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『産廃SSこんぺ 「筍事変から寅猫革命が起きるまでのいっとき」』 作者: ギョウヘルインニ

産廃SSこんぺ 「筍事変から寅猫革命が起きるまでのいっとき」

作品集: 5 投稿日時: 2012/11/18 15:00:12 更新日時: 2012/12/17 23:36:35 評価: 19/26 POINT: 1660 Rate: 14.65
 今回は落ちぶれても孤高に生きる貧者の生活、紅魔館破綻後のレミリアさんをこの私射命丸が取材します。



 これは文々○新聞、10周年記念特別企画作品です。


 『かつて、お嬢様と言われた少女の1日』


 路上生活者のレミリアさんは森できのこを採集します。

 これを、にわか大富豪の魔理沙さんに1本30円程で引き取ってもらうのです。
 
 しばらく森を歩いていると、木の根元にきのこを見つけました。

 早速喜んで、レミリアさんは木の根元に向かいます。

 ところが残念、その木にはフランの紋章(逆さ十字)が掲げてあります。その木はフランの木でした。これでは、この木からきのこを取ることはできません。

 可哀相なレミリアさん悲壮感な溢れる豊かな表情は一部のいやらしい男性に人気があります。レミリアさんのような路上生活者には自分の木はありません。

 地道に所有者のいない木か所有者が疫病で亡くなり放置されている木を見つけるしかないのです。

 この広い森たぶんきのこは見つかるでしょう。でも、レミリアさんはすぐにきのこを探しに行きません。

 それどころか、森の外に向かって行きました。なぜならば、現在郷を支配している私主催の炊き出しがあるからです。今回レミリアさんに取材協力してもらった対価に炊き出し優先券を50枚プレゼントしているので早速使うのでしょう。

 今日の献立は何でしたっけ? 郷を支配しようとしたときは熱心に炊き出ししていました。

 しかし、最近は新参の部下にやらせてます。ちなみにそいつの名前はナズーリン、卑しい鼠の家系です。あの疫病の媒介だと疑われて主人に領地を奪われたとき拾ってあげました。

 今では、股を裂かれて死んだ椛の後釜として八面六臂の活躍です。

 おっと、レミリアさんがこっちを見ています。早く炊き出しに行きたいのでしょう。取材契約をむすんだときにつけた首輪のリードを引っ張って主張しています。

「文、私は早く炊き出しに行きたい」

 おちぶれても、レミリアさんは気高く気品に溢れ無駄に生意気です。私はリードを思い切り引いて立場を分からせたい衝動に駆られました。

「なによ? 私は炊き出し行きたいの!」

 生意気な、レミリアさん。ここで、ぶちのめして矯正しまおうかとも思います。しかし、この企画は文々○新聞、十周年記念特別企画作品どんなゴミでも誇張して英雄譚にしてあげるのです。

 疫病のときのような、ヤラセでは、どんなに結果がよくても後で私が後悔するかもしれません。この企画はとにかくヤラセ無しです。

「あら、射命丸。今度は、それをペットにしたの?」

 そのときでした。疫病のとき地下室にいて生き残ったフランドールさんが領地の視察に現れました。傍には七曜から五耀になったパチュリーさんが控えています。まあ、なぜ二耀減ったかは知りません。ぜんぜん興味ありません。

「ああ、これですか? 別にペットにしているわけじゃないですよ」
「へぇ」

 自分で聞いておいてフランドールさんは大して関心は無いようです。たとえ姉妹でも、今の幻想郷では利害関係が無ければ情など無いのです。

「あやや? それにしても、今日のパチュリーさんは自傷行為をしないのですか?」
「この子はね、物乞いの時にしか自傷しないのよ」
「……当たり前じゃない」

 あれ、パチュリーさんが喋りました。あの時の火傷でもう喋れないと思ってたんですが演技だったんですね。この間、為政者の立場から120円あげてしまいました。私は馬鹿ですね。後で、自分を戒めようと思います。

