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『ゲーム』 作者: pnp
アリスは自宅の掃除をしていた。
綺麗好きな彼女は定期的に掃除をしないと、何かと気がすまないらしい。
沢山の読まなくなった本を箱に移している作業の途中。
床に一冊の本が、バサッと音を立てて落ちてきた。
本の山に戻そうと手に取ったが、アリスは首を傾げた。
「こんな本、読んだ事あったかしら」
表紙、背表紙共に、呼んだ記憶のない本だった。
ならば仕舞うのは勿体無いと、彼女はその本だけを近くの机に置き、掃除を続けた。
日が暮れる頃にようやく納得いく所まで掃除が完了した。
休むついでに、先ほど見つけた読んだ覚えの無い本を読んでみる事にした。
紅茶を淹れ終えてから、本を開く。
1ページ目にあったのは、見た事のない魔法陣。
読者の魔力を注入する事で発動すると、添え書きがある。
興味本位で、アリスはその魔方陣を発動させた。
陣が光り、次いで本まで光りだした。
光が収まった頃には、開かれた本のページは、原形を留めていなかった。
まるでチェス盤の様に縦横にラインが引かれている。
「魔法でできているみたいね」
物理的作用を受けない、不思議なフィールドだった。
試しにページを捲ってみると、『ルール』と書いてあるページを見つけた。
「……このゲームは、実在する筈のキャラクタを動かし、敵を殲滅するゲームです。筈って、何よこの説明」
おかしなルールにアリスは首を傾げたが、先を読んでみる事にした。
「『五人のキャラクターを使用し、敵のキャラクター五人を倒せば勝利。逆に倒されれば敗北です。』
『キャラクターにはそれぞれ個性がある筈です。それは、あなたの交流している他者によって様々です。』
『ゲームそのものの期限は七日間。それ以上経過すると、両者敗北判定でゲームが終了します。』
『途中棄権は無効です。どうやってもリトライ、リタイアを行う事はできません。』……」
その後は、細かいゲームのルールが書いてあった。
「一週間か。そんなに時間の掛かるゲームなのかしら」
適当にパラパラとページを捲り、ルールの最後の項を読む。
「『尚、敗北したプレイヤーは否応無く死にます。』………………え?」
読み流しかけた重要な部分を慌てて指でなぞる。
間違いなく、そう書かれていた。
「負けたら、し、死ぬ!? 何でよ!?」
あまりに突然のとんでもないルールに、アリスは愕然とした。
『本を開き、陣を開放した際の魔力の持ち主をプレイヤーとみなす』とも書いてあった。
即ち、アリスはこのゲームのプレイヤーなのだ。
「う、嘘でしょ……こんな本で死ぬ筈が……」
平静を保とうとしたが、無理だった。
何せ、自分の読んでいる本は、普通の本とは違うものなのだから。
ページを捲り返す。
盤に変化があった。
恐らく敵プレイヤーが行動を起こしたのだろう。
メイドのような格好の小さなキャラクターが置かれている。
「……時間切れは、両者敗北……」
アリスは憤慨した。
敵は実体を持たないのなら、死なんてない。
なのに、こちらは敗北すれば死。あまりに理不尽だ。
だが、逃げているだけでは七日後に死ぬのは自分だ。
「やってやろうじゃない……」
*
『実在する筈のキャラクタ』と言う意味を、ようやくアリスは理解した。
自分が操るキャラクタは、確かによく会う、若しくは時々会っている面子だったからである。
「これは霊夢。これが……魔理沙ね。後は、紫、妖夢、文……」
実在する人物がキャラクターになっている。
恐らく注入した魔力から記憶を辿られたのだろう。
だから、敵キャラクタにも見覚えがある筈だった。
「敵が置いたのは、咲夜ね」
敵が配置したキャラクタは、どう見ても紅魔館のメイドである十六夜咲夜だった。
「紅魔館勢が攻めてくるのかしら……となると、レミリアとかパチュリーとか出てきちゃうのかしら」
もしも現世での戦闘力がゲームに反映されるとしたら、それは脅威だった。
しかし、そうだとしたら、こちらには霊夢や紫がいる。
