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『産廃創想話例大祭A「とある邪仙の追憶」』 作者: んh

産廃創想話例大祭A「とある邪仙の追憶」

作品集: 8 投稿日時: 2013/06/29 15:39:53 更新日時: 2013/08/01 23:23:21 評価: 18/28 POINT: 2060 Rate: 14.89
 


 豊聡耳神子という男と最初に出会ったのは、私が大陸からこの東国に渡来して三年ほど経った頃だったと思う。
 当時金づるにしていた地方の豪族から、国を変える若き天才がいると聞かされたのだ。田舎で小さな優越感を満たす生活にも、物足りなさを感じていた時分だった。都へ足を伸ばすちょうどいい機会かと思ったのである。

 別に大した期待はしていなかった。所詮小さな島国でチヤホヤされているだけだろうと。だがひと目で虜となったことをよく覚えている。あれほどの男は、わが祖国にも数えるくらいしかいなかった。
 特に惹かれたのは瞳だ。深い叡慮と洞察に満ちた眼光。己という存在が世界を変えるのだと、一点の曇りもなく確信する双眸であった。餌として、これほど魅力的な素材はいない。

 さっそく邪仙ということは伏せたまま、適当なおべんちゃらですり寄ってみると、なかなか面白い対応をされたものだった。
 豊聡耳は疑う様子もなく、私を自分の屋敷へ招き入れたのである。詳しく話を聞きたいからと言って。
 奥まった部屋に男と女が二人きり、となればすることは決まっている。ろくに互いのことも知らぬまま、この男は私を押し倒し、体を貪った。
 こういう扱いは慣れていたが、いくらなんでも節操がなさすぎるというものだ。終わった後それとなくなじってみると、豊聡耳は笑ってこう返したのだった。

「君は己の顕示欲を満たすために、この私に近づいたのでしょう。だったらむしろ好都合ではありませんか」

 思わず声に出して笑ってしまったことを覚えている。こうまで私の本性をあっさりと見抜き、その上で私を抱く口実に使う男などかつていなかった。
 なぜ分かったのだと尋ねると、豊聡耳曰く、自分は人の欲が見えるのだという。そこから相手の考えや資質、さらには国全体の趨勢まで見通せるのだと。
 上手い商売文句だと思ったが、後でまんざら大言壮語でもないと思い知らされることになった。確かにこの男は、他の誰にも見えぬ何かが見えていた。それは断言できる。でなければこんなにも奴に興味をいだき、千年以上に渡って付き合う関係にはならなかったはずだから。


    *


 しかしだ、今思い返しても豊聡耳の好色ぶりは常軌を逸していたように思う。執政の職に当たっている時を除けば、この男は常に誰かしら女を侍らせていたものだった。
 妻は四人いたが、それも公になっている分だけの話だ。宮中にいた下女や官女にはほぼ全て唾をつけていたし、仕事で向かう先々には現地妻、それでも飽きたらず気に入った女がいれば下民だろうと奴婢だろうと見境なく宮中へ連れ込んでは、房事に耽る毎日。私のような存在から見ても閉口せざるを得ないほどの絶倫ぶりだった。

 無論、わが祖国にも色欲にまみれた為政者は大勢いた。だがそうした手合いと豊聡耳には、決定的な違いがあったように思う。
 女好きの権力者には、大別して二種類ある。一つは女を虐げ、物のように扱い、徹底して服従を強いる者。もう一方は逆にこれでもかと女を悦ばせ、快楽に溺れさせ、己に惚れさせようとする者だ。
 この両極端の性癖は、つまるところ一つの欲求――即ち、自分の強さを確かめたいという思い――に帰結する。前者は力によって女を屈服させることで、後者は恋慕によって女を屈服させることで、己が力を実感しようとするのだ。これは私の経験的にも間違いない事実であると思う。
 豊聡耳は、しかしそのどちらにも属さなかった。彼の房事は常に淡々としていた。叩いたり罵ったりもなければ、道具や媚薬で女を狂わそうともしない。
 愛撫もごくあっさりしていて、味気なさすら覚える情事であった。もちろん手馴れているし、雑でもない。ただ楽しもうという意識が皆無なのだ。
 私もまだ若かったのだろう。房中術にはそれなりに自信があったから、その素っ気なさにはいくらか苛立ちを覚えた。私の何が不満なのかと、殊更媚びた態度を示してみたり、必要以上に乱れた演技をしてみせたりもした。

 豊聡耳の趣味をようやく理解したのは、五度ほど体を重ねた頃だったろうか。ある癖に気づいたのだ。こいつは膣で達した後、必ず懐に抱いた私の頭を撫でながら「いい子を産むのですよ」と優しく囁いた。
 初めは大した意味も感じていなかったが、あまりに同じ台詞を繰り返すので、なぜそんなことをいちいち言うのかと尋ねてみた。するとこの男はさも当然といった顔をして、

「優れた血を身に宿す者は、その血を後代にまで絶やすことなく残さねばなりません。それは才を持って生まれた者が、世界に対して果たすべき義務です。青娥も女であれば、私のような天才の子を身ごもりたいものでしょう」