「あの、パチュリーさんを私にくれませんか?」

 私をだました、この女には後で嫌になるほど500円玉を食べさせたくなりました。 

「パチュリーは大事なお友達だから高いよ」

 パチュリーの首には、1億万円と値段の書いたプレートが掲げてあります。レミリアさんが、破綻したときはじめに売り払ったのがこのパチュリーです。

「1億ですか。もっと、安くなりませんか?」
「1億万円、これ以上は譲れないよ。こんなゴミでも私には必要なのよ」

 フランさんは、そう言いながらも騎士のようにパチュリーさんの前にかばう耀に(ように)立ちます。

「……待って! 私の価値は私が決める」
「パチュリー、あなたは何をなんのために勝手に主張してるの?」
「売られて壊れた私にだって、まだ、……少し魔女の威厳ぐらいあるわ! まだ顔は綺麗でしょ!」
「いいよ! その高慢な態度、今夜は楽しいよるになりそうだよ」


 そういうとフランさんは、パチュリーさんの首を締めました。パチュリーさんは苦しいはずなのに恍惚した笑みを浮かべます。そうなのです。今の二人の関係はこういうことなのです。用意された略図というものですね。

 おっとと、ととと、えっと、レミリアさんがリードを引っ張りました。私は、仕方が無いので交渉を諦め炊き出しに行くことにしました。

「ではまた、フランさん。今の立場が守れるよう。上納金は規定の期日まで納めてくださいね」
「わかってるよ。……それにしても、あなたはそれに首輪と紐なんかつけて本当いい趣味してるよ」

 私が別れを言う前に、フランさん達は去って行きました。実は富豪でも私が課した上納金制度のせいでけっこう忙しいのです。









 さて、レミリアさんは郷に向かって歩き出しました。その足取りは、軽いです。よっぽど、炊き出しがうれしいのでしょう。

 そういえばレミリアさんの状態について説明がまだでした。直射日光を受けているレミリアさんの肌はぼろぼろです。髪も、安い糸のようにガサガサです。服だけは、写真写りが良い様に新しい物を着させました。まあ、幼女として、可哀想な幼女補正は付いています。あ、なんだか炊き出しがよっぽどうれしいのか鼻歌を歌い出しました。お決まりの亡き王女です。

「ふ、ふんふん。ねえ、咲夜今日の炊き出しは何かな? ……あ。咲夜は」
「いいですね。レミリアさんその悲壮に満ちた表情! 実に今のレミリアさんらしくて」

 咲夜さんは、普通に生きています。ただ、疫病で肩が腐り落ちてしまい今では隻腕になってしまいました。これでは、メイドは出来ないので郷で物乞いをしています。

 さっき、パチュリーさんも物乞いをしてると伝えましたが、弾幕ごっこで有名になった少女たちの大半は物乞いか政略結婚しました。物乞い8割結婚2割です。

 余談ですが、いまでも嫌がる霊夢さんと無理やり紫さんが結婚したときに出てきたあの豪華な料理が忘れられません。オスのクセに仲人の知らない亀(玄爺)はまるで産卵しているときのように顔だけうれしそう泣いてました。

「うぅうぅうぅん、どうして咲夜死んじゃったの?」

 レミリアさんは、咲夜さんが死んだと思っています。私が、そのほうが面白そうだったので教えました。そして、その悲しみが突然フラッシュバックしてこみ上げてきたようです。

 あらあら、強い吸血鬼のクセして泣きべそかいてますよ。これは、いい絵になりますよ。流れた涙がぼろぼろの肌にしみこんでいたそうですよ。

 レミリアさんはその場に座り込んでしまいました。炊き出しに行くのでは無いのでしょうか?疫病のあと、こういうくだらない感情に流されたせいで紅魔館を失ったことを教訓にしていないようです。私は、懐からタバコを取り出しました。レミリアさんが立ち直るまで、しばらく時間がかかりそうなので一服することにしました。このご時勢不味いタバコですが、吸えるのは私だけです。

 この間、郷で半分くらい吸ったタバコをポイ捨てしたら、名も無い妖怪が嬉々として拾って行きました。

「咲くぅ、咲くぅうえぇんん」

それにしても、レミリアさんは本当にすぐ泣くようになりました。少しは吸血鬼としての誇りは残っていないのでしょうか?まあ、もう今ではただの薄汚い路上生活者です。

「咲夜、咲うぅ......。……炊き出しに行くわ」

 ようやく、レミリア、レミリアさんは立ち上がりました。タバコを3本も吸ってしまいました。これで、肺癌になったらレミリアさんのせいです。

「今日の炊き出しはぁ! かやくご飯!」

 レミリアさんと、郷の近くまで来たときに幸せそうな橙が歌うぃ歌うような雰囲気で現れました。橙の全てを支配していた藍は現役を退いて東方諸国放浪に出かけました。だから、今は自由の身なのです。しかし、自由と引き換えに失ったことはお約束です。今の橙は頭の中も自由になっています。炊き出し以外頭の中には無いのです。

