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『血みどろ咲雷ワンダーランド』 作者: まいん

血みどろ咲雷ワンダーランド

作品集: 最新 投稿日時: 2015/11/01 13:38:21 更新日時: 2015/11/01 22:38:21 評価: 3/6 POINT: 390 Rate: 11.86
注意、このお話は東方projectの二次創作です。
   オリ設定が含まれます。





妖器シルバーブレード。 十六夜咲夜の手に入れた銀製のダガーナイフ。
それ自体が妖力を纏い、先日から巻き起こっている魔力嵐の影響か、それとも彼女の周囲を取り巻く悪魔や魔の眷属の影響か……。
いずれにしても、彼女はその妖器に影響を受けてしまった。
主人の犬と称される彼女が、犬を道具と同義とした場合、道具の祝福を受けてしまったと言えるだろう。
先に言えば、妖器も悪魔の妖力も魔力嵐もすべてが彼女に影響を与えていたと言っても過言ではなかった。

魔力の雷雲の中を飛ぶ咲夜。
頬を染め、息を荒げ肩で息をし、タイツの膝に届く程の多大な染みを作り飛んでいる。
体から辺りに発せられる雌の匂いは、彼女の意思だけだとは言い切れないだろう。

「はぁ……はぁ……」

明らかな異変。 いつの間にか手に入れていたシルバーブレードの試し切りに出かけたまでは良かった。
だが、最初のわかさぎを斬った所から事態が変わった。
シルバーブレードで斬りつける度に彼女に快楽、快感が襲う。
甘く優しく、そして淡く。 羽毛の如きが触れているかも解らぬもどかしさ。

一時的に多大な快楽が襲い、失神してしまえる程であれば、どれほど楽であったか。
何の目的意識も無く、ただ焦らされるのは耐え難い苦痛に他ならない。
先に進もうとも、全身を痺れさせ気絶させる程の満足を彼女に与えてくれる妖怪は居なかった。

わかさぎの腹を捌き悲鳴を上げる中で活造りを作ろうとも。
ろくろ首の目を抉り生きたまま顔の皮を剥ごうとも。
満月の夜に本来の姿に戻った狼女のマズルを中程で半分程切りつけ、毛皮を乱暴に剥ごうとも。
付喪神の姉妹の演奏に必要な両腕の腱を切り、本体である楽器に何度もナイフを突き立てようとも。
形勢不利と見るや逃げ始めた天邪鬼を執拗に追撃し、希望を持った瞬間に自らナイフに刺さる様に仕向けようとも。
小人に普通にナイフを刺して切り裂こうとも。

すべて、咲夜に与えられたのは、焦らす様な微弱な性的興奮だけである。

ドン! ドドン!

黒雲が鳴る。 まるで大太鼓や陣太鼓が叩き鳴らされた様であった。
咲夜の持っているナイフは金属製。 それでも唸り光る雷を遠くに見ようとも恐れる事はなかった。

「ようやく来たわね……」

黒い雷雲から現れた洋太鼓に跨る赤髪の少女。
その姿を見るなり、問答無用、口上無視にて咲夜は襲いかかる。
いつもの正確さはなく、また余裕のある態度もない。
切り裂きジャックの如く目的の獲物に心は高鳴りを抑えきれなかった。
薬を求める中毒者か、酒に溺れた依存者か……ナイフの切っ先を震わしながら、辛うじて眉間を狙ったと解る軌道で突き抉ろうとする。

「きゃっ!」

少女も妖怪。 判断の外からの奇襲であっても僅かな動きで避ける事は可能。
こめかみを浅く切り、髪を少々散らしただけで済んだ。

「ちょっと、何するのよ」

言葉は無視され、咲夜は尚も襲い続けた。
震えていた刃先も、やがて真っ直ぐな突きに戻り、面範囲で制圧する密度に変わっていった。
距離は取られているが、このままでは咲夜の勝利は揺るぎないだろう。

