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『産廃創想話例大祭A 出遅れ咲夜』 作者: 御木本 古兵太夫

産廃創想話例大祭A 出遅れ咲夜

作品集: 8 投稿日時: 2013/07/28 12:56:35 更新日時: 2013/07/28 21:58:06 評価: 7/7 POINT: 540 Rate: 14.13
 産廃創想話例大祭A感想期間最後の日曜日、大遅刻の作品も評価されるのかそれとも、一蹴されてしまうのか分からないから咲夜は毒を飲むことになった。


 紅魔館でこのために今回特別に作った一室でそれは行われていた。


「咲夜が毒飲んで苦しめば、少しは評価されるかもしれない。フランもそう思うだろ?」
「はい、お姉様。咲夜が毒を飲めばいいと思う」
「そういうことだから、飲め」
「そんな、レミリア様、あんまりですわ」


 逃げるといけないから、咲夜は椅子に縛り付けてある。逃げることは許されない。毒を飲むしかない。


「大丈夫さ、この毒はパチェと小悪魔が3日間台所でコトコトグツグツじっくり美鈴に煮られて出来たのがこの薬だからな」
「お姉様が大事にしているパチュリーとコアを潰して作った毒なんだから苦しまなかったら許さないんだから」
「美鈴! さっさと、飲ませなさい」
「はは!」
「こっち来ないで!」


 美鈴は、毒の入った壷を咲夜の口に持って行ったがとうぜん飲もうとしなかった。口を力いっぱいしめて無駄な抵抗だ。


「おい、美鈴。無理にでも口をこじ開けてさっさと毒を飲ませるんだ」
「そうよ、さっさと飲ませなさい」


 そう、二人に美鈴は促されたが、どうにも困った顔をした。

「どうした。美鈴、主人の命令が聞けないのか?」
「……お待ちを、レミリアお嬢様。私が人間の口を無理やりに開けさせようとすると、下顎が取れてしまいます」
「んんん!」


 妖怪の力で人間である、咲夜の口を無理やりこじ開けようものならば、その力によって口ごと引き裂いてしまうだろう。

 咲夜は、そんなことを聞いても口を開けてしまと毒を飲まさせられてしまうので閉じたままただ苦悶に呻くだけだった。


「だったら、美鈴がそれを飲むんだ」
「そんな、あんまりです」
「待って、お姉様」
「何だ?」
「美鈴は殺しちゃ駄目」
「フランお嬢様!」
「フランなんて腑抜けなことを言うのだ。使えぬ美鈴を精々利用しようと思う私の優しさ分からぬか?」

 そうだった。これはやさしさだった。使えぬ門番でも輝くことが出来るようにという主人の優しさだ。
 
 それが分からない、フランは愚かで心の浅い吸血鬼なのかもしれない。

「違う。それは違うお姉様、これは政治的な問題なの。何故か産廃は昔から、咲夜は無残に惨殺されてもそれは賞賛の対象だった。しかし、美鈴は殺すとそれは減点対象になる」
「たしかに、フランの言うことが正しいのかも知れないな。美鈴は命拾いしたな、これからも身命を賭して我がスカーレット家に忠義をつくせ」
「ありがたき幸せです」

 まさに、茶番だった。縛りつけられて座らせられる咲夜の目の前で、いったい何回繰り替えし行われてきた茶番なんだろう。

 産廃創想話例大祭Aで好評価を貰うためにというのもあるが、紅魔館で行われている世代交代の儀式みたいなものだった。

 レミリアにとってパチュリーは友達だったが、100年も友達していれば飽きる。小悪魔はその野心を嫌われた。

 そして、咲夜は齢を重ねたから粛清されることになった。次に咲夜も晴れて決まっているから今の咲夜はもう邪魔でしかなかった。

 そんな中、美鈴だけは先代、先々代から仕える門番だった。契約によって門が紅魔館に有る限り彼女は永遠に紅魔館に仕えることになっていた。

「下顎が取れようと構わぬ。さあ、咲夜に飲ませるのだ」
「はは! 仰せのままに!」
「来ないで! 下さい! ウグッ!」

 堪らず咲夜は喋ってししまった。とたんにパチュリーと小悪魔から抽出された毒がその口に注ぎこまれてしまった。

「あ゛あ゛あ゛!」

 喉から、胃にかけてかけて冷えているはずなのにマグマのような暑さが広がった。

 激痛と共に内臓が溶けて行くのが分かった。咲夜は、身体とその座って居た椅子ごと溶かしてなくなった。そして、舞い上がった女特有のにおいがその部屋の中に広がった。

「……新しい友達に、魔理沙を選ぼうと思うのだが」
「いいね。お姉様、魔理沙なら新しい玩具に十分」

 溶けたそこを見ながらレミリアはそう言った。居なくなってしまったかつての仲間達のことを思って居るのか居ないのかそれは本人しかわからない。

「新しい咲夜に、魔理沙を捕まえてくるように命じようか?」
「待ってください。私が捕まえに行きます」
「ふん、精々役に立つことだ」



 美鈴だって契約はあるが、この我侭姉妹にどんなめにあわされるか分かったものではなかった。だから、役に立たねばならなかった。
出遅れ
御木本 古兵太夫
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/07/28 12:56:35
更新日時:
2013/07/28 21:58:06
評価:
7/7
POINT:
540
Rate:
14.13
分類
レミリア
フランドール
美鈴
咲夜
産廃創想話例大祭A
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POINT
1. 70 NutsIn先任曹長 ■2013/07/28 22:09:08
駆け込み投稿はお止め……しなくても宜しいですよ♪
パチュリーと小悪魔を点数稼ぎに毒に変えたのか!?
評価されたいが為に咲夜さんを『消す』か!?

『犬』も『友人』も、代えは幾らでもいるからね。
今度の『友人』候補は、潰して『遊ぶ事』前提の魔法使いか。

忠実な門番は忠実なフリをして、土壇場で主人に反旗を翻したりしたら高評価だよ☆
2. 60 まいん ■2013/07/28 22:09:55
門番だって命は惜しいと見た。
3. 100 名無し ■2013/07/29 00:26:51
大逆転は無理だろうな。
しかし、このおぜうさまのカリスマはどうにかしたい。
4. 70 名無し ■2013/07/29 07:35:53
産廃のキャラ殺生得点表の詳細たのむ
5. 100 んh ■2013/07/30 00:02:06
あのやり取りからちゃんと投稿したことを高く評価したい
6. 70 名無し ■2013/07/30 05:30:49
やはりここの需要に合った作品でなければ評価されないのか・・・
(さとりんのレズ浣腸プレイしかないな)
7. 70 県警巡査長 ■2013/07/31 00:22:40
おっかねえ姉妹なこと…。せいぜい死なないように善処しろよ、美鈴。
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