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『これ、レアものなんだ。』 作者: ギョウヘルインニ

これ、レアものなんだ。

作品集: 10 投稿日時: 2014/06/21 14:26:04 更新日時: 2014/06/21 23:26:04 評価: 6/7 POINT: 630 Rate: 16.38
「ばああああ!」
「うぁあああ!」



 小傘はお腹一杯に成った。だが。


「どうしてくれるんですか?」
「え?」

 脅かした彼は手に持っている物を破損させてしまったのだった。


「だから、アンタが急に出てきて脅かしたせいで、さっき買ったばかりのコレ」
「それは? えっと」


 いかにも高そうな、どうでもいい物。


「これ、1万円もしたのに。しかも、100mはありそうな行列の隣で買ったのに」
「え? 行列? そんな」


 どうでもいい物でも、1万円の価値があるらしい。小傘は焦った。


「もちろん、弁償してくれるんだよね?」
「でも、お金が」


 小傘はお金をあんまり持っていない。


「う〜ん、注意して持っていなかった自分にも問題があるから5600円でいいよ」
「え? 5600円」


 小傘は5920円持ってたから払えない程ではない。

「そう。まさかアンタが脅かしてくると、注意してなかった自分も悪いからね。怒ってないよ。そう、お金さえ払ってくれれば怒ってないよ」
「……ごめんなさい。5600円払わせてもらいます。驚かせるつもりは無かったの」

 小傘はお金を渡した。

「うん、もういいよ」
「ごめんなさい」

 彼は一万円もするという物を半額で許してくれた。

 小傘は心優しい彼に感謝したのだった。







「まさか、ゴミが5600円になるとは思わなかった」

 彼がクズだったことを、小傘は知らないほうが良い。
分刻みでここが更新されるなんて久しぶりで、楽しくて作りました。お酒のせいです。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
10
投稿日時:
2014/06/21 14:26:04
更新日時:
2014/06/21 23:26:04
評価:
6/7
POINT:
630
Rate:
16.38
分類
小傘
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1. 100 名無し ■2014/06/21 23:50:31
さ、詐欺じゃないよね?
2. 100 名無し ■2014/06/22 00:11:52
突拍子もなく脅した割には実に絶妙な価格設定
3. 100 はつひので ■2014/06/22 00:48:28
騙した方も騙された方も、互いが互いにに幸せならそれでいいと誰かが言っていました。
4. 100 名無し ■2014/06/22 08:26:52
おう、返報性の法則を利用したドア・イン・ザ・フェイステクニックはやめろや
5. 100 名無し ■2014/06/22 11:23:52
あなたの作品が好きです
6. 100 レベル0 ■2014/07/29 17:42:57
こんな男に引っ掛かってお金を払わされちゃう小傘ちゃんかわいい
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