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『お燐とお空の性転換地獄変』 作者: 極楽

お燐とお空の性転換地獄変

作品集: 2 投稿日時: 2009/08/31 09:54:05 更新日時: 2009/08/31 18:54:05
地霊殿のエントランスホールを支える大理石の柱は、妖怪狒狒が地霊殿のために、特別にこしらえたものだ。
天を支えるアトラスを模ったような、全裸の男の彫刻が刻まれている。
筋骨隆々の身体には、盛り上がった筋肉から流れる汗まで、精巧に掘り込まれていた。
柱一本一本には、さまざまな体勢の男たちがいた。
背中で支えるもの、両手で持ち上げるもの、肩に担ぐもの。
みな苦痛に歪んだ表情をして、柱を支える責め苦に耐えている造形だった。

「うーむ」

ステンドグラスの光に照らされた、薄暗いエントランスホールの中に、古明地さとりはいた。
思案顔で彫刻を見上げながら、ため息を漏らしていた。
一見すると美術に造詣の深い女史のような姿である。
だが、さとりの視線は柱の、ある一点に注がれていた。
視線の先には彫像のペニス。
天を突くそれを、さとりは熱心に見つめていた。

(やだ、立派なおちんちん……)

普段何気なく見過ごしていた柱に、美が潜んでいた。
なんと立派にそそり立った男根だろうかと、さとりは考えた。
大理石特有のすべすべした質感の中で、完璧に再現されたそれは、今にも先端から体液がほとばしりそうだ。
局部のみでも完成された一個の作品のようである。
……こんなはしたない芸術は、ペットに悪影響がでないように、きちんと調べなくてはなりません。
さとりは自分で自分を納得させて、検分開始。
注意深く辺りを警戒しながら、柱をじっくりと調べていく。
体型が違うと、おちんちんの大きさも違う。
大柄な体型なのに、凄く小さなおちんちんもあれば、少年のような体型で、巨大なおちんちんもあった。
無限に広がるおちんちんランド。
さとりは手にとって確かめながら、生きていて良かったと思った。
大まかな検分を終え、さとりは最後に、正面玄関の両脇に立つ一際大きな柱を見上げた。
二本の柱には、向かい合う男たちが彫られている。
二人の男の彫刻は、精悍な顔つきで、お互いを見つめ合っていた。
硬く結ばれた口元には、深い信頼関係で結ばれたものだけが見せる、微笑みを湛えている。
股間にはそそり立ったペニス。
さとり脳を未知の衝撃が貫いた。
どうして男同士なのに、こんなに情欲の混ざった視線を、交し合っているのかしら。
まるで恋人同士のよう。
やだ、男同士なのよ、イケナイわ。
赤くなった頬に両手を当てて、やだやだと呟きながら、さとりは柱をみつめていた。
自然の輪から離れた情愛は、なんと魅力的なこと。
一度でいいから、生でおちんちんを見て見たい。
今すぐ見ないと死ぬ。
さとりはもじもじと膝を擦り合わせ、そんなことを考えていた。
そして、やろうと思った。

思い立ったら即行動。
ペットたちの寝所に、さとりは向かった。
さとりは地霊殿の主、多少の無茶は許されるのだ。

(おちんちん! おちんちん!)

脳内でリズムを取りながら、さとりは勢い良く廊下を闊歩する。
人間形態に変化できる能力を持ったペットの部屋に、あっというまにたどり着いた。
瞳をぐるぐると怪しく輝かせながら、さとりはそっとドアを開けた。
良く知ったペットの気配が、室内から感じられる。
これは燐(りん)と空(うつほ)のもの。
さとりはにんまりと笑うと、ふらふらと身体を揺らした。
さとりの周りの空間がパステルピンクに歪み、想起の力が発現される。
普段使用するトラウマを呼び起こす能力の応用、相手の脳にさとりの思考を埋め込み、
違和感なく肉体までも変化させる奥義である。
さとりから流れ出たパステルピンクのもやが、ドアの隙間から部屋に流れ込んだ。
ペットたちはなにも気づかず、もやの中に包まれていった。
もやが晴れたとき、誕生したのは、立派な二人の男だった。