 と言ってのけたのだった。あっけにとられた私がさぞ面白かったのだろう。後日宮殿に呼び出され、問答の相手役をさせられた。論題は「なぜ国は乱れるのか」。豊郷耳の考えはこうであった。

「国が乱れるのは優れた指導者が死んだ後、その子、孫が優れた者ではないからです。青娥ならよく知っているでしょう。夏の禹、殷の湯王、周の武王はいずれも聖王と讃えられる名君でした。しかしその子孫たちは必ずしも名君ばかりではなかった。夏の桀王、殷の紂王、周の幽王に至ってはいずれも暴君として非道の限りを尽くし、ついには国を滅ぼしてしまった。
 いくら十何代と続いて血が薄まろうと、名君の血を引いたはずの者が愚王となってしまう。これを悲劇と言わずして何と言えばいいのでしょうか」

 そして豊聡耳は、自分がたくさんの女を抱くのは、自分の血を継ぐ優秀な人材を一人でも多くこの国に残したいからだと言った。女の身分にこだわらないのも、優れた人間同士の子が必ずしもより優れた人間になるわけではなく、むしろより劣った人間となることもあるからだと。
 これだけ書くと笑ってしまうような世迷言かもしれない。だがあの豊聡耳神子が自信たっぷりの顔をして言うのを聞くと、不思議と納得してしまうのだ。それは天才のみに許された特権だったのだろう。説得力とは論理の質で決まるのではない。誰が述べたかで決まるのだから。

 さりとて天才の軍門に唯々諾々と下るのも面白くない。私もいろいろと意見してみた。今となっては何と言ったかほとんど覚えてはいないが、確か血筋に関係なく優れた人材を登用する仕組みを作ればよいのではと、そんなようなことを諫言した記憶がおぼろげにある。
 もっとも豊聡耳には、それは仕組みを維持し動かす優れた人間が常にいるという前提のもとで初めて成り立つ考え方であり、そしてその前提が誤りであることは、また歴史が証明していると、半笑いで一蹴されたけれども。

「結局、問題の根本は『死』なのですよ」そして問答の終わりにこう嘆息したのだ。「三代の聖王や私のような者が世を治めている限り、国の栄華は約束されるのです。なのに、我々人間は永久に生きられない。故に愚昧な輩がはびこる隙を与えてしまう。空しいことです」

 奴がこう呟いた時の物憂げな顔は、今でもくっきりと脳裏に思い浮かべることができる。だから私が不老不死を目指そうと言って、この男に道教を吹き込んだのは自然の帰結であったろう。実際、豊聡耳が道教にのめり込むのに時間は要しなかった。
 今考えてみると、こいつは最初から分かっていたのかもしれない。私が名誉を求めて大陸から日本へ渡来する未来も、己が野望を叶えるため私から道教を学ぶ未来さえも。


    *


 豊聡耳には四人の妻がいたことは先に述べた。蘇我屠自古は、一応、その中でも正妻と呼ばれる地位にいた女性であった。「一応」とただし書きをつけたのは、それらしい扱いを夫からまったく受けていなかったからである。

 彼女の氏族である蘇我氏は、政治家豊聡耳にとって貴重な後ろ盾だったらしい。屠自古を正妻に迎えたのも、その関係を強固にするためだったのだろう。婚儀とは本来そういうものである。
 ただ屠自古が愛されぬのにはもう一つ、より致命的で深刻な理由があった。彼女は子が産めぬ体だったのだ。公には実子がいたことにされていたが、どれも彼女の子ではなかった。夫が他の女に産ませた子を、養子として引き取っていたのである。

 これには一つ愉快な裏話がある。豊聡耳は、さすがというべきか、交わったことのある女を全て記憶していた。
 そして女たちが自分の子を孕んだかどうか、ことあるごとに調べに行かせた。もし子供ができていれば直ちに都へ連れ帰り、豊聡耳本人が確認するのだ。
 この男は赤子であっても一目見ただけで優れた人材か否かを見極めることができた。使い物になりそうな子は都に残し手厚く育てたが、残りは犬のように追い払ったという。その中で出自を明かせぬ赤子が、屠自古の子として処理されたわけだ。
 これは豊聡耳がどういう男か、端的に示す逸話だと思う。こいつが求めていたのはあくまで才能であり、もっと言ってしまえば自分の分身たりえる存在でしかなかったのだ。故にこの男にとって女とは、自分の分身を作り出すための道具以外の何物でもないのである。

 それは彼がもっとも寵愛した妾にもよく表れていた。その妾は膳大郎女《かしはでのおほいらつめ》とかいう名で、決して器量がいいわけでも教養があるわけでもない、同性から見てひどくつまらない女であった。
 どうしてこんな女を愛でるのか、気になって一度問いただしてみたことがある。すると豊聡耳はただ一言、「尻が大きくて丈夫な子を多く産めそうだから」と答えたのだった。こういう男だ。政略結婚で娶っただけの石女《うまずめ》に、心を向けるはずもない。
 一度などは、屠自古の屋敷で本人を目の前に置きながら、お気に入りの官女を膝に抱えて乳繰り合っている豊聡耳を目撃したこともあった。
 それでも屠自古は何事もなかったふうに、夫の世話をせっせと焼いていた。その光景は、どちらが官女でどちらが正妻か、一見して判別がつかないほどであった。

