身体を軋ませた。それはもう、言い訳のしようも無くその通りだったからである。

「あ、あう……」

 紫は一層口をぱくぱくさせた。どうにか、どうにかしてこの場を誤魔化さねば。妖怪の賢者とよばれた八雲紫の灰色の脳細胞が、死に物狂いで最適解を弾き出した。

「え……ええと――」
「……」
「ごめんね♥」
「Fuak You!!(中指を立てて)」
「あ、あの((((;゚Д゚))))」
「Yukari must die!!(手で首を横に掻き切る動作をつけて)」
「\(^o^)/」
「ヒップボンバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「ちょ、まっまってらん。あ、アァーーーッツツツツツ!!!」

紫は、けつ圧力によって弾き飛ばされ、壁に勢い良く激突。そこにけっこん仮面が飛びかかっていく。

「サンドウィッチアタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!!」
「グギィイイイイイイイイイイイ!!けっ、けっコンンンンンンンンンンンン!!」
「ヒップブレェエエエエエエエエエエエエエス!! ヒップブレェエエエエエエエエエエエエエス!! ヒィイイイイイイイイイイイイイイイップブレェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエス!!」
「や、やめ、止めてぇえええええええええええええええ!!死ぬ!!死んじゃう!これ以上責められたら、私死んじゃう」
「ふははははははははは、安心しろBABAA。もしお前が死んだら、お前の今までの悪事の暴露と一緒に、フォルダの中に入念に隠してあった、あられもない秘密の数々を河童と天狗達に売り渡して、一つ残らず幻想郷の隅から隅まで公表させてやるからなぁあああ!!」
「やだぁあああああああああああああ!!そんなことされたら、幽々子と妖夢、他のみんなに顔向けができない」
「はんっ。お前みたいなぐーたらは、さっさと死んだ後、閻魔の裁判で即地獄行きになるのがお似合いだYO!!」

あぁあ。自業自得とはいえ、これはあまりにもひどい仕打ち。誰かこの絶望的な状況をどうにかして頂戴。紫がけっコン仮面のけつ圧力によって顔面を押しつぶされ、四肢を痙攣させて意識を手放しかけた時であった。





「お〜〜〜〜〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっ!!」
「ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン♪」
「「……ッ!?」」

 穏やかな夜の風情をぶち壊す笑い声二つ。

「人の世の生き血を吸う不埒極まる悪行超人!この私達が来たからにはもうお前の好きにはさせんぞ!」
「聞こえます。あなたのその邪な波動。今こそ、その心音をこの手で止めるべき」

 けっコン仮面が仰向くその視線の先。マヨヒガの屋根の天辺に、腕組み見下ろす影二つ。大柄の体に真っ黒なフード付きのコートを着ている為、その姿を見ることはできない。

「誰だお前はっ!!」
「フ! 悪党どもに名乗る名など無いが、冥途の土産に教えてやるわ!遠くの者は音に聞け! 近くの者は目にも見よ!天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 悪を倒せと私達を呼ぶ!」
「「クロス・アウッ!!(脱衣)」」

二つの影は叫ぶと同時にフード付きのコートを脱ぎ去り、股間から出したパンティを顔にかぶる。
眩く発光する光。それが収まると同時に、二つの影が地面に着地する。
 ピンク髪の方は、ピンクパンティ。緑髪の方は黒パンティ。どちらもいずれも劣らぬ筋骨隆々の体。そのたくましい体を覆うのは、膝まである網タイツに白いブーメランパンツ。無理に伸ばしたブーメランパンツによって股間がちまきか、いなりずしのように強調されている。ピンクと黒のパンツの両脇は伸ばされ、交差させるように肩を通し、そのパンツの間から、各々目をこらしている。

「「参上。変態仮面!!」」

 ドカーンという轟音と共に、変態仮面達の後ろで大爆発。それをバックに思い思いのポージングを誇らしげに取る。

「変態……仮面?」
「「ヒュ〜〜。服なんか来てられないわ」」

思いがけぬ珍入客達に、紫はぽかんと口を開けて眺めていた。

「正義の味方だと。ふん、笑わせる。そんなセンスのない格好で恥ずかしくないのか、お前達」
「藍。あなたがそんなことを言えるのかしら?」
「無論。私こそ正義。正義とは美しさ。正義とは強さだ(ボイン♥)」
「いいえ。正義とは、正義の血と変態の血が交じり合うことで生まれるものよ(ムキン♪)」
「ボインだといっておろうが」
「ムキンだといっておろうが」
「あ?」
「あ?」

