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『自分で慰める』 作者: タダヨシ
一
今日は雨が降り、いつも整えられた庭を潤おしていた。
歩きながらも急いでいる。足の裏から床の冷たさが染み込んでいく。
だが、そんな事は気にしない。
私は歩いている。あの人が住んでいる広い白玉楼を。
一瞬か、膨大な時の質量が過ぎた後、自分は白玉楼でも滅多に人が立ち入らない障子の前に立っていた。
私は安心した様にその木枠に手を添えて、開く。
今まで白い紙が隔離していた空間は私の前に姿を現す。
埃を着飾った書物、尋常ならざる年月と結びついた木箱、今では労働の義務を破棄した家具。
ここは物置として使われている部屋。
私は開いた障子から外の様子を眺める。
だれもいない。
その事を確認すると急いで障子を閉じた。
もうここには私しかいない。
そして陰気がまどろむ物置部屋を見回すと、いつも思う。
ああ、またここに来てしまった。
心の中には失望にも似た空虚と、火がついて赤くなる木炭の様な騒ぎがあった。
私はするりと痩せた畳の上に正座すると、常に持っている刀を置いた。
この部屋で刀を手放すと、ほんのひと時だけあの人との関係が解ける。
胸元の奥に手を伸ばすと、何とも言えぬ柔らかい反発が返答する。私はその反発を掴み、己の目前に踊らせた。
もうこれで何度目だろう。
両方の掌に囲まれて存在しているそれには蒼い布と白い布、そして何よりも特徴的な赤色の渦巻きがあった。
また、盗ってきてしまった。
私は洗濯のためにあの人――幽々子様の体から離された帽子をこっそりと盗み、この誰もいない部屋であの行為に走ろうとしている。
こんな事をしているとあの人に知れたら、私はただでは済まされないだろう。
だけど、でも……
私は幽々子様の帽子に顔を近づけた。
どうしても止められないのだ。
ふと、いつから自分の忠誠は汚れてしまったのかという疑問が過ぎた。だが、幽々子様の尋常ならざる程に美しい衣は、私のちっぽけな考えを残酷に崩していく。
顔に布の結晶を密着させると、一気に空気を自分へと取り込む。
ああ、甘い。
私の肺は幽々子様の代謝物や気質の空気に占領されていく。
「幽々子様……いい……香り」
暫くはずっとこの動作をしていた。静かな部屋の中には恥ずかしい程に己の呼吸音が響いていた。
いつもはこの穢れた呼吸をしていれば、そのうちに妙な疼きは治まる。しかし、今日は例外だった。
唇に布とは別の感触が伝わる。
何だろう?
気になった私は口にはりついたそれを指で掬い、目を向ける。
この、しなやかで艶のある糸は。
私の指には赤紫色の髪がぽつりと一つ立っていた。
そうか、これは幽々子様の……
細い糸が何かを理解した瞬間、それがさっきまで自分の唇に付いていた事を思い出した。 同時に夢想と踊り合った様な考えが飛び出してくる。
わたしは、幽々子様に接吻をした。
あまりにも飛躍した思想に何度も嫌悪を抱き、掻き消そうとしたが、頭の中にはあの映像が消えない。
わたしが、幽々子様に、接吻をする。
そして、その、次は……
私は体の奥底に粘りのある熱を感じ、恐らくその中心であろう部分に手を這わせた。
「ゆゆこさま……」
自分と無意識の手を隔てる布はいつの間にか退かされていて、私の手は直に熱の中心に触れた。そこは雨粒を吸った砂利の様に膨らんでいる。心は躊躇っていても非常な指はその部分を弄繰り回す。
「んっ!」
私の喉は心地良さを撒き散らす。そして、頭の中では現実に起こるはずも無い、幽々子様との激しい行為が行われている。
その想像が流れても己の指は止まらず、想像の自分と幽々子様はどんどん絡み合っていく。
それは言葉では言い表せない位に乱暴で、汚い動き。
乱れた、反逆的な忠誠。
「ゆゆこさま、ゆゆこさまぁっ! わたし、わたしは、もう……」
体から熱があふれ出して、部屋中に拡散していく。
私の見える世界は燃え上がり、明滅する。
「あっ、ぁぁぁっ!」
意味の無い声を垂らし、畳に崩れる。
暗転した私の視界には、幽々子様と沈んでいく熱しか見えない。
視界はすぐに晴れたが、それでもほんの少しの時間、畳の上に横たわっていた。
その後、起き上がった私は自分の周りの畳を見回す。そして、思った。
