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『魔理沙フルボッコ伝説』 作者: nekojita
大長編10個くらい途中放置で抱えているうえpixivという新しいおもちゃにうつつを抜かしてしまい、また眠く、長い話は書けそうにないので短いのをさらっと書こうと思う。
というか今からプロット無しで話がまとまるまで自動筆記する。
未明にチルノが雷に打たれて天才になったらしい。霊夢いわく、天才かどうかはしらないがとにかく弾幕戦に関しては強くなっていたという。
「EXボスかと思った。なんとか勝ったけどね」
「そりゃお前今まで何人もEXボス倒してるからな」
聞いて魔理沙は小首を傾げ、さればとこれから喧嘩の用意。
昼間なれど外は雨天。小雨である。強くなったといってもチルノだろう。傘で片手がふさがるくらいはどうってことないなと神社の傘立てに置いてあった愛用の傘をすっと抜き、さして、箒に跨り飛び立っていく。なあにいざとなれば傘は囮にもなる。これは私の愛用の傘でなくどちらかといえば霊夢の愛用の傘だったような気もするがそんなことはどうってことないな。
さて唐傘をくるくると回しながら機嫌よく紅魔湖の上を飛んでいるとすぐにお出ましになった。とはいえいつかのように、通る者の邪魔をしに挑んで来たわけでは無い。夢幻館の有る小島の上空高くに彼女が何事も無くたたずんでいるのを見たのだ。
魔理沙はすぐに同じ高さまで飛び上がった。
「ようチルノ、弾幕ごっこやろうぜ」
「魔理沙か……、今、妖精としての生について考えているところだ。またにしよう」
一瞥してそう言った。魔理沙は吹き出す。何が天才だ。これじゃあ中学二年生じゃないか。
「こりゃ重症だ」
「何を言っている」
「ま、とにかく弾幕戦しようぜ」
「今忙しい」
「むぅ。やらないんだったらここを通さないぜ!」
「動かないから支障は無い」
「だったらこの場所から追い出す」
「いいよ。どこに行けばいい?」
なんだこれ。これじゃこっちが餓鬼みたいじゃないか。魔理沙は思う。天才とは言わずとも、全く人が変わった、いや、妖精が変わった様子であるのは確かである。ま、ちょっと落ち着いて話してやろう、相手はチルノだぞ。と思って次に出す言葉を選んでいるとインスタント天才と化した少女がため息をつく。
「結果のわかっている勝負は、やってもつまらないからな」
と、こっちが心を広く持った途端にこれである。思わず激昂しそうになる所をぐっと抑える。
「ほ、ほーう。まあそりゃあ、お前がわたしに勝ったことなんかないからな!」
「魔理沙」
「ん?」
この憐れむような目が無性に腹立たしい。いや、魔理沙の心に余裕が無いために、彼女のいつもの「さいきょう」を誇る態度が気に障るだけかもしれない。
「雨の日に、傘無く足駄無く空を飛んでいて服も髪も乾いたままにできる人を見たことが有るか」
「なんの話だ」
「……あたいと雨の日に殺り合うのは、そういえば初めてだなと言ったのだよ!」
「…、ふん、よくわからないが、やる気にはなったって事だな!」
戦闘態勢に入り、突進、開幕マスタースパークを発射しようとした時である。
ずどんと傘に穴が開き、来た攻撃は、三つ編みのリボンを布切れに変えた。絶句。ぱさり、と髪が解ける。
下を見ると落ちて行ったのはよく見えないが、どうやら針のような細かい氷弾であったよう。
氷精が言う。
「弾幕戦のルールが体の付属物について厳密にどうだったかは知らないが、宣言をしていなかったから今のは被弾したことにしなくて良い。けれどもその視界を遮る邪魔な棒きれをすぐに捨てないと、今に、ハチの巣になるぞ。スペルカード、『キャッチザレインボー』。」
スペルカード宣言。わけがわからない。チルノは前方、まだ間が有る。今の攻撃はどこから来た? とりあえず忠告に従って傘を畳み……
「上か!」
ぶん投げた。体を動かすのに邪魔である。直感に従って体を捻る。雨に混じって降ってきた四粒の氷針が、それぞれ魔理沙の体すれすれを落下する。間一髪、が、それで終わりではない。
「通常弾!」
チルノ自身から放たれた通常弾はさして密度の濃いものではなかったが、魔理沙は必死で動いてやっと回避できた。上からの攻撃に気を取られ、弾幕が本当に至近距離に近づくまで気がつかなかったのだ。
「さすがは魔理沙」
「雨を凍らせているのか」
「ご名答。どんどんと激しくなるぞ」