「あ! 橙! お前がこの間、私がもらったトン汁にぶつかったからこぼしちゃったじゃない!」

 あれ?私の知らないところで何かあったようですよ。レミリアさんは橙に向かっていきます。

「食べ物の恨みは、重いわ」
「えぇ? 知らないよぉ」

 橙は、レミリアさんを無視して炊き出しのあるアリス記念公園に向かっていこうとします。あの大きな公園は今頃、この二人のような路上生活者で溢れていることでしょう。実に100食分の炊き出しに、300人ぐらいが群がるのでしょう。基本的に先着順になるのですが、途中で順番がよく入れ替わるそうです。ちなみに、この広場は昔よくアリスさんが人形劇をやっていたそうです。もっとも、今ではアリスさんは上海人形専属の人形になっています。主従の愛憎劇の末にまさかの結末でした。

「覚悟しなさい! たああぁ! グキュ!?」

 あやややや。レミリアさんは、橙に襲いかかろうとしました。ところが、首輪とリードでつながれている為に途中で引っかかってしまいました。痛そうです。 一応吸血鬼なので、人なら首とかが抜けるほどの衝撃なのですが抜けませんでした。

「何? ちょっと、やだぁ」

 橙は、おかしな生き物を見る目で逃げていきました。まったく関係ないですが実は私、橙嫌いなんですよね。猫は全ての羽毛の敵ですから、今日のことをきっかけにして今後猫には炊き出しを与えないようにとナズーリンに命じましょう。

 きっと、ナズーリンも寅丸さんに恨みがありますから喜んで同意してくれるでしょう。

「くぅぅ、痛い。痛い。咲ぅ助けてぇぇぅ」
「……レミリアさん。あなた、ま〜た、泣くんですか? いい加減にしてくださいよ〜」
「う、ううえぇ〜ん」

 はぁ、また泣き始めました。蹴り上げて言うこと聞かせてもいいのですが、ヤラセになってしまうのでどうしましょう。仕方が無いのでまた泣き止むまでタバコを吸うことにしました。紫煙をレミリアの帽子に吹きかけて嫌がらせします。これぐらいなら、ヤラセにはならないでしょう。

「ゲホォ、ケほぉ。煙が苦しい! うえぇんん」

 いちいち、注文の多い吸血鬼だと私は思います。ちょっと、この企画を考えたことを後悔してきました。仕方が無いので、私はポケットから飴玉を取り出してレミリアさんに与えることにしました。この際多少のヤラセには、妥協することにしましょう。しかし、いつも飴玉持っているなんてババくさいので、みんなには秘密です。

「ううぅうぅ。くれるの?」
「はい、あげますから。早く動いてください。取材にならないじゃないですか」
「わかったわ」

 レミリアさんは、飴玉を受け取ると早速舐め始めました。まあるい飴玉を口の中で転がしています。よっぽど、うれしかったのでしょう。先ほどまでの泣き顔はどこかに行ってしまいました。

 ようやく、アリス記念公園につきました。炊き出し目当ての人妖が一度は作られであろう列を乱して炊き出しの釜に向かって殺到するような雰囲気です。ただし、実際には殺到しません。すれば、今後迷惑行為をしたとして炊き出しのさいその者には何もあたえません。

「ねえ、文。これをすぐに使いたいわ」
「ああ、優先権ですか。良いですよ」

 特に、意地悪とかするつもりはないんでレミリアさんから優先券を受け取り無線でナズーリンに連絡しました。

『あ〜、私です』
『その声は、今のご主人様。どうしました?』
『優先券でレミリアさんに一食与えてください』
『わかりました』

 今のやり取りで、一人の妖怪が列からつまみだされました。レミリアさんの為に追い出されたのです。大丈夫ですよ。実は追い出された人が咲夜さんだったなんてことはありませんから。でも、あややや。あれって、寅丸さんですよ。なるほど、ナズーリンさんも結構いい趣味してますね。

