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『ウロボロス』 作者: まいん

ウロボロス

作品集: 3 投稿日時: 2012/03/16 12:29:12 更新日時: 2013/12/20 23:20:29 評価: 5/7 POINT: 530 Rate: 13.88
注意、この作品は東方projectの二次創作です。
   オリキャラ、オリ設定が存在する可能性があります。





幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)
反転(リバース)
無限悪夢(ウロボロス)

永遠に目覚める事の無い悪夢の中で身も心も戦いを忘れて過ごすが良い。
ウフフ、アハハ、ハハハ、アーッハッハッハッハッハ!!!



バシンッ! バシンッ! バシンッ!

「死刑♪ 死刑♪ 死刑〜♪」

赤銅色の大地、夕焼けを思わせる黄金色の空、人工的に開かれたと思われるその場所は屋外のライブ会場を髣髴させるだろう。少し小高い舞台と思われる場所にはアイドルの様な服装の少女が鞭や棒の振るわれる音に合わせて歌を歌っている。
会場の中央ではフワフワな垂れ耳の少女が縛られ、鬼達に鞭や棒等で暴行されていた。

「いたいよ〜、やめてぇ……私が何をしたっていうのよ〜?」

許しを請い、助けを求める彼女に対し歌を歌っていた少女は歌を止め、怒りを露にして辛辣な言葉を浴びせた。

「黙れ詐欺師が! 貴様は何の罪も無い人を何人生き地獄に落とした? 更に人のみでなく閻魔である私まで謀ろうとは捨て置けん。 そもそも、この地獄に生者のまま送られる事自体が罪なのだ、死ね! 死んで詫びろ! 死んで償え! 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!! ここで死んで更に死ね! 永遠に死に続けろ!」

ワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

閻魔の言葉に会場から鬼達の歓声が一斉に上がる。 彼女は再び歌い始め、会場の中央では止まっていた手が動き始めた。

「死刑♪ 死刑♪ 死刑♪ 殺せ殺せ、痛めつけろ♪ こやつの来世はここで決まる♪ 罪人の幸せ願うなら、叩け殺せ切り刻め♪ 腕が動かなくなるその時まで、足腰砕けて倒れるまで……」

閻魔の歌は尚続く、中央の鬼達は鞭を打つ、棒で打つ、殴る、蹴る、その中で人形の様に扱われる彼女は息も絶え絶えに叫ぶ。

「お願い〜、もう止めて〜! 私が悪かったから、何でもするから〜! だから痛いのは嫌! 苦しいのは嫌! 辛いのは……嫌〜〜〜!!!」

〜〜

「なんで〜、どうして〜? 弾幕勝負は殺し合わない為じゃないの!?」

暗闇の竹林に響く叫び声、黒髪に垂れた兎耳の彼女は人間4人に組み敷かれていた。 彼女は必死で叫び助かる道を模索していたが、組み敷いている人間はまったく聞く耳を持っていなかったのである。

「なあなあ、霊夢。 こいつも妖怪なのに何で私達人間に手も足も出ないんだ?」

霊夢と呼ばれた少女は、さあねと返したが彼女が掴んでいる両腕にはお札の様なものが貼られていた。

「霊夢、魔理沙。 しっかり押えていてね、今から皮を剥ぐから」

メイド服に身を包んだ少女はそう言うと、持っていた銀のナイフを兎耳の少女に見せ付けながら鈍く光らせる。

「ひぃい! やっやめ! たっ、助け……ひぁ!」

綿飴の様なものを背後に浮かばせた少女は自慢の日本刀を兎耳の少女の鼻先に突きつける。

「霊夢さん、言ってくだされば、ただちにバラバラに解体しましょう」

「そうね。 咲夜、妖夢に花を持たせてあげて。 解体が済んだら皆で食事にしましょう」

霊夢の言葉が合図となり、少女の身体に光が走った。

ヒュンッ! ズバンッ!!!!

「あああぁぁぁ、ああああぁぁぁ、ああああああああッッッッ!!!」

両手、両足が一度に切断され、腹には縦に一筋の切れ目が薄く走る。 切断面からはドクドクと止め処なく血が流れ、彼女の血の気を奪った。 しかし彼女はそんな事を気にする事は出来ない、両手両足を一度に失った衝撃、天井知らずに増大し続ける激痛。
彼女の目からは涙が溢れ、口からは涎がこぼれ、鼻からは鼻水が流れた。

ジュルリ……。

腹に付けられた薄い傷が裂け、内臓がゴボッと溢れる。
意識が薄れる彼女が見た者は今まで見たどの妖怪よりも恐ろしい血に塗れた人間の姿だった。

〜〜〜

迷い込んだら生きて出る事は出来ない、いつしか人々はこの竹林を迷いの竹林と呼んだ。 薬草を求めたり、食糧を求めたりして仕方が無く入る事を除けば、好き好んでここに入る人間は皆無であった。
その竹林に歩いて入って来た人間が二人いたのだ。
一人は美しく長い黒髪のお姫様、もう一人は赤と青の特徴ある医者の服に身を包んだ女性。
竹林の奥に進む二人、竹林の中央であろう多少開けた場所で彼女達はある者達に遭遇する。

