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『堕胎うつほ』 作者: おにく

堕胎うつほ

作品集: 3 投稿日時: 2012/05/14 11:26:07 更新日時: 2012/05/14 20:26:07 評価: 10/15 POINT: 990 Rate: 14.50
さとりの眉は、うつほの言葉を聞いてぴくりとだけ動いた。

「妊娠した、ですって?」
「はい! とっても元気な赤ちゃんが居るって、お医者さんが」

うつほは軽く膨らんだお腹をさすりながら、太陽のようににこやかな笑顔でそう告げた。
妊娠していたのだ。彼女ほどの美少女である、胸もスイカのように大きい。地底の男だって放っておくわけがない。
発情期になったうつほは、あっという間に地底の男とセックスして、子供を設けていたのだ。
うつほの話によれば、相手の男はそれなりに裕福で、優しくて、頭も良くて、包容力があるのだという。
のろけ気分の話であるから、ある程度誇張はあるだろうが、それでも番とするには上等のように思えた。

「そう……」

さとりは口元で笑い、しかしその両目は氷のように冷たかった。うつほは気付かず、まだまだニコニコしている。
さとりは手早く手に布を巻き、ボクシンググローブを身に着けた。真っ赤に燃える様は、まさにマントルそのものだ。
そしてゆっくりと立ち上がり、そして空に向かってファイティングポーズを取る。

「うにゅ?」

空は首を傾げる。

「さとり様、どうしてグローブなんてつけてるんですか?」
「そんなの決まってるじゃない」

さとりは軽く裏返った笑い声を出すと、丸く膨らんだうつほの腹に、強烈な右ストレートを食らわせた。

「がはっ!?」

さとりのパンチは、その細身にもかかわらず異様に強烈であった。
うつほの臓器が圧迫され、すっぱい胃液がこみ上げてくる。腹を殴られたのに頭までくらくらとして、二歩三歩とたたらを踏んだ。
しかしさとりの攻撃はとまらない。左で二、三回のジャブを食らわせると、今度は膨れた子宮を潰すように全力のアッパーを入れたのだ。
うつほの視界がぐらんぐらんと揺れる。天井のシャンデリアがまるでゆらゆらと動いている。

「ふふっ、痛いでしょう?」
「あ、がッ、ざ、ざとりさま……?」

ままならない呼吸でぱくぱくと数語だけ喋ると、こらえきれなくなって胃の中の物を嘔吐しはじめた。
うつほは口元を両手で抑える。ねっとりとした黄色が、そこに交じるご飯粒が、胃液に混じって生半可に消化された状態でこぼれてゆく。
止められない。喉を強引にこじあけるようにして進む吐瀉物で、うつほはしばし息ができなかった。うっすらと涙が浮かぶ。

「いぎぃ……あ゛があああッ!!!」

一撃、内臓がいくつか破裂したように思えた。狂ってしまいそうだった。

「あ゛っ!!! があ゛ッ!?」
「痛い? ねえ、痛い? ほら、ほらっ、痛いでしょう? どうなの、赤ちゃんが潰れていく感触は?」

そしてまた腹のど真ん中に強烈なストレートが入る。悲鳴を上げることもできない。うつほは吐瀉物で窒息しかけていたのだ。
白目をむいて倒れてしまいそうになるが、さとりの乱打がそれを許さない。ひざが笑っている。
これはなんだろう。これは、夢ではないのか。優しいさとり様がどうして。

「夢なんかじゃないわ」

次の一撃は、どれにもまして強烈である。新幹線のように速いパンチが腹に吸い込まれると、体全体がびくびくと痙攣した。
出産が始まる。早すぎる出産。膣から漏れだし、ふとももを伝って垂れてゆくのは、黄身と羊水の混じったぐちゃぐちゃの液体だ。
その中にはいくらか真っ白な卵の殻が混じっている。しかしまだ形成途上であったようで、ふにゃふにゃと柔らかい。

「交尾なんて汚らわしい」

出産の激痛はなかった。ただ粘っこい液体を子宮から排泄しているだけなのだから。
染み渡るような絶望と、内蔵をぐちゃぐちゃにされた痛みで、うつほはとうとう倒れた。どさりと無抵抗に、仰向けに倒れた。
しかしその後も、無残な出産のようななにかは、母体の意思とは無関係に続いてゆくのだ。
ミックスジュースのような生臭いそれを吐き出し終えると、こんどは出来損ないの胎児を、膣から一つづつ、糞のように嘔吐する。
まだ何の生き物かもわからないような赤い肉塊が、ビーフシチューのようなねっとりとした血液をまとい、ぴくりと蠢く。