変態仮面(黒パンティ)と、けっこん仮面との間に火花が走る。両者の間に飛び交う凄まじい闘気。

「「しょうぶだおらぁああああああああああああああああああ」」

ぶつかり合う正義の仮面達(変態)。けつが飛び、華麗なムチさばきが空間を切り裂く。
マヨヒガは酒池肉林の桃色地獄と化していた。








* * * * * * * * * * *








「はぁ〜〜。はぁ〜〜。何とか、逃げ出せたわね」

けっコン仮面と変態仮面(黒パンティ)の戦う騒乱の中、紫はマヨヒガの玄関口まで逃げてきていた。ずるずると這いずって逃げるその様は、幻想郷の賢者とは思えない哀れなものであった。

「それにしても、お腹がすいたわね。何か食べるものはないかしら。あら、こんなところにいなりずしが」

玄関先の棚の上。そこにある皿に何故か置いてあるいなりずし。

「なぜ、こんな所にあるのか知らないけれども、まぁいいわ。いただきましょう」

 そう言うと、紫は棚を使って痛みにこらえながら立ち上がる。そして皿の上に手を伸ばすと、左手でいなりずしを掴んだ。

「あれ。このいなりずし、皿の上から動かない上に、生温かいわ」
「それは私のおいなりさんよ♥」
「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!あぎぁあああああああああああああ!!」

そこにいたのは、変態仮面(ピンクパンティ)。両手を後頭部で組んで、自分の筋肉を見せつけながら、皿の上にいなしずし(陰嚢と陰茎入り)をのせてポージングをとっていたのだ。

「あなた。ううう、また腰が痛い……さっき現れた変態仮面の片割れ」
「そうよ。私は変態仮面(ピンクパンティ)。私はお前が怪しいことが、ここに入り込んだ時から分かっていたわ」
「な。へぇそれは何故かしら?」
「あなた。こいしの愛液の匂いをぷんぷんさせているわ」
「へ?」

説明しよう。人間は通常、潜在能力の30%、妖怪は60%程度しか力を発揮することができないが、変態仮面はパンティを被ることによって力を100パーセント発揮できる。変態仮面(ピンクパンティ)は、その中でも嗅覚にすぐれ、ほんの僅かな匂いでもかぎわけることができるのだ。

「お前ね。お前が本当の悪なのね」
「ま、待ちなさい、変態仮面(ピンクパンティ)。あなた、何か誤解しているわ。そう、きっと話せば分かる。話せば」
「問答無用!!こいしの愛液の匂いを漂わせている変態には死あるのみ。変態秘奥義!!地獄のジェット・トレイン!!」
「ギャアアアアア気持ち悪わぁあああああああああああああああああああ……」

紫に飛びかかり、おいなりを押し付ける変態仮面(ピンクパンティ)。おいなりを押し付けられ、列車のように押されていく紫にとってはたまったものではない。ゴロゴロと勢い良く回転しながらドアを突き破り、屋外へと飛んでいく。

「うぅうう。なんてことなの。この私がって……服が脱げてるわぁあああああああああああああああああああああああああああ!!」
「服っていうのはこれのことかしら。お前にはその格好の方がお似合いよ」

豊かな胸を覆う黒のブラジャー。大人の秘所と茂みを隠すレースのパンティ、長く細い足をセクシーに魅せる黒のパンティストッキング。そんな下着だけの姿にされていることに気づき、顔を真っ赤に染める紫。 そんな紫の服を持ちながら、変態仮面(ピンクパンティ)がゆっくりと近づいていく。