           ***

寝巻きの隙間から覗く空の胸板を見ていると、燐は股間にズキンとしたものが走った。
短い光のような快感がきらめき、どうしようもなく興奮している自分がいる。
全ての事象が性的な興奮を刺激するように、燐は感じられた。
燐は発情期だった。
寝巻きのすそを布団の上に垂らして、空が寝そべっている。
筋肉質な腕。
たくましい首筋。
そして優しそうな瞳。
無意識に放出される空のフェロモンに、燐は頭がくらくらした。
空は膝を突いた姿勢で燐を眺め、早く寝ようと待っている。
燐は何故か恥ずかしくなってしまい、もじもじとしていた。
心の動揺をあらわすように、燐のしっぽがうねうねと揺れた。

「どうしたんだ、お燐」

空の低い声が、燐の耳に忍び込む。
まるで燐の脳内を愛撫するように、そっと鼓膜に入り込んだ。
燐は顔を真っ赤にして、空の傍に座る。
顔を赤らめて、言いにくそうに、上目使いに空を眺める。

「お空、あのね。あたい……」
「早く寝よう。私、疲れちゃった」

燐の言葉を遮って、空が言った。
空は身体をずいと動かして、燐の入るスペースを作る。
躊躇する燐の気持ちなど、空にはわからないようだ。
あまりにも日常的な空の態度に、燐は少し気後れした。
あたいは発情期なのよ!
こんなになってるのに、一緒の布団で寝るなんて、おかしくなっちゃうよぉ。
燐の内部の葛藤は、空に伝わらなかったようである。
どきどきと高鳴る鼓動に、燐は心臓が破裂しそう。
見慣れた友人の顔が、とても精悍に、そして美しく見える。
布団に寝そべるサブタレイニアンサンに、燐の旧地獄の針山は早くも完全に勃起していた。

「あのね、お空。今日は別々に寝ない?」
「あん? どうしたんだよ。はやく寝よ?」

空の男らしい声。
燐は負けた。

「なんでもない」

燐は顔を赤らめながらも、平静をよそおって空の隣に寝そべった。
わざと背を向け、火照った頭を静めようとする。
本当は、今すぐにでも空に襲い掛かりたい。
あらゆる技巧を尽くして空を興奮させて、自分をむちゃくちゃに犯して欲しい。
だが、燐のプライドは、正面から友人におねだりすることを良しとしない。
火焔猫はプライドの高い生き物なのだ。
どんなに興奮していても、相手から求めてほしいのだ。
燐は以外に不器用だった。
寝巻きからはみ出した二本の尻尾が、ふらふらと揺れる。
燐のしっぽは無意識のうちに、空の手に巻きついていた。
不思議そうな顔で燐を見つめていた空は、得心いったような顔で、燐のしっぽをぐいと引っ張った。

「にゃ!?」
「お燐、お前発情しちゃったんだろ」
「違っ! そんな乱暴に掴むな!」
「お燐のことはなんでも判るんだぞ?」
「やめて……」

燐のしっぽを引き寄せた空は、燐の身体ごと、腕の中に抱え込む。
頭一つ小さい燐は、すっぽりと空の腕の中に納まった。
燐の鼓動が一段と高まる。
密着した体勢の燐は、激しい自分の動悸が伝わるのではないかと、恥ずかしがっていた。

「お燐、すごくドキドキしてる」
「言うな!」

真っ赤になった燐が叫んだ。
どうして空は空気が読めないのだろうと、茹った頭で考えていた。

「へへっ、私にまかせとけ」
「ダメだって、そんなんじゃないって」
「いーからいーから」

空はしっぽをにぎにぎと握り、空いた手で寝巻きの隙間から腕を差し込んだ。
ごつごつとした空の手が、燐の身体を弄る。
じっとりと汗ばんだ身体は、すでに準備完了なのか、微熱を持って空の指先を迎えていた。

「にゃうう、違うの……」

燐は力ない声を漏らした。
本当は空の気遣いがたまらなく嬉しかったのだが、見透かされているようで気に食わない。
プライドと快楽の狭間で、燐の心は揺れていた。
空の指は、筋肉質な、それでいて柔らかい燐の肌を手繰り、股間のほうに腕を下ろしていく。
力強くも優しい愛撫。
重量のある制御棒を持っているためか、空の指は鋼のように硬い。
だが燐は、その硬さが嫌ではなかった。
大好きな友人だからこそ感じられる、愛しい硬さだった。
このままでは、燐はされるがままになってしまいそうだった。