まずはキャラクタに設定されているらしい個性を調べてみようと思った。
思うや否や、ページに各キャラクタのステータスが表示された。
意思で動いてくれるらしい。
こういう所が、魔法らしくて便利だが、そんな事を考えている余裕はない。
「妖夢は防御力が高いのね」
さっきのルール説明のページで、ダメージの算出方が書いてあった。
一先ず、防御力の高い妖夢を盤の上に召還する。
「さあ、どう出るのかしら……」
心臓が暴れまわる。
自分の指示にミスが無いか。
あっと驚く戦法で窮地に立たされてしまうのではないか――
普通の盤ゲームであればここまで緊張はしない。
しかし、これでの敗北は死を意味する。一回の判断ミスで命を落としかねない。
敵の“咲夜”が消えた。
そして、一気に妖夢の目の前まで移動してきた。
「え!?」
どうやら咲夜は、驚異的な行動力を持つキャラクタだったらしい。
“妖夢”の背後まで移動してきた。
“咲夜”がナイフで“妖夢”を攻撃する。
背後からのダメージは若干ダメージが高くなってしまう。
だが、“妖夢”の高い防御力のお陰で、ダメージは思った程ではなかった。
その後、敵はフィールドに“パチュリー”を召還し、ターン終了を宣言した。
「やっぱり、現世での力が、ゲームに現れるみたいね……」
咲夜の働きっぷりは幻想郷でも有名だし、何より時間を止めるのだから、無限に行動しているような錯覚だって起きる。
それに、アリスのキャラクタ達のステータスも、何となく実際の友人たちを再現しているように思える。
“魔理沙”は高い攻撃力と行動力、そして高い火力の魔法を放つ特性を持つが、とことん打たれ弱い。
“霊夢”はほぼ平均的なステータスではあるが、行動力に欠ける。又、結界を張って仲間を護る特性を持っている。
主の亡霊を護る“妖夢”は防御力が高いし、幻想郷最速の“文”は五ターンに一度、一ターンに二度行動できると言う特性を持っている。
“紫”は隙間の能力を用いて、フィールド上のキャラクタと自分の場所を入れ替える事ができるらしい。
「なら、パチュリーはきっと魔法で遠距離攻撃なんかをしてくるわね」
魔法使いなのだから、きっと魔法を用いてくるだろう。
そんな事を察しつつ、これからの行動を慎重に選んでいく。
まず、“霊夢”を敵の“咲夜”の二つ前に召還する。
そしてその二人のキャラクタの間に“妖夢”を挟む。
“妖夢”で咲夜を攻撃し、“霊夢”で結界を張り、恐らく撃つであろう“パチュリー”の魔法に備える。
敵のターンに、“咲夜”が場所を変えず“妖夢”を攻撃してきた。
結界は近接攻撃から身を護る事はできないが、“妖夢”の防御力では問題なかった。
そして、驚くべき事に、敵は“咲夜”もろとも“パチュリー”の魔法で攻撃を行ってきた。
アリスのキャラクタは結界の効果でダメージをかなり軽減した。
しかし、生身の“咲夜”は、仲間である“パチュリー”の魔法の直撃をくらい、致命的なダメージを負ってしまっている。
「……何よ、頭の悪い奴ねぇ」
アリスは思わず拍子抜けしてしまった。
敵のレベルがあまりにも低い。
“妖夢”の攻撃で、早々に“咲夜”が倒れた。
更にアリスは攻撃力の高い“魔理沙”を召還し、先ほどの魔法で壊れた結界を再び張る。
結界の使用回数には限度があるが、“咲夜”が受けていたダメージを見ると、こうしなくてはいけないと感じた。
敵が動いた。
キャラクタを召還する訳でもなく、“パチュリー”で再び魔法を放ってきただけ。
当然、結界の影響でほとんどダメージを受けない。
「本っ当に頭の悪い奴ね!」
フンと、鼻で見えない敵プレイヤーを笑うアリス。
“紫”を召還し、更に特性で“パチュリー”と居場所をチェンジする。
“紫”は敵のすぐ近くへ行ってしまったが、“パチュリー”は三人のキャラクタに囲まれる形になった。
そのまま三人で袋叩きにし、“パチュリー”も倒してしまった。
「これで五対三……何よ、全然大した事ないじゃない」
*
アリスはベッドに横になり、普通の本を読んでいた。
あの死のゲームは、敵のターンのまま止まってしまったのだ。
こうなっては、ゲームが進まない。