「それならこれだ」

少女が周囲に浮いている薄い板を鳴らした。
ジャーンと辺り響く音に、唸っていた雷雲が感化された。
無音のまま、周囲から発せられた雷撃は、咲夜の持つ金属に一直線に向かって行った。

その時、音を置き去りにする光が咲夜を貫通し空を切った。
遅れて、周囲に轟く耳をつんざく雷音。
狼狽える間もなく、少女の視界は半笑いで恍惚を想像する咲夜の表情に覆われていた。
息遣いが分かる距離。 瞬間、咲夜の持つ得物が雷光を反射させた。

「……ふぅ、危ない危ない……」

咲夜の強襲は少女の服を些か切った程度、鎖骨の下を横に切り裂いた。
ネクタイを切り裂き、切り空いた場所からは、純白の肌と黒い下着が見えている。
ナイフを文字通り皮膚一枚で避けた為、肌には薄らと血の粒が浮いていた。

「あああああ……」

咲夜が自らの体を抱きしめた。
蜂蜜の様な甘い香りが……一層強く雌の匂いを辺りに漂わせる。
タイツの染みは踵まで伸び、スカートにも染みが滲んでいる。
身をくねらせて恍惚感や多幸感に身を任せる様は、他者から見たら異常とも思えるだろう。

「今のが貴女の能……」

そこまで言って、違和感を少女が襲った。
下腹部が突如として軽くなり、同時にスカートに入れていたシャツの裾が外側に引っ張られる感覚に襲われる。
下を見ればシャツが盛り上がり、触って見れば体液に塗れていた。

「嘘……」

少女が驚愕したのと、咲夜が動いたのは同時であった。
襟元を掴み、顔を引き寄せ、再び近づく顔と顔。

少女が、いくら力を込めても襟から手を引き剥がす事は出来ない。
人間とは思えない程の尋常では無い力に捕まった事で戦慄を覚える。
加えて、腹部から出ている臓物が嘔吐感を覚えさせ、みるみる内に顔が青ざめていく。
込み上げる吐き気に顔を俯けた瞬間。

「むぐぅ!」

咲夜が少女の顔、上顎を鷲掴みにした。
そのまま、飛びかかり押し倒す様に力を加えると、真っ逆さまに落下していった。
勿論、少女が下で咲夜が上である。

雷雲を抜けた二人。 高度はそれ程なかった様だ。
だが、地面に背中から叩き付けられた少女は堪ったものでは無い。

服に隠れているが、咲夜に裂かれた腹部の臓物が跳ね、折れた骨はいくつか皮膚を突き破っている。
脊椎を痛め、体は思う様に動く筈がない。
岩礁の様な荒々しい地面に、皮膚や肉は裂け影の様な血溜を形成している。
声は出ない、手も足も本来では可動出来ない方向に曲がっている。

そこに颯爽と降り立つ咲夜。 その手に握られているシルバーブレードは上空の雷光を先と同じく反射している。
映った顔は、快楽と悦楽を追及する破滅的な薬物中毒者である。
困惑した顔は本心では無く、これからどう楽しむか困惑しているだけ。
荒げている息は、先までの激闘の為では無く。 ただ、先に一度体験した強烈な快感を想像しての事。

一歩一歩と少女に近づいていく。 少女は涙を浮かべるも、その涙が身体を駆け巡る激痛の為か否かは本人にしか解らない。
最も、彼女の今の状況では抵抗はおろか、逃げる事さえ叶わない。

のそりと少女に跨る咲夜。 刃を横に薙ぎ、洋服に収まっていた臓物を視認した。
健康的な桃色が律動し、張りのある腸が所々に節を形作っている。

刃を振りかぶる咲夜。 その口は半開きで涎を口元から垂らしていた。
ぶれている目は、最早どこを見ているか判らない。
先の健康的な腸に無造作に刃を突き立てた。

「あああああ……」

ビクンと動かない筈の少女の体が跳ねた。
だが、少女の訴える声よりも、咲夜の絶頂する声の方が大きかった。
少女とシルバーブレード、咲夜の性質、すべての相性が良いのだろう。
道具に詳しい人ならばそう言うかもしれない。