「こうなったら、かくなる上は」
紫の足元に形をなす暗黒の空間。紫は隙間の中に逃げ込もうとする。

「逃すものですか。変態秘奥義。空中亀甲縛り」

変態仮面(ピンクパンティ)は、逃げる紫にロープを投げつけ、華麗なロープ裁きで相手を亀甲縛りにしてしまう。ブラジャーとパンティ、パンティストッキングを身につけた状態で亀甲縛りにされた紫。股間を締め付けられ、縄を通じて振動を与えられ、苦痛に顔を歪めながら、体を震わせ悶絶する。

「くっ。私が、はぁん……こんな、あうっ……いやらしい事を、きゃう、される……なんて……」
「ほ〜〜ほっほっほっほっほっほ。これでもう動けないでしょう」

 滅多に見ることができない、捉えられ弱々しい姿の紫。それだけでも、先のけっコン仮面と、変態仮面(ピンクパンティ)の功績は大きいだろう。しかしそれに満足する変態仮面(ピンクパンティ)ではない。そう。これからが本番なのだ。

「さぁ、お仕置きの時間よ。ウェルカム(ようこそ)漢女の世界へ」
「ひぃいいいいいいい!!」

謎の変態パンツをクロスさせ、股間をちまきのようにし、そのしめつけが仮面にさらにやる気を起こさせるレスリングスタイル。その変態パンツの隙間ががばりと手で広げられ、中のマグナムがご開帳する。
 縄が下げられることで、どんどん変態仮面(ピンクパンティ)の股間へ近づいていく紫の顔。食虫植物のようにひくひくと秘心とマグナムが蠢き、獲物を今か今かと待ち構える。

「嘘でしょう。いやぁあ、止めて!!止めなさい!!止めてちょうだぁあああああああああああああああああい!!」
「ウェルカァアアアアアアアアアアアアアム!!」





* * * * * * * * * * *





「全く、余計な手間をかけさせるんだから」
「ごめん、霊夢」
「その新聞を見て、味噌汁を吹いたのよね。何か新聞に、気になるものが載ってたんでしょう」
「う、ううん。なんでもない。なんでもないよ、霊夢」
「うそおっしゃい。あんたがそこまで取り乱すなんて、よっぽどの事が乗っているにちがいないわ」

裏返った声で否定するこいし。そんなこいしを不審に思う霊夢は、有無をいわせずに新聞を取り上げると、その一面に目を通す。
 新聞には、亀甲縛りされた紫の顔を、プーメランパンツで自らの股間に固定させ、胸の前で両腕を組んでいる変態仮面(ピンクパンティ)と、けっコン仮面に変態秘技・苦悶蜘蛛地獄をかけ、けっコン仮面から滴る尿を浴びながら、勝利の雄叫びを上げている変態仮面(黒パンティ)の姿が写っていた。

(だめぇえええええええええええ!!だめぇえええええええええええええええ!!みちゃだめぇえええええええええええええええ!!れいむぅううううう!!)
「ん〜〜、謎の変態コンビ、マヨヒガを騒がす……。あぁあああ、これはひどいわねぇ。こんな変質者を食事中に見たら、確かに味噌汁も吹きたくなるわ」
(うわぁああああああああああああああ!!気づかれるぅううううううう!!お姉ちゃんが変態だって気づかれちゃうよぉおおおおおおおおおおお!!)

 筋肉。ピンク色の髪の毛に第三の目。これだけ分かりやすい特徴を持っていれば、勘のいい彼女なら、間違いなく気づくはず。
唇を大きく震わせ、顔全体を真っ赤にしながらこいしは霊夢の方を見ていた。

「一体どんな奴らがこういう事をしているのかしら?」
(あ、あれ?)
「あんたは、心あたりが…って、普段無意識で放浪しているあんたじゃ分からないか」
「う、うん。心あたいないわ。私(霊夢、気づいていない?)」
「そんなに頬を紅潮させてどうしたのよ、あんた。熱でもあるんじゃないの」
「う、ううん、大丈夫。ダイジョウブダヨ、レイム」
「こじらせると面倒だから、向こうで横にでもなってなさい。汚した服おいて帰れないだろうしね」
「う、うん」