 本当残念ですね。猫が最後に参加してもいい炊き出しから追い出されるなんて。……次の企画は寅丸さんで行きましょう。


「今のご主人様もって来ました。今日の炊き出し、竹の子ご飯です」
「……ああ、枯れた竹林も息を吹き返したんですね」

 きっと、妹紅さんが最期まで守ったあの黄金の竹が増えたのでしょう。あ、でもそうすると、この竹の子って。あやややややや。

「おいしそうな、竹の子ご飯やった〜!」

 まあ、レミリアさんは知らないことですし、良いでしょう。レミリアさんは、ナイフとフォークを取り出して食べ始めました。紅魔館で使っていたのをまだもっていたようです。ご飯をフォークをで器用に食べています。これだけ、この瞬間だけ見ればかわいいですね。良かったですね。

「それにしても、今のご主人様は今度はレミリアをペットにしたんですか?」
「いえ。それ、さっきフランさんに言われましたがそういうわけではありません。

 私って、ペット飼った事無いのにそういう風に見られているのでしょうか?どうでも良いですけどね。

 あの時のはたては、ペットじゃないですよ。新しい名前を決める前に死にましたから。30秒くらいでした。

「今のご主人様、私は任務が有りますのでこれで失礼させてもらいます」
「はい分かりました。お勤めがんばってください」

 まあ、炊き出しがナズーリンにとっては一番の適材適所だったようですね。所詮そういう器だったのですね。

「ご馳走様、おいしかったわ」
「次はどうするんですか?」
「折角、郷まで来たから買いのするわ」
「お金持ってるんですか?」
「靴の中にまだ60円あるからそれを使うわ」

 レミリアさんの財布は靴の中のようです。靴を落とさない限り無くすことが無いのでしょう。住所不定になって少しは学習しているようです。

 靴の中から、10円を6枚取り出してレミリアさんは何か買うようです。汗で10円はぴかぴかになっています。

 10円が6枚もあれば、缶詰が買えます。良かったですね。レミリアさん。

「阿求缶詰一個頂戴」
「……ああ、はい分かりました」

 何でも屋に嫁いだ阿求さん。今は霧雨求さん、魔理沙さんの義母になりました。といっても、その事実を魔理沙さんは大して気にしていないようです。

 レミリアさんは缶詰を受けとると、レミリアさんは缶の底を見ました。慣れてますね。最近は賞味期限を切れた粗悪品がよく出回っています。でも、今回は大丈夫だったようです。良かったですね。



 食事と買い物を終えて、レミリアさんは茸とりを再開するようです。今気づいたのですが、案外レミリアさんはまじめに、生きてるようです。

 どうして、この頑張りを紅魔館解散時に発揮しなかったのでしょうか?

 美鈴さんは、最後まで墓守になるのを嫌がっていましたよ。今では仲良く芳香さんと一緒に住んでいます。



 とにかく、また森に戻って来ました。今度は郷で静葉さんが死んだと情報を得たレミリアさんは、静葉さんが所有している木を探します。あの神様は少ないながらも、よく茸がはえる木を選んでました。

 そのせいで、信者獲得に失敗して霧散してしまいましたが。

 

 すぐに、目的の木が見つかりました。静葉さんのシンボル(ウロボロス)が掲げられた木です。木の根元には、たくさんの茸がはえています。

「やったわ。きのこがはえている」

 レミリアさん良かったですね。

「文見て、あれは静葉の紋章よね。あそこから、茸採るわ。盗んでいないところをみていて」
「分かりましたよ。見ています」

 実はレミリアさんはもう3回も無実の罪で捕まっています。全部窃盗です。最初は見事な茸を採って来て魔理沙さんに売ろうとした時のことでした。たまたま居合わせた、てゐさんに嘘をつかれて泥棒にされてしまったのです。その後2回も似たような理由でした。