今や雨粒のおよそ三つに一つは鋭く尖った、身を穿つ氷弾と化して、霧雨魔理沙に降り注いでいた。それは絶え間なく、しかも雨は小ぶりから徐々に激しさを増す。すぐにあのフランドール・スカーレットの発狂弾幕にも比肩しうる密度となろう。そして自由落下は軌道が読みやすいけれど、べらぼうに、速いのだ。しかも大粒ほど速くなる。空気抵抗の影響だ。
天から降る雨は何千メートルの雲海の奥から一列に並んでくるように見えて、小島の草っぱらにみじめなかっこうで打ち捨てられた雨傘に立てる、ぱらぱらという音を聞けばわかるように絶妙な不規則を生み出す。
チルノの、氷精としての能力が上がったわけではない。だから、魔理沙の上にそぼ降る雨のすべてを、尖った氷弾にできるわけではない。そんなことはいかな氷精といえど不可能である。とはいえ、雨か、氷弾かを籠る殺気以外で瞬時に判断できない以上、この攻撃をかわすには、雨を全部、避けるしかないのだ。
「霧雨魔理沙、降ってくる雨を避ける訓練を、あんたはした事が無いだろう! だったらこれもかわせない。さあ氷の雨に濡れろ! そうして、赤く染まって地に伏すがいい!」
相変わらず中二病的な事を言うが、受けて霧雨魔理沙、食らいボムのマスタースパークを天に向けて乱射、必死に相殺するもやがて魔力切れ、被弾。30秒もしたら、彼女に言われた通りになった。
反省して、次に挑んだのは晴れの日中であった。しかも永夜抄仕様。
「今回はアリスの協力も取り付けて来たんだ。雨も無い、快晴。負ける気がしないぜ。反省した私は強いぜ」
「ちょっと魔理沙、本当に本気でやれって言うの? 氷精相手に大人げないわよ」
「あいつ、妙な頭脳プレーをやってくるんだ。お前そういうの得意だろ?」
「呆れた。単にあんたの実力が足りなかったんじゃないの?」
チルノは、同じ場所にいた。また、人間と妖怪と妖精のなにがしかでも考えているのだろうか。
「やいやいやい、勝負だチルノ! こっちの姉さんにお前の強いとこ見せてやれ。ま、そのあとでわたしがお前をぶちのめすんだけどな!」
「全く。協力するんじゃなかったの」
「……二人一遍でいい。」
言った。
「そのほうが早い」
魔理沙とアリス。二人が浮かべていた軽い笑いがひきつる。それに気付かないみたいに、氷精は続ける。
「早く始めよう。……実はすでに弾幕を展開した」
「上等だ! こっちは…! あだっ!」
魔理沙の顔面に何かが当たった。あまりの衝撃に鼻がつぶれそうになるが、落下は免れた。
「今の被弾は、無かったことにしてやってもいい。
魔理沙は、晴れの昼日中にあたいと戦うのは、初めてだからな。うん、初見殺しは良くない」
「……、馬鹿いうない、いままで何回も撃墜したぞ」
鼻の頭を押さえながら、なんとか体勢を立て直した魔理沙が言う。アリスはほとんどあわてて、魔理沙の心配をしているだけだ。なんだ役に立たないじゃないかこの女。
「ああ、そういう意味で言ったんじゃあ無い。……今の、今のあたいと、昼間に戦うのは初めてだと言ったんだ!」
次の弾は腹に食らった。
「がっ!」
「魔理沙! ……見えない弾、ですって」
魔理沙はたまらず落下する。人形がそれを支えたのを見届けてから、アリスはチルノに向き直った。
「通常弾。水平投射された純粋な氷の真球、だ。あんたたちの観察力ではきっと見えない」
アリスが、そして意識の混濁しつつある魔理沙が、この空間に感じるのは、莫大な、正体不明の、殺気だけであった。
「今、この空間にばらまかれている氷の弾は50程度。大した弾幕密度ではないが……、見えないなら、決して回避することはできないだろう。晴れの日中にのみ使える技だけれど……」
アリスも被弾した。魔法糸による索敵を展開しようとした前にやられたのだ。
「効果は絶大だ」
「魔理沙、夜を選ぶのは大間違いだ」
「うるせえ、勝負すっぞ」
次に対峙した舞台は夜の紅魔湖のほとり、空でなく地上。夜の水上は、著しく気温が低くなる。
「寒い夜には、氷精は冬と同じ力を出せる。それをあたいが使いこなせば当然………、こうなる」
魔理沙の居る場所に、いきなり巨大な氷柱が現れた。当然なすすべもなく氷漬けになる。勝負を挑んでいながら今にも泣き出しそうな顔もそのままに、普通の魔法使いは天高く伸びあがる氷の柱に封印されてしまった。
「これは当然スペルカードルールを無視しているから、被弾したことにしなくていい。あなたがこのごろあんまりにもうっとうしいから、黙らせる為にやったのだ」
チルノは氷柱に口づけて喋っている。こうすれば分厚い氷の中とはいえ意識がある限り、その意識も、呼吸ができず、あるいは凍傷によってすぐに失われるだろうが、少なくとも今のところは、共鳴を利用してうまく聞こえているはずである。