 私もかつては一人の夫に愛を誓い、貞淑な妻なるものを志した時期がある。だから呆れるより先に腹立たしさを覚えた。豊聡耳に、ではない。屠自古にだ。こうまで足蹴にされながら尚も男に尽くす姿に、私自身までもが侮辱されたような気がしたのだ。

「太子様には私が必要ですから」

 夫が留守の隙に押しかけ問い詰めてみると、最初に返されたのがこんな言葉であった。

「太子様は私のことを大切にしてくれます。そして私も、太子様のことを深く深く愛しております」

 もしそれが、名家に生まれた世間知らずのお嬢様から出た言葉であったなら、私は屠自古という女に金輪際近づかなかったであろう。もっとも唾棄すべきつまらない女と、遠くからせせら笑うだけの関係に終わっただろう。
 しかしそうではなかった。この女の口調には、静かな確信があった。ほの暗い、狂気にも似た気高さがあった。こいつと話していると、女として敗北したような、言い知れぬ感覚に襲われたのである。

 以来私はすっかりこの女の虜になってしまった。屠自古もまた、私が訪れる度、恍惚とした口ぶりで夫豊聡耳の話を聞かせてくれた。彼が見せた些細な愛らしさ、本当にあったのかも定かでない思い出話、かつて交わし合った夢のような言葉などを。
 普段はまったくもって聡明な女なのに、旦那の話をする時だけは完全に気狂いの顔をしていた。そこが気に入ったのだ。
 豊聡耳の屋敷を除けば、この女の後宮にはもっとも足繁く通ったろう。屠自古は豊聡耳とは異なる意味で、私を大いに楽しませてくれた。人間の逞しさと脆さ――即ち本質――を、この女ほど体現していた者はいなかった。
 そして屠自古もまた、霍青娥という女の本質をもっとも理解してくれたように思う。それほど私たちは意気投合したのだ。


    *


 豊聡耳と屠自古を除くと、私が都で知己を深めた人間はほぼいなかったと言っていい。強いて挙げるなら物部布都であろうか。
 「強いて」と言ったのは、こいつに好感を抱いたことがないからだ。この女に対して私は、豊聡耳に対する畏敬の念や屠自古に対する親近感といったものとは、まったく別の印象を抱いていた。それを一言で表現するならば、おそらく同族嫌悪がふさわしいのだろう。

 物部氏は、古くから神道の秘術で以ってこの国を裏から牛耳ってきた、名うての豪族であった。中でも布都は一族きっての神童として、聖童女と持てはやされていた。
 確かに見た目は10を少し越えたくらいでありながら、女だてらに官服をまとい、肩を切らせて宮中を闊歩するさまは、ただものでない存在感を漂わせていた。とはいえ、豊聡耳に比べれば数段以上は格が落ちる。言ってしまえば、一つの時代に必ず一人はいるような神童であった。
 ただ一点、この女が豊聡耳より優っていたとすれば、自分がたいした神童でないと自覚していたことであろう。故に布都は己が持ち得る才を、自分以外の優れた人間に取り入るためだけに用いた。他人を利用することで自分の弱さを補おうとしたのである。とにかく宮中での処世術に関してはずば抜けていたと言っていい。

 最初にその異能ぶりを痛感したのは、彼女がとある男と密会していた現場を目撃した時であったろうか。名は忘れたが、30すぎの、当時めきめきと頭角を現していた切れ者で、かつ金もたんまり持っていた男であったのは覚えている。
 布都はそんな倍ほども年の離れた男と無邪気に腕を組み、庭の裏手でひどく睦ましげに話していた。初心な乙女の顔をして、きゃっきゃとはしゃぎながら、それとなく相手の仕事ぶりや家柄を褒めちぎるのだ。
 私のような外道から見ても、男をかどわかす術はあの歳にして一級品であった。その男もすっかり布都に籠絡されてしまったらしく、その後何度も結婚を申し込んだのだそうだ。
 とはいえ彼だけを愚かと笑うのはお門違いだ。宮中には似たような男が掃いて捨てるほどいたのだから。瑞々しく無垢な聖童女を我が物にしてやろうと、しきりにあっちの方をおっ勃てている馬鹿どもが。
 そう、この小娘はよく分かっていたのだ。自分の若さ、愛らしさが、この伏魔殿を生き抜く最大の武器になることを。
 だから布都はそんな連中からの婚儀の申し出を、じらしにじらした。無知な処女を装い、頬を赤らめ言葉を濁し、まだ脈があるように匂わせて、躍起になった男から次々と財や地位を巻き上げていったのである。

 そのやり口があまりに巧みだったので、近づき遠回しになじってみた。向こうも私が同類だと瞬時に察したのだろう。それまでの愛くるしさはどこへやら、下卑た笑みを浮かべながらぺらぺらと本音を語ってくれた。

「なぜ楊貴妃がああも絶世の美女と持てはやされるか知っておるか? それは実際に見て、会って、抱けんからよ。男にとって何より魅力的な女は、そいつが頭の中で飼っている女に他ならん。我はその女の代わりをしてやっておるのだよ」