 窃盗の罪は、お尻叩きです。早苗さんに3日3晩叩き続けられるのです。

 よっぽど、あのひりひりする思いはしたく何のでしょう。証人が欲しいのでしょう。

 レミリアさんは震える小さな可愛い手ではえている茸恐る恐る慎重に採りました。

「やったやったわ。平茸を手に入れたわ!」
  
 私には茸の見分けなんてつきませんが、レミリアさん曰く平茸だそうです。

「これは、ワライダケ、これはシメジ! ベニテングタケもある!」

 レミリアさんはどんどん茸を引き抜き鑑定します。真剣な目がとっても可愛いです。と、同時に何この浮浪者は玄人気取ってんだとも思います。

 レミリアさんの小さな腕の中にはたくさんの茸が抱えられました。


 最後に足で、茸の抜けたところに落ち葉を押し込んで収穫は終わりです。

「さあ、魔理沙のところにいくわ」

 レミリアさんはとってもうれしそうに魔理沙さんが住む紅魔館に向かうことにしました。あの広い屋敷に魔理沙さんは1人で暮らしています。

「……それで、いくらぐらいになるんですか?」
「200円くらいよ。こんなに、収穫できるなんて夢のようだわ」

 へぇ、200円ですか、1日1ドル未満で生活しているわけではないのですね。これなら、もっと増税してもよさそうです。


 しばらく歩いて、紅魔館につきました。かつては、堅牢を誇った門は錆付いてさらに堅牢になったので、今では裏口が正面入り口になっています。

 もともと住んでいたので、レミリアさんは勝手知ったりと館の中に進みます。かつて、レミリアさんが咲夜さんと歩いた小道、お茶を淹れて貰った庭には、いくつものドラム缶がおいてあります。

 中には、硫酸ピッチとかが危険な状態で入っています。こういう危険物を一手に引き受けることで、魔理沙さんは一気に財を成したのです。

 これも、ある意味人生の成功なのでしょう。


「魔理沙! 茸を売りにきたわ」

 館の中に勝手に入ってレミリアさんは魔理沙さんを呼びます。館の中は、ほこりを被った大量のミシンが放置して有ります。レミリアさんが最後の賭けに出たときに大量購入した物が今でも残っているのす。

「魔理沙! 茸を売りにきたわ」
「……聞こえてるぜ。なんだ。文もいるのか」

 程なく魔理沙さんが奥の部屋から現れました。またおかしな実験をしていたのでしょう。野生動物のにおいがします。お金をたくさん溜め込んでいるので、たいてい好きなことをやっているようです。高い税をかけてもそれだけ儲かるのです。

「よう、こそどろ。今日の茸はどんなだ?」
「……私は、こそどろじゃない」

 レミリアさんは、もう3度泥棒として捕まっています。泥棒にこそどろ扱いされているのです。 

「あ? お前はこそどろだろ?」
「……違う。うぅ、ちがぁ」

 あややや、レミリアさんがまた泣きそうになりました。めんどうなので助け舟を出すことにしましょう。

「魔理沙さん、面倒なんでこそどろとかどうでも良いじゃないですか」
「……まあ、そうだな」
「ちが、違うぅ」
「分かった。分かった。レミリアはこそどろじゃないな?」
「ううぅ。分かってくれた?」
「ああ、その首輪、文のペットなんだろ?」
「また、それですか。レミリアさんはペットじゃないです」
「そうなのか? まあ、どうでも良いか。それより、茸見せろよ」

 レミリアさんは、両手に抱えていた茸を魔理沙に差し出しました。

「良い茸でしょ?」
「ああ、良質だな」

 魔理沙さんは、茸の品定めして1個1個査定しています。ものすごい几帳面に台帳につけながら見るのです。

「今日は、毒キノコが多いな。なかなか、やるじゃないか」
「すごいでしょ」
「毒キノコのが値段が高いのですか?」
「今、地底でなさとりが妹の食事に毎食毒入れてるんだ。弱らせるためにな。だから、相場が上がっているんだぜ」

 
 地底には疫病は、広がりませんでした。温度が高いので、疫病の菌が死滅するようです。精々、さとりさんがわざと仲間を皆弱らせて、死なないように介護する楽しい趣味に目覚めた位です。


「全部で、そうだな。300円だぜ」
「300円もくれるの? やったーありがとう。私、魔理沙のことがとっても好き」
「ああ、そう。ようがすんだらさっさと帰れよ」

 そういうと、魔理沙さんは部屋に戻って行きました。その、背中には何も感じられませんでした。

「ありがとう! 魔理沙!」

 レミリアさんは、そんな魔理沙に無邪気にお礼を言いました。魔理沙さんも、1度だけ振り向かず手を上げてそれに答えて部屋の中に消えました。


 
 レミリアさんには全く紅魔館に未練は無いのでしょうか?支払われた100円玉3個でうれしそうに手遊びしながら、館から抜け出して道に出ました。

 後日聞いたのですが、魔理沙さんが支払った300円は実際の相場より高かったそうです。実質レミリアさんから家を奪ったことを気にでもかけていたのでしょう。全く偽善です。