「この氷を砕いたとして。たとえばあたいが蹴飛ばしたとして、その亀裂がどこに走るか、それは、きっと神様だってわからない。氷に漬かっている人体は一緒に割れてしまうから……魔理沙、息が苦しいだろうけどもう少しだけ聞いてくれ、…
……その亀裂が四肢に到達した場合、当然その、手なら手、足なら足が永遠に何らかの障害を負うことになるわけだけれど、これはまだいい。問題は脊椎に達した時だ。
……まず、上位頸椎を損傷したら、軽くて四肢麻痺、自発呼吸ができなくなって一生永遠亭暮らしを余儀なくされたり、致命的なものにもなりうる。中位、下位頸椎ならば逆に首が動かなくなる。右を見るために体ごと右を向き、左を向くために体ごと左を向くのは嫌だろう魔理沙。それに四肢麻痺もよく複合する。体ごと左を向くのも、できないんだ。やったな!
ああ魔理沙、あとちょっとだ、よくきいてくれ、がんばれ、魔理沙。胸椎や腰椎が割れてしまえば、足の知覚や運動が失われてしまう。歩けなくなる。車いす暮らしも別に案外悪くないかもしれないね。それにだ。もっといやなのが、排尿や、排便の障害も現れる。つまり、我慢が出来なくなるって事なんだ。魔理沙。糞便に塗れて床を這いつくばりたいか、かわいいかわいい、ゴミクズの霧雨魔理沙!
もちろん、ああ、これは言い忘れていたけど、亀裂が大脳や、大事な臓器に至ったら、即死か、良くても植物人間だ。いろいろな延命措置が取られるけれども、一生、その眼がさめることは無いだろう。しかしそれよりかわいそうなのは脊椎だよ。魔理沙、一回の事故で、あなたの一生はほとんど台無しになってしまうんだからね! いっぺんに失われるよりずっとひどい!
だから本当はここからあなたを安全に取り出すには、水か、ぬるま湯で、この氷をゆっくりとかしていくのだけれど、絶対に蹴ったり、破壊しようとしたりしてはいけないのだけど、いけないのだけれど、面倒だから、今試しにあたいがこうやって蹴飛ばすだけで……」
ガンッ!
本当に蹴った。
氷が、割れた。
魔理沙の入った氷が割れた。
しかしさすがは、氷の事を知り尽くしている氷精チルノ、というべきか、魔理沙を覆う氷だけがぱっくりと割れて、……普通の魔法使いは、無傷で取り出された。
取り出された少女の体ががたがたと震えているのは、寒さのせいなのか。前髪を垂らして、顔は隠れている。観察だけでは、わからない。
「……もちろん私は優しいから、魔理沙、あなたを半身不随にしたりなんかしないよ。だけれど、事故というものがある。本当に、亀裂がどこに走ってしまうかは誰にもわからないんだ。神様にも。今だって、本当に都合よく、うまくいったから良かったけれど、」
がたがた。少女は、草むらに内またで座って、自分の肩を抱いている。そぼ濡れた黒い帽子や衣装は、へたりと力なく垂れ下がった。その少女に、氷精は言う。
「ふ。じゃあね、魔理沙。願わくは、もう二度と会うことのない事を」
そのあと、魔理沙はあれほどの目にあってもまだ懲りない様子で、今度は曇りの日に行くのだと言っている。曇りの日は氷精の力が使えない筈だ。雨の日には、雨を避ける訓練もしている。まわりは呆れるばかりである。けれども、誰が魔理沙に、具体的にいつの日に行くのかと尋ねても、まあ当然のこと、彼女は答えたりなんかしない。
紅魔館は陸地を大回りしていきます。もしそこで氷の入った飲み物なんか出てきた日には半狂乱になることをメイド長さんとかももうわかっているので、紅魔館メンバーはおおむね優しいです。
ただしパチュリーさんは何でもいいから氷が関係する魔法を習得しようとしているらしいです。完。
どっかで見ていつか使えたらいいなーと思ったネタが入ってる感も有りますが無意識の筈。
タイトルは一緒に絵茶してた人に『何か言って』と無茶振りしてつけてもらいました。
ニコニコに上げた動画も伸びる気配は無い。
pixivは『neko-jita』でニックネーム検索、または下のホームページアドレスから。
nekojita
http://www.geocities.jp/nekojita756/text.html
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2009/08/26 22:41:42
更新日時:
2009/08/29 18:18:48
分類
チルノ
魔理沙
絵柄は悪くないから動画でも一枚をもっと丁寧に描いたほうがいい
とりあえず麻雀ネタだと食いつくやつも少ないから紙芝居でもやったら?
