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『チルノは考えた。』 作者: ウナル
チルノは考えた。
「どうして巫女の服は腋が出ているんだろう? あんなに腋が出ていたら、毛虫が中に入ってしまうじゃない」
チルノは想像した。
森の中を飛ぶ霊夢。しかし、春先には毛虫がいっぱいだ。
毛虫達は霊夢の腋めがけて次々と飛んでくる。
腋から腋へ毛虫が入っていく。
たくさんの毛虫は霊夢の中を這い回って足まで届くのだ。
やがて服の中は毛虫だらけになって、もじゃもじゃの毛むくじゃらになるんだ。
チルノはさらに想像した。
もしも、霊夢が毛むくじゃらになったらどうなるのだろう。
きっと掃除が楽だ。歩くだけでホコリが取れるんだ。
あの巫女はたまに境内の掃除をしているけど、その必要はもう無いのだ。
歯磨きの必要もないぞ。口を動かすだけで毛が掃除してくれる。
これは便利だ!
それだけではない。
あれだけ毛むくじゃらなのだ。ちょっとやそっとの弾幕ではビクともしないだろう。
チルノは自分の放った弾幕が毛によって弾き飛ばされる様子を想像した。
『くらえ! アイシクルフォール!』
『無駄よ! 毛符《毛ムジャラ結界》!』
無数の弾幕が霊夢の毛によって弾き飛ばされる。
霊夢は高笑いをしながら、ギュルギュルと回転する。
そのままチルノの方に近づいて来る。
そして、チルノをがっしりと掴んでこう言うのだ。
『貴方も毛むくじゃらにしてあげるわ!』
『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』
チルノは毛むくじゃらに吸い込まれていく。
ぺっ! と霊夢に吐き出されたのは、もじゃもじゃの毛むくじゃらの毛虫だ。
「う、うわぁぁぁぁん!!」
チルノは怖くて飛び出した。
そして、ある友人の元へと向かう。
「リグル、ひどいよ!! あたいを毛むくじゃらにして!!」
「えっ!? 何の話!?」
それからチルノは毛虫を凍らせるようになった。
リグルは必死でそれを止めた。
◆◆◆
チルノは考えた。
「どうして魔理沙はきのこを食べるんだろう? あんなに食べたら体からきのこが生えてきちゃうよ」
チルノは想像した。
森で無数のきのこを採る魔理沙。
家に帰って、きのこ料理を作る。
きのこご飯、きのこの味噌汁、きのこの炒め物、きのこのジュース。
きのこのイスに座った魔理沙は、きのこの机に料理を並べて、きのこの箸を使って、きのこを食べるのだ。
やがて魔理沙の体からはきのこが生え出して、お化けきのこになるのだ。
チルノはさらに想像した。
お化けきのこになったらどうなるのだろう。
お腹が空いたら自分に生えているきのこが食べられる。これはすごい!