「はーっはっはっはっ! こんな辺境によくぞ来た! 生きて帰りたかったら我々の要求を聞いてもらおうか」

現れたのは大量の妖怪兎、大きな声で宣言したのは黒髪で大きな垂れ耳を持った妖怪兎の少女。 呆気に取られている様に見える二人に対して兎達は輪を徐々に狭くし、彼女達二人を完全に取り囲んだ。

「さぁてと取引といこうか……」

取引を持ち掛けようと先程の兎の少女は一歩踏み出る。 長い黒髪のお姫様は顔の向きを変えずに、もう一人の医者風の女性に言った。

「ねぇ、永琳?」

「何です? 輝夜」

妖怪兎の少女は輝夜と呼ばれた少女に手を引っ張られ、地面に組み伏せられる。 その上に優雅に座り肩関節を極めたまま、永琳に対して更に言う。

「今日のご飯は兎が良いわ!」





「ひゃべて! ひゃべてぇ!」

泣き続ける彼女は元から赤い目を更に赤く泣き腫らし、叫び続けた所為で声は潰れて所々話し方がおかしくなっていた。
先程、輝夜が発した一言によって狩りが始まった。 永琳は弓に番った一本の矢を頭上に放つ。
落ちて来た矢は的確に数十から百数十居る妖怪兎各々の足元に寸分の狂いも無く刺さった。

ヒュンッ! バスッッッッ!!

永琳は矢を放つと妖怪兎の一羽が射殺され、その場に居た妖怪兎達は蜘蛛の子を散らす様に逃げていった。

「ひゃべでって、私達はあんた等に危害を加える訳じゃないんだ……」

「あらあら、私達は被害者なのよ? 身を守って何が悪いのかしら?」

そう言いながら輝夜は彼女の肩を捩じ上げていく。

「ぎゃああああ!!! びゃああああああ!!!」

悲鳴を聞き数羽の兎が顔を出す、永琳は顔を出した兎をすべて射殺する。

「まぁ、すごいわ永琳」

感心した表情で従者を褒める輝夜、彼女は手を止めずに肩をそのまま捩じ上げていた。 肩からはミシミシと小さな音がし、組み伏せられている少女は悲鳴を上げたままである。

ゴギンッ!

悲鳴だけが響いていた竹林に大きく新しい音が響き、少女が上げていた悲鳴は一際大きく高くなる。 その音に顔を出した兎はやはり永琳に射殺された。
大量の兎を回収した永琳は、鉈の様な刃物を取り出した輝夜を見て言う。

「輝夜、それで何をするのですか?」

「ん〜? 兎の足は商売繁盛の御護りになるんだって。 そうそう勝手に逃げ出さない様にする意味もあるよ」

そう言うと同時に鉈を少女の足首に振り下ろす。 ガツ、ガツと何度か振り下ろすと、千切れる様に足は斬れた。

…………っっっいぎゃあああああああ!!!

「ふふ、貴女が言っていた取引……私から提案してあげる。 今日から私達、ここに住むから貴女も一緒に住みましょう? 対価は住みながら考えれば良いじゃない」

輝夜はそう言うと射殺された兎を一羽掴み、素手で身体を引き裂いて生のまま貪り始める。
大量の仲間の死を受け入れられず、さらにこの恐ろしい人間と住まなければならなくなった事を受け入れたくない彼女は、糸が切れた人形の様に突然意識を失った。

〜〜〜〜

いつ産まれたかを覚えてはいないが、確かに彼女はここで生きている。 親に兄弟姉妹がいた筈だがいつの間にか居なくなっていた。 小さな島に周りは海、小さいとはいえ島には木々が生い茂り、食事に適した草や水も豊富にある。 天敵はおらずに彼女と同じ草食の動物が少し居るだけであった。
大きな垂れ耳を持った彼女は毎日の様に島の外を眺める。 島から見える巨大な大陸、彼女はそこに行きたいとずっと思っていたのだ
そこに突如として現れた鮫の群れ、彼女は叶えたいと思っていた夢を叶える良い機会だと思い鮫の一頭に話しかけた。