仕方がなく、アリスはゲームを開いたまま休憩する事にしたのだ。
「……このまま動かなかったら、私死んじゃう」
チラリとゲームを横目で睨む。何も起きていない。
はあ、と大きなため息をついた。
敵の残り三キャラクターが気になる所だ。
その時、ゲームが光を放った。
反射的にアリスは読んでいた本を捨て、フィールドを見る。
そして、目を見開いた。
「……何これ……私?」
敵側のフィールドが凄まじい敵の量になっている。
新たに召還を確認したのは、“レミリア”と“アリス”。
しかも“アリス”の両サイドには人形が、“レミリア”の両サイドにはコウモリまで付いている。
「どうして一ターンにこんなに仲間が呼べるのよ!?」
まるで叫び声に呼応するように、ページに何かが表示される。
それは、敵キャラクタの特性を示すものだった。
「レミリア・スカーレット……特性、召還時にサーヴァントフライヤー二体が同行、体力の十分の一を削った状態で仲間キャラクタを一体召還する事ができる……」
どうやら“レミリア”の特性で他のキャラクタを召還したらしかった。
無理に戦闘に引っ張り出したと言う事か。
我が儘で有名なレミリアらしい特性と言える。
「私の特性は……人形二体を召還する事ができる……」
“レミリア”と“アリス”、そしてサーヴァントフライヤー二体と人形二体、計六体。
当然ながら“紫”は敵の大群の攻撃を受けて既に消滅していた。
一気に形勢が不利になったアリスは、慌てて対処を始めた。
まず、“魔理沙”の広範囲で高威力な魔法を放った。
だが、倒れたのはこうもりと人形ばかり。
魔法使いである“アリス”は魔法に耐性があり、“レミリア”はそもそも体力がかなり高めに設定されているようだ。
“魔理沙”は、魔法を放った反動で次のターンは動けない。
ひとまず、“霊夢”と“妖夢”を前へ進ませ、“文”を召還し、同じく進ませる。
このターンにできる事はなくなった。
敵の“アリス”が人形を呼び出した。
その後、レミリアが驚異的な行動力で一気に近づいてくる。
“霊夢”の前にきた“レミリア”が、“霊夢”に噛み付いた。血を吸っているようだ。
“霊夢”はかなりのダメージを受けたが、“レミリア”は血を吸った影響か、体力を回復している。
“アリス”は行動力が低いらしく、あまり動けずに終わっている。
何だか自分の行動力が低いと認識されているらしく、ものすごく苛立たしかった。
敵のターンは終了か、と思いきや、突然の遠距離攻撃で“霊夢”が消滅した。
「な、何!?」
敵の召還したキャラクタは“レミリア”と“アリス”の筈だ。
「……何かいるの?」
敵キャラクタのステータスを見ると、そこには確かに“にとり”の名前があった。
だが、フィールド上にはその姿を見る事ができない。
「河城にとり……ダメージを受けるまで敵に居場所を知られない……!?」
居場所が分からないのに、遠距離攻撃を放ってくる。
驚異的な能力だった。
*
ゲーム開始から二日目。
ゲームの進行は、ものすごく緩慢なものだった。
アリスは絶対に負けまい――もとい死ぬまいと、かなりの時間を掛けて戦略を練っている。
生きているのが、ゲームを制する為のようなものだった。
食事、入浴、就寝直前、起床直後、全てがゲームの戦略を練る時間と化していた。
掃除なんてしている場合ではなくなっていた。
しかも、敵の行った行動を見過ごすと圧倒的に不利になるので、敵のターンも凝視している必要があった。
敵もかなりの時間を掛けて戦ってくる。
最初の下手糞さが嘘のような、巧みな戦法で攻めてくるようになっていた。
ベッドの上で屈み込み、必死にゲームの打開策を模索する。
一先ず、“妖夢”を失いながらも、どうにか“アリス”を瀕死に陥らせた。
しかし、異常とも言える高いステータスを誇る“レミリア”の体力は半分近く残っているし、“にとり”の居場所も検討がつかない。
「……どうすれば、どうすれば……」
必死に考える。目を瞑り、頭の中であのフィールドを思い浮かべる。
頭をバリバリと掻き毟る。
「ダメだダメだダメだダメだ!!」
ボサボサになった頭を抱え、もう一度思考の海へと潜っていく。