 霊夢にうながされたこいしは、寝室に入ると、まだ体温の暖かさが残る布団へと潜り込む。
 横になり、枕に頭をのせて、こいしは考える。 

「どうして誰も気づかないのかしら。分かるでしょう普通」

 こういうマスクで正体が分からない設定では、途中まで、もしくは最後まで正体が誰にも分からないのがお約束なのである。

「そんなメタ発言はいらないわ、地の文」

 これは失礼した。

「ふぅ」

 小さく溜息を付くこいし。
 あの日、こいしの前に突如として自分の100%だといって裸で現れた時以来、自分の姉は色々と物騒かつ変態的な事ばかりやっているが、さとりのこいしに対する気持ち、それ自体は至極純粋かつ無垢な慕情なのだ。
 感情というものをほとんど喪失し、生ける人形と朽ちるだけのこいしに、ここまで感情を戻しさせたのは、自分の姉となった古明地さとりと地霊殿に住むペット達。純粋な興味本位だった感情はいつしか愛情へと変わり、その感情を生み出した本人すら手に負えないほど大きくなってしまった。
 好きで、愛していて、欲していて。
 愛する事。誰かを愛せる事。この果てし無く広がる世界のこの場所、この時間。そしていつかは尽きる儚い命。その中で、誰より愛しく大切だと想える妖怪に出会えた。

「お姉ちゃん・・・」
「呼んだかしら。愛しい愛しい私のこいし」
「………………」
「………………」
「(;゚Д゚)!」
「私よ。こいし、さとりよ」
「(;゚Д゚)!|゚Д゚」))(;゚Д゚)!|゚Д゚)))」
「どうしたの。そんな驚いた顔をして」
「((((;゚Д゚))))」
「何か言ったらどうなの。こいし」
「なんで。なんでお姉ちゃんがここにいるの?なんでここにいることが分かったの?」
「こいしいる所私は出没するわ。大気中にただようこいしの匂いを追って、やってきたの」
「お姉ちゃんは、犬か何かなの」
「100%だもの。それぐらいはわけないわ。それより、私昨日からずっとマグナムが勃ちっぱなしなの。お仕置きに股間に押し付けはしたけれども、結局抜かなかったし。だから慰めてくれないかしら」
「ひぐっ……」
「ほらほら、早く……早く……」
「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!霊夢!!霊夢助けて!!犯される!!私変態に犯されちゃううぅうううううううううううう!!」
「霊夢は私がお茶に入れておいた睡眠薬で寝ているから、いくら呼んでも無駄よ」
「ひぐっ!!」

 さとりから聞かされる絶望的な言葉。それでもこいしは必死で振りほどこうとするが、大木のようなさとりの腕を振りほどくことができない。

「こら、暴れないの。これでも食べて静かになさい、こいし。霊夢が起きてしまうわ」

 そう言うと、さとりは股間から黒のレースのパンティを取り出し、こいしの口の中に押し込んだ。
 それは、先日の事件でさとりが押収していた紫のパンティ。自分とは違う大人の女の味と匂い、布に唾液を奪われ乾きを覚える喉の感触に、こいしは激しくむせこみ、パンティを吐き出そうとする。その上から貼られる透明ピニールテープ。それは、こいしの口周に幾重にも巻かれて貼り付けられ、こいしの口の中に、強制的にパンティを鎮座させる。

「これでよし。次は服ね。こんなもの邪魔なだけだわ。取りましょう」

 そういうと、さとりは片手だけで器用に巫女装束を脱がせ、こいしを丸裸にしてしまう。恥ずかしさに顔を朱に染めるこいし。

「後は、これでこうして」

 こいしの表情を見つめるさとりの瞳が、にいっと愉悦に微笑む。次の瞬間、痛みにこいしの腰が跳ねる。手首の一番細い部分をとらえた縄が、二巻きしてギュギギ‥‥と食い入ってきたのだ。
 指を握りこまれたまま一度しっかり縄留めされ、さらに何重にも手首の周囲を固めては念入りに縄掛けされていく。鈍い痺れが握った指先まで届く。同時にどんなに力を入れても縄抜けできないことに気づき、こいしの顔が怯えの表情を見せる。