「もし? そこの方……」

『ああっ? 俺の事か?』

食い付いた、しめしめと思った彼女は表情を顔に出さずに話を続ける。

「貴方達は、沢山のお仲間が居るようですが……どれ位の数が居るかご存知ですか?」

『いや知らんな!』

これはうまくいった、彼女は逸る気持ちを抑えてゆっくりはっきりと鮫に話を続けた。

「では、ここからあっちの方角に真っ直ぐ並んで貰えませんか? 私が貴方達の背中を渡りながら数を数えて行きましょう」

『ああ、いいぜ』

その鮫が言うと彼等の群れは島から大陸まで一直線に並んだ。 ではではと兎は言い、彼等の背中を跳びながら、いち、にと声をあげて数えて行った。
最初はまともに数えていた兎であったが、半分位から声が小さくなっていき、大陸に近づくにつれて段々と興奮して跳ぶ速度も早くなっていく。
あと少し、あと少し、彼女は逸る気持ちを抑えきれなくなり息を荒げて跳び続けた。 そして最後の一頭を跳んだ時、彼女は最後の鮫に噛み付かれてしまう。

『で? 結局何頭居た?』

優しく噛み付きながら鮫は聞く。
何頭? そんな事はどうでも良い。 そんな気持ちの彼女は適当に答えて大陸に行こうと考えた。

「ひゃ、108頭です……」

『んな、居るわきゃねぇだろ!』

鮫は怒った様に叫ぶと器用に兎の皮を剥ぎ大陸に投げ捨てた。 生皮を剥がれた彼女はその激痛に叫び声を上げながら地面に叩きつけられる。

「いぎゃあああああ!!! 痛い! 痛いよう!」

『ちっ! 今回はこれで許してやる! 二度と鮫様を騙そうと考えんな!』





「痛いよぅ! 痛いよう!」

目的の大陸に来られたものの兎は生皮を鮫に剥ぎ取られ地肌をさらしている。 辺りに人の姿は無く、痛みに耐えかねて狂った様に叫び、のた打ち回っていた。

「ぐうう、痛い、痛い、痛い……」

痛みが余りに酷い為、涙も出ず。 良い解決法も無い為、ただ耐えるしかなかった。
その時に何か争いあっている人々が来て、近くの草むらで探し物を始めている。
痛みから何としても解放されたい兎は必死でその人々に助けを求めた。

「そこの人! 私は酷い傷に苦しんでいます。 痛みを和らげて、傷を治す方法を教えていただけませんか?」

そこに居た一人の男は、めんどくせぇと悪態をつく。
別の男は注射器を取り出して、モルヒネを打とうとする。
さらに別の男は薬が勿体無いと別の男の注射器を下げさせ、悪い事を思いついた顔で他の二人の男に耳打ちをした後、兎に向けて言った。

『そうだなぁ、まず海水で傷口を洗いなさい。 次に殺菌の為に塩をすり込みなさい。 最後に風の良く吹くあの山で傷口を乾燥させなさい』

「あ、ありがとうございます」

兎はそう言うと身体を引き摺りながらその場を後にする。 男達は一様に顔をにやけさせていた。



「つうぅぅ……」

綺麗な場所を選んで海水に浸かり、次いで傷口を洗う。

「いだだ、くぅぅぅ……」

しっかりと傷口を洗った兎は、近くにあった塩田から塩を少し貰い傷口にすり込んだ。

「きゅぅぅぅ、ぐぐぐ……」

彼女は目に涙を溜め込みながら、塩が染みる身体を引き摺って、言われた通り場所に行く。
到着した兎は自分の肩を抱きしめて、傷が治る事を祈って待った。
だが、待てども待てども傷は治る事は無く、極度に乾燥した傷口は裂けて、塞がった筈の場所からも少量の血が流れた。

「痛っ、おかしいよぉ。 治らないよぉ、何で? 何でぇ?」

理不尽さに納得が出来ない兎は泣き始める。 その時、その場所に来たのは兎に治療法を教えた人々であった。

『あれ? なんでお前がここに居る訳?』

「あ、おかしいんだよ。 言われた通りにしたのに傷が治らないんだ」

『ギャハハハハ! こいつマジで信じてやんの』
『ああ、あれ嘘だわ。 まさかホントにやるとは思わなかった』
『俺等、用事あるんで行くわ』

そう吐き捨てると人々は腹を抱え大笑いをしながら帰って行き、その場に一羽残された兎は痛みを忘れて呆然と立ち尽くしていた。

ビュオオオ!

突然吹いた風に我にかえる。 肩を抱きながら取り敢えず山を降りることにした。
行く当ても無く元来た道を戻る、しかし大陸に来てから飲まず食わず、更に傷を露出させ続けた兎は痛みと高熱に遂に倒れてしまう。

「うんん、くううう……」

思えば憧れていた大陸に来た所で起こった事といえば苦しむ事だけ、彼女は自身の天命が尽きたと思い、すべてを諦めて目を瞑る。

「君、君! 大丈夫か? 今すぐに私の診療所で手当てをしてあげるから、それまでは何とか頑張ってくれ!」

突如として聞こえた声、彼女は目を開くも視界は掠れてはっきりと顔を見る事は出来なかった。 身体に振り掛けられた粉、匂いから蒲と判り、この人なら大丈夫かも……と思いながら彼女は安心して眠りに就いた。