「あ、あがちゃん、わだじのぉ、わだじのおおお……!!」

胎児を吐き出す痛みがうつほを覚醒させたのだろう。しばらくぜいぜいと息をしていた空は、白黒の床を這う。
そして、なんとか手を伸ばし、自らの産んだ胎児を触ろうとした。しかし、うつほがその肉塊を視界に入れた瞬間、さとり足があった。
さとりはその生肉のような胎児を踏みつぶしていた。彼女にとってそれは、道端の雑草のように無価値な代物だったのだろう。

「あ゛、あっ、あ゛っ……」

うつほは口をぽかんと開けたまま、痙攣するような泣き声をあげ、だらだらと涙を流していた。
ほんのわずかな間だけ、抱いてあげることすら出来なかった。さとりが足をどける。そこにはぬちゃりとしたミンチ肉しかなかった。

「私の可愛いペットは、恋愛や交尾になんて汚い物に興味を持ってはいけないのよ」

そしてさとりはくすりと笑った。うつほの肩ががくがくと震える。
そのいやに優しい笑顔が、今ばかりは悪魔のそれに見えた。

「いい? もう交尾なんてしないって、約束できる?」
「あ、う゛あぁぁ……」

こんなの、やだ。こんなのさとり様じゃない。こんなの嘘。
やだやだやだやだやだ……。うつほの頭に、数日前までの幸せな展望が浮かんできた。
うつほの体はびっしょりと冷や汗をかき、体はなぜか、氷水に浸っているかのように冷えきっている。

「あなたの"彼"は始末して、ドブネズミのごはんにするわ。それで構わないわね?」
「う……」

うつほの頭には恐怖しかなかった。ただ、この苦しみから抜けだして、もとの世界に戻ってしまいたかった。
そして一度だけ、鼻水とよだれと涙だらけの顔で、緩慢に一度だけうないずいたのであった。
もうさとり様には逆らいません。私はさとり様のペットです。さとり様が喜ぶことだけをします。
頭の中にはそれだけがぐるぐると渦巻いていた。

そうしてうつほはもとの生活に戻った。さとりは昔のように優しく、お燐も他のペットたちも以前と全く変わらなかった。
それなのに心の傷はいつまでも癒えず、自傷行為を何度も繰り返し、やがて発狂して地底の業火へと自ら飛び込んでいった。
堕胎ネタ書きたかった
短くてごめん
おにく
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/05/14 11:26:07
更新日時:
2012/05/14 20:26:07
評価:
10/15
POINT:
990
Rate:
14.50
分類
小ネタ
地霊殿
さとり
堕胎
腹パン
嘔吐
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POINT
0. 90点 匿名評価 投稿数: 3
1. 70 NutsIn先任曹長 ■2012/05/14 20:42:51
さとりが腹パンして、うにゅほが潰れた卵をひりだすことが全てといった作品でした。
前後のストーリーは、ほんの添え物でしたね。
3. 100 名無し ■2012/05/14 23:07:18
ゆるざんっっっっ!!さとりゆるざぁぁあんんんん!!
4. 80 名無し ■2012/05/14 23:11:22
さとり様、自分の処女をもらってくれる相手がいないからってそりゃないぜ
5. 100 名無し ■2012/05/14 23:14:12
かわいいペットに腹パン堕胎するためだけに、日夜筋トレに励み、ときには投げたしたくもなり、それでも涙を飲んで苦しみをこえて、そうして培った筋肉から放たれた右ストレートがこちらになります。
6. フリーレス 名無し ■2012/05/14 23:25:14
一方お燐は…
7. 100 んh ■2012/05/14 23:34:35
物理攻撃さとりん吹いたw
8. 80 名無し ■2012/05/15 03:01:18
俺にも腹パンやらせろ!
9. 100 名無し ■2012/05/15 21:33:46
このさとりは汚いおっさんに種付けレイプされたことがトラウマになってるに違いない
10. フリーレス 名無し ■2012/05/16 19:35:49
このさとりみたいに腹パンを冒涜する奴は腹パンチャーに真の腹パンをされるべきだな。
腹パンチャーさん出番ですよ
11. 90 名無し ■2012/05/19 17:06:34
純粋で理不尽な暴力はいいね
12. 80 名無し ■2012/05/21 22:14:28
腹パンチ! 腹パンチ!
15. 100 ふすま ■2014/07/09 23:19:54
うん。飼い主が言ってるんだからお空には妊娠する権利なんてないしましてやそれを出産するなんてもっての他だよね。
でも、死ぬ事は無いと思うんだ
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