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『優しいパチュリー』 作者: うらんふ

優しいパチュリー

作品集: 10 投稿日時: 2014/07/25 10:55:56 更新日時: 2014/07/25 19:55:56 評価: 4/6 POINT: 430 Rate: 15.17
魔理沙は後ろ手に縛られ、紅魔館大図書館の床にぺたんと座り込んでいた。
ばつが悪そうに、見下ろしている魔女、パチュリーを見上げる。

「あぁ、なんていうか、すまなかった」
「……」

パチュリーは何も言わず、椅子に腰かけた。
豪奢なつくりのその椅子は、図書館の重苦しい雰囲気にぴったりだった。

「魔理沙さん」

声をかけてきたのは小悪魔だ。

「これでいったい、何回目ですか?」
「お前は今まで食べたパンの枚数を……」
「ふざけないでください」

軽くちゃかそうとした魔理沙に対し、小悪魔はきっとした表情を浮かべていった。

「あの本も、この本も、今回の本も、本当に本当に、パチュリー様が大事に大事になさっていた本なんですからね」
「だから、ちょっと借りていくだけだって」
「本当に返す気があるんですか?」
「ないとは言っていない」
「あるとも言っていませんよね?」

肩をあらげて怒る小悪魔。
それをのらりくらりとかわし続ける魔理沙。
しばらくの間、そんなやりとりが続いていたのだが。

「いいわ」

均衡を破ったのは、パチュリーの放った、その重い一言だった。
小悪魔がびくっとして、おそるおそる振り返る。大事なご主人様が、怒っている……と思ったのだ。

だが。

「怒っていないから」

意外な事に、パチュリーは笑顔だった。

「そ、そうなのか?」
「ええ、そうよ」

さすがに言いすぎたと思ったのか、少し反省のそぶりを見せていた魔理沙が、そっとパチュリーの顔を覗き込んだ。
やはり、パチュリーは、笑顔だった。

「本当よ。私、別に怒ってなんかいないから」

そう言いながら、パチュリーはきょろきょろと周囲を見渡した。
そして、雑然と本が散らばっている机の上に置いてあった一枚の新聞紙を手に取ると、あごに手を当ててしばらく考えた後、魔理沙の方を振り向いてもう一度笑った。

「私が信じられない?」
「いや、実は、ほんのちょっと、悪い事したかなぁ、って……」

いつもと違うパチュリーの様子に、少しとまどう魔理沙。
いつものように怒って魔理沙を追いかけてくるようなら、いっそのこと安心なのだが。

「そうねぇ、そんなに私が信じられないなら、そうだ」

そういうと、パチュリーは手にしていた新聞を魔理沙に手渡した」

「この文々。新聞を、20回折りたたんだら許してあげる」
「……本当にそれだけでいいのか?」
「ええ、それだけで、いいわ」

怒られなかった事に、ほっと胸をなでおろしている魔理沙。
そんな魔理沙を見て、パチュリーは、笑った。

「それで今日のことも、これまでの事も、全部許してあげる」

にこり。
パチュリーは微笑む。
優しい笑顔で、微笑む。

「そのかわり、出来るまで、ご飯抜きだからね♪」



おわり
お久しぶりです。
暑いですね。
脳みそとろけそうですね。
うらんふです。

これからもちょくちょく投稿していきますので、宜しくお願いいたします。

ついでに、ちょっと雑学です。

暑い暑いといえば、新聞紙の厚さの話なのですが。

新聞紙の厚さが0.1mmとすると

10回折ったら、10cmになります
20回折ったら、100mになります
30回折ったら、大気圏を突破します
37回折ったら、地球の直径を超えます
42回折ったら、月までの距離を超えます
50回折ったら、1億km超えます
67回折ったら、1光年を超えます
80回折ったら、1万光年超えます。ちょうどすぷーとにく・もみじの距離ですね
90回折ったら、アンドロメダ銀河までの距離を超えます
103回折ったら、宇宙を超えます

ちなみに、アメリカの番組で「実際に何回紙を折ることが出来るのか?」という実験をした所、サッカー場のサイズの紙を使って11回が限界だったとか。
世界記録は12〜13回だったらしいです。

回数が増えるたびに、加速度的に難しくなるんですね。


【問】 魔理沙がご飯を食べれたのはいつになるでしょうか?
うらんふ
作品情報
作品集:
10
投稿日時:
2014/07/25 10:55:56
更新日時:
2014/07/25 19:55:56
評価:
4/6
POINT:
430
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1. フリーレス うらんふ ■2014/07/25 19:59:26
【答】

「できたぜ」

といって、魔理沙はパチュリーに文々。新聞を手渡した。

「夕食は、そうだな、やはり熱々のキノコ料理がいいぜ」

……その新聞紙は、ミウラ折りで折られていた。

参考→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%A6%E3%83%A9%E6%8A%98%E3%82%8A
2. 100 ギョウヘルインニ ■2014/07/25 20:07:43
それをコメントしようとしたら答えがでてました。缶コーヒー
4. 100 名無し ■2014/07/26 15:01:50
20回折り畳むの定義が微妙なところなので他にも何とかなりそうですね
5. 100 レベル0 ■2014/07/27 00:01:30
おもしろかった。
なるほど、みんな頭がいいなぁ。
食べられないのかと思ってたwww
6. 100 名無し ■2014/07/30 15:18:51
しかし、約束が守られるとは限らない。
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