百文 『作品集8』

　ある日のこと。これは、とある少女たちの激しい論争の様子である。この問題は単純なだけに恐ろしく根が深い。
　片方は、魔法の森の魔法使い、霧雨魔理沙。薄闇の中に浮かぶ金髪はしっかりと手入れがされているのか、艶めいていて指通りが良さそうだ。
　霊夢先輩。手には紙袋を持っている。中には、手榴弾と機関拳銃の半透明の樹脂で出来た予備弾倉がぎっしり詰まっていた。
「もういい、話が脱線するから、早速本題に入らせてもらうよ。明日までに、５０００万円用意していてくださいよ。４．以上のことが守れなかった場合には、厳罰に処する。もう二度は言わないからな。忘れたとは言わせねえぞ。それまでに返せなかったら、コンクリに詰めて湖に沈めるからな」
　翌々日。
　魔理沙が先に開口した。「３０万円なら、すぐに準備できるよ」そう言ってキノコを差し出す魔理沙。家族のものだ。「財宝とは黄金に非ず。まだ、布教用と鑑賞用があるから」
「そういうの、いいからお金。本当にそれだけか？　それだけか？？」
「当たり前でしょ。あるわけがないだろう」
「何その上から目線。そういえば魔理沙、あんた昨日こなかったわね？」
「それなんだけどさ、ちょーっと私の話を聞いてほしいのよ。私は働くぜ。翌日には私の処女は失われている頃でしょう。表向きは身体が弱いから。あと私は今日危険日なんだぜ。だから、さっさと明日に返してしまえばいいじゃない」
「臥薪嘗胆しよっか」微笑む巫女。「３．自ら"実行"する「狩猟者」のコミュニティ。最近調子に乗ってるからドラム缶。殺すよ殺すよ殺すよ殺すよ殺すよすよすよすよすよ。なんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんども」
「霊夢やめろ！　や、やめろやめろやめろやめろやめろ、頼む止めてくれ。霊夢さん！　待ってください。私便秘気味なんで。殺戒は良くないです。お願いしますお願いしますおねがい……」
　両手に抱えた、黒塗りの短機関銃。サブマシンガンのような塊です。錆びてはいないが、刃こぼれのした包丁。十キロぐらいある巨大なハンマーだ。それは一見白い蛇にも見えた。「好きな方を選びなさい」
　と、その時。「そうか、分かったぜ。せいっ！」ふええねええええええええええ。咄嗟のことだった。「殺してやる！　今日がお前の命日だ！」生きねば。死にたくはないからな。
「で、魔理沙は私に何を言いたいの？　なに？　それを私に見せてどうしたいの？　どうするの？　結局何をしたいの？　その威嚇、最近むかつくのよね？　殺されずに済むと思っているのかしら？」
　魔理沙は目を丸くして驚いた。魔理沙はそれを見て悲鳴をあげた。マスタースパークで傷一つつかないだと…。もうだめかもしれない。どうしようもなく不安になる。何か鐘のような音が鳴った。
「答えたくないなら良いわ」
　死にたくない。あそこの唐揚げ弁当好きだったのに……最後に食いたかった……。
　その次の日。魔理沙は生きている！　おわり。
　嘘。むしろ逆であった。その日、まりさは死んだ。霧雨魔理沙、享年１４歳。フランドールは魔理沙の頭からつま先をゆっくり見た。身体の所どころが腐っており、蠅と蛆が湧いている。魔理沙と分かったのはその衣服と辛うじて人の顔と判別できる部分で、それ以外は酷い腐敗臭や死臭を放出するほどにまでになった傷だらけの変異した肉組織だった。
　これがいわゆるビッグバンである。今より幻想郷が少し静かだった頃の話だ。かつて幻想郷にも、そんな時代があった………。それが幻想郷を今、揺るがしている。そういや昔誰かがこんなことを言ってたね。産廃も徐々に勢いが落ち掛けてるから……古参と若手でどうにかもっと盛り上げたいものね(主催者の独断と偏見に基づく価値観から出た意見です不快になられた方いましたら御容赦ください)。そうだろう戸隠？
　そんなことも知らずに、戸隠は今日もただひまわりの種を集めることに全身全霊をこめているのだった。戸隠がひまわり畑で働き始めて一月。戸隠は結局１人で仕事に行ったのだった。
　もののべべべべはあああもののべべべべべべ、ういんす。戸隠さん本当に申し訳ありませんでした。