 よっぽど、嬉しいのでしょう。足取りがすごく軽いです。

「次はどうするのですか?」
「え? 仕事はもう終わりだし家に帰って寝るけれど」

 時間帯は、まだ普通の人なら働いている時間です。

 それにしても、家に帰る?路上生活者なのに?まあ、ダンボールハウスでしょう。体が小さいですから少しのダンボールでも立派なダンボールハウスなのでしょう。レミリアさんは道を歩いていきます。この先にどんな家があるのでしょう。

 高級住宅が立ち並ぶ、天狗の領地に来ました。天狗は今支配者階級なのです。

「このあたりに住んでるのですか?」
「ええ、このあたりよ」

 別に禁止していませんが、郷の人々は恐れてこのあたりには近づきません。何か天狗の機嫌を損なえばひどい目にあうからです。なのにレミリアさんは、無遠慮に歩いていきます。



 そして、ついたのは私の家でした。

「ここよ」
「……私の家じゃないですか」

 そして、私の家に無遠慮に入ろうとします。

「勝手に入らないでください」
「どうして?」

 すごい疑問そうな顔で、私の顔を見ます。何なんでしょう。

「そんなの当たり前じゃないですか。何で、私の家に入ろうとするんですか?」
「え? だって、私は文のペットになったから、今日からここで住むのだけれど」
「何言ってるんですか?」
「だって、優先権が50枚よ。取材だけでは、悪いからペットになるわ」

 確かに、50枚はレミリアさんたちにとっては高額なのでしょう。私にとっては、みかん2個ぐらいの価値しかないのですが。

「はい?」
「首輪だってつけてくれたじゃない」

 つけてくれたって、あの実はそれこのほうが滑稽で画に成ると思ったからつけたんですよ。より、不幸に見えて面白そうじゃないですか。

「あの?」
「皆だって、私たちの関係を飼い主とペットとしてみてくれてたわ」

 でもそれって、屈辱じゃ無いのですか?恥かしく無いのでしょうか?

「でも、私はそう思っていません」
「違うの? 思ってないの? ぅうう」

 そもそも、レミリアさんにはプライドとかは、もう無いのでしょう。ただ、私に涙をためて潤んだ瞳で見つめてペットにしてくれと懇願しているようです。

 それは、かつて咲夜さんが悪魔の犬のなったときにレミリアさんに見せた表情なのでしょう。

「……あやややや」
「お願い。お願い。お願い」

 今度は、地に頭をなすりつけて何度もお願いします。もともと小さな体がもっと小さく見えました。

「……仕方ありませんね。置いてあげますよ」
「文、ありがとう文ぁぁあうぅぅううう」

 結局私は、レミリアさんを家に置くことにしました。ここまで、レミリアさんが落ちぶれているとは思いませんでした。これは利用できると思ったのです。

 しばらく、レミリアさんはまた泣いていました。

 うれし泣きなのでしょう。















 それから、月日は流れました。
















 私は、レミリアさんの小さなお墓の前にいます。


 あの後レミリアさんはあっけなく肺癌になって死んでしまいました。検死した医者見習い輝夜は言いました。あなたが吸うタバコの副流煙が原因だと。


 死体を紅魔館の適当なドラム缶で燃やそうとしたときに、珍しく館から魔理沙さんが出てきました。そして、言葉にも表せない汚らしい口調で罵りながら為政者の私を思い切り殴ったことを今でも時々思い出します。





 あの時、私が何か殴られるようなことしましたか?
筍事変と寅猫革命はいつか書きたいと思います。
普通にばれていました。

こんなことが有っていいのかと思いました。


それにしても、空は久しぶりの晴れです。




 コメントの返信

1 名無しさんへ

 民は生かさず殺さずというのがいつの時代も為政者ですね。

2 名無しさんへ

 銀賞ありがとうございます。シルバー

3 名無しさんへ (このイベントは全員名無しだということに気づく)