「くぅん……もっと、もっと……欲しい……の!」

引き抜き、振り被った刃は、目標も無く、力任せに突き立てられた。
刺し、抉り、引き抜き、絶頂する。 腰をくねらせ、少女の臓物に股を擦りつける。
刺し抉り、引き抜き、快楽に身を任せ、返り血を青いエプロンドレスに受ける。
美しい銀髪も純白のエプロンスカートも赤に染まっていく。
それでも、彼女の手は止まらない。
皮膚病によって自らの体を掻き毟り、多幸感と共に血に塗れる姿より更に重い。
他者を殺傷する快感に没頭しすぎてしまっている。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

疲れと快感が身体を蝕み、漸く手が止まった。 沼に足でも踏み入れたかの様に体が重い。
彼女が息を切らしているのは、身体に駆け巡っていた電撃の如き快感が原因の一つでもある。
馬乗りになった状態から、立ち上がり物言わぬ姿と成り果てた少女を見下ろした。

首から上、血飛沫はあるものの綺麗なものだ。 まるで、少女を模った人形の様である。
首から下は酷いものだ。
腕や足は無残にも落下の衝撃で可動域以上に曲がっている。
鎖骨付近に横に付けられた薄い傷。 規則的とは言い難い乱雑に突き出た骨。
身体を歪ませている折れた骨格。 完璧とは言い難い何度も刻まれた刺し傷。
腹部、大きく切り開かれた部位からは、桃色とも朱色とも言える健康的な腸が腹圧から外に飛び出ている。
初めて楽しい事を見つけた子供の様に、小一時間にも続けられた動作によって、まるで挽肉の様な様相を呈している。
服なども、同じである。 もっとも現在の状況、顔以外が無残な状況であると言う姿を見て性的に興奮する者など居る筈もない。

咲夜の頭には後悔はなかった。 物言わぬ少女に顔を近づける。
突き出した唇から、彼女がしようとしている事は容易に想像がつくだろう。
それが、少女に向けた、お休みのキスなのか別れのキスなのかは彼女にしか判らない。

だが、彼女の思いが少女に伝わる事はない。

「……ん……」
「ひっ!」

少女の口から、目覚めを伝える言葉が一言だけ漏れ出たのだ。
快楽に溺れていた先までとは違い、やや冷静さを取り戻した彼女は酷く驚いた。
いくら妖怪が相手とはいえ、目の前で殺害した少女が息を吹き返したからだ。

そのまま、空の彼方へ飛び去っていく。 今の姿が他人に見せられる姿で無い事はお構いなしだ。
未だ身体の回復が始まっていない少女は、真っ暗な空に消えて行く咲夜を見て思った。

(道具になりたい人間か……ふふっ、面白いわ……また会いましょう。 珍しい人間さん)

〜〜〜〜〜

霧の湖は今日も多くの霧を発生させ辺りを霧に覆っている。
微弱な風は、更に広い地域に霧を運び、まるで幻想郷全体を霧に包んでしまっている様だ。
霧や砂塵が多い時、波長の長い赤の光だけが地上に降り注ぐと言う。
あの時の様に紅い月が空に浮かんでいた。
これは、完全に自然現象の影響であってレミリアが悪戯に異変を起こした訳では無い。

以前の異変は咲夜の知らない内に収束していた。
その一端を担っていた事など彼女が知る筈もない。 彼女はナイフの試し切りに行っていただけだったのだ。
霧の湖の近く、紅い館の紅魔館。 そのバルコニーで彼女は、夜に目覚めて来る主人の為にお茶会の準備をしている。
ただ、いつもと違ったのは、今日は主人の為の準備では無かった。