「うくっ、お空、ぅぅ、頼むから、やめて……」
「お燐の身体、熱いぞ」
「あうう、違うの。ダメなのよぉ」
「えっ、もしかして、ホントに違ったの? ごめん!」

驚いた空は、あっさりと燐の身体から手を離した。
身体を弄っていた手を放し、しっぽを握った手も放した。
突然燐は、熱い抱擁を失った。
妙な肌寒さを感じる。

「あ……あー、ああー」

燐は困惑していた。
嫌がる振りはしていたが、このまま無理やり犯されると考えていた。
だが、空は馬鹿である。
嫌だといったら、そのまま受け取る相手なのだ。
相手の微妙な感情など、気づかないのだ。
薄ら寒くなった布団に納まりながら、燐は情けなさに襲われた。

「ごめん。私、また勘違いしちゃったよ。許してくれる?」と空。
「……そう」

燐は力なく返事をした。
勘違いじゃないのに!
内心そう思っていた。
いつもは人の気遣いも考えずに、核の力で暴走する空だったが、こんなときに限っていらぬ気を回す。
身体は、いまだ熱い。
欲望の炎が解放を求め、出口を探して渦巻いている。
脳から分泌された欲望が、身体を支配した。
もう、ガマンできない。
申し訳なさそうに大きな身体を縮めた空に、燐はしなだれかかった。
空の胸板に、燐の赤い髪がそっと触れた。

「お燐?」
「お空はホントに馬鹿だよ」
「なんだよぅ、謝ったでしょ」
「そうだにゃぁ」

猫なで声を上げて、空の胸に顔を埋めると、ツイと胸を引っかいた。
尖った爪で、優しく身体に指を這わす。
燐の指先は、弛んだ帯の隙間に滑り込んだ。
燐の腕が茂みの中に入っていった。

「あー?」

空が素っ頓狂な声をあげた。
挑発的な燐の態度に、空は混乱していた。
拒絶されたり求められたり、曖昧な燐の態度が、理解できないのだろう。

「おい、お燐。何なのよ」
「教えない」
「何言って──うぅ」

忍び込んだ燐の指が、ぎゅっとペニスを握り締めたため、空は腰砕けになった。
ふにふにと一物を愛撫する燐の指が、甘い刺激を空の脳に伝えてきたのだ。
燐はペニスの形に合わせて、しとやかに愛撫する。
見る見るうちに空の第二制御棒は、臨界間近の硬さになった。

「にゃにゃ、固くなったよ?」
「う、お燐が触るからっ」
「そうよ。あたいが固くしてやったんだ」

にやにやと笑いながら、燐はペニスを上下にしごく。
敏感なカリ首に指をあてがい、ニチニチと音を立てて、刺激を与える。
真っ赤に充血した空の亀頭が、はだけた寝巻きの隙間からそびえ立っていた。
燐は笑いながら、巨大な空の怒張を眺める。
獲物を嬲り殺す猫のように、空のペニスを弾き、敏感な部分をこね回した。

「お燐! お燐んん……」
「お空、気持ちいいの? 興奮してるの?」
「くぅぅ」

空の口元から、少し涎が垂れた。

「にゅふ。こんなに熱く、硬くしてぇ。あたいにしごかれて……出したくて堪らないんでしょ?」
「うん。うぅ……うふぅ……」

荒い息を吐き出す空。
大きな身体で燐を抱きしめながら、瞳を閉じて燐の頭に顔を埋めていた。
燐は空の腰の辺りに頭を屈めた。
亀頭の先をペロリと舐め、空の一物を口に含んだ。

「ぺろっ、ちゅ、んちゅ……」
「んはぁぁ……」

空が切ない喘ぎをもらす。
温かい燐の舌に、空のペニスはメルトダウン警報を発令中。
ざらざらとした猫舌が、空の敏感な部分を嘗め回していた。
燐は指で愛撫しながら、裏筋の形を舌で確かめるように舐め取る。