〜〜〜〜〜

傷だらけの兎を抱いて走る人。 その人物は、とある診療所に駆け込むと椅子に座って暇そうにしている人物に急いで話しかけた。

「鈴仙様、鈴仙様、急患です!」

「永琳君、様はやめてくれと、いつも言っておるだろう」

「すみません、それで博士この子を……」

「なんだねこれは? 今夜の食事か? それとも改造用の素体か何かか?」

「まだ生きています、すぐに治しましょう」

「医術に於いては君の方が優れている。 そういう事なら手伝おうではないか」





「なんだ、随分簡単な手術だったではないか」

鈴仙と呼ばれた女性、声からは女性である事が伺えるのだが、仮面を思わせる鼻眼鏡状の眼鏡を掛けている彼女は、その見た目からは一目で女性とは思えない。
服装は上下のブレザーに白衣を纏い、頭からは兎を思わせる長い耳が突き出ていた。
その彼女は折角の手術が大した事無かった様子で、文句を言いながら好物の焼きプリンを食べ呟いた。

「ええ、大した事が無くて良かったわ」

永琳と呼ばれた女性は銀の長髪、男性とも女性とも思える中性的で綺麗な顔を微笑ませてそう返す。 鈴仙の言葉を好意的に受け取った様だ。

「いや、そうではなくてだな……ともかく、その子をどうするつもりだね?」

「一緒に住まわせようと思います」

「ふむ、そうだな。 今更一人増えた所で何も変わるものではないだろう」

あら、今日は素直なのですね。 と言おうとした所で手術を受けた彼女は目を覚ました。 永琳は話しかけ、彼女の事を色々と聞こうとした。
彼女から帰ってきた答えは覚えていない、分からない、それだけである。

(よしよし、ウロボロスは正常に作動している様だ。 しかし油断は出来ん、このまま彼女を監視して必要とあれば、また悪夢に落として戦意を削れば良いか)
ふふふ、と笑う鈴仙に永琳はしきりに話しかけていた。

「わわわ、な、何だね? 永琳君」

「ですから、記憶喪失の彼女に名前をあげましょう」

「そうだなぁ、ここ因幡で見つけた良い素兎だから、因幡素兎良(すとら)なぞどうじゃ?」

「でしたら、因幡の畦畔で見つけたので因幡畦、少し崩して因幡てゐとしては如何でしょうか?」

鈴仙と永琳はお互いの考えた名前をあげたが、結局は永琳の考えた名前が採用された。

「という訳で、貴女の名前は因幡てゐ。 よろしくね、てゐ」

てゐ、私の名前? と小さく呟くてゐ、その彼女に鈴仙は話しかける。

「よろしくな、てゐ君。 おおそうじゃ、自己紹介がまだじゃったな、私は鈴仙。 見ての通り科学者じゃ、そしてこの人が医者の……」

「大黒永琳ですわ」

手術が終わった病室で、てゐは永琳に向かって安心して微笑み、鈴仙を見て少し訝しげな表情を浮かべた。 その日の病室では、ずっと鈴仙と永琳の話し声が聞こえていた。

〜〜〜〜〜〜

「ふぉぉぉ、この寸分違わぬ黄金比! こんな焼きプリンを作れる私は、やはり天才だ!」

鈴仙は皿に焼きプリンを盛り付けながら叫び、その様子を見ていた永琳は呆れながら言う。

「博士……いくら好物とはいえ、はしゃぎ過ぎです。 それに幾つも作るのなら、てゐに少しはあげて下さい」

「何を言う、焼きプリンは私の主食……それをあげろとは、私に死ねと……」

その様子を見ていたのは、てゐである。 彼女は羨望の眼差しで二人を可愛らしく見つめていた。

「うっ……ま、まあ良いか……特別に一つくれてやろう」

皿を受け取ったてゐは喜び、鈴仙に礼を言って美味しそうに焼きプリンを頬張った。 その可愛らしい仕草に鈴仙は肩の力が抜け、そんな彼女を見て永琳は楽しそうに息を吐く。

傷も治り、てゐはすくすくと成長していく、色々なモノに興味を持ち、永琳を見本に何でも手伝った。 時に成功して喜び、失敗しては泣き、悪戯をしては怒られる。 永琳は、てゐのお母さんの様であった。 その様子を日々観察していた鈴仙には何とも理解のし難い感情を感じる。

(何だ? 今まで感じた事の無いこの感情は?)

「ねぇ、はかせ?」

考え事をしていた鈴仙にてゐが話しかけると、彼女は我に返りてゐに何事かと聞き返した。

「きょうは、”りょうり”をつくるから、できるまで”きっちん”にはいってこないでね」

何を意図して言っているか解らない鈴仙は、今日は一日中研究で自室に引き篭もる予定だと改めて思い出し、分かったと軽く返事をする。



「おや? もうこんな時間か……」

研究に没頭していた鈴仙は、時計を見上げて時刻が夕食の時間になっていると気付いた。 さてさてと呟き部屋から出て、台所に向かう。 扉を開けた彼女を出迎えたのは爆発音であった。

パンッ! パンッ!