「明日は、貴女にお客様が来る様よ。 粗相の無い様に楽しみなさい……ふふふ」

先日、主人であるレミリアから告げられた事である。
何の事かは察する事は出来ないが、主人の言う事だ、と思い、いつもと変わらず準備をしている。
見上げた空には紅い月。
思い出すのは、あの時の凛々しい姿の主人では無く、また自身の紅い目でもない。
あの時の赤い髪の少女が頭に浮かんで離れなかった。
大人びた姿からは想像もつかない、歳相応の少女らしく頬を染めると、ブンブンと頭を振って振り払おうとした。

紅い月の一部に黒点の様な、小さな欠けが見つかる。 やがて、それは段々とこちらに近づいて来ていた。
飛来する物体が何か分からない。 咄嗟に身構える。
門からの迎撃が無い事に、舌打ちしテーブルに用意していたナイフを数本取る。
そして物体に向けて投げつけ……無かった。

「こんばんは♪」
「貴女……あの時の?」

咲夜の目の前に浮かんでいる赤髪の少女。 以前、咲夜の為に全身を無残な姿に変えられた者と瓜二つである。

「そう、あの時は痛かったわ。 先日、漸く治ったのよ」
「……それで、仕返しに来たと言う訳ね?」

咲夜の目が赤く染まっていく。 能力を使う時に色が変わる彼女の目。
性格も好戦的に変わり、相手が少しでもおかしな素振りを見せれば、ナイフを雨霰の如く投擲するつもりである。

「雷鼓! 私の名前は堀川雷鼓よ。 珍しい人間さん」
「はぁ?」

唐突な自己紹介に咲夜の戦意が削がれる。 戦いに来た訳では無いと十分に解る一言だ。
咲夜は、主人の言った事を思い出し、この洋太鼓に乗る少女が今日の客人だと理解した。

「まぁ良いわ。 門番隊が迎撃しなかったのは、そういう事にしておきましょう」
「解ってくれた? 少し貴女に興味があって。 連絡なんてしてないけどね」

洋太鼓から飛び降り、雷鼓はバルコニーに降り立つ。
咲夜よりも背が低く、人形の様に可愛らしく小さな姿である。
洋太鼓を隅に移動させ、咲夜に向いた。
以前、彼女の周りに漂っていた薄い円盤状の金属は、どこにも見当たらなかった。

「以前は、もっと色々浮いてなかったかしら?」
「心臓や脳を外に出したままに出来るかしら? そんな事をしていたら怖いでしょう? ねぇ、珍しい人間さん」
「私の名は咲夜。 十六夜咲夜。 なによ、その愛称は」
「え? だって、貴女は人間なのに私達みたいになりたがっているみたいなんですもの」

突如、雷鼓の視界が変わった。
立ったまま話をしていた彼女は椅子に座らされていた。
目の前のテーブルには、茶にあう洋菓子が並べられている。
手前には、紅茶が湯気を立てている。 今、煎れたばかりの良い香りが立っていた。

「それは、どういう意味かしら?」
「道具になりたいって、聞こえたのよ」

咲夜の問いを返し、脇にあったカップを手に取る。
紅茶の香りに仄かに鉄の臭いが混じっている。
いつもの香りなのか、それとも葉に含まれる鉄分の香りなのか、生まれて間もない雷鼓には区別がつかなかった。

「貴女の持っているナイフが、忌々しい小槌の力と共に私に貴女の事を語りかけてくれたの」

咲夜の心臓が高鳴る。 無理に忘れようとしていたナイフが、あの時の様に語りかけた様であった。
未だ、スカートの中、大腿部に取り付けたホルスターに収納されている。

「道具になりたい……以前、他の方にも犬と呼ばれた事があったわ。 それの事を言うなら、道具になりたいと言うのも本当だと思う」
「道具も道具で楽しいものよ。 ただ、あの小槌の力は大嫌いだけど」

