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『壁さんはうるさい』 作者: ギョウヘルインニ

壁さんはうるさい

作品集: 3 投稿日時: 2012/05/22 15:11:51 更新日時: 2012/05/23 00:11:51 評価: 4/8 POINT: 490 Rate: 11.44
 おい、お前はそこで何をしているんだ?


「……?」


 お前だよ! そこで何をしてるんだ?


「壁から声が聞こえるよ」


 壁から、音が聞こえるわけ無いだろ? 

「この壁は、おかしいよ」


 お前、もしかして私のこと壁だと思っているのか?


「嫌いだよ、喋る壁なんて、495年間で初めてだよ」


 本当に思ってるんだな。頭がおかしいだろ?




「私は別に変じゃないよ、喋る壁の方がもっと変だよ」


 あのな、だから私は壁じゃないぜ。

「壁じゃない? 壁なのに?」


 何だか、どうどうめぐりになりそうだな、もう私は壁でいいぜ。

「なんだ、やっぱり壁なんじゃない!」











「お嬢様、今日もフラン様は壁に向かって話しています」
「はぁ、どうせ魔理沙の血でできた。染みと話してるんでしょう。」







 それより、弾幕ごっこしようぜ。


「遊んでくれるの? うれしい」
 朝の白玉楼、何か吹っ切れた感じで妖夢は言いました。


「幽々子様! 私は何でも”趣味”ということにします」
「な〜に、良く分からないわ。でも、私を倒して行くことね」


 





 昨日のお昼、早苗さんと些細な事で喧嘩した妖夢は、負けてしまいました。優雅に振舞わされた、あの偽お払い棒に肩をどつかれて負けてしまったのです。

 そして、負けた代償に大事な大事な半霊を取られてしまったのです。





 呆然と立ちすくむ妖夢を尻目にしながら、優雅に早苗さんは引き上げていきました。

 完全な敗北でした。優雅の前には所詮妖夢は只の半人前だったのです。

 暫く、ショックから抜けれなかった妖夢でした。夕方になり夕立がおきました。頭に大きな雨の粒が落ちます。喧嘩した場所は、土がむき出しになった荒地です。服はすぐにびしょ濡れで、靴は土の跳ね返りでドロドロになってしまいました。

 

「……早く、帰らないと幽々子様に折檻される」


 何とか、正気に戻った妖夢は帰路に着くことにしました。帰っている途中、雨に打たれながら考えます。早苗さんは優雅と付けば何でも出来てしまうが私にはそれが無い、身に着けなければあの人には勝てない。

 気付いたら、既に白玉楼まで戻っていました。雨はやみ辺りは薄暗くなっています。そのとき妖夢は半霊を取られたことを思い出してあわてました。半霊が無いと、幽々子に人間だと思われて食べられてしまうと思いました。

 この辺は実際に起こったわけでは無いので被害妄想です。とにかく、近くを浮遊していた幽霊を拉致して半霊のフリをさせて帰ることにしたのです。



「お帰りちょっと門限すぎているわ。それに何だか濡れているわどうしたの?」
「川に落ちたんです」
「まあいいわ。美味しそうな幽霊つれて来たから許してあげるわ」
「あ、ありがとうございます」




 息が詰まるのを感じならながら、妖夢は連れて来た幽霊をいけにえにすることにより今日は折檻を受けないで済んだのです。

 

 深夜になりました。昼間のことでイライラして眠れ無かった妖夢は、白玉楼の長い階段に居ました。妖夢の”趣味”の一つで死んだ小鳥に餌付けをしていたのです。パンの耳を死んだ小鳥にあげているのです。

「おかしいな、何でこの子食べないんだろ?」

 死んでるからですが、そういう教育は幽々子から妖夢は受けていません。妖夢は小鳥をポケットにしまって次の”趣味”で気を紛らわそうと考えました。

 今度の”趣味”は天体観測です。地面に視線を向けて観測します。ここの地表は石で出来ていることがわかりました。

「こんなことしていいのでしょうか?」

 
 妖夢は独り言を言いました。


「……そうね、このままでは妖夢は負け犬よ。しかも、早苗さんに負けた負け犬よ」
「え? 何でそれを知っているんですか?」

 幽々子がテキーラの瓶を片手に現れました。妖夢の様子がおかしいので、今日何があったのかを調べて帰って来たのです。別に飲んでいるわけでは有りませんが、格好良いと思って持っているのです。

「私は何でも知っている博士の友達の先輩だから知っているのよ」
「悲しいです。優雅なんか嫌いです」
「……私も優雅は嫌いよなぜ幽雅を使わず優雅なのかとてもきにくわない」


 珍しく幽々子は怖くありませんでした。それどころか、妖夢を慰めようとしてくれているようです。本当は一種のマインドコントロールをかけて妖夢を操る作戦、水葬と土葬作戦の水葬部分なんです。


「妖夢には妖夢の個性があるわ。それで、どうにかしなさい」

 でも、やっぱり理不尽な言い方でした。これでも、水葬のつもりなんですよ、本当ですよ。


「……分かりました。ありがとうございます幽々子様、一晩考えさせて下さい」


 妖夢は幽々子様に別れを告げて、寝ることにしました。




「頑張るのよ、妖夢、白玉楼の”名誉”のために」

 
 幽々子は、テキーラを一気飲みする振りをして妖夢を見送りました。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/05/22 15:11:51
更新日時:
2012/05/23 00:11:51
評価:
4/8
POINT:
490
Rate:
11.44
分類
フラン
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POINT
0. 110点 匿名評価 投稿数: 4
1. 100 名無し ■2012/05/23 01:07:04
カオスじゃない!!
さりげなくエグい作品でした。
後書きは、新シリーズの予感!!
2. 80 NutsIn先任曹長 ■2012/05/23 01:10:23
人には人のスタイルがある。
壁を相手に自問他答しても良し。
無駄に多くの趣味に没頭するも良し。
無駄な行動でかっこつけるも良し。


えてして、それらは正気を疑われるものである。
3. 100 んh ■2012/05/23 21:42:29
これ本文と後書きどっち評価すりゃいいのさ
8. 100 ふすま ■2014/06/08 21:36:26
これは狂気。
それにしてもあとがきの方が長いってw
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