しまった、記憶が戻って逆襲に来たか! そう思い、何かを発動させようとした鈴仙であったが、身体に痛みが無い事に気付き、次いで彼女を向かえた言葉もあり、その場に呆然と立ち尽くしてしまう。

「「博士、誕生日おめでとうございます!」」

部屋に入った彼女を向かえた二人は誕生日を祝った。 思考の働かない彼女の手を引き、所定の椅子に案内する。

「こ、これは一体どういうことだね?」

「博士、今日は貴女の誕生日ですよ。 てゐと私が手塩に掛けて料理を作ったのです」

おかしい、こんなプログラムは作っていない。 バグか? 修正は必要なレベルか? 次々と頭脳を働かせ対処を考える鈴仙、そんな彼女の考えている事は露知らず、てゐは大切そうに持って来た皿を鈴仙に差し出した。

「はかせ、たんじょうびおめでとう」

差し出された皿には歪な形をした焼きプリンが乗っていた。 彼女は疑問に思いながら受け取り、不完全な焼きプリンだ、と言う。 てゐは涙目になり、永琳は拳を強く握り何かを叫ぼうとした。
その二人の行動は鈴仙の次の行動によって止まってしまう。 彼女は受け取った歪な形の焼きプリンを何の躊躇いもなく口に運んだのだ。

「キャハハハハハ! おいちい、おいちい!」

焼きプリンを食べた彼女の反応はいつも通りであった。 その言葉を言いながらてゐの頭を撫でる。

「てゐ、ありがとう。 これは何処からどう見ても完全な焼きプリンだった。 私の目がおかしかった様だ……」

てゐは鈴仙に抱き付き、永琳は喜ぶ。 更にパーティの始まりですよと永琳は言い次々と料理を出していった。

〜〜〜〜〜〜〜

いくつもの家々が並んで建てられている場所、人里。 その中で診療所等を営んでいる永琳達。
今日は珍しく屋上に鈴仙とてゐが二人で居る。 二人が見ているものは夕焼けであり、その夕焼けに向けて、てゐがシャボン玉をプクプクと吹くと、シャボン玉は夕焼けに照らされて美しい色合いを放った。

「ねぇ? 鈴仙って夢とかあるの?」

「唐突だな……夢か? 業の解明かな? 99,9%は終了していると言っても過言ではないが……」

「鈴仙は頭が良いんだね」

「当然だろう! 私は永琳君の師だぞ」

「じゃあ、研究が終わったら一緒にのんびりと三人で暮らさない? ここまでずっと急いできたんでしょう」

「う、ん? あ……ああ」

「……夕焼けがとっても綺麗だね……」

てゐの言葉に夕焼けを見る、黄金色に煌々と輝く太陽の下には、随分と少なくなった草原が風を受けてその草々を波打たせていた。
彼女は鼻眼鏡状の眼鏡を外して、夕日の方向を向いたまま呟く。

「私は何をこんなに急いでいたのであろうか……」

その顔はとても優しい表情であった。





その時、夕日の方向に巨大な鎧武者が現れた。 身体に釣り合う巨大な二本の刀、全身は鎧装束に身を包んでいるも仕草から女性である事がありありと分かる。 鎧武者は鈴仙に迎えに来た旨を叫ぶ。 その言葉に聞く耳を持たず、再び眼鏡を掛け直して彼女は叫ぶ。

「黙れ! 貴様如きの言葉が私に届くことは無い。 私の世界に勝手に侵入した罪、今ここで償ってもらおう!」

丁度、下から永琳の声が聞こえると、鈴仙はてゐを頼むと言い、次いで避難を急ぎたまえと付け加えた。
町では逃げ惑う人々が我先にと避難をする。 鈴仙はマントを広げる大業な仕草をし、次いで右腕に着けている時計をゆっくりと口元に近づけて呟いた。

「いでよ、月光女王」

ゴゴゴゴゴ! ズガァァァア!!!