咲夜には解らない事であった。
小槌の力も何も、切り裂き魔ジルの如く、会う妖怪を辻切りしていた様なものであったから。

「それより、今日は私が来るのが分かっていたの?」
「ええ、お嬢様が、貴女が来ると言っておりました」
「お嬢様? 挨拶しておいた方が良いかしら?」

妙な態度に、咲夜がクスリと笑う。
雷鼓が頬を膨らませて態度に抗議する姿を見るも、咲夜は表情を変えず笑顔のまま続けて言う。

「いいえ。 お嬢様は何も言いませんよ。 子供らしい所もありますが、懐の深い方ですので」

胸を撫でおろした雷鼓は、話しを変えて身の上の話と一緒に過ごしている義妹達の話を始める。
道具の話、付喪神達の話、化け狸の話、百鬼夜行絵巻の話。
生活に必要不可欠な道具の話は、人間の生活と密着に絡み合っている。
その話を本にしておけば、間違いなく妖魔本の一冊となるだろう。

夜魔や夜王、吸血鬼などの話や地下の図書館にあるものであれば、多少なりとも話を知っている咲夜でも別視点の話は、大いに興味を引いた。
雷鼓に促されて、咲夜も話をする。
紅霧異変前後から、今の彼女の記憶にある範囲からの話。
日常と非日常。 ちょっとした英雄譚。

「貴女って本当に人間だったんだ」
「その言い方はなに?」
「少し疑ってたの。 実は妖怪か神なんじゃないかって」

雷鼓がカップを置く。 その瞬間に減った筈の紅茶が元に戻る。
煎れたてで香りの強い状態。 透き通るガーネットの様な赤い色。
それは、雷鼓の髪の色にも近かった。

「皆が、道具に戻る中、私は付喪神で居続ける方法を知った。 皆に教えて回ったのだけど……興味は無いかしら?」

道具の様な人間。 雷鼓は確かにそう言った。 だからこそ、同じ道具として興味があったのだろう。
付喪神の地位向上を狙い、味方は多い方が良いと考えたのかもしれない。
雷鼓の周辺に音の波紋が広がっていく。 表情こそ変わらないものの、雷鼓は不敵な雰囲気を醸し出していた。
彼女の能力で、咲夜を同じリズムに乗せて付喪神で居続ける意見に同調してもらおうとしたのだ。

「……興味はありません。 私は生きている間は、ずっと人間です」
「そっか、振られちゃ……」
「……!!! 何をしたの!?」

何って……。 雷鼓がそう言う前に咲夜が雷鼓の首を掴み、その場に押し倒した。
片手に握られているのは、妖器シルバーブレード。
先程、雷鼓は咲夜に自らと同じ付喪神になってもらおうとした。
その方法は彼女にしか分からないが、音の波紋等何らかの事象が原因であったのは間違いがない。
咲夜の説得に失敗した時点で一度付喪神化したナイフが再び影響を受け、先の異変の時と同じく咲夜に影響を及ぼした。

「ら〜いこ! ね〜、あ〜そび〜ましょ! あはははは」

馬乗りになった咲夜は雷鼓の体に股を擦りつけていた。
広がる染み、雌の香り。 頭の中には、あの時の事がありありと思い起こされていた。

己の気の向くまま少女を嬲り傷付け、快楽と快感を貪る。
人間と道具と妖怪の狭間で揺れ狂い境界の失われた状態を愉しんでいた。

「ね〜、ほらぁ!」
「……ぐっ」
「ああ、いいわぁ、お股がキュンキュンする」

咲夜が肩を一刺しすると、白いジャケットに赤い花が咲き、広がっていく。
二度、三度、呻き声と狂った嬌声が聞こえている。 場所がバルコニーであってもお構いなしだ。

以前と同じ。 妖怪である雷鼓が人間である咲夜に押さえつけられただけで抵抗一つ出来ない。
押しのけるなんて出来る筈がない。 シルバーブレードを避ける事も出来ない。
刺されて電撃を呼ぶ事も出来なくなっていた。 妖力も吸い取られている様である。

