空を飛んで貴方に逢える翼をください

霧雨魔理沙が死んだと聞いたのは文の新聞の記事だった。

『お、わりぃ。香霖に呼ばれたのを忘れてたぜ！じゃあな！霊夢。』

昨日二人で麻雀やお茶を飲んでいて、夕暮れ時に魔理沙は香霖堂に向かっていった、
そして霖之助さんと魔理沙は死んでしまった。

二人で逝ったのだろう…
私が知っている限り二人はいつも恋人の用に仲良くて。微笑ましくて。幸せそうだった…
私は二人が死んでしまったこと悲しむ以上になぜか羨ましい、

魔理沙は愛する人と一緒に逝けたということが、
私が密かに思いを寄せていたあの人と逝けたということが、
本来霖之助さんと逝くのは私のはずだった、

いや、私たちは死ぬまで三人一緒が良かった。今となっては叶わぬ願いだが。




二人が死んでから数日後、文と紫と萃香が死んでしまった、原因は不明。体のあちこちに大きな刃物のような痕があっただけだ

また私の友人が死んだ。私は悲しかった。彼女たちもまた三人で仲良く逝けたのだから












ゆ・・・う・・・・・・じ・・ん？


ふと思った、魔理沙も霖之助さんも文も紫も萃香ももしかしたら私のことを嫌っていたのかもしれない。
だからあの人たちはみんな仲良く死んでいる。
私だけ除け者なのだろうか。

誰か私と一緒に逝ってくれる？


誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か!!!

私は大慌てで紅魔館に向かうが紅魔館は全滅。あるのは床に散らばった沢山のナイフ、
私は大急ぎで白玉楼に向かうが大きな桜の木が屋敷を侵し。従者と主は消え去っていた
私は山に向かうが河童も、雛も、秋の姉妹も、早苗も、守矢神社すら無くなっていた。


私は何もかもなくしたということに気づき、境内に座り込んだ。


私はこの世界で一人で生きていかないといけないということがどんなにも苦なのか想像できなかった、いや考えたくなかった


これからどう生活していけばいいのだろう。


考えたくない考えたくない、



もし私に翼があるのなら空に逝った仲間たちを呼びにいけますよね・・・


そう思い私は守矢神社の境内から空に飛び上がろうとした・・・そのとき


「霊夢！待て！」


霖之助さんが右手に大きな機械を持って私の前に現れた。
霖之助さんが生きていた、
魔理沙も生きているのかもしれない！

ねぇ霖之助さん魔理沙はどこ！？

「・・・それは・・・」

だったら私を魔理沙の元に連れていって！！！

「いい・・・のかい？」

霖之助さんは持っていた機械のスイッチらしきものを引っ張る。

ブルロロロロロロ・・・

「じゃあ・・・魔理沙と楽しんできてね。霊夢・・・」

機械の轟音が大きくなり、やがてその音に私の首を抉る生々しい音混じり、

最期に。最期に目の前が真っ赤に染まった





ぼとり。と霖之助の目の前に商品泥棒の仲間の首が転がり落ちた


「お前のせいであのクソ女が僕の店の商品を盗むん・・・だよっ！！」

霊夢の生首を神社の石段に投げ捨て、パイプを吹きながら霖之助は思った

「・・・やれやれ。なんでここの人たちは皆死にたがりなんだか。」

まさかここまでこのチェーンソーが役に立つとは思わなかった。

さて、新しい僕の店のための土地を探さないとね
あのクソ女を殺すのに店が焼き払われたからねぇ・・・
いやぁ参った参った。