「んちゅ、ちゅぱ、ちゅ、れろん……」
「ああ、燐! お燐!」

ガクガクと腰を浮かす空。
空の喘ぎを聞くたびに、燐は自分自身が快感を感じているよう錯覚する。
燐のペニスもカウパー液を垂れ流し、いつ暴発してもおかしくない状態だった。
ちゅぱちゅぱと嘗め回し、力いっぱい握ったペニスを乱暴に往復運動。
空のペニスは赤紫に充血し、爆発寸前だ。
亀頭が一段と熱くなったとき、燐は突然愛撫をやめた。

「終わり」
「え!?」

ペニスから口を離した燐が、悪戯っぽい視線で空を見上げた。
ぬらぬらと光る口元を舐めながら、挑発的に空を見る。

「あー、うううー。お燐ン……」
「どうしたのお空。ヘンな顔してるよ」
「私、まだ……あー、イってないよ……」
「にひひひ。お空だけ気持ちよくなろうなんて、絶対に許さないよ」

燐は布団の上に立ち上がると、寝巻きを脱ぎ捨てた。
一糸纏わぬ少年のような身体は、興奮で赤くなり、股間の小さなペニスが痛いほど勃起していた。

「あたいもちゃんと、シて」

全裸になった燐が、お空に抱きつく。
お預けを喰らっていた空は、燐を力いっぱい抱きしめた。

「性悪猫!」
「うん。それが火焔猫ってもんさね」
「このっ!」

空は開戦の雄たけびを上げて、燐を布団に押し倒す。
うつ伏せになった燐の尻に、ペニスを激しくこすりつけた。
巨大な肉棒が、燐の尻肉の間を往復する。
唾液まみれのペニスは、尻の間でさらに硬度を増した。

「お空……熱い……ッ」

燐の切なそうな声を聞いた空は、野獣の本能が刺激される。
征服感が沸きあがり、もっともっと燐を自分のものにしたいと思った。
空のペニスが、注ぎ込む場所を求めて、燐の菊座にあてがわれる。
ひくひくとなまめかしく動くアヌスに向けて、空は夢中で腰を突き出した。
ミチミチミチ……。

「あぁぁぁ……」

燐が苦痛の声をあげた。
限界まで押し広げられた肛門に、空の巨大なペニスが押し入っていく。
拒絶するよう亀頭を締め付けていたアヌスが、破城槌に砕かれた門のように、ヌルリとペニスを迎え入れた。
ヌゥン……。

「あ゛! あ、あ、あ……」

激しい痛みが燐の身体を貫いた。
強烈な違和感と、身体を串刺しにされたような痛み。
燐は酸素を求める魚のように、口をパクパクと開けていた。
痛い! 痛い! 痛い!
燐はあまりの痛みから、思わず空から逃げようとしたが、空は燐の背中を押さえつけ、夢中で腰を突き入れている。
まるでレイプされているようだと、燐は思った。

「お空ぅ、痛い……痛いよぉ……」

ズブズブと内臓をえぐられる痛み。
傷つけられた直腸から、鮮血が零れ落ちた。
燐の血液で潤滑された肉棒は、次第になめらかにアヌスを行き来する。
はからずしも痛みが和らぎ、快感の欠片を、燐の脳に伝え始めていた。
淡い快感が、燐の脳を暖める。
燐のペニスが再び起き上がった。
徐々に熱せられた快感神経は、痛みを快楽に置き換えることで、燐の脳を癒していたのだ。

「にゃぁ、にゃあああん、にゃううう……」

燐は喘ぎ声を上げ始めた。

「うぅぅ、お燐の中、凄いよ」

肉棒を包み込む暖かな粘膜に、空は達しそうな声をあげた。
全体がぴったりと収まる快感。
大好きな燐と一体になったようで、空は感極まっていた。
柔らかな燐の身体が、空をさらに求めるように、尻を高く突き上げている。
しっぽの動きは、もっともっとと空を誘っているようだった。

「お燐、お燐んんん!」

空はうわごとのように燐の名前を呟いて、両手で腰を抱え込み、必死で一物を突き上げた。
ペニスが呑み込まれるたび征服感が沸いてくる。

「にゃん、にゃぁん! うにゃああああ!」

切ない喘ぎは空にとってのスパイスだ。
空自身を突き入れて、燐を犯しているという確かな実感が高まる。
アナルセックスという擬似的な子作りだったが、そこに差し込んでいるのは、確かに空のペニス。
燐の直腸に熱を焼き付けるたび、燐を自分のものにしているという実感がある。
空の脳を満たすのは、燃えるような快感と興奮、そして幸福感だった。