 そしてお主は股を開きすぎだと小馬鹿にされた。本当に開く価値のある相手にだけ開かねば、己の商品価値を下げるだけだとも。こんな女だ。私が心の底から見下し、それと同じくらい気に入ったのもごく自然な流れであったろう。

 そんな布都は、当然のごとく豊聡耳にも近づいた。いや、一番尻尾を振った男と言っていい。
 興味がなかったので詳しい経緯は知らないが、当時物部氏と蘇我氏は、国策をめぐって敵対する関係にあったらしい。そのさなか布都は物部氏の実力者として権勢を振るいつつ、同時に蘇我派の白眉であった豊聡耳からも信頼を勝ち得ていったのだ。
 そうした政局を生き抜く嗅覚、真の強者を確実に見極め、敵であろうとすり寄る図太さこそ、布都の唯一にして最大の取り柄であった。豊聡耳自身、よく気が利く働き者だとあいつを評していた。あれが自分の覇道を地ならししてくれる便利な小間使いであると、よく理解していたのだろう。
 そして布都自身も、自分の役割をしっかり弁えていた。両者の間には確かな絆があった。その証拠に、かつて布都から得意げにこう耳打ちされたことがある。屠自古が子供を連れて歩いているのに出くわした時だ。

「あの子、なかなか愛らしいであろう? 我によく似てな」

 つまり、布都にとって豊聡耳は股を開く価値のある男であり、豊聡耳にとって布都は優れた子袋でもあったわけだ。



    *



 結局この東国の都で、豊聡耳たちとは10年ほどを過ごした。それは私の人生において、もっとも充実した期間の一つだったと言える。
 国が統一へと向かう混迷の極み、あまたの勢力がだましあい、裏切りあい、殺しあっていた時代であった。都では毎日のように誰かが陥れられ失脚していったものだ。
 そんな悪意と疑心に満ちた宮中を、私たちは欲望の赴くままのし上がり、そして謳歌した。

 豊聡耳はすっかり道教――正確に言えば不老不死の邪法だが――に耽溺し、理想の国を作り上げるという野心は以前と比べはるかに薄らいでしまっていた。
 そんな状態であっても、律令を整え、官位を敷き、我が祖国へ人材を派遣し、仏教でもって大衆をまとめあげる仕組みを作りあげた。天才豊聡耳神子は、不老不死を目指すほんの片手間で、この国の礎を築いてしまったのだ。
 私がますますこの男に惚れぬいたのも無理はなかったであろう。

 布都もまた、豊聡耳との関係を確たるものにしていた。彼の右腕として当時絶大な権勢を誇り、屠自古の父でもあった蘇我の男の嫁に、人質を装ってちゃっかり収まったのだ。後妻ながらも屠自古の母、即ち豊聡耳の義母として、その威光を存分に浴びれる地位にありついたわけである。
 それに飽きたらず、用済みとなった物部氏をも策謀を巡らし没落させてしまった。蘇我物部両氏の争いに引き裂かれた悲劇の妻を演じつつ、夜になれば一転、豊聡耳の上で腰を振っていた姿なぞは、あの女の性根をよく表していてなかなか思い出深くある。私も一緒になって盛り上がったものだ。

 この頃には布都も私から道教を習うようになっていたので、屠自古を含めた四人で毎晩のように乱痴気騒ぎをやった。
 特に盛り上がったのが人体実験だ。何せこちらには法制度を作った張本人がいる。適当な理由で死刑をでっちあげれば、被験者は簡単に手に入った。
 講義は真剣そのものだった。死体の動かし方から、臓腑を使った丹の精製法、厭魅蠱毒のやり方まで、内容は多岐に富んだ。あれほど充実した呪法の講座は、後にも先にもなかったと断言できる。
 ここで物覚えの良さを発揮したのが屠自古だ。寡黙でありながら、特に解体等の手さばきは豊聡耳を凌駕することもあった。
 彼女も彼女なりにこの宴を愉しんでいた。豊聡耳にその勤勉ぶりを褒められて、血みどろの頬を少女のように赤らめていた姿などは、今でも昨日のことのように思い出せる。彼女にとって、敬愛する夫と同じ空間にいられること自体が、何より至上の喜びだったのだろう。


 だが、素晴らしい時間は永遠に続かない。それは人として生まれた以上逃れられぬ運命だ。私達の蜜月も、また少しずつ終わりを迎えようとしていた。
 きっかけは豊聡耳が体調を崩したことだった。不老不死に取り憑かれていたこの男は、水銀やヒ素を用いた丹の研究に没頭していた。それが体を蝕んだらしい。
 未来を見通す力で、自分の余命がそう長くないと悟ったのであろう。晩年の豊聡耳は、若き日のように威風堂々と振る舞えなくなっていた。突如癇癪を起こしたかと思えば、さめざめと泣き出す。次第に執政にも差し障りが出るようになった。
 話の中身も支離滅裂としたものが多くなった。この頃、耳にタコができるほど聞かされた話が一つある。なんでも自分が死んでから二百年後、月から姫とその遣いが降りてくるのだそうだ。そいつは不老不死の薬を持っていて、帝からの婚儀を拒み月へ帰るお詫びとして、その薬を地上に置いていくらしい。
 そして豊聡耳はこう言うのだ。それさえあれば不老不死になれるが、生憎私にそんな猶予はない。だからとりあえず二百年先まで生きていられる方法を教えてくれないかと。まったくもって噴飯ものであったが、当の豊聡耳は大まじめの様子であった。
 あまりに惨めで面白かったので、私は尸解仙なる術を教えてやった。死んだと見せかけて仙人として蘇る術だ。
 仙人の中でも一番下等な――私もそうだ――存在である。なのに、豊聡耳はそれで構わないと抜かしたのだ。国父とまで呼ばれた不世出の天才が、卑しい仙人になりたいと私の足元にすがりつくのだ。あの時の恍惚は、一生忘れられないだろう。

