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『てくてくこいしちゃん』 作者: dan

てくてくこいしちゃん

作品集: 7 投稿日時: 2013/05/19 11:33:35 更新日時: 2013/05/20 01:55:35 評価: 3/3 POINT: 260 Rate: 14.25
むかしむかしあるところにちれいでんというおおきなおやしきがありました

そこにはかわいらしいふたりのしまいがすんでいて、なまえをさとりとこいしといいました

あるひ、いもうとのこいしちゃんがこういいます

「わたしおそとにでておやまにのぼりたいな!
そしておねえちゃんといっしょにおべんとうがたべたい!」

「でもおやまのてっぺんへいくにはがけをこえないといけないのよ?
いけるわけないわ…おねえちゃんがごほんをよんであげるからおうちであそびましょ?ね?」

さとりちゃんがいいました

さとりちゃんはいつもこんなちょうし

こいしちゃんはおねえちゃんがだいすきでしたが、すぐに「できるわけない」とか
「どうせむりよ」とかいうところだけはきらいでした

こいしちゃんはとうとうおこりだしてしまいました

「ふんだ!そうやっていつもいつもできるわけないっていうおねえちゃんなんかきらい!
わたしひとりでおやまのてっぺんでおべんとうたべてくるもん!」

そういってこいしちゃんはおうちをとびだしていってしまいました

しかし…

ガチャ

「おべんとうわすれちゃった…おねえちゃあん…」

それをきくと、ついさっきけんかしたばかりなのに
さとりちゃんはこいしちゃんのためにおべんとうをつくってあげました

「ありがとうおねえちゃん!」

こいしちゃんはおねえちゃんにつくってもらったおべんとうをもって、こんどこそおやまにむかいました

さてさて、こいしちゃんはぶじにおやまのてっぺんでおべんとうをたべることができるのかな?













てくてく てくてく

こいしちゃんはひとり、おやまへのみちをあるいていきます

てくてく てくてく

おうちからみたらあんなにちかくにあったはずなのに、いくらあるいてもおやまにつきません

てくてく てくてく

それでもこいしちゃんはあきらめずにあるいていきます

てくてく てくてく

「やっとついた…あしがつかれたよお…」

おやまのふもとにつきました

しかしここがゴールではありません、やっとスタートなのです

「よーし、がんばってのぼるぞー!」

こいしちゃんはてっぺんにむかってあるきはじめました







よいしょ よいしょ

からだのちいさなこいしちゃん、いっしょうけんめいおやまにのぼります

よいしょ よいしょ

あしがつかれてもまだまだのぼります

よいしょ よいしょ

いきがきれてもしんこきゅうをしてどんどんのぼります

よいしょ よいしょ すってん!

あっ!ころんじゃった!

それでもこいしちゃんはなかないでたちあがると、またあるきはじめます

よいしょ よいしょ

「ここがおねえちゃんのいってたがけかあ…すごいふかいなあ…そこがみえないや」

ついにてっぺんはめのまえ!だけどふかいたにがじゃまをします

こいしちゃん、どうする?

「きっとあるけるよね!はやくてっぺんにいっておべんとうたべよっと!」

そういってこいしちゃんはがけにむかってあしをふみだしました

そのしゅんかん…

ひゅーん

「きゃあああああああああ!」

なんということでしょう!こいしちゃんはがけのそこにおっこちてしまいました

おそらはあるけないことをこいしちゃんはしらなかったのです

しばらくしてからふあんになってようすをみにきたさとりちゃんが
がけのとちゅうにひっかかっているおぼうしをみてこいしちゃんがおっこちてしまったことをしりとてもかなしみました





つぎのひ…

ちれいでんにはえているいっぽんのりんごのき

そこにりんごにまじってひとつべつのものがなっていました

そうです、こいしちゃんです

それをおりんがぷつん、ときからきりおとすと、
いつのまにかもっていたさとりちゃんのてづくりおべんとうをもってまたやまにむかいました




さて、またあのがけのまえにたどりつきました

こんどはどうするのかな?