「あああ、もう可愛いわね……ぐっ!」

雷鼓にキスをして、そのまま舌を捻じ込むも、その舌に噛みつかれ、咄嗟に顔を離した。
口から滴る一筋の血が淫魔の如き扇情的な雰囲気を醸し出している。
小さく微笑む咲夜。 逆手に持たれたシルバーブレードを振り上げる。

「……!!! ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」
「んっ! ああああああああああああああああああ」

雷鼓の目にシルバーブレードが突き立てられ、目頭から目尻から、湧き出る血が耳の方向へ流れていく。
悲鳴を上げた雷鼓。 絶頂した咲夜。 対称的ながらも声をあげたのは同時であった。

「あうあうあう……ぐっ! がっ!」
「んふふ……苦しい? 苦しいよね?」

雷鼓の首にナイフが刺さる。 血管は傷ついておらず、しかしながら僅かに気道が切断された。
漏れ出る空気。 流れる血に気泡が混じっていた。
持っているナイフをペロリと舐める。 ん……美味しい。 と、目を細めて流しながら雷鼓の姿を見る。

「珍しい人間さんは、如何かしら?」
「ぐぼぉ……ごぼぉ……」

気道から逆流する血が肺に入り落ち、雷鼓に想像もつかない胸痛を与えている。
更に、舌や口内に逆流した血が絡みつき、非常に話しづらい状況を作っていた。

「大袈裟なんだから……でもね、まだ足りないの……もっと、突き合って!」

時間の流れが一瞬変わり、同時に腕、大腿の腱が切り裂かれた。
四ヶ所から流れる血。 雷鼓が血だまりに沈んでいく。
力無く横たわる姿。 元より白い肌が更に血の気を失っていく。

「綺麗な綺麗なお人形さん。 もっと私を愉しませてよ」
「……ひっ!!!」

朦朧とし始めた雷鼓の意識が覚醒する。
大きく呑んだ息は、身の危険が及んでいるからに他ならない。
女性器に押し当てられた冷たい金属の感触。
ナイフが雷鼓自身に押し付けられていた。

「貰っちゃっても良い? 貴女の初めて」
「いや……お願い……やめて……」
「だーめ!」
「いやああああああああああああああああ!!!」

いつの間にか松葉崩しの格好に変わっていた。

咲夜は柄の部分を自らに押し当ててセックスを愉しんでいる。
シルバーブレードを男性器に見立てて、刃から送られてくる快感と相手を蹂躙する感覚に恍惚としている。

咲夜の凶暴な逸物を、狂刃を飲み込んでいる雷鼓。
痛みに耐えかねて気を失ってしまえば、どんなに楽か……。
膣を刺し破られ、体内さえも蹂躙され、内臓を切り裂かれる度に雷鼓自身が操るであろう電撃が全身を襲う。

正反対の状態が交互に続く。

絶望が雷鼓の身を包み。 行為が早く終わる事を願うも、咲夜は女性故に何度も何度も絶頂を迎え、行為の終了を告げる事はあり得なかった。
しかし、雷鼓の叫び声が段々と小さくなっていった。
失血と窒息が彼女の体を蝕んでいったのだ。

「あら? 雷鼓ちゃん? もう、終わりかしら?」

返事は返って来ない。 余りに夢中になっていたのだろう。
雷鼓が口から血を流していた事さえも気が付いていなかった様である。

「ふぅ……仕方が無いわね……」

シルバーブレードが抜かれ、ぬちゃりと粘液質な音が聞こえた。
咲夜が自らの陰唇から柄を離す時、同じく粘液質な音が聞こえる。
武器として作られた、美術刀剣の如し美しさを持った道具は、この行為に使われた事を何と糾弾するだろう。

もの言わなくなった、綺麗な綺麗なお人形さん。
以前とは違い、綺麗な姿を保ったまま、静かに眠っている。
このまま、放っておけば、以前の様に息を吹き返し、妖怪故の生命力で復活するだろう。
だが、咲夜は、満足していなかった。 体も頭も、まだ快感を求め続けていた。