鈴仙が呟いた直後、巨大な地響きが起こり、地割れが地面に走る。 地割れから大量の土煙と共に現れた物体は、何処かで見た月姫と懐かしのブリキロボットの玩具を足して二で割った様な奇怪な姿をしていた。

「グヤァァァァァンンン!!!」

「きゃははは! はーっはっはっ!!!」

ロボットは鳴き声を上げ、呼び出した鈴仙も高笑いを上げて鎧武者と対峙する。

「私の名に於いて、これを鋳造する。 汝等罪あり! 断罪! 月光女王、アクション!!!」

鈴仙の命令は単純明快だ鎧武者をぶちのめす、それだけだった。
一方の鎧武者も二本の長刀を抜刀して襲い掛かる。 その動きは巨体の割に早すぎた、一瞬でロボットに近づくと武者は両手を広げ、袈裟と逆袈裟に斬りかかった。
鈍重な筈のロボットはマジックハンド状のアームを用い無駄の無い動きで二刀を取る。 取った刀を左右に払われバランスを崩す武者、その武者の懐に滑る様に潜り込むロボ、すかさず鈴仙は時計型のコントローラーに命令を叫ぶ。

「いまだ! 月光女王、月光ハンドだ!」

〜〜〜
[月光ハンド]
月光女王の片腕を用いた打撃攻撃、直撃、曲撃、連撃、単純なだけあり攻撃パターンも豊富であり、フルパワーでの威力は以前幻想郷に降りそそごうとした隕石100発分の威力がある。
〜〜〜

ズガンッ!!!

巨大な爆音が辺りに響く。 町では被害を受けなかった家々のガラスが音の衝撃波で無残に砕け散る。
素早く回避する鎧武者であったが、回避の間に合わなかった一本の刀はハンドの直撃を受けて粉々に砕け散った。 武者は体勢を立て直すと残った刀を両手持ちに切り替え、間合いを計るように距離を取る。
その様子を見ていた鈴仙はニヤリと口元を歪めて叫んだ。

「喰らえ! 月光ぉぉぉぉぉ、ビィィィィィィイイイイイムッ!!!」

〜〜〜
[月光ビーム]
月光女王の目から発射される強力な閃光兵器。
強烈な閃光と凄まじい熱量を相手に命中させ、すべての物を蒸発、融解させる。
その威力は霊烏路空1000羽が一日に発電できる電力と同じなのだ。
〜〜〜

強烈な閃光が辺りを包み、そのビームは直線軌道で武者に襲い掛かった。

「聞け! 武者よ、妖夢よ、貴様がこの世界に潜りこんだ事は褒めてやる。 しかし、それも無意味だ! 私は恨む、現在は一瞬の内に過去となり、誰もがいつかは死に、運命は人智を超えて荒れ狂う、まるでそれが当然といわんばかりに……私はそんなこの世のすべてを恨む!」





巨大な爆音を聞いた、強烈な閃光を見た。 避難民の集団と共に歩いていたてゐは足を止めて閃光の方向を見る。

「てゐ! どうしたんだ? 早く避難しないと……」

「行かないと……」

「何を言っているんだ? 早く避難を……」

てゐは俯き、改めて永琳に向かって言葉を紡ぐ。

「こんな時まで私を守って下さったのですね……大国主様……」

「てゐ……私には君が何を言っているのか分からない、だが君の決心は固い様だね」

永琳も哀しい表情で精一杯の笑顔を作り、てゐに向けて言う。

「行ってらっしゃい……」

いってきます、そう聞こえたかもしれない。 てゐは光の中に消えて行く。 彼女の入った光は広がっていき、この世界を包んでいった。
鈴仙は発射した光とは違う光を感じ、叫ぶ。

「ば、馬鹿な……何故だ? ウロボロスは正常に作動しているのに……くそっ! この世界が、私の世界、世界、世界があああ……」

世界のすべては光に包まれた。

〜〜〜〜〜〜〜〜

鉄とコンクリートに囲まれた薄暗い部屋、その中で嫌が応にも自己主張をする消毒液の臭い。 部屋の奥には大きなコンピューターが在り、その手前の操作盤には白衣に身を包んだ兎耳の者が肩を落とし呟いている。 その後ろには黒いツナギ状の衣装を身に纏った隻眼、隻腕の……先程と違う兎耳を持った少女が佇んでいた。

「何故? 何故だ……私のプログラムは……私の作品は完璧だった筈だ……」

「私に協力してくれた彼女の思いが、お前の力を上回った……それだけだ……」

振り向かずに語気をやや荒げて話を続ける。

「違う……それは違うぞ、あいつの力はタカが知れていた……それよりも正常に作動していた私の作品、にも拘らずにお前はその呪縛から、いとも簡単に抜け出した。 お前だ! お前が、お前の力が……しかし、今となってはどうでもいい事だ……」