 念のため、誤解のないよう一つ断っておきたい。この尸解仙のように、私は奴らに色々な知恵を授けはした。だが決して、これがいいとか、こうしろなどと勧めたりはしなかった。あくまで選択肢を提示しただけ、それも向こうから頼まれた時だけだ。
 こういうやり方がありますよと、自分から売り込んだりもしなかった。一連の出来事の決定権は、すべて向こう側にあった。これは後に話す布都や屠自古の場合でも変わらない。
 私は彼らを地獄へ引きずり込んでやろうなどとは微塵も思っていなかった。ただ見たかっただけなのだ。栄華を誇った連中が自ら道を踏み外し、転び、もがき苦しみ、少しずつ壊れていくさまを。
 それこそが、邪仙にとって何よりの糧となるのだから。

 事実、この頃の豊聡耳はすっかり臆病になっていた。一度死んでから蘇るという方法に不安を訴えたのである。私としては大いに心外であったが、女のように怯えるかつての天才は、それを補って余りあるほどの満足感をもたらしてくれた。私はもうこの男をただの玩具としか見ていなかったのかもしれない。
 さんざん精神的にいたぶった後、では実験台を立てましょうという流れになった。誰を使うかと考えていると、思わぬ人物が立候補した。屠自古である。
 私は内心当惑した。彼女を実験台にしたくなかったのだ。それほどまでに私は屠自古という女に入れ込んでいた。何度か説得したが、彼女は頑として自分の意見を曲げようとしなかった。
 私にはその気持ちが理解できなかった。それでなくとも死の影が差した夫には、かつての栄光に満ちた面影は微塵もなく、浅ましい色情魔としての面しか残っていなかったのだから。尽くす価値など、どこにもない男に成り果てていた。
 そうなのだ。こんな状態になっても、豊聡耳の性欲だけは留まるところを知らなかった。むしろ完全にタガが外れてしまっていた。私もしきりに求められた。野外や、あまつさえ屠自古が留守の隙に彼女の部屋で相手をさせられたこともあった。
 今思うに、国に優秀な血を残したいというあの話は、後付けの言い訳でしかなかったのではなかろうか。こいつは端から獣でしかなかった。そんな自分を受け入れられず、どうにか折り合いをつけたくて、ご立派な頭をひねってあんな絵空事をでっち上げた。そして信じ込んだのだ。豊聡耳神子は完全無比な聖人であると。脆弱な人間などではないと。


 私は渋々、屠自古に尸解仙の術を掛けた。ところがまた予想外の事態が起こったのである。術が失敗し、本当に屠自古が死んでしまったのだ。
 私は動揺した。盟友を失ったという悲しみではない。これが豊聡耳に露見するのを恐れたのだ。あの男の信用を失えば、一気に私の立場が危うくなるからである。食うか食われるかの伏魔殿で、なんであれ失策を犯すことは、即、死を意味していた。
 愕然としていた私に、更なる追い撃ちをかける者が現れた。布都である。今回の失敗は全てこの女が仕組んだことであった。
 尸解仙の術は、一度死ぬ際、肉体の代わりに魂を何か別の物体へ宿しておく。陶磁器や宝物などを使うのが常套だ。屠自古の場合は壺を使ったのだが、布都はその壺を焼けていない物とこっそりすり替えたというのだ。
 しかもそれは屠自古本人の希望だという。そんな馬鹿なと思ったが、布都が喚び出した屠自古の霊体は、確かにその通りだと告白した。自分は死霊となって太子様をいつまでも見守りたかった。だから密かに布都へ協力を持ちかけたのだ、と。
 あっけにとられていた私を、布都はここぞとばかりに脅してきた。まだ死にたくない、もっと栄華を極めたい、だから屠自古の代わりに我を尸解仙にしろ、断れば貴様が失敗したと太子様に告げ口するぞと。

 この頃の布都は、私が教えた薬のせいか、すっかり頭をおかしくしていた。確かにこのままいけば遠からず廃人となり、悲惨な最期を迎えたに違いなかったろう。あまたの奇行を繰り返していたが、中でも特にひどかったのが、寺という寺を焼き払って回っていたことだ。
 一部の連中は、彼女が一族の無念を晴らすため、廃仏に執心しているのだろうと言いふらしていたらしいが、あれにそんな崇高な思想はなかった。むしろ逆であった。あいつは本気で仏に怯えていた。
 仏像を見るたび、かつて自分が踏み台にした男たちの名を、裏切り蹴落とした一族や家族の名を喚き散らした。なぜ貴様らが生きているのだ、なぜ我に取り憑くのだ、早く黄泉に帰れ、死ね死ね死ねと、毎日のように泣き叫んでいた。
 もしかしたら仏罰か、さもなくば祟り返しにあったのかもしれない。当時はどこから漏れたか、私の考案した厭魅蠱毒が都中で猖獗を極めていた時代であった。誰もが人を呪い、人から呪われていた。その怨念の渦に飲み込まれたのだ。所詮はその程度の女であった。