「にぁ! にゃぁぁ! にゃふぅ……おかしくなっちゃう……お尻を貫かれて、おかしくなっちゃう!」
「私も! お燐が気持ちよすぎて、おかしくなる!!」

途切れ途切れの声が混ざり合い、淫靡な合唱となって絡み合う。
空は力任せに燐の脚を持ち上げ、背面座位の体勢となって、燐を突き上げた。
空のたくましい怒張の上で、燐の無毛のペニスが震える。
精子の混ざった半透明の体液が、燐のペニスから零れ落ち、空の股間を汚していた。
M字に脚を持ち上げられた燐は、激しい責めに息も絶え絶え。
涎と鼻水を垂れ流して、ただただ空に身を任せていた。

「お燐の中、きつすぎるぅ」
「にゃ! にゃあ! お空のも、熱くって、硬くって、ふにゃぁぁ……」
「お燐、私、あぁぁぁ、もう……限界!」
「ダメ! まだダメ! あたいが、まだ、あたいが先にイクの! ふぁ、にゃああああああああ!!!」

一際高い叫びをあげた燐が、背中をそらせて身体を硬直させる。
痛いほどに勃起した燐のペニスから、最大級の精子の塊が、火山爆発のように吹き上がった。
噴水のようなそれは、天井近くまで昇り、木目に白い斑点をつけた。

「にゃふぅぅ……」
「ああ、お燐ずるいぞ! 私だってもう、もう! 出る! お燐の中に出る!!」

僅差で空も絶頂に達し、剛直した制御棒からあふれた白濁液が、燐の腸内に溢れかえった。
空の肉棒がびくびくと震え、最後の一滴まで、燐の中に注ぎ込んでいる。
空は幸せそうに瞳を閉じた。
脳が解けたように白く染まり、脱力した膝ががくがくと震えた。

「にゃうん……いっぱいぃ……」

空の精を注ぎ込まれた燐もまた、呆けたように口を開け、熱い脈動を感じていた。
痛いのに、気持ち良い。
アナルセックスという背徳的な性行為の快感は、燐にとって身体の隅々まで、
空に犯されてしまったような感覚を覚えさせた。
それは燐にとって、空のものになってしまったという実感だった。
開放感と虚脱感。
グッタリとした二人は、抱き合ったまま布団に崩れ落ちた。
空のペニスがずるりと抜ける。
燐のピンク色の肛門は、ひくひくと口をあけて、白い液体を垂れ流していた。
汗まみれの二人は、抱き合ったまま、快感の余韻を味わう。
大好きなもの同士だからこそ、つながりあった時の快感も大きい。
髪にうずまった空の吐息を感じながら、燐は幸せな気分でいっぱいだった。
  
          ***

突然ドアが開いた。
薄暗がりの中、幼稚園児のような服を着た姿が浮かび上がる。

「どうしようもない畜生どもね」

しっとりとした声が、寝室に響いた。
燐と空が良く知っている、敬愛する主の声。
乱れた寝巻きもそのままで、二人は勢い良く立ち上がった。

「さとり様!」
「さとり様!?」

同時に発せられた声が、仲の良い和音を作り出す。
不動の姿勢をとった二人を、地霊殿の主、古明地さとりが見つめていた。
肩から伸びる赤い触手の結合部、真っ赤なサードアイが、二人を凝視している。

「煩いから来てみれば、ペットがこんなことしてるなんてね。はぁ……」

心底見下げ果てたような、さとりの呟き。
視線の先にたたずむ二人を、軽蔑するような声だった。

「……」

二人は何も答えられない。
飼い主に叱られることが、恐ろしい。
二人はガクガクと震えて、ただ立っていた。

「私の屋敷をこんなに汚して、どういうつもりなのかしらね」

さとりは両目を閉じて、説教をする先生のように、人差し指を立てる。
もちろんさとりは怒るつもりなどない。
ドアの隙間から見た光景は、一生忘れられないほど、興奮と感動に満ちたものだった。
可愛いペットたちをほめてやろうと思い、身体を元に戻す想起の力を発散しながら、寝室に入ったのだ。
ただ、さとりはペットのご主人さまである。
多少の威厳を持って、たしなめながら、ほめてやろうと思ったのだ。