カチコチカチコチ
時計の音が耳に入り込んでくる。
カチコチカチコチカチコチカチコチ
「うああああああああぁぁぁ!!!! うるさいってのよ!!」
時計に向かって枕を投げつけ、アリスは家の外へと飛び出した。
久しぶりの陽光が、目に痛かった。
外は静かかと思いきや、風の音、風で揺れる木葉の音、鳥の囀りで、ちっとも静かではなかった。
「くそ……くそくそくそくそくそっ!! あああああ!! ちくしょう!!!」
家のドアを蹴って閉め、アリスは叫ぶ。
一先ず気分転換しなければどうにかなってしまいそうだった。
どこへ行こうか思案しようとするも、ゲームの事が頭から離れない。
「ア、アリスさん!?」
頭の上から声がして、アリスがそちらを向く。
新聞を配っていた文だった。
「どうしたんです? 何か嫌な事でも?」
「……何でもないわ」
「ものすごく不機嫌そうです。本当に大丈夫……」
「いちいちうるさいんだよ!!」
ビクリと文が体を縮める。
「ったく、何であんたなんかが私の駒なのよ……」
「え? はい?」
結局、アリスは自宅へ戻った。
時計を木っ端微塵にぶっ壊し、ベッドに潜り込んで、ゲームについての思案を始めた。
ああでもない、こうでもないという思考を二時間。
不意にベッドからアリスが飛び出した。
「見つけた見つけた見つけた!! こうよ、こうすればいいのよ!! こうすれば“レミリア”も安易に不夜城レッドを撃てなくなる!! おまけに乙女文楽封じにも繋がる!! あはは!! あははははっ!!」
*
六日目。
ゲームは終焉へと近づいていた。
アリスは寝る間も惜しんでゲームについて考えていた。
三日目からシャワーを浴びなくなった。
食事は作る時間が勿体無いから、二日目の時点で保存してある食材をそのまま食べ始めた。
四日目に食料が尽きたが、パン用のバターや調味料を舐め、水を大量に飲む事で凌いだ。
掃除なんてもっての外。
魔法の研究なんてどうでもよかった。
フィールドに残ったのは、“文”と“魔理沙”、そして瀕死の“レミリア”。
“レミリア”の欠点である『時々、プレイヤーの指示通りに動かない』と言う特性が、敵を追い詰めた。
プレイヤーの意思と無関係に放たれた“レミリア”の攻撃が“にとり”に当たり、致命傷を受けた上にアリスに居場所を知られてしまったのだ。
後は地道な体力の削り合い。絶妙な位置取りによるダメージ軽減の方法をほぼ一日中かけて模索し続け、今に至る。
だが、正直アリスは厳しい状況に置かれていた。
前のターンで“魔理沙”が最後の魔法を放った。これでこのターン魔理沙は動けない。
アリスの予想通り、“レミリア”にやられてしまった。
“魔理沙”がやられて、アリスのターン。
残ったのは“文”のみ。
“文”の攻撃力では、一回で“レミリア”の残りの体力を削り切る事はできない。
だが、アリスは微笑んでいた。
全て計算済みだった。
このターン、文は特性で二回行動ができるのだ。
二回の攻撃であれば、“レミリア”を倒すのには十分なダメージを与えられる。
こうなるように、気が狂うほど計算を進めてきた。
考えられる敵の行動を先読みし、紙に書き、すべき行動を模索し続けた。
「私の勝ちよ……魔道書めっ!!」
“文”が“レミリア”を二回蹴った。
そして、遂に“レミリア”が消滅した。
敵のキャラクタは全滅した。
本に『Congratulation!!』と言う文字が煌々と輝いて出た。
「あっははははは!!! 勝った!! 勝ったぁあ!! あははははっ!!」
いつか壊した時計の破片を踏み付けながら、アリスは狂喜した。
長い間の苦労が報われた。
そして、生き延びる事ができた。
*
久しぶりにシャワーを浴びた。
服も着替えた。
魔理沙の所へ遊びに行く事にした。
あの魔道書は閉じずにそのままにしておいた。
『Congratulation!!』と言う文字が、なんとも気分がいい。
久しぶりの外。
久しぶりの森。
久しぶりの霧雨邸。
コンコンとドアをノックする。
「魔理沙ー。いる?」
返事がない。
ノブを回すと、ドアが開いた。