 だが、当時の私もまた冷静さを欠いていた。都での充実した暮らしにすっかり麻痺してしまっていたのだろう、この蜜月を失いたくないと、要らぬ欲を出してしまっていた。
 いや、もしかしたら、私はこの布都という女を心のどこかで恐れていたのかもしれない。いかれてはいるが、決して無能ではないのだ。
 おそらく要求を飲まなければ、こいつは相討ち覚悟で私を地獄に引きずりこんだろう。豊聡耳だけではなく、都中、いや国中に私が無能と言いふらし、二度とここで生きていけなくなるくらい、徹底的に辱めようとしただろう。それだけは耐えられなかった。

 仕方なく、私は布都の提案を飲んだ。豊聡耳には、事情を知らぬ布都が術の最中に壺を割ってしまったせいで失敗したと言いつくろった。布都もその作り話に口裏を合わせて、代わりに自分が実験台になると進言した。
 当の豊聡耳は、布都の犠牲心に満ちた発言どころか、正妻の死にさえも特段取り乱した様子を見せなかった。この男はもう、不老不死と女の体以外に何ら関心を示さなくなっていた。幽霊として喚び出された屠自古を見ても、涙一つ流さなかったのだから。

 私は取り急ぎ、布都に尸解仙の術をかけた。これ以上失敗するわけにはいかなかった。無事封印された布都を見て、豊聡耳が何を思ったのか、私はよく覚えていない。この頃はあまりに鬱鬱としていて、断片的な記憶しか残っていないのだ。
 一つだけはっきりと覚えているのは、豊聡耳がこの段になってもまだ愚図っていたことだ。後は自分が死ぬだけというのに、あれこれ難癖をつけて、待ってくれ待ってくれとごね続けたのだ。
 挙句国造りまで言い訳の材料に使うようになったので、一時はこの男を見限りかけたことさえあった。

 それでいて、こいつは私を抱くのだけは止めなかった。最晩年の豊聡耳は、何人もいた愛人や側室たちを全て放り出し、私の宮殿にばかり籠もるようになった。そして赤子のように私にしがみつきながら、鉱毒に蝕まれた体で私をがむしゃらに犯し続けた。
 それは男の強さを取り戻すためというより、生の実感を得ようとする情事だった。すっかり老いさらばえた豊聡耳は、ほんのわずかでも生きながらえようと、若い姿のままの私から生気を奪い取ろうと思ったのかもしれない。そう思ってしまうほど、豊聡耳の生に対する執念は気狂いめいていたのだ。

 そんな中、私にとって唯一の癒しとなったのは屠自古だった。彼女は怨霊となり、霊体のまま現世を彷徨う道を選んだ。そうまでして夫の最期を見届けようとしたのだ。
 私たちは時間さえあれば語り合った。会話は尽きなかった。彼女がいたから、私は豊聡耳に魂を喰らい尽くされることなく、霍青娥としての強さを堅持できたのだと思う。互いに堕ちるところまで堕ちた身だからこそ、本当の意味で通じ合えるものがあったのだ。
 それでも、私は屠自古が分からなかった。彼女の一部は私にとって謎のままであった。
 その疑問が氷解したのは、ある夜、豊聡耳との房事を終えた時のことであった。身勝手に腰を振り身勝手に果てた豊聡耳は、私に抱きついたまま身勝手に眠ってしまった。
 こちらとすればたまったものではない。最初は我慢していたが、いよいよ重くなってきたので引き剥がそうとした。その時であった。

「屠自古……」

 それは寝言であった。私の胸に顔を埋めたまま、かつて国の未来を変えるとまで言われた男が今わの際に呟いた言葉であった。

「死にたくない……死にたくないよぉ、屠自古ぉ……」

 その時、乳房に伝った涙の感触は、私の胸に拭いがたい、忌まわしい記憶を刻んだ。そして思い出さずにいられなかった。かつてこの男の妻が見せた、力強い眼差しを。
 豊聡耳が逝ったのは、それから半月も経たぬ頃であった。最期は口すら利けぬ状態となり、私が独断で術を施した。私が自分の判断で事を決めたのは、後にも先にもこの時だけだった。
 施術の間際になってもなお、奴の目は死を拒んでいたように見えた。

 豊聡耳の葬儀は、国葬として盛大に行われたという。私が彼の子を孕んだことに気づいたのは、葬儀の一週間後のことであった。



    *



 あれから随分と経った。頃合いを見計らって豊聡耳たちを復活させるつもりだったが、仏教徒に勘づかれたらしく、結局霊廟ごと封印されてしまった。これでは復活はいつになるか。
 地下に封じられた大祀廟を数年おきに訪れては、様子を見に来る。そんな暮らしをもう千年続けてきた。私もずいぶんと無為な日々を過ごしてしまったように思う。そういえば豊聡耳が言っていた月の姫とやらも、結局確認には行かなかった。まあ今となってはどうでもいいことか。
 結局あの輝かしい日々に一番囚われたままなのは、他ならぬ私なのだろう。虚しさは感じない。待ち人は、他に二人いるから。
 無音の霊廟に、ぷすり、ぷすりと針を刺す音が聞こえる。苦笑を漏らして、音の方へ。

