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『一番可哀想なのは誰?』 作者: 毛玉

一番可哀想なのは誰?

作品集: 8 投稿日時: 2013/08/18 08:27:12 更新日時: 2013/08/18 17:27:12 評価: 9/10 POINT: 930 Rate: 17.36
『Alice's Diary』

2013/8/18

今日は魔理沙が遊びに来てくれた。
いつも一人でいることが多い私だけれど、とても嬉しい。
自由に大空を翔け、光を振りまいて笑う魔理沙のことを愛している。

けれど、彼女は私の元に留まってはくれない。
私には、他の人たちと楽しそうに笑う彼女の元に飛び込む勇気がない。
彼女は人気者だけれど、私は違う。
だから私は、紅茶とおやつを用意して、来るかもわからない魔理沙を待つ。

魔理沙にチョコレートケーキをご馳走してあげたいけれど、
来なかったら、時間だとか手間だとかがもったいないし、食べきれない可能性もある。
だから、比較的保存のきくクッキーを焼くことにしている。

約束を取り付ければ来てくれるのかもしれないけど、
忘れられてしまったらと思うと、怖くてできない。
魔理沙にとって、私はどれくらい価値があるのかしら。
怖いから、わからないままでいい。

魔理沙は、パチュリーや霊夢と特に仲が良い。
2人とも、私なんかよりずっと優れた人たちだ。
どうしようもなく不安になる。
私の底を知られたら、魔理沙が離れていくような気もする。

いっそのこと私の元に繋ぎ止めてしまいたいとも思う。
だけど、大好きな魔理沙にそんなことはしたくない。
風のような彼女には、青い空が良く似合う。

飛び出していく勇気なんてないから、私は紅茶と一緒に、ただ待つ。
明日も魔理沙が来てくれますように。





『Patchouli's Diary』

18 August 2013

今日も魔理沙が遊びに来てくれた。
研究と読書に余念がない私としては、騒がしいことは嫌いだけれど、彼女だけは別。
あちこち翔けまわって弾をまき散らして笑って、何がそんなに面白いのかしら?
まあ、彼女と一緒なら私もそれを楽しめてしまうのだけれどね。

魔理沙と一緒に居るようになってから、なんだか体調がいい。
けれど、私を心配してくれる魔理沙を見ていると、ついつい仮病なんてものを使いたくなってしまう。
もう少し病弱でいてもいいかもしれないなんて、我ながら愚かしい思考だわ。

時間の無駄遣いでしかないと思っていた食事も、魔理沙が居れば楽しい時間になる。
明日も来ると約束してくれた彼女のために、チョコレートパイでも焼いてみようかしら。
まあ、たまに約束を忘れてしまうみたいだけど、そんなところも可愛らしい。

天真爛漫で人気者な魔理沙は、特に霊夢やアリスと仲が良いみたい。
霊夢はまだしも、未熟者の人形遣いはなんとなく気に入らないわね。
この大図書館に幽閉してしまいたいなんて考えたりもする。
愛と狂気は紙一重なのね。

でも、深い意味がある感じではないけれど、魔理沙は私に「好き」だと言ってくれる。
霊夢にもアリスにも負ける気はない。
魔法に関することで言えば、魔理沙をいちばん理解してあげられるのは私だから。
魔理沙だってきっとそう思っているに違いない。

明日のことを考えると楽しみだわ。





『Marisa's Diary』

8.18

今日はアリスとパチュリーの所に出かけた。
恋愛関係ってのは面倒だから、そうならないギリギリのところで甘い言葉を吐く。
そうすれば魔法の知識も書物もいくらだって手に入る。
何より、私よりも強いヤツらをこうして騙しているのはなんとなく気持ちがいい。
我ながら歪んでるな。

罪悪感がないわけじゃない。
アリスもパチュリーも良い奴だが、その好意を素直に受け止めるってことができない。
惚れた相手を信じて、愛し合って、それで捨てられたら悲惨じゃないか。
だから受け流して利用する。
どうせ、私ごときの甘言に惑わされるようなヤツなんて、何かあればすぐ手の平返すさ。
結局、何も変わらないのが一番安心なんだ。

その点、霊夢は良い。あいつはなにも変わらない。私の甘言に惑わされない。
さすがは博麗の巫女だぜ。ああじゃなきゃやってられないだろうけど。
霊夢にはずっと変わらずにいてほしい。

明日は一日、霊夢のところに居座ってやろう。
迷惑だと言いつつ相手してくれるあいつは、やっぱり優しいんだろうな。





『霊夢の日記』

八月十八日 晴

今日も魔理沙が遊びに来てくれた。
本当は笑顔で歓迎したいところだけど、あの子はそれを望まない。
「また来たの?」と無愛想に言ってお茶を出した。

見ていればなんとなくわかる。あの子は変化を望まない。
“自分が愛される”ということですら、恐れて逃げる。

私は魔理沙が好きだ。
きっとパチュリーやアリスもそうなんだろう。

馬鹿め、魔理沙は和食派だ。
私は魔理沙のことを知っている。少なくとも彼女たちよりは。
魔理沙の望むものを察して与え、だから私は好いてもらえる。
それでも、パチュリーやアリスが羨ましくなることは多い。
彼女たちは魔理沙を愛することが出来る。好意を表に出して笑うことが出来る。

私にそれは許されていない。
察してしまった以上、私は魔理沙の望むようにするしかない。
好きだと言って微笑みたい。
あの子といる時間は楽しくて、辛い。

明日は一日居座りそうな予感。
博麗の勘は外れない。
ボロを出さないように気合いを入れておこう。

ちょっと高いお茶を買っておこう。
そのくらいは許されるだろうから。
フラン「迷い悶え苦しむ乙女。騙されて踊る哀れな道化。歪んだ心を持つ弱虫。諦観を知ってしまった賢者。いちばん可哀想なのはだぁれ?」

レミリア「あなたのハグで首から下が吹き飛んだ私」

フラン「ごめんなさいお姉様、好きすぎて」

レミリア「よし無罪」
毛玉
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/08/18 08:27:12
更新日時:
2013/08/18 17:27:12
評価:
9/10
POINT:
930
Rate:
17.36
分類
アリス
パチュリー
魔理沙
霊夢
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POINT
0. 30点 匿名評価
1. 100 ギョウヘルインニ ■2013/08/18 18:04:19
お百姓さんが一番可哀想です。魔理沙に食べさせるお菓子を作るために、原材料の小麦粉を作ったわけではないのですよ。
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2013/08/18 19:27:38
このタイトロープのバランスが崩れた時……。
一番最初に魔理沙に包丁を突き立てた者が……。
一番槍の幸せ者だろうな……♪
3. 100 名無し ■2013/08/18 19:38:21
これだけの人に好意を向けられている魔理沙は幸せ者。
4. 100 名無し ■2013/08/18 21:54:27
日付の表記がそれぞれ違うのも、芸が細かくていい
5. 100 名無し ■2013/08/19 08:54:51
1番幸せなのは多分レミリアちゃん
マリポーサちゃんはウンコ
6. 100 名無し ■2013/08/22 20:13:41
陰湿パチュリーちゃんというジャンル
7. 100 名無し ■2013/09/01 18:47:34
レミィ
9. 100 名無し ■2013/11/02 20:25:09
一番可哀そうな……目に遭うのは魔理沙。
霊夢ちゃん、こんな子に惚れるなんてかわいそう。
10. 100 レベル0 ■2014/07/15 23:05:06
俺は馬鹿なのでわかりません
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