だれもが、経験のある事だろう。
活劇にて美しい女性が捕まり酷い目に遭った時に体が熱くなったり。
苦労して造った土の城を完成した後、壊したり。

今の咲夜も同じ状態であった。
この美しいお人形さんを、自らの手で元の状態が分からなくなるまで壊したいと思っていた。

チェック柄のシャツの上から、逆手に持った刃を胸に突き立てる。
シャツには、刃が刺さった後が一つ。 体に戻って来た快感も一つ。

それが始まり。 二つ……五つ……十……五十……百……。
夢中に一心不乱に、反応が無いから、ただただ、刺し続けた。
途中から、快感さえ邪魔になる程に集中し続けた。
血が散乱する。 まるで肉で作られたバルコニーといえる程に雷鼓に染められていった。





気が付けば、絶頂を繰り返した咲夜は気を失っていた。
目を覚ました咲夜は、自分の行為に少々後悔の念を抱いた。

「あ……やってしまった……」

殺傷性癖みたいなものが、自分にはあるのかも……。 そう思った事はあった。
だが、お嬢様が知らせてくれた客人を、余りにもな姿に変えてしまったのだ。

「……実際に思い描いたのとは、まったく違うわね……」

元の状態が分からなくなるまで、と直情的に思い雷鼓の体を壊そうと思ったものの、蓋を開けてみれば思った通りには壊していなかった。
もしかしたら、肉や骨の他に多種様々な臓物があった事で、感覚の違う快楽を与えようとナイフが選んだのが腹部だったのかもしれない。

雷鼓の姿は、腹部だけがポッカリと空いている。
解体され、そこだけ何も無かったかの様な姿である。
多少の傷はあるが、顔も腕も脚も胸も綺麗なものである。
内臓だけが綺麗に抜き取られている様な姿になっていた。

「掃除……しなくちゃ……」

血と愛液と体液で、服も銀髪も滅茶苦茶であった。 腐臭さえ漂う。
それでも自分が汚れている事は、それ程、気にならない。
だが、この周囲の惨状。 咲夜も女の子、壁や床が汚れ過ぎている事は気になる様だ。

バルコニーの脇に佇む洋太鼓。 雷鼓が乗っていたものだ。
それが、ぼーんと小さく音を響かせる。

同時に雷鼓の体に出来た傷が僅かに、見張って見続けなければ分からない程に回復していく。
その姿を見て、不意に雷鼓が自分の事を珍しい人間さんと呼ぶ事を思い出す。

「道具になりたい、珍しい珍しい人間さんか……」

シリアルキラーにしか見えない姿で、咲夜は、ふふっと楽しそうに笑った。
私の事を、そう言うのであれば、貴女は何と呼べるかしらと楽しそうに考える。
ぽっかりと空いた腹部以外は、まるで人を模した可愛らしい姿そのものであった。
ふと、先に綺麗な綺麗なお人形さんと言った事を思い出す。

人の姿を模した人形は、長い月日が経つ度に、人間になる事を望むと言う。
そう思いつくと、またも咲夜は楽しそうに笑う。

「人間になりたい、綺麗な綺麗なお人形さん。 また、お相手して下さいね」
絵板のreki様よりリクエストを受けましたので作成しました。
苦情意見は、まいんまで、お願いします。
まいん
https://twitter.com/mine_60
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2015/11/01 13:38:21
更新日時:
2015/11/01 22:38:21
評価:
3/6
POINT:
390
Rate:
11.86
分類
咲夜
雷鼓
妖器に影響を受けて雷鼓を惨殺する話
簡易匿名評価
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0. 90点 匿名評価 投稿数: 3
1. 100 名無し ■2015/11/01 22:59:41
まいん
3. 100 名無し ■2015/11/05 01:19:32
こんなドキドキするのは久しぶり
6. 100 名無し ■2015/11/17 01:26:59
oh
名前 メール
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