「久しぶりね」

 我が最愛の友、蘇我屠自古は答えない。笑顔で私の来訪を迎えるだけ。今は手に持った黒い塊を弄ぶのに忙しいらしい。針を刺してはぐりぐりと抉り、また別の針を刺すを繰り返している。私も無言のまま、隣に腰かける。

「太子様はね、とてもお優しかった」

 いつものように独り言が始まった。静かに耳を傾ける。

「朝お別れする前にね、いつも頭を撫でてくれたわ。にこにこーって笑って」

 針は一本二本と増え、薄汚い塊を剣山のように覆い尽くしていく。

「会いたいなぁ、太子様、早く復活なさらないかなぁ」

 そして塊に頬ずりした。ぴりぴりと、私の肌に刺すような痛みが伝う。それは怨霊が放つ雷、彼女の怒りと怨みそのものだ。

 豊聡耳に術を施すに際して、妻である屠自古から一つ頼まれたことがあった。夫を女として復活させてほしいと言われたのだ。男性器を切り取り、代わりに自分の女性器を彼に取り付けてほしいと。
 断る理由などあるはずもない。施術は、屠自古本人にやらせた。あの講座で鍛えた腕を、彼女は遺憾なく披露した。子を宿せぬ自分の子宮を夫の腹に埋め込む時、彼女がとても晴れやかな顔をしていたのをよく覚えている。

 以来、彼女は夫が眠る大祀廟から片時も離れず、怨霊として辺りを彷徨い続けている。切り取った夫の男性器を愛でながら、一人、いつまでも。
 かつて数えきれないほどの女に種を注いだその一物は、今やすっかりミイラ化しており、どちらが竿でどちらが袋がわからない有様であった。そんな夫の形見を彼女は毎日のように舐めまわし、口に含み、じっくり味わい、針で虐めぬいた。怨みを積み重ね、その情念によってかれこれ千年、怨霊として過ごした。愛しい夫とまた会うために。
 いや、それは間違っているかもしれない。私は知っている。この霊廟の存在を仏教徒にばらしたのは、他でもない、屠自古であった。私にはよく分かる。彼女が心のどこかで、夫に復活してほしくないと願っている気持ちが。
 封印されたままなら、ずっと、いつまでも彼を独り占めできるから。

「せーが、何してるんだ?」

 ふいに可愛い顔が視界に飛び込んできた。青白い肌に、焦点のあっていない眼。私の自信作である。と、今まで豊聡耳に夢中だった屠自古の顔が跳ね上がった。

「まぁまぁ芳香ちゃんじゃない。ようこそ、いらっしゃい」
「お? お、お……お前は誰だ? ここは、どこだ?」
「前も教えたでしょう芳香。ここは貴女のお父さんのおうちなのよ」

 そんな私の声も、キョンシーの耳には届いていないようだった。聴神経からして腐っているのだろう。
 屠自古はとびきりの笑顔で我が愛娘の手を握ると、そのまま抱き寄せた。関節が固くて上手く抱きしめられないが、どちらも気にしていないようだ。

「ほんと、芳香ちゃんは太子様に似てるわ。目元のところとかそっくり」
「そうか? 私は、腹減ったぞ」

 会話が噛みあうことはない。それで構わない。我が子、豊聡耳の忘れ形見宮古芳香は、屠自古への親愛の証として産み落とした子なのだから。かつて押し付けられた養子に対し影でしていたことを、今の彼女には遠慮なく、好きなだけさせてやりたかったのだ。

「ほんと、お前は太子様によく似て怨めしいわ」

 雷鳴が轟く。声にならぬ断末魔と、死体が焼ける臭い。痛覚もないくせに藻掻き、無様に踊る芳香を観ながら、私たちはあの時のように笑いあった。



 
「みことじセックス」という言葉があると知って書きました。
心綺楼の神子のモーションが小悪党っぽくてイメージ通りだったです。

8/1 皆様評価及びコメントありがとうございました。

>1さん
原作通りに書くと、だいたい産廃向けになるんですよね。

>孕ませ大好きさん
こいつらの過去話だけは、どうにも美化しようがない気がします

>智弘さん
聖徳太子がなぜ女に?という疑問をあれこれ考えていた時に浮かんだネタの一つでした。

>4さん
布都ちゃんの子、精通前から娘々の性的虐待受けて育ってたらいいな。
後の山背大兄王だともっといい。

>5さん
バックストーリーに沿うと、青娥と屠自古は1400年の付き合いになっちゃうので、仲良ければいいなと思って書きました。

>NutsIn先任曹長さん
ほんの僅かだけ瑕のある珠が好きです。輝夜とか。
今度は女の悦びに目覚めるといいですね、神子。

>まいんさん
そんな、青娥悪いこと何にもしてないに。

>13さん
恐縮です。そこまで言われると反応に困ります。

>14さん
心綺楼で高笑いしてたから、たぶん今でも元気です。表面上は。

>汁馬さん
そんな、求聞口授の挿絵だと神奈子よりおっぱいあったじゃないですか!