それに高いところから落ちても平気だ。きのこがクッションになってくれる。
それだけではない。
お化けきのこになったら歩いた後にきのこが生えるのだ。
魔理沙が歩くたびにきのこが生えていって、やがて辺り一面きのこだらけになるのだ。
そして、そのきのこを食べた人もお化けきのこになるのだ。
『お前もきのこになるんだぜ!!』
『ひぃ!』
逃げるチルノ。だけど、目の前にはきのこの群れだ。
幻想郷はきのこでいっぱいだ。
『だ、大ちゃん!!』
チルノは友達の大妖精を見つけて急いで駆け寄った。
だけど、振り向いた大ちゃんの頭からはポコポコときのこが生えてきた。
『チルノちゃん〜。一緒にきのこ食べよ〜』
『うわーーーーっ!! モゴモゴ!?』
チルノの口にきのこが押し込まれる。
するとチルノの頭からもポコポコときのこが生え出して、チルノもお化けきのこになってしまった。
「い、いやああああああああっ!!」
チルノは怖くて飛び出した。
そして、ある人物の処へ向かう。
「ひどいよ、幽香! あたいをきのこにして!!」
「なんだかよく判らないけれど、酷く不愉快ね」
チルノは幽香にボコボコにされた。
結局最後まで、植物と菌類の違いは理解できなかった。
◆◆◆
チルノは考えた。
「アリスの人形はどうして動くのだろう? あんなに動くなんてまるで妖精みたい」
チルノは想像した。
虫網を持って森の中を進むアリス。
妖精を見つけるとすばやい動きで捕まえてしまう。
そして、家に帰ると人形のきぐるみの中に妖精を押し込むのだ。
歯向かう妖精にはお仕置きをして、無理矢理に言うことを聞かせているのだ。
それだけではない。
毎日毎日、刃物を使う練習やアリスの指示通りに動く練習をさせられるのだ。
言うことを聞かないと夕食の材料にされてしまうのだ。
さらにだ。アリスの人形は時々爆発する。
つまり、中にいる妖精に爆弾を持たせて、特攻させられるのだ。
『チ、チルノちゃん! 助けて!!』
『ふっふっふっ。息の良い妖精が手に入ったわ。さあ、家に帰って人形にしてあげる。毎日爆弾を抱えたり刃物を使う練習よ』
『だ、大ちゃーん!』
アリスに連れ攫われる大妖精。
チルノは魔王アリスから大ちゃんを取り戻すことを決意した。
悪の四天王“プリセスゆかりん”、“キャプテンえーりん”、“ジェノサイドかなこ”、“ヘルホールゆゆこ”を倒し、チルノは悪の居城『まーがとろいど』を目指す。
しかし、すでに大妖精は人形へと改造され、魔王アリスの手下になっていたのだ。
『ぶわぁはっはっ! かつての友達同士で争うなんてなんと素晴らしい光景! さあ、大妖精よ! チルノを倒してしまうのよ!』
『ダーイ!』
『大ちゃん目を覚まして!!』
『あ、大妖精が負けそうね。じゃあ、ポチッとな』
『ダーイ!?』
『大ちゃーーーーーーーーんっ!!』
どかーん。
チルノは涙を流しながら飛び出した。
唯一無二の友の元へ。
「大ちゃん! あたい頑張るよ! 必ず大ちゃんを助けてあげるから!!」
「へっ? あ、うん。なんだかよくわからないけど、ありがとうチルノちゃん」
チルノはアリスの元へ殴り込みに行った。
博麗神社に来ていたアリスは急に襲われて、慌てて反撃した。
人形を使うたびにチルノは物凄い剣幕で怒った。
「平和ね」
「だぜ」
縁側でお茶を飲みながら、霊夢と魔理沙はのんびりと弾幕勝負を見ていた。
幻想郷は今日も平和だった。
おわり
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2009/09/03 09:30:38
- 更新日時:
- 2009/09/03 18:30:38
- 分類
- チルノ
無粋なこというと「ご拝読」はおかしい
そそわでも大丈夫そうだが、受け付けない人もいるだろうし、ここが正解か
拝読は謙譲語だな
そこかw
チルノにはたくましい想像力を活かしてホラー小説家になっていただきたい。
毛巫女と茸魔女は見たら泣く、絶対泣く
難しい顔で考え事をしていたら、どんどん青ざめてガタガタ震えてるチルノを想像したら滅茶苦茶可愛くて和みました
こんな話が受け付けられるか、ちょっと心配でしたが和んでくれたようで良かったです。
>>1 うわっ恥ずかしい! ウナルはチルノ以下か!?
>>2 ぼのぼのを見た事無いのですが、こんな感じですか?
>>3 「あほって言った方があほなのよ!」
>>4 「きのこって木の子どもでしょ?」
>>5 そもそもチルノは字が書けるのかな? 大ちゃんが代筆?
>>6 うん、ソードマスターをイメージしながらその下りは書きましたw
>>7 まさにそこですよ! ガクブルチルノ! これは来る!!
チルノの想像力に焦点を当てるってアイデアが素晴らしい