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『ヤンヤン右手にはタバコの火傷の痕』 作者: ギョウヘルインニ

ヤンヤン右手にはタバコの火傷の痕

作品集: 5 投稿日時: 2012/10/13 20:17:58 更新日時: 2012/10/14 10:20:29 評価: 5/6 POINT: 480 Rate: 14.43
「ねえ、魔理沙どういうことなの? 言ったわよね。次に私が来るまでにシチュー全部食べて置いてって」

「……いやだ。アリスが作ったなんだかわからない肉が入ったシチューなんか食べたくないぜ」

「食べてって言ったよね?」

「うぅ。食べたらこの地下室から出してくれるか?」

「何言ってるの? 魔理沙はずっと、ここで私と生活するのよ」

「やだよぉ。出してくれよぉ」

「……どうしたの? 突然? 何か怖いことでもあったの?」

「い、いや。何でも無いんだ」

「おかしな、魔理沙、でもね可愛いわ」

「おい、待ってくれ。髪に触らないでくれ」

「何で? 私と魔理沙は恋人同士なんだから、髪位触ってもいいでしょ」

「恋人? 変人の間違いじゃないか?」

「もうおかしなこといって、どうしたの?」

「い、いやなんでもないんだ。わるかったな、そんな眼で私を見ないでくれ」

「魔理沙ったら照れちゃって、もう」

「……うぅぅぅ。うん、そうだぜぇ照れちゃったんだ。てへ」

「やっぱり、そうだったのね。んもう、ここには誰も来ないから、そんな、照れなくたっていいのに」

「ははは、そうだな」

「ねえ」

「…………なんだ?」

「…………」

「…………どうした?」

「…………」

「…………おい」

「……思わず。魔理沙に見とれちゃったわ」

「えぇ、そうか。うん」

「じゃあ、食べましょうか。シチュー」

「いや、お腹いっぱいなんだ」

「もう、ダイエットでもしてるの?」

「そ、そうだ。ダイエットしてるんだ」

「魔理沙はね。成長期だから大丈夫よ」

「でも、入ってる肉が」

「ベジタリアンじゃないでしょ」

「ま、待て、待ってくれ。そうだぜ、私はベジタリアンなんだ」

「じゃあ、今日からそれやめて」

「いやいや、一朝一夕でどうにかなるもんじゃないぜ」

「やめて」

「いやいやいや、本当無理だから」

「やめて」

「ほら、あれだ。あれだ」

「魔理沙が、嘘をついているのは分かっているのよ」

「嘘なんかついてないぜ」

「嘘とか、ベジタリアンとかはどうでもいいの。食べてよ」

「や、やぁ」

「どうして、食べないの? 食べなさいよ」

「……今日こそ言おうと思ってたんだ」

「うん? どうしたの? それは、食べる前に言うことなの?」

「そうなんだぜ。そうなんだぜ」

「私は寛大な女であなたに忠実な女だから話を聞いてあげるわ。言ったら食べるのよ」

「……なあ、あの後どうなったんだ? 前から紫の奴がおかしな実験をしてたんだよな。郷から人が消えていった。公然と藍や橙に人を攫わせて隙間に引き込んだ。普通なら、誰かしらその行為に怒りや疑問を感じて行動を起こすはずだ。しかし、圧倒的な力を見せ付けられてしまった。……霊夢が逆さ吊りにされて誰も何もいえなくなった。そして、あの爆発が起こった。爆発の後、私はお前に連れ去られた」

「……あの、えっと、魔理沙は何を言っているの?」

「いや、だからあの爆発のことだぜ」

「爆発? 何それ、私と魔理沙は恋人だから同棲してるんだけど」

「おかしくないか? なんで、お前と私の話があわないんだ?」

「まあ、どうでもいいから、話が終わりならばシチュー食べて」

「まだ、話は終わってないぜ」

「聞いてあげるから。最後まで言ったら食べてよね」

「爆発のことが思い出せないようだから、それよりちょっと、前のことを話すぜ。霊夢がおかしな実験をしてたんだよな。郷から人が消えていった。公然と紫やレミリアを使って神社に引き込んだんだ。そんな行為だ。普通なら誰かしら、疑問や怒りを感じるはずだ。しかし、圧倒てきな力の前には誰も反抗できなかった。そうだ、早苗があんなことになってるのをみせつけられたんだからな。そして、あの爆発が起こった。爆発の後に私はお前に連れ去られた」

「ねえ。爆発ってなんなの? 私の記憶ではそんな爆発なんて無かったわ」

「だから、爆発だぜ。さらに、話は遡って、フランがおかしな実験をしてたんだよな。郷の人が減っていった。公然と美鈴とかレミリアに頼み込んで人を紅魔官に招待した。でも、招待された人は誰も帰らなかった。それを疑問に思った私が紅魔館に乗り込んで爆発したんだ。そして、その時私はアリスに、連れ去られた」

「……今日は、もういいわ。また、明日来るからその時までにはシチュー食べておいておいてよね」

「お、おい、私をここから出せ。アリス、だせ」










「……ねえ、咲夜。今日のフランはどうだった?」

「お嬢様、今日は自分の事を魔理沙だと思っているようです」

「それで?」

「さらに、私のことをアリスだと思っているようです」

「……どっちも、フランが殺した娘じゃない」

「そうですね」

「ふぅ、これじゃあ、フランはまだ外に出してあげられない」
 ツアー1日目、レミリアさんが−5で暫定トップです。
 現在、+1で暫定58位タイの天子さん明日巻き返しを狙いたいものです。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2012/10/13 20:17:58
更新日時:
2012/10/14 10:20:29
評価:
5/6
POINT:
480
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14.43
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1. 100 名無し ■2012/10/14 06:59:22
僅かこれだけの会話文なのに引き込まれてしまう魅力がある不思議
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/10/14 09:32:44
読了して思ったこと。
この会話にまともに付き合ってはいけない。
3. 50 名無し ■2012/10/14 23:42:04
フランが自分のこと魔理沙だと思ってるなら
魔理沙の台詞から始めないとつじつまが合わないような
4. 100 名無し ■2012/10/16 19:22:20
こういう話も書けるんですね。すっかり騙され?ました。

紫→霊夢→フラン
『今日は』ということは前日は魔理沙以外であったということですが…
殺した相手に成り代わってるらしき所から無理やり推測すると
1.フラン 最初に紫殺す
2.霊夢が退治しにやってくるが返り討ち
3.魔理沙とアリスが乗り込んでくるが返り討ち

もう外に出してあげるあげないレベルの事態ですね 推測だけど
こういう胡乱な話、大好物
6. 100 ふすま ■2014/06/10 14:19:23
こうもオチが気になる話を書けるのはすごいなぁ。
出してくれよぉ、と懇願する魔理沙がかわいすぎる。
あ、フランなんだっけ
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