「まったくもう……いい? あなたたちは妖怪なんだから、もっと慎みを持って──うおっ!?」

さとりの冷たい視線に恐れおののいた動物コンビは、なりふり構わずさとりの脚に飛びついた。

「ごめんなさい!」
「さとり様! 許して!」

小柄な燐でさえ、さとりよりも身体が大きい。
二人の強烈なタックルを受けたさとりは、必然的に床の上に押し倒された。
鈍い音が室内に響く。

「テリブル!!」

さとりの目に火花が散った。
妙な叫びをあげたさとりに、二人が圧し掛かる。
許しを請うことでいっぱいの二人は、痛みに頭を抱えるさとりなどお構いなし。
たくましい身体でさとりを押しつぶしていた。

「発情しちゃったんですぅ! どうしようもなかったんですぅ!」
「私の制御棒がメルトダウンしちゃったんです! 許してください!」

総計150キロを超える圧迫に、さとりは身動きが取れなかった。

「うぐぐ……」
「さとり様! さとり様ぁ!」
「捨てないでください! 見捨てないでください!」

燐のしなやかな腕が、さとりにまきつく。
燐は裸締めのような体勢で、さとりの喉を締め付けた。

「ぐ、え、え。ヤ、メ、テ……」

喉を締め上げられ、吐き気がさとりを襲う。
のしかかった空は、さとりの胸を抱きしめ肺を圧迫した。
さとりは純粋に苦しかった。
後頭部の痛み。
喉を絞めあげられる吐き気。
ミシミシと軋む背骨。
もがいてももがいても、肉の圧迫から逃げ出せない。

「は……なし……」
「にゃああああん!」
「カァ、カァ、カァ!」

さとりの呟きは、叫び声にかき消されて、はかない響きをもって消えていった。
サードアイが、必死で謝る二人の本心を伝えてくる。
悲哀、恐怖、謝意、混乱……。
いくら心が読めても、許そうと思っても、伝えられなければ意味がない。
燐の腕をタップしながら、さとりの意識は徐々に遠のいていった。

「かひゅ……ひゅ……」
「さとり様黙ってる! 怒ってる!」
「許してください! 許してください!」

二人の強烈な締め付けに、さとりの黒目がぐるりと上を向いた。


おわり
極楽
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2009/08/31 09:54:05
更新日時:
2009/08/31 18:54:05
分類
古明地さとり
火焔猫燐
霊烏路空
おちんちんランド
1. 名無し ■2009/08/31 19:24:18
えぇえ!?
2. 名無し ■2009/08/31 19:51:42
やばい、こういう属性なかったのに
色々な部分が反応してしまった…
やはりここは魔窟だな、無論良い意味で
3. 名無し ■2009/08/31 19:53:01
シーメールな感じのお燐とお空を想像した
4. 名無し ■2009/08/31 20:02:05
飲み込んで。僕の制御棒…
5. 名無し ■2009/08/31 20:32:22
男というよりふたなりにしか見えなかった
6. 名無し ■2009/08/31 20:54:20
ふたなりでいいじゃない
7. 名無し ■2009/08/31 22:37:11
おちんちんランドで抱腹絶倒
8. 名無し ■2009/08/31 22:43:11
何故彫刻のちんこを勃起させたのか製作者に問いたい
9. 名無し ■2009/08/31 23:39:21
ふたなりということにしておかなければこの感情に説明がつかない
10. 名無し ■2009/09/01 01:13:24
イケメンがっしりお空にショタお燐・・・

ふぅ・・・
11. 名無し ■2009/09/01 01:16:35
テリブル吹いた
12. 名無し ■2009/09/01 01:35:16
俺もこのお空に掘られたい
13. 名無し ■2009/09/01 03:40:41
おりんりんとお空なら
例え、男の姿になろうとも掘られてもおk
14. 名無し ■2009/09/01 06:08:17
お空に抱かれたい
15. 名無し ■2009/09/01 09:23:26
良かった、同志がこんなに
16. 名無し ■2009/10/02 19:41:13
俺の頭ではレスリングしてたぞ
ちくしょうどうしよう
17. 名無し ■2009/10/23 22:53:06
余裕で抜いた
18. 名無し ■2010/06/12 17:28:31
二人が可愛く思えた。やばい
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