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『理由』 作者: ヘルニア

理由

作品集: 8 投稿日時: 2013/08/25 14:05:25 更新日時: 2013/08/25 23:05:25 評価: 4/4 POINT: 380 Rate: 16.20
 魔理沙は特に理由も無く、捕まっていた。

 硬いベットに魔理沙は手足を縛り付けられている。

「何で、何で私は捕まっているんだ?」

「魔理沙を捕まえるのに理由なんてひつようなの?」

「霊夢が犯人なのか?」

「ん? 犯人は貴女でしょ?」

 何の犯人?

 そんなことは知ったことではない。

「私は何もしてないぜ」

「そんなにアンタはこれからされることに理由が欲しいの?」

「これからされることってなんだよ。霊夢、私に何かしようって言うなら許さないぜ」

 歯を剥き出しにして、魔理沙は吼えた。しかし、霊夢は特にそれについて何か感じた様子はない。

 縛りつけられて何の脅威も無い魔理沙に恐怖等感じる理由が無い。

「ごめんね。語弊があったわ。もうされているんだった」

「されて居るってなんだよ?」

「身体の中にね。怖いのが入っているわ」

「怖いのって、何だよ。やめろよ。そういうの」

 怖いのは、何だか分からない。でも理由も無くこわいもの。

「やめる?」

「そうだ。やめろ!」

「やめてもいいけど」

「それが心臓の近くに居るから。やめると6割くらいの確立で魔理沙も死ぬわよ」

 魔理沙は頭を上げて自分の胸を見た。

 特に変った様子はない。

「ふざけるなよ。何にもなっていないじゃないか」

「だから、身体の中って言ってるでしょ」

「なあ、これは、悪戯なんだろ? ちょっと、悪趣味だぜ」

「あのねぇ。悪戯で貴女にこんなことする暇は無いわ」

 霊夢だって、そんなに暇じゃない。こういう、理由の無い事だって魔理沙に悪戯する暇はない。

「なあなあ、だったらなんだって言うんだ? 少し自分がやっていることを考えようぜ。私も一緒に考えてやるからさ」

「厚かましいわ。何その上から目線」

「別に上から目線ってわけじゃないぜ」

 何だか、魔理沙の発言に理由も無く霊夢は酷くご立腹だ。

 別に特に魔理沙は上から目線で言ったつもりはないし、今の体勢から考えれば下から目線がただしい。

「じゃあ、私の思い過ごしなのね」

「そうだぜ、もう少し落ち着こうぜ」

「……別に落ち着くとかはそんなに重要なことじゃないわ。ようは貴女は何かされている。それをやめて欲しいだけでしょ? 何でそんなにやめて欲しいの?」

「分かっているなら。こういうことはやめてくれ」

「やめる理由が無いわ」

 始める理由が無いのに始まってしまったこと、今度はやめる理由が無いから止まることは無い。

 魔理沙の身体では何か怖いものが心臓に進んでいた。

 あるいわ。それが心臓に到達すればやめる理由になるかもしれない。
上海人形が中に居ます。
ヘルニア
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/08/25 14:05:25
更新日時:
2013/08/25 23:05:25
評価:
4/4
POINT:
380
Rate:
16.20
分類
魔理沙
霊夢
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POINT
1. 80 NutsIn先任曹長 ■2013/08/26 01:23:54
なにそれ怖い。
始まろうが止めようが、どのみち魔理沙がくたばるのは確定か。
2. 100 名無し ■2013/08/26 08:01:39
魔理沙いじめるのに理由はいらない
3. 100 名無し ■2013/09/01 18:02:46
もう止まれない
4. 100 ふすま ■2014/06/12 18:59:40
なんだこのSSは…。
言い知れぬ不安を感じる
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