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『ホッチキスが語る幻想郷四方山話〜親父と魔理沙〜』 作者: dan

ホッチキスが語る幻想郷四方山話〜親父と魔理沙〜

作品集: 7 投稿日時: 2013/05/17 07:35:05 更新日時: 2013/05/17 16:41:51 評価: 4/6 POINT: 460 Rate: 13.86
吾輩はホッチキス、名前はまだ無い

吾輩が此処、霧雨店に来たのはもう何年前だっただろうか

一時期はどこの家庭会社学校にも同胞達が居たものだ

しかしある時を境に私たちの居場所は奪われる事となった

理由は…賢い諸兄なら想像に容易いであろう

外の世界の人間達が作り出した式神によって彼らは紙を使わなくなった

ただそれだけの事だ




しかしこうして人間と話すのは何年振りだろうか

陳列棚の奥で埃を被っている吾輩を見つけ出してくれたことに感謝しておる

お礼に一つ、面白い話を聞かせて進ぜようではないか

なに、時間は取らせんし退屈もさせん

それに…

「喋るホッチキス」なんぞそれだけで笑い話であろう?

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「親父と魔理沙」




あれは確か吾輩が幻想入りしたての頃

道具屋を営んでいた霧雨の(魔理沙の親父のこと)が
吾輩をどこからか見つけてきた

外から入ってきた道具は
もれなく香霖の(霖之助のこと)に識別してもらう決まりになっており、
吾輩も漏れることなくその仕来りにしたがって識別されたのだ

その当時の吾輩の能力は「紙を綴じる程度の能力」であった
まあホッチキスなのだから当たり前であるな

それを霧雨のが知ると大変興味を持ち自ら使い始めた

大手道具屋であったから帳簿や書類などを束ねる事だけでも大変な作業であったのだろう

次の日から吾輩は来る日も来る日も紙を綴じ続けた

一日中というのは中々辛いものだったが、
外の世界での存在意義を無くしていた吾輩にとっては寧ろ嬉しい事であった





ある日、霧雨のがいつものように吾輩を使って紙を綴じていると誰かが仕事場に入ってきたのだ

霧雨のによく似た顔立ち、同じ髪の色…

そう、諸兄らもご存じの霧雨のの嬢ちゃん(魔理沙)だ

嬢ちゃんは何やら魔法陣のようなものが描かれた紙を手に持っていた

そいつを霧雨のに見せに来たようだ

しかし霧雨のはそいつを見た瞬間吸っていた煙管で嬢ちゃんの頬を撲った

話を聞くとどうやらそれは嬢ちゃんが作った商売繁盛のマジックアイテムらしい

嬢ちゃんからすれば霧雨のの為にやったことなんだろうが、
あいにく霧雨のは魔法というものを異常に毛嫌いしていた

なぜかは分からんがな

その日はそれで終わったんだが嬢ちゃんは次の日もまた次の日も
何やらよく分からんものを霧雨のに見せては殴らたり罵倒されるということが続いたのだ

そしてあの日がやってくる…

吾輩にとっては悪夢の始まりだが諸兄らにとっては
ようやく話のヤマ、と言ったところかな?

その日もまた懲りずに嬢ちゃんは霧雨ののところへ来て殴られたのだが、
帰り際に肩がぶつかって、吾輩の芯が霧雨のの爪を貫いた

無論わざとではなかったのだろうが霧雨のはこれに堪忍袋の緒が切れたらしく、
嬢ちゃんを蔵の中に閉じ込めてしまった

昔から嬢ちゃんがやんちゃをして閉じ込められる、ということは少なからずあったが
せいぜい10分くらいのものだ

しかし今回は訳が違った
霧雨のは嬢ちゃんを蔵に一か月も閉じ込め続けたのだ

魔法が絡んだ時の霧雨のはまるで別人だった
皮肉にもそれは悪魔が憑りついたかのようでな

その間食事は自ら運んでいて、女中や小間使いには「なんだかんだ心配なのね」
何ぞと言われていたがとんでもない

霧雨のが床にぶちまけた食事を手足を縛られた嬢ちゃんが這いつくばって食う、
豚か何かの餌やりのようだった

そしてここからが悪夢なのだ

食事が終わってしばらくすると霧雨のは嬢ちゃんに舌を出させるんだ

何のためかって?