「ふぐ、ん、んくっ」

 跳ねまわるこいしの裸身をしっかり抱き寄せ、縛りあげられた後ろ手の縄尻をつかんで、さとりがぐいっと容赦なく吊り上げた。肩や肘が悲鳴をあげ、猿轡の奥でくぐもった息が詰まっていく。二の腕の外側から胸の上を通された縄がふたたび背中に戻って縄留めされる。こいしは後ろ手を揺することもできなくなっていた。
 俗に高手小手と呼ばれる手首を吊り上げた縛りのせいで、腕を動かせない。指を開くだけで、キリリと縄が食い込んでくるのが感じられた。
鬱血させるほどきつく肌を這いまわる麻縄のライン。そこを嬲られ、緊縛の残酷さをあえて実感させられる屈辱に、体の芯がグツグツと溶けていく
 ギシ、ギシッと音を立てて、こいしの体を黒縄がいやらしく彩っていく。体中に縛めが這い回り、皮膚に縄が食い込むたび、こいしの体はビクンビクンと跳ねる。ときおり喉を鳴らし、食い込んだ縄のキツさを怯えるかのように腰を弾ませて。股下の秘心を裂くかのように、縦に股縄さえも通されて。

「ふふ、できた。これでもう絶対逃げられないわよ。こいし」
「んンーーッ、ひふゥゥ!」

 抗議の身じろぎ、それさえほとんど形にならず、逆にこいしの体には途方もない疼きと爛れたひりつきがこみ上げる。
 どうしようもなく絡めとられた無力な裸身。素肌に幾筋もの汗がにじみ、麻縄が吸いとられなかった分は雫となって皮膚と縄とのわずかな隙間に溜まっていく。火照っててらてら輝く体は、汗という潤滑油を得てますます施された緊縛になじみ、一体化していく。

「それにしても、こいし。お前がこんな児童ポルノに紅魔館のお嬢様と一緒に出ていたなんて、本当に驚いたわ」
「んうぅうううううう……」
「お前も、私に頼るだけじゃなくて、自分の体を使ってお金を稼ぐようになっていたのね」
「うぅうううううう……」
「どういう経緯でこうなったのか、ナニをやっていたのか、地霊殿でじっくり聞かせてもらいましょうか♥体に聞きながらね」
「私もご一緒してよろしいかしら」
「あら、映姫。お前も来るの?だったら映姫とは、穴友達になってしまうわね。まぁいいわ。一緒に愉しみましょう。DVDに映っているこいしの痴態を見ながらね」

 そう言うと、さとりと映姫はフード付きの黒いコートを被り、博霊神社を飛び出して、地底の地霊殿向けて疾走し始めた。さとりの懐には猿轡をされ、パンツ一丁の姿で緊縛されたこいし。映姫の手には、紫から押収したDVDデッキと、こいしが出ている児童ポルノDVD全30巻。
 こいしの目から、涙がこぼれ落ちる。全身を大きく震わせ、猿轡の中で絶叫を響かせる。

(犯されるぅうううううう!!私の痴態を見られ見せつけられながら犯される!!やだぁああああ……やだぁああああああああああああああああああああああああ!!)



 

 その後、地霊殿のさとりの部屋からは、桃色声の絹を裂くような叫び声と嬉声が、三日三晩続いたそうな。この時に収められたと言われるプレイの内容は、幻の奴隷少女シリーズ31番として、ペドフィリアの間で大層な話題になるのであるが、それはまた別の話である。




                             (完)
 パンツに始まりパンツに終わった第三話。当初、この話はプリプリのムキキュアと化した映姫とさとりが、彼岸で大暴れする話だったのですが、いつのまにやら、変態相手に変態行為をする、カオスなお話になりました。
 もっと速いペースで書きたいのですが、ネタが中々思いつかない。今回は途中から、完全に既存のパロディになってしまいました。
 映姫の出番が思った以上に少なくなってしまったのは、反省点ですね。完全にさとり100%とけっコン仮面に食われてしまいました(出番的な意味で)。
 次回の投稿も多分ギャグになると思います。




1月29日、コメント返ししました。匿名の方も、評価頂きありがとうございます。


>>1 
これ、今書いているギャグの方がよほど新徒向きだという状態なんですね。でも投稿はこちらにします。


>>3、6、11
続編は話の流れはできているので、UとVの時程、長い期間を空けずに投稿できると思います。Wは季節ネタになります。


>>5
誤字修正しました。報告頂きありがとうございます。
映姫は、この話を考えた時から変態として登場させる予定なので、こうなりました。
けっコン仮面の持っているヌンチャクは、元ネタの漫画内でどのように使っているか分からなかったので、持っているだけになりました。
トレーニングは、さとりと映姫に取っては、非常に日常的なものです。