>18さん
妖怪っぽい感じが、なかなか書けません。何の種族書いても人間っぽくなってしまう

>20さん
神子って、何故かあの4人の中で一番頼りにならなそうなんですよね。マントの色変わるだけでダメダメになるし。

>pnpさん
どうやらゆっくり壊していくのが好きらしいです。

>22さん
ありがとうございます。でもそれだと雲山さんかわいそう……

>23さん
どうもありがとうございます。次回もより良い外道を書いていきたいです。

>24さん
イエイ!

>木質さん
壊れた愛は常に書きたいと思っているテーマなので、そう言って頂けてうれしいです。
神子たちは確かにすごいんだろうけれど、どうにも見ていて詰めの甘い部分があるので、生前の政治活動もそんな感じだったように思います

>県警巡査長さん
だが、これよりヤバイ奴らがゴロゴロしているのが幻想郷だったり。

>27さん
どうもありがとうございます。
んh
http://twitter.com/sakamata53
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/06/29 15:39:53
更新日時:
2013/08/01 23:23:21
評価:
18/28
POINT:
2060
Rate:
14.89
分類
産廃創想話例大祭A
青娥
屠自古
神子
布都
8/1コメント返信
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POINT
0. 270点 匿名評価 投稿数: 9
1. 100 名無し ■2013/06/30 08:06:10
すげえ……何がすげえって、これ原作の裏話としても成立しそうなところがすげえ。
原作設定からして黒さ全開でしたから、違和感あまりないですねぇw
やっぱ、マミゾウさんだけが癒しだな。
2. 100 孕ませ大好き ■2013/06/30 09:55:13
最高ですねぇ。この救いのない感じ
神霊組には背徳が似合いますねぇ
3. 100 智弘 ■2013/06/30 19:30:59
奥様は魔性。
神子が女になってよみがえった理由のところが好きです。
4. 100 名無し ■2013/06/30 22:06:07
布都ちゃんの子供が虐待されてたことを考えると滾った
5. 100 名無し ■2013/06/30 22:24:00
青娥と屠自古の盟友(共犯?)関係にぐっときた
4者4様の魅力があって本当に原作のバックストーリーであってほしいくらい
7. 100 NutsIn先任曹長 ■2013/07/01 00:43:43
権謀術数のデパート乱立状態の、邪な者共にとってのパラダイスのような時代。
歪んだ主従、恋人、愛人、友人、師弟の関係。

夫の自慢であり取り得の一つを、妻の役立たずな器官と入れ替えるって……。
完璧超人に瑕疵を付けて神格化などさせずに側にいさせようというのか……。

男が選民思想の皮を被った酒池肉林の果てに得たもの。
それは、幾らまぐわおうとも子を成す事のできない、不老不死の美女となった自分であった。
11. 90 まいん ■2013/07/03 22:32:12
若年期の神子の所で、うわ〜こいつ惨めにのたれ死なねえかなと思っていたら
晩年期の所で非常に清々しい気分になれた。ついでに青娥も魂を喰らい尽くされれば良かったのに。
13. 100 名無し ■2013/07/07 01:42:12
最高の作品でした!!
14. 100 名無し ■2013/07/07 15:31:37
それぞれがいい性格してますね
神子くんあわれ
15. 100 汁馬 ■2013/07/08 08:46:01
神子ちゃんの胸が薄いのはこんな理由があったのか…!
屠自古も青娥にゃんも怖いなー。
18. フリーレス 名無し ■2013/07/11 22:38:48
人間味に溢れてますね。
通りで妖怪と仲が悪いわけだ。
20. 100 名無し ■2013/07/14 03:25:02
面白かったです。娘々も屠自古も布都ちゃんも素敵すぎ。太子様は……
21. 100 pnp ■2013/07/14 18:06:59
おおほほ、おぞましい、おぞましい。
ぶっ壊れて行く3人が見物だった。
22. 100 名無し ■2013/07/14 22:38:15
東方の男キャラは何故か異物感があるのですけど(やっぱり俺の嫁に何してやがるクソがって気持ちがあるんでしょうね・・・)この作品では余り感じませんでした。
23. 100 名無し ■2013/07/17 02:03:17
やっぱり貴方の書く外道は狡猾で傲慢で惨めで人間味に溢れてて素敵だ
24. 100 名無し ■2013/07/17 02:07:14
んh!
25. 100 木質 ■2013/07/21 20:01:14
文章に魅入っておりました。素晴らしい話でした。

四人が四人とも羅刹過ぎる。
それぞれが各分野での天才だったのに勿体無い。
こいつらが狂わずに真面目に国政やってたらどれほどの国益になっていたか。
それとも天才故にこういう結末しかどうあがいても迎えられなかったのか…

個人的に一番狂ってると感じたのは屠自古です。
愛が怖い。
26. 100 県警巡査長 ■2013/07/30 22:37:59
神霊廟の皆さん、やばすぎるよ…。
27. 100 名無し ■2013/07/31 16:33:34
ただただすごいの一言
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