かわいいかわいいゴミクズの魔理沙をもっと精神的にボコにしてほしかった。
トラウマでリグルにも勝てなくなるとか。
まあ幻想郷だからいいのか
有りだ
こういう脅し文句っていいですよね〜
がそれに勝てる霊夢って・・・
>>1
まさかあの場にいた方がここにいて、しかも真っ先にコメをくださるとは思いませんでした。
動画の為の絵を描くのははきわめてめんどくさく、また辛いのでしばらくはやらないと思います。
しかし私SSはなんとか書けるのに紙芝居動画の脚本はまったく書けないんですよね。
>>2
確かに書いてからも物足りない感じはしました。
プロットも分量も考えずに書き始めたからしゃあないしゃあないと大目に見てください。
>>3
むしろ普通の話も書けるんだぜと主張したかった。
あの人に関しては私ではまねできません。(褒め言葉)
>>4
さあ実験してみましょう。
A4の紙とティッシュペーパーを同じ高さから落とすと、さてどっちが先に地面につくでしょうか?
>>5
ていうかもうこれチルノじゃないですよね
ほぼ舞台装置、作者の分身。無茶な話づくりをしてしまった。反省。
>>6
ウナルさんキター!
いつもあなたの作品は拝読させていただいています。コメントはたいへん励みになります。
お互い、人の心を動かせるものが書けるように頑張りましょう。
>>7
あー、むしろそこがこのネタの根幹かもしれません。
結局最終的に劣等感から脱出できない魔理沙かわいいです。
それにしても魔理沙はやられ役が似合いますね
あとは空気抵抗の分だけ減速するから、大きな雨粒の方が遅くなるはず
A4紙とティッシュみたいに右往左往しながら落ちるようなものならいざ知らず、
ほぼ直線(厳密に言えば放物線)軌道を描く雨粒ならこの法則は適用できるかと
氷にしたら先が尖るわ、体積は増えるわでえらいことになるww
今空気の密度が水の密度に対して小さいから、浮力は僅かなので無視できる。
ストークスの式より抵抗力F=6πμrV、
一方重力加速度はmgだが、水の密度をpとし、雨粒をほぼ真球とすると、
(本当は違うけれど体積が半径の三乗に比例するのは変わらないからさして問題は無い)
mg=4π(r^3)pg/3としてよい。
したがって6πμrV=4π(r^3)pg/3
終端速度VはV=2(r^2)pg/(9μ)となりr^2に比例するので形状が同じなら大きいほど終端速度は速い。
分かりやすく言うと、空気抵抗は確かに物体が大きいほど大きいけど、
運動方程式的に重いほどその影響は小さくなるんだよね。
ティッシュペーパーが曲線運動して大きい紙がまっすぐおちるのは、
ティッシュペーパーの方が空気抵抗の影響を大きく受けるからなんです。
/三三 |
r――- .._ r―.、/三三三 |
{三三三三 :>ヘ. -┴ ‐- ニ.三|
\三三三.> ´ ` マ
ヽ 三/ \
ヽ/ l l ヽ
,′ l 八 } ハ ',
| 八j ヽ /lノ ',. }
| / ┃ ヽ.ノ ┃ V N
| {. ┃ ┃ ! く
ノ \ { ハ _
.__{ ゝ , ― 、 ..イ ! K /
\{\_.jヽjへ> .`ニ ´.<l ハノlノ /
\ \_ /ヽ _ K Y j.ノリ/ ∠ ._
 ̄\ /  ̄ ヽ }\ ハエマヽ⌒\ / /
.\ / Vハ バ カ{ メ.ハ く /
ノ }. 卞 卞 ヽ }./
〈ヽ / } /j
強くならずとも自らの能力の特性を理解し、自らの土俵に持ち込めれば
誰もがEXボスにも劣らないということか
細かい説明thx
高校物理程度の知識じゃダメなのね、勉強になるわ