それは…





















吾輩で嬢ちゃんの舌を綴じるためだ

しかも一回じゃない

嬢ちゃんは何回も何回も涙を流しながら許しを請うているのに
それを楽しむかのように笑みを浮かべながら吾輩の芯を嬢ちゃんの舌に刺していくのだ

それが毎日毎日毎日毎日朝昼晩食事の後に行われる

嬢ちゃんの柔らかい舌を芯が埋め尽くしていき、
仕舞には嬢ちゃんの舌は一面銀色になってしまった

嬢ちゃんはこれでやっと霧雨のに舌を痛めつけられなくて済む、と思っただろう

だが、霧雨のは芯を刺すのを止めなかった

次はどこだと思う?

ヒントを出そうではないか

嬢ちゃんをよく思い出してみたまえ

彼女には…





















そばかすがあるだろう?

…そう、あろうことか霧雨のは自分の娘の顔に吾輩の芯を突き立てたのだ

それはもう顔中が血まみれでひどい有様だった

霧雨のより先に吾輩の方が狂いそうであった

吾輩の芯が嬢ちゃんの柔肌を引き裂き奥深くへ楔を打ち続けるのだ

しかもそれも一回じゃない、毎日朝昼晩食事の後に行われた。

日が経つにつれて嬢ちゃんの顔は銀色に染まっていった…



そしてついに嬢ちゃんを監禁してから一か月

霧雨のの所業が白日の下へさらされたのだ

何時ものように吾輩が嬢ちゃんを銀色に染めている頃、
一人の女中が客が来たなどと言って霧雨のを呼びに来た。

そこで女中は見てしまったのだ

自らの娘に鉄の芯を打ち付ける霧雨のの姿を!

女中は恐ろしくなってすぐに逃げ出した

狭い幻想郷だ、こんなことがあればすぐに噂が拡まる。霧雨店は野次馬でいっぱいになった

それから小一時間で博霊の(先代巫女)が来て霧雨のを拘束し、
手に持っていた吾輩を押収した。

嬢ちゃんの顔と舌に余す所なく打ち付けられていた吾輩の芯を見て、吐いてる者もいた。

芯を打ち付けたのが吾輩だとわかると、すぐさま香霖のに再度識別させることとなった

もともと危険な用途の道具を弾くための識別だったからであろう



博霊のは香霖のを猛烈に責めた。
「なぜあんな拷問器具を幻想郷に入れたのか」と
だが識別帳(今まで何を識別したか、またどのような能力のものかを書き留めておくもの)
には確かに「紙を綴じる程度の能力」を持つ道具であると記されていた

しかし念のためもう一度識別を行ったのだ

その時香霖のの目に映った能力は…










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さて、霧雨のとお嬢ちゃんの昔話はどうであったかな?

諸兄らを退屈させてしまったならお詫び申し上げるが…

まあ霧雨店には詰まらん昔話を喋るホッチキスがあるなどと笑い話にしてくれれば良かろう

もし今一度吾輩の話を聴きたくなったら、また来るがよいぞ
こういう書き方難しい
dan
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/05/17 07:35:05
更新日時:
2013/05/17 16:41:51
評価:
4/6
POINT:
460
Rate:
13.86
分類
魔理沙
ホッチキス
魔理沙の親父
べろ
グロ
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0. 60点 匿名評価 投稿数: 2
1. 100 ギョウヘルインニ ■2013/05/17 18:16:54
霧雨さんはホッチキスで女中の口を綴じねばなりませんでしたね。
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2013/05/17 21:04:25
そのうち、シリーズ物になるのかな?
所詮、語り部は道具ゆえ、事実を綴る(つづる)事しかできんか。
そんな事件がある前と後で鑑定結果が異なる事もあるだろうね。
スポーツ道具とか調理器具とか日曜大工用具とか……。

結局この事件の顛末はどうなったのだろうか。
自警団ではなくて博麗の巫女が親父さんを拘束したって事は、妖怪がらみか?
長じた魔理沙が異変解決人として名を馳せるくらいの実力を持つことになった事と関係があるのかも。

まぁ、所詮はステイプラー(ホッチキスは登録商標)の昔話。
指針がなければバラけるだけ……。
3. 100 矩類崎 ■2013/05/19 22:12:52
全身ホッチキスまみれの魔理沙はサイボーグヒーローみたいでちょっとかっこいいかもしれない……。
4. 100 まいん ■2013/06/09 22:48:18
この話凄い好み。
魔理沙が家を出た理由に違和感がないし、付喪神の語りが非常に良い感じ。
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