「おそらはあるけないからぴょーんってとんでいけばいいんだわ!」

こいしちゃんはがけからぴょーんととびました

しかしむこうまでとべるはずがありません

「きゃああああああああ!」

こいしちゃんはまたおっこちてしまいました

しばらくしてからふあんになってようすをみにきたさとりちゃんが
がけのとちゅうにひっかかっているおぼうしをみてこいしちゃんがおっこちてしまったことをしりとてもかなしみました




つぎのひもまたりんごのきからはえてきたこいしちゃんはおやまへむかいます

そしてまたおっこちてはがけのそこにきえていくのです

つぎのひも、つぎのひも、そのまたつぎのひも…


そしてとうとう300ねんがたちました

さとりちゃんとこいしちゃんはにんげんのねんれいでいうとじょしこうせいくらいのとしです

そのひもまたこいしちゃんはおやまにむかってあるいていきます



そしていつもならがけがみえてくるところまであるきました

でもきょうはようすがちがいます

いつまでたってもがけがみえてきません

こいしちゃんはそのままてくてくとおやまをのぼっていき…

「やったわ!てっぺんについた!」

ついにてっぺんにつきました!

てっぺんについたこいしちゃんはさっそくおべんとうをひろげてたべはじめました

「おねえちゃんがつくってくれたおべんとうおいしい!ながめもさいこうでいうことなしね!」

でもどうしてきょうはがけがなくなっていたのでしょう?

きになってがけがあったほうがくをみてみました

するとそこには…






いままでおっこちたこいしちゃんでいっぱいになったがけがありました

こいしちゃんがおっこちなかったのはたくさんのこいしちゃんががけをたいらにしてくれたおかげでした

おや?がけだったところのうえにだれかいます

「あっ、おねえちゃーん!ここだよー!」

それはさとりちゃんでした

こいしちゃんのことがふあんでふあんでしょうがなかったのでしょう、
こいしちゃんがおっこちずにてっぺんまでいけたのをみるとなきだしてしまいました

「こいし…ぐすん…まただめかとおもった…けどがんばったね…おねえちゃんしんぱいでしんぱいで…うえーん!」

「おねえちゃん、わたしやったよ!やっとおやまのてっぺんについたの!ほら、ないてないでおねえちゃんもいっしょにおべんとうたべよ?」

さとりちゃんはうなずくとこいしちゃんのよこにすわり、ふたりでなかよくおべんとうをたべました



おしまい
小さいころ大好きで何回も読んだ絵本を思い出しながら書きました

前に書いたホッチキスの話はおいおい続きを書くつもりです


いままでに書いたもの
こいしのひ
ホッチキスが語る幻想郷四方山話〜親父と魔理沙〜
一人の女子高生


ps頂いたコメントが血となり肉となってます、ありがとうございます
dan
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/05/19 11:33:35
更新日時:
2013/05/20 01:55:35
評価:
3/3
POINT:
260
Rate:
14.25
分類
こいし
さとり
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POINT
1. 70 NutsIn先任曹長 ■2013/05/19 20:47:39
これは、無知な幼子が何度も失敗を繰り返し、それでもくじけずに新たな気持ちで挑み続け、ついに報われる話かな?
失敗に挫折したらそれで終わりだが、再び立ち上がる事は生まれ変わった事と同義ってことか。
2. 90 名無し ■2013/05/21 02:01:10
一体何の絵本を思い出しながら書いたのか興味がありますが…
それとは別に悪○城のワクワクの木を思い出しますね ノミ男が成るアレ
3. 100 まいん ■2013/06/09 22:49:45
絵本風の話が又良い。
繰り返せば必ず良い結果が生まれるという教訓は我々や次世代に長く語り継がれるでしょう。
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