 たまには、良い魔理沙とも思いまして。こういうのも、悪くは無いともいます。

4 七誌さんへ

 これは書いてる途中で、気づきました。気づいて、これは別の話への複線として使えるんじゃないかと思いそのままです。

6 七氏さんへ

 しかし、この背景をこれから考えなくては成りません。どうしましょう。

7 奈々氏さんへ

 アリス記念公園のモデルは、セントラル・パークに成ります。アリス及び博麗記念公園にするか迷いました。ブロンズ像はありません。

8及び9 七子さんへ

 最後に魔理沙を入れたのが正解だったと思いました。消えた2耀の一つはレミリアに裏切られたことからなくし、もう一つはフランに取られてしまいました。

10 奈菜氏さんへ

 地底に疫病に冒された少年が捨てられました。自身も疫病に罹った親に捨てられたのです。

 少年は3日3晩、高熱に犯されて朦朧としていました。どうせ、このままでは地底にいる妖怪の餌に成ってしまうでしょう。

 少年は運が良いのか彷徨っているところを、お燐に拾われます。死体が大好きなお燐は少年を地霊殿に連れて行って死ぬのを待つことにしました。

 つれて帰った日のことでした。さとりがいつもといつもと違う思念が地霊殿にあることに気づきます。

 いったいどういうことだろうと思った、さとりはその思念があるほうに行ってみます。

 そして、そこで少年を見つけるのです。見た目が自分と同じ年位で、さとりは親しみを覚えました。何よりも少年のきれいな心が気に入ったのです。

 お燐に、今夜食べる予定だった死体を与えて少年を自分の物にすることにしました。

 死にそうな少年を自分の部屋に連れて行って、ベットに寝かせます。疫病の怖さをさとりは知りません。この後も知ることはありませんでした。

 さとりは、とりあえず死なないよう看病しました。お粥を与えたり、薬を与えたりしました。

 そして、奇跡は起きました。少年は病を克服したのです。

 さとりはとても喜びました。少年もさとりに感謝しました。

 それから、少年は地霊殿に住み働くことになりました。頭の悪い、ペット達と比べて色々融通が利いてさとりはとても頼りにしました。

 月日がたちました。地上では妹紅が竹林を何とかするために、嫌いな輝夜と組んだそうです。
 
 少年は青年になっていました。そんなある日事件は起きたのです。

11 奈奈氏さんへ

 レミリアはやっぱり落ちぶれているのが一番可愛いと思います。

12 7氏さんへ

 寅猫革命は、この魔理沙が射命丸に追い詰められて服毒自殺することによって始まります。

14 7誌さんへ

 ある意味一番、順応したのがレミリアです。館の主から茸を集めの少女になりました。

15 名無し燦へ

 お褒めのコメントありがとうございます。後に色々脇役達が主役になる作品を作る予定です。

16 名無し纂へ

 あと、7秒でしたね。躊躇したのが原因です。

17 名無し桟へ

 食べってなんで、缶詰に入っていると素朴に感じるのでしょう。不思議です。蟹缶が欲しいです。

18 ななしさんへ

 冷たい石牢にレミリアは閉じ込められた。

「ちょっと、私は茸を盗んでいないわ!」

「罪名は茸泥棒と」

「え? 早苗」

「この罪は3日3晩お尻たたきですね」

「いやよ。私は泥棒じゃない」

「そんなことは私に関係有りません。さあ、お尻を出してこっちに向けてください」

「い、いゃ咲ぅ助けてぇ!」


19 なな詩さんへ

 コメントありがとうございます。今後も、コメントがもらえるような作品を作って行きたいと思います。

20 ナナシさんへ

 こういう、魔理沙もいいと思います。関連作は作成中になります。
 
 経済全体が疲弊しています。

21 ななしさんへ

 誤字については反省中です。なんで、誤字がなくならないのか。とにかく反省中です。

22 nanasisanへ

 レミリアは落ちぶれて魅力が引き出されれる。不思議吸血鬼なんですね。文章力は今後の課題です。

23 名無しさんへ

 もっと、色々書いて投稿したいと思います。読んで貰い評価までしてもらいありがとうございます。



最後になりますが、匿名評価を下さった方ありがとうございます。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2012/11/18 15:00:12
更新日時:
2012/12/17 23:36:35
評価:
19/26
POINT:
1660
Rate:
14.65
分類
産廃SSこんぺ
コメント返信と名無しの処方
簡易匿名評価