白衣の女性は懐に手を入れると振り向きながら右手で拳銃を取り出し、隻眼隻腕の少女に銃口を向けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ある日突然、竹林から輝夜と永琳は居なくなった。
てゐが感じる事は何も無かったが鈴仙は酷いショックを受けた。 それは過去に助けを求める戦友の声を無視して戦場から逃げ出した、自身の記憶に重なるものがあった為だろう。 三日三晩泣き続けた彼女は己の師の残した資料や教本を一心不乱に読み漁った。 てゐはそんな彼女を心配して色々と世話をしたが、その献身も自身の狂気に満たされた彼女には伝わる事はなかった。
時々、里に薬を売りに行く彼女は以前と変わらない薬売り、豹変したと気付いた者は誰もいなかった。
資料や教本を一通り読み終えた彼女は、業の研究に没頭した。 その内容のおぞましさに、てゐは鈴仙から距離を取る様になる。
そして、満月の日の夜。薬を売った時にある一人の人間に狂気の瞳を向けて人里の外に来る様に仕向けた。 外に出て来た人間を竹林に連れ込み、自身の研究成果を実証しようとした。 てゐはそんな彼女の狂気を……変わり様を目の当たりにして竹林から逃げ出した。 実証の為に行った手術は成功、その人間は何事も無く里に帰った。

そして、バイオハザードが起こった。
里の人々は次々に異形や怪物に姿を変え、妖怪の方が人間らしいという事態を引き起こした。

すべてが手遅れになった頃、てゐは迷いを捨てた。 自身の友人の為に今まで長生きする為に気を付けていた事を戦いの方向に向けたのだ。
長生きを犠牲にした、身体を改造の為に犠牲にした、戦いの中で芽生えた友情を犠牲にした、友の為に信義も信条も捨てた、残ったものは何も無い。
多くの者を殺し、自らも傷付き、今この場に漸く辿り着いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

てゐに向けている銃口は照準が定まっていない様に震えていた。 彼女は震える声で話し、その目の下には光るものが流れていた。

「今、この現実が……あの夢の続きならば……私はどんな手段を使っても、君を守るのに……」

鈴仙は、引き金を引く。 引き金を引いた瞬間、固定されていた撃鉄は開放され正確に撃針叩く、叩かれた撃針は正確に弾丸の底部を突き刺す。 弾丸の炸薬は叩かれた衝撃で着火し、薬室内にガスを充満させ超高温高圧の密閉空間を作りだす。 その状況で第二の火薬に引火し弾丸を押し出す。 弾丸はライフリングによって自らに溝を造りながら進み、螺旋回転を描き射出される。 と同時に先程のガスと弾丸の反動によって弾丸の残りカス、薬莢が排莢される。

その一連の動作をすべて認知してから、てゐは高速で動き出す。

チュイン! ズバンッ!

弾丸はてゐの左耳を掠った。 てゐの振るった大型の剣は鈴仙の右腕を切り裂いた。
鈴仙は残った左腕で眼鏡に手を掛ける。 その動きを逃さずにてゐは悲願を遂げようと鈴仙の眉間に狙いをつけた。

ドズッ! ズズズズズッ!

彼女の大型の剣が鈴仙の眉間を貫通し、彼女の仮面状の眼鏡が両断された。 その下から出て来た彼女の素顔は仮面をする前と大差は無かった。

即死。 生命活動を停止した彼女であるが、刺された反動で偶然にもてゐを抱く様な格好になる。 てゐは剣を離し鈴仙の胸に両手を添えて、お互いが抱き合う姿になる。
死んだ鈴仙にてゐは話しかける様に呟いた。

「私も同じだ……」

眠る様に目を瞑った彼女は自らの力で生命活動を停止した。 つまり死んだのだ……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

てゐは目を覚ます。 疑問に思う彼女は辺りを見回すと愛用している大型の剣が完全な状態に復元されている事に気付き、自身の身体の失った部分が戻っている事にも気付く。
彼女は今居る施設を先に進み、決着を着けた筈の場所に再び戻って行く。

「やぁ、ようこそ……いや、おはようと言うべきかな? ……へぎゅ!」

てゐは自身と同じく復活したと思われる鈴仙の眉間に剣を容赦なく突き立てた。
彼女は部屋にある椅子に腰を掛けると、そのまま眠りに就く。

カツ、カツ、カツ……。

彼女は靴の音が聞こえた為に目を覚まし、向かって来る者を待ち構える。
向かって来る者は部屋に人が居る事を知っている様に近づきながら話を始めた。

「どうして、こんなにも無駄な事をするのか、非常に理解に苦しむ。 君は私をどうしたかったのだ?」

言葉の終わりと同時に姿を現した鈴仙の首を彼女は剣で刎ねた。
再び、椅子に腰を掛け、眠りに就く。

コツ、コツ、コツ……。

再び聞こえた靴音に彼女は目を覚ます。 同じく部屋に近づく者を待ち構える。

「私はこの研究を捨てても良い、また一緒に静かに暮らさないか?」

てゐは部屋の入口に現れた鈴仙に突進し、腹に向けて剣を突き刺す。
ゲフッ! ゴブッ!っと呻く鈴仙、その鈴仙に彼女は涙を流して叫ぶ。

「お師匠や姫がいなくなった時、私がどんな想いでお前と一緒に居たか分からないとは言わせない。私はお前の友人だ! その友人の暴挙を止める為にここに居る。 本当ならもう終わっている筈だ。 私は……本当なら……本当なら……」

「おおっ?……それは……悪い事をした……」

ズズズ、ドサッ……。

てゐは涙を拭うと、またも椅子に腰を掛けて眠りに就いた。

足音が聞こえる。 てゐは大型の剣を振るい復活した鈴仙を殺す。
その行動を何度も何度も繰り返した。

そして何百回と繰り返して、そして……遂にてゐは戦意を喪失した。

ガランッ!