掃除を、しなくては。
私は畳の上に散らばった自分の液体を拭い去る為、障子を開けて部屋を出た。
2
私は店の中にいる。と言っても何かを買いに来たわけではない。
魔法の森入り口にあるこの店の商品はどれも価値のある物だ。だが、それすらも私の心を揺り動かすのには足りない。
本当に私の心をがたがたに揺さぶるのは……
おっと、いけない! 危ないところだった。
店の立て札がそのままになっている。
私は香霖堂の開店表示を自分の意思で勝手に閉店に変え、扉の鍵を閉めた。
「ふぅ、これで安心」
私は店の中で安心の息を排出した。その後すぐに本来の目的へと頭を廻らせ、辺りを見回す。
数々の珍しい道具や珍しい書物。そして、店主がいつも居座っている勘定台。
しかし、そこに店主の姿は無い。何故なら今はその仕事を休めているからだ。
私は香霖堂の商店としての部屋を無視し、さらに奥へと慎重に進む。
そこには、森近霖之助の生活空間が存在していた。
地味な家具や錆付いた道具が散乱している。しかし、今はそれらに用は無い。
私は狭い部屋の中に遠慮がちな目を滑らせる。机の上。
これだ。
私は目的の物を視界に捕らえると、慎重かつ無神経に接近する。
この前、香霖堂の店主に霊夢が預けた着物だ。
私の頭には朽ちたフィルムの様な記憶が巣食う。
いつもの三人の会話の後、紅白の巫女が言った言葉。
『これ、袖の端が破れてしまったの。直してくれる?』
ほんの、日常の一部。ただの客と店主のやり取り。
しかし、私の頭はその事をとてつもなく冒涜的に解釈をした。
だから、私は今ここにいる。
霊夢の言葉は自分の心に表しがたい火を焚き付けた。
机には彼女が身に着けていたちっぽけな布切れがある。私はそれを眼で撫で回した。
危険の香る白い布、汚れを否定するような紅い布。
この有毒な色の対立は私の人として守るべき約束を暴力的に埋没させていく。
「いけないなぁ……霊夢」
自分は何も悪く無い。私の近くで愛らしく存在している彼女が悪いのだ。
私の手は彼女の着物に迫っていく。
彼女の白い袖を指でなぞる。すると、雪色の生地は何とも気だるく、妖しげに身をよじる。
紅白の巫女の軽やかなリボンを握ると、無抵抗に私の掌に収まってしまう。
何でもないその様子は、自分の火を暴れさせるのには十分だった。
「霊夢っ!」
私は着物の胸元を舌で踏みつけ、自分の火の元を机で押し付けた。
口から伸びる肉色の蛭は、体の中に彼女の味を運び入れる。
「んんっ、しょっぱい」
私は霊夢の体から出た塩辛さに正直な感想を提出した。だが、当然それだけで治まる様な純情な欲は持ち合わせていなかった。
舌はさらに霊夢の布を触り回り、粘つく液体を擦り付けていく。同時に揺らめく火を刺激する作業もその勢いを増し、机をがたがたと揺らしていた。
「れいむっ、れい……む、れいむ、れいむぅ!」
私は無意識に彼女の名を呼んで、自分の中にある欲望を激しくひっくり返す。
揺らめく火は私の頭を、胸を、腰を、全てを、おかしくする。
意識が膨らました途中の、紙風船の様だ。
私はぼやける視界の中で、無意味に語った。
霊夢は、私だけの、誰にも無い、愛らしい、私だけの巫女だ。
そして、誰も使ってはいけない、私だけの魔法だ。
V
湿り気と胞子が呼吸に絡む。地面は靴裏を受け止めて、何の音も出さない。
私は今、魔法の森を歩いている。
爽やかな朝は、この木々と茸の群れには存在していない。
私はあそこへと足を辿らせる。いつもの、ちっぽけな、あの小屋へ。
合わせ鏡の様な連続した森の風景。どこまで歩いてもずっとこの場所から動くことは無い、という妙な錯覚に囚われる。
あんなくだらない事は諦めて、自分の家に戻ったら?
そんな思考が自分をかすめるが、無視してまた足を前へと向けた。
時計の秒針が、十回か、二十回か、はたまた五回廻った時、私は視線の先に小さな木造のおもちゃじみた家を嗅ぎつけた。
そうだ、あそこだ。
足が勝手に速まる。すぐに目的の小屋に辿り着いた。
この小さな家にはちゃんとした扉が付いており、客人が鳴らす為の可愛らしい呼び鈴が身を構えている。
しかし、私はその小屋の持ち主が用意した親切心を無視し、扉の前から光の射さない窓へと体を動かした。
私は窓の下に頭を位置し、家の主について考えた。
今日はどんな顔をしているのだろう?