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0. 70点 匿名評価 投稿数: 3
1. 70 名無し ■2012/11/19 00:09:24
所詮、為政者には庶民の苦しみなど分からないのでしょうね……。
2. 80 名無し ■2012/11/19 00:47:20
銀賞
3. 80 名無し ■2012/11/19 00:54:36
魔理沙がそこまでクズじゃなくて安心した
4. 70 名無し ■2012/11/19 01:14:46
>>今は霧雨求さん、魔理沙さんの義母になりました
不覚にもここでやられた 阿さん…
6. 70 名無し ■2012/11/19 19:50:01
ストーリーの背景がやたらと作りこまれていて好き。
そして、この不条理感。
7. 80 名無し ■2012/11/19 19:59:31
アリス記念公園で色々と超越した
8. フリーレス 名無し ■2012/11/19 21:55:19
なんだろう、この色々と酷いはずなのに、淡々としてかつどこかほっこりとする読後感は。
個人的には、パチュリーの消えた2耀でやられた。
9. 90 名無し ■2012/11/19 21:56:01
すいません、8番です。評価が消えてましたので再投稿します。
10. 100 名無し ■2012/11/19 23:57:03
地底の皆を弱らせる遊びの所をを詳しく
11. 80 名無し ■2012/11/20 23:04:39
なんかこのレミリアかわいいぞ。
そして、何故か人情派な魔理沙。
色々な背景が違和感なくてよかったです。
12. 70 名無し ■2012/11/21 00:49:28
レミリアの落ちぶれる話はいくつも見たけど、なんだかこれ良いかも。
それにしても、ハードボイルドな魔理沙だ……。
絶対背中が格好良いぞこの魔理沙。
14. 80 名無し ■2012/11/26 11:17:33
退廃した雰囲気の漂う幻想郷。
射命丸の視点とレミリアの日常から見える世界観が面白かったです。
15. 90 名無し ■2012/11/26 18:11:51
文とレミリアのやり取りも素敵でしたが、他の脇役達も出番が少ないながら良い味出してました。
16. フリーレス 名無し ■2012/11/29 00:21:45
二番おめでとう

おしい
17. 80 名無し ■2012/11/29 17:43:38
三十円で缶詰を買うとこが良い。
このレミリアは日本人が忘れてしまった慎ましさがある。
18. 80 名無し ■2012/11/30 18:45:51
登場キャラ全てから漂う汚臭が素敵でした。文はやっぱりこういう役回りだと輝きますね。
ちゃっかり勝ち馬に乗ってそうな早苗がさり気なくウザかったです。
19. 100 名無し ■2012/12/01 13:38:55
読後にこのついついコメントしたくなる魔性を持った作品はいったいなんなんだ?
『筍事変から寅猫革命が起きるまでのいっとき』
つまり複数話あるはずの第1話でない作品をこんぺに当ててくるという発想がすばらしい。(続編は禁止されているが前の話が無いので問題無い)
そして初日に投稿されたので得点のハードルをあげてしまった。
20. 90 名無し ■2012/12/04 04:49:50
変わり果てた関係性が跋扈する幻想郷、とても興味深かったです。
ころころかわるレミリアの表情に、荒れた雰囲気なのに和んでしまいました。

歪んでしまった他の住人に対して歪みきれていない魔理沙が好きです。
関連作が読めることを期待しています。
21. 90 名無し ■2012/12/07 18:55:28
全体を通じてまた読みたくなる作品だった。
個人的には椛がなんでそんな目にあったかきになる。
誤字が少し気になった。
22. 90 名無し ■2012/12/10 16:57:08
文章は少しつたないような感じはしたけど、独特の雰囲気のある惹きつけるような内容は評価したい。
あとレミリアがくっそ可愛い。どうしてレミリアはこうも落ちぶれるのが似合うのだろうか。
23. 100 名無し ■2012/12/16 20:49:20
もっと色々読みたいですね
25. フリーレス 評価済み ■2012/12/17 23:59:51
おい少年!何をしてるんじゃ!
26. フリーレス 18 ■2012/12/21 03:21:47
ちょっとギョウヘルインニさんサービス精神好すぎるよー
でも少年の続きが気になるよー
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