>>7
この世界では、変態が圧倒的に強いので、その公式は正しいものと言えます。


>>8
体は幼子でも、数百年も生きていれば、いやらしい妄想や行為も多数実行していると思います。その内面と外面のギャップが、エロさを出すのだと思います。


>>9
元ネタは、素敵な音楽の合間に挟まれる、濃すぎる男の生き様がドラマになった、超兄貴ショーです。本当にこの頻度と順番で超兄貴ショーがあります。
TとUがあり、ニコニコ動画で聞くことができます。両方で二時間あるので、時間があるときに聞いてみてはいかがでしょうか。


>>10
この話はギャグなので、どれだけひどい目にあっても、しばらく時間が経ったら元通りになるので大丈夫です。
ケテル
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2012/01/23 18:17:56
更新日時:
2012/02/18 21:07:12
評価:
10/14
POINT:
1090
Rate:
15.93
分類
さとり100%
こいし
いっしょにトレーニング
変態淑女
超姉貴
パンツ
イブとイブ
JOJOの奇妙な冒険
こんなの絶対おかしいよ
本当の現実と向き合えますか
未知との遭遇
1月29日、コメント返ししました
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
0. 90点 匿名評価 投稿数: 3
1. フリーレス 名無し ■2012/01/24 05:15:12
くそ!新徒向きだぜ!
2. 100 ■2012/01/24 05:18:46
点数入れ忘れました。くそはひどい意味じゃないです。
3. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/01/24 07:39:39
外に積もった新雪が、オイリッシュなマッチョガールに穢されたような気分になりました。

少女を食い物にした性犯罪は良くない。
非常に、いや、非情にためになる勧善懲悪ストーリーでした。
正義の心と肉親への愛、それとほんの少しの筋肉があれば、怖れるものは何もないのですね。

これからもぶっ飛んだ漢女の大活躍を楽しみにしています。
5. 100 名無し ■2012/01/24 15:33:45
やったぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!! 続編だ−−−−−!!
今回も突っ込みどころ満載でした。
さとり様が本編開始時点で100%ってw
映姫様、初登場でそんな変態でいいんですかw
藍様ヌンチャク使ってねぇしw

あと、差し出がましいんですが誤字が目立ったので見つけられただけ書きます

さとり様とえーき様がさとり様の部屋でポー人グしてる時
ダブルバイセップス・フロント→ダブルバイセックス・フロント

けっコン仮面が
藍→蘭
俗→属

フランとこいしがBBAにゆすられてる時に
強情を張る→強情を貼る
古明地こいし→古石明こいし

もしや変態仮面(ピンクパンティ)のBABAAお仕置きの時の
小駆虫植物って食虫植物の事?

こいしの地の文へのツッコミの少し後で
古明地 さとり→古明石さとり
以上です。

最後に、タグの「いっしょにトレーニング」ってw そんなほのぼのしたもんじゃねぇw
6. 100 名無し ■2012/01/24 20:21:54
続編希望
7. 100 名無し ■2012/01/25 21:24:40
凄まじく面白いギャグ作品かと思ったら
陵辱モノで御座った。
変態×変態×変態=正常だとこの作品で解った。
8. 100 木質 ■2012/01/25 21:50:15
ド変態達がフリーダムに暴れまわるのは、読んでてすごく楽しいです。
テンション上がりまくりです。

毎度ながら、こいしちゃんふらんちゃんが素晴らしくえっちぃ
9. 100 名無し ■2012/01/25 22:13:38
超姉貴ショーが気になってしょうがない
10. 100 ぐう ■2012/01/27 20:13:38
さとりんのマグナムに掘られて生きてるこいしちゃんこそ最強
11. 100 名無し ■2012/01/28 08:21:31
変態達のハチャメチャぶりが最高です。続編待っています。
12. 100 名無し ■2012/02/04 14:20:12
このイカレっぷり、たまらんわ!
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