暫くはその考えに煌めきを騒がせた。そして、漸く頭を上げて窓を覗く。
ああっ、魔理沙。
「かわいい……」
この湿り気と胞子が舞う陰気な森で、私が毎朝見るのは、陽気な、でもちょっと乱暴な女の子。
今は大分痛んだ毛布に包まって眠っている。
安眠の呼気を鳴らしながら、ゆっくりと上下する胸は精巧に作られた自動人形の様だった。
それだけでも私の心は溺れてしまいそうになるのに、彼女の魅力はそれだけでは収まらない。
私と同じ金色の髪、どんな人形師が苦心しても作れない白くて流れる手足、どんな芸術家に依頼しても再現できない愛らしい顔、乱暴の見た目に光る少女の香り。
その全てが私の意識を傾けて、夢の中に溶け込んでいく感覚を呼び起こした。
それと同期して、私が過去に魔理沙に行ってしまった仕打ちを思い出す。
『人の話を聴かないなら、出て行け!』
何故、あんなことを言ってしまったのだろう?
私はほんの一瞬だけ後悔した。しかし、それも目の前の寝顔に掻き消された。
輝く金糸の髪に囲まれた、何にも悩まされていない顔。
睫毛が穏やかな川面のように揺れている。
よかった。魔理沙は何も気を病んでいないみたいだ。
私は無責任な安堵を抱え、そのまま自分の家に帰ろうとした。
しかし、その時私の行動を狂わせる事態が起きた。
ばさり。
突然の音にもう一度窓に眼を向ける。
これは……
寝返りでもしたのだろう。
私の視界には床に落ちた薄っぺらい毛布と寝巻き姿の魔理沙が存在していた。
言葉で表現すれば本当にただそれだけなのだが、私の心を大きく騒がす要素が存在していた。
それは魔理沙の寝巻きだった。
彼女はその身に纏う豪快さと乱暴さから、普段は白と黒の粗末な服を身に着けている。
しかし、今そこにいる魔理沙の寝巻きはそれとは全く異なるものだった。
その寝巻きは必要以上に丸みを帯びていて、沢山のフリルがついている。
そして何よりも私が心を慌てさせたのはその柄だった。
あれは……まさか?
魔理沙の寝巻きには複数の可愛らしい動物や花が踊っていた。
そんな、あの魔理沙が……
「あんな、あんなかわいい服を着るなんて」
私の視線には文字通りの少女が存在していた。
自分の心に魔理沙がかわいいという想いが、これ以上無い位に溢れ出ていた。
「魔理沙……」
溢れた想いに連動して私の指は、その、何と言ったら良いのだろうか、自分のお腹の下の、普段だったら口にする事も躊躇われるであろう部分に動いていた。
「ん! ふぅっ」
小さな息が口の端から漏れる。妙な痺れが私を操る。
魔理沙に対する想いは指を操り、私をそのまま痺れの糸の中に絡み込んで行く。
貪欲に、しかし誠実に自分は欲に嵌まり込む。
「まりさぁ……まりさ、まりさ、まりさ、まり」
指の動きが、体のだるい疼きが止まらない。
体の高鳴りと魔理沙への想いが身を寄せ合って、激しく弾ける。
「あぁあっあぁ、ぁああぁ!」
私はその刺激によって、その場に崩れた。地面には、湿った土が迎えていた。
暫く地面に体を付けていると、魔理沙の事が妙に心配になった。
魔理沙はどうしているのだろう?
私は身を起こし、もう一度窓を覗いた。
ああ、よかった。
粗末な硝子の向こうには金色の髪をした少女がやさしい夢を見ているかの様に眠っていた。
私はその結果に大いに安心し、魔理沙の家を離れることにした。
彼女の小屋を離れる途中、脚の間にある湿りを何度も意識した。
その度に私の顔は赤くなった。
わたしはなんで、魔理沙を見ると変になってしまうのだろう?
投げやりな疑問を自分に送り、私は魔法の森を進んでいった。
《主な登場人物》
一、魂魄妖忌 (筋肉隆々、剛毛)
2、森近霖之助(よく声が裏返る)
V、魔理沙パパ(さらさら金髪、重度の肥満)
エロ注意って書いたからみんな大丈夫だよね!
ちなみに妖忌も霖之助も魔理沙パパもみんな絶頂する時はアヘ顔だよ!
タダヨシ
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2009/09/23 10:23:22
- 更新日時:
- 2009/09/23 19:23:22
- 分類
- エロ注意
あんたって人は……
ひどすぎるwww
>>3
クソ吹いた
クソ吹いたじゃねえか!
最低だ
馬鹿野郎www
いいよ、勝手に妄想しとくから!!
無双状態の人がいるwwwwwww
タダヨシこの野郎ww
知らなかった
死にたい
うるさいだまれ