「もう嫌だ、もう殺したくない……友人を殺すのは辛い……辛いよう……」

愛用の剣を力無く落とし、両膝をついて懇願する様に助けを求める。

「何度も言っている。 私はこの研究を捨てて良い、再びてゐと一緒に竹林で静かに暮らしたい。 君が望むなら、あの二人を探しても、宇宙の格闘大会に出ても良いと思っている。 許してくれなくても良い、だが住む事を了承してくれるなら……私の手を取ってくれないか?」

鈴仙は手を差し出し、てゐは涙目のまま、その手を取り言う。

「一緒に暮らすよ……だけど……」

鈴仙は口をニヤリと吊り上げて微笑むと、てゐを引っ張り立たせ抱き上げた。

「その言葉が聞きたかった……」

彼女は仮面状の眼鏡を外し捨てると大急ぎで研究所の外に出た。
呆気に取られているてゐを余所に、ペン状の物体を取り出すと、ペンの先に付いているボタンを押す。 その直後、今の今まで居た研究所は大きな爆発により消滅した。





お互いにすべてを失った二人は手を繋ぎ、迷いの竹林に向かってゆっくりと歩を進める。 その途中で鈴仙はてゐに話しかける。

「てゐ、私の事は許して貰えないかもしれない、だけど私は貴女とまた一緒に暮らせる事を感謝している。 少しは貴女に罪滅ぼしが出来るかな? なんて……。 そうだ、大国主様に報告に行こうよ、あの人は何て言うかな? 喜ぶかな? それとも呆れるかな? 今から楽しみだね」

そう話しながら二人は怪物や化物、異形が闊歩する人里を竹林に向けて歩いていった。
ウロボロスという悪夢に捕らえられて戦意を失ったのは、てゐだけではなかったようです。
最初はてゐが虐待されるだけの話でしたが、何時の間にか銃夢のパロディに変わってしまいました。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。

>あぶぶ様
夢からは覚めた筈です。 ただし、二回目に目覚めた場面から自分でもこれは夢か?現実か?と迷う場面がいくつかありました。
人里の人には悪いですが、てゐの心の内に気付く鈴仙にするまでが大変でした。
イケメーンな神様に正面から挑むならこれ位のリスクは負わないといけないですよね。

>NutsIn先任曹長様
悪夢の連続が最初のプロットだったので評価して頂きありがとう御座います。
何処かで狂った鈴仙、計画の狂った鈴仙、二つ目はてゐのおかげです。
円環の運命から逃れる事は一人では難しいですが、二人揃えば逃れる位訳ないでしょう、それが友情という愛に溢れていれば。

>5様
無限ループって楽しいと私は思います。 原作のこのシーンはお気に入りでして……お恥ずかしい限りです。
熱力学第二法則は恨まれてしかるべきです。

>6様
ありがとうございます。

>7様
君は暗闇の中、空ろな瞳でブツブツとうわ言を呟いていたぞ。
まいん
https://twitter.com/mine_60
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/03/16 12:29:12
更新日時:
2013/12/20 23:20:29
評価:
5/7
POINT:
530
Rate:
13.88
分類
てゐ
鈴仙
銃夢
12/21コメント返信
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POINT
0. 40点 匿名評価 投稿数: 2
3. 90 あぶぶ ■2012/03/17 01:17:57
「てゐは結局夢から覚めたのか?」と無粋な質問をしてみる。
この手の話は、最後まで現実か夢か分からないのが面白い。って言うかお決まりですよね。
無限ループ、悪夢、仮想空間、狂気の果てに鈴仙が求めたのはてゐでしたと・・・
大国主様は恋敵でした。
4. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/03/17 02:03:59
目が回りそうになりながらも、場面転換は楽しめました。

生きるか死ぬかの修羅場を渡り歩き、やっとたどり着いた安息の地は虚構ときた。
機嫌を取ろうとする鈴仙。取るべきは仮面だった。
勇気を振り絞ったてゐ。その一雫は友の偽りを打ち砕いた。

ウロボロスの呪われた円環は途切れたが、それは蛇が口を離したからか、あるいは己を食べ尽くしたからなのか……。
5. 100 名無し ■2012/03/22 18:26:10
なんかこういうバッドかハッピーかわからない感じの終わり方好きだ
原作気になってたから読んでみよう
6. 100 名無し ■2012/05/07 21:26:47
もっと、評価されるべき!
7. 100 名無し ■2013/12/18 00:21:31
まにまに
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