「物騒ねえ。魔理沙ー? 魔理……」
店の奥に入ったアリスは戦慄した。
凄まじい量の紙。
散らかり放題の部屋。
洗濯、掃除、食器洗い、全てを怠けた結果訪れる、最悪の生活環境。
まるで、『先ほどまでの自分の部屋』のようだった。
部屋に散乱している紙には、走り書きでいろんな文字が書かれている。
そして、その紙の山に横たわる、霧雨魔理沙。
涙で頬が濡れている。
そして、ピクリとも動かない。
「魔理沙……?」
恐る恐る、手首に指を当てる。
――脈が無い。死んでいる。
「そんな、何で……!? ひ、ひぃいい!!」
慌てて飛び退いたアリスが、紙で滑って転んだ。
一枚の紙を掴んで書かれている文字を読む。
『文 二回行動 攻撃力中 防御高』
「……え?」
別の紙を拾う。
『私 魔法強 防御低』
「これ……まさか……さっきの……!!」
『妖夢 防御極高 他はやや低 近接技注意』
「……」
『私→レミ攻で死 文、生、次ターン→一回時→不夜城レッドで勝 二回時→ 』
アリスは気付いていなかった。
魔道書が相手だと思っていたあのゲームの対戦相手は、
不幸にも同時期に同じ本を開いた、霧雨魔理沙だったという事を。
自宅へ帰り、アリスは震えた。
アリスは、魔理沙を殺したのだ。
「嘘よ、嘘よ、嘘よこんなの!!! 絶対、絶対……」
震えるアリスの真後ろで、光が放たれた。
ビクリと体を震わせ、後ろを向く。
恐る恐る、光源を覗き込む。
それを目の当たりにし、アリスはボロボロと泣き始めた。
「あああ……ああああああ! うあああああああああああ!!! なんでよ!? どうして!? どうしてえええ!?」
新たなる“敵”とキャラクタがセットされていた。
*
「パチュリー様、お茶の時間ですよ」
十六夜咲夜は図書館にいる魔法使いに声をかける。
しかし、魔法使いはじっと本を睨むばかり。
「パチュリー様?」
「咲夜、ちょっと向こうへ行ってて頂戴」
「?」
パチュリー・ノーレッジは、ふぅっ、と息を漏らした。
「……負けられないゲームを始めてしまったわ」
夢いっぱいすぎるSSが完成。
東方のシュミレーションRPGとかやってみたいと言う気持ちと、
魔理沙殺しすぎたしたまにはアリスでもと言う気持ちが合わさってできたSS。
作中の個性みたいなのは、普段の妄想の賜物です。
何か前半はそれらを文章化しすぎてグダグダしていた感じがします。
いちいち個性を紹介していたくせに、それを生かせなかったのも少し残念。
でも、あれらを生かして白熱のゲーム戦況を書いていたら、もはや別の作品ですよね……。
このアリスみたいに、ゲームでヒステリックを起こしちゃいけませんよ。楽しみましょう。
いくら地霊殿が難しいからって、コントローラーに当たっちゃいけませんよ。壊れちゃいますよ。
そして、結局魔理沙は死んでいました。
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【御礼】
前作では様々なアフターストーリーや他キャラの行く末などについて様々な考察がコメントされていて非常に楽しかったです。
力不足の作者で申し訳ありません。
ご観覧、ありがとうございました。
pnp
- 作品情報
- 作品集:
- 1
- 投稿日時:
- 2009/04/26 10:03:12
- 更新日時:
- 2009/04/26 19:03:12
- 分類
- アリス
- グロ無
「例のゲームだけど、今日で二日目よね。どうなのパチュ?」
「ああ、アレなら昨日もう終わったわよ。敵が全然弱くって、まるで『自分から負けに行ってる』ような動きだったわ」
オチは正直読めちゃったけど、次回は違うキャラを駒にした作品を読んでみたいです!
永琳を主役にしたら面白いかな?なんて夢想しましたw
まあそれはともかく、よい作品でした。
点数がつけられないのが残念なくらいだ
世にも奇妙なみたいな、ネバーエンドっぽさがきゅんってくる
年中暇そうで遊んでそうな輝夜はこの手のゲーム強そうな気がする。
そして本閉じとけよ、アリスw
>>米15 本開いた状態で魔理沙死んだんじゃね