Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『超高齢者戦隊ババレンジャー【第1話】』 作者: どっかのメンヘラ
どの時代、どの国、どの人種にも必ず「悪党」というものは存在した。
そんなようなことはけーね先生が言ってなくても誰でも知っている。
そして「悪党」と呼ばれるものたちはあるときは社会の欠陥を利用した。
またあるときは力ある組織を作り出し社会を牛耳った。
そしていつも例外なく善良なる人々を苦しめ続けたのだ。
しかし常に彼らの存在は長く続かず、いつかは滅び去る存在であった。
なぜならどの時代、どの国、どの人種にも必ず「正義の味方」が存在したからである。
彼らは人々の苦しみをどうとも思わない人々を憎しみ、そして滅ぼさんとし、弱きものを守らんとするする存在であった。
正義の味方は「確かに」存在するのである。
ここ幻想郷も決して例外ではない。
人々の記憶から零れ落ちていった者達が集う、剣と魔法のファンタジー世界がいささか退屈に見えるほどカオスでシュールで何でもござれな摩訶不思議ワールド幻想郷にも「悪党」は確かに存在した。
また彼らを打ち砕くため、日夜奮闘を続ける「正義の味方」もまた存在していた・・・。
正義と愛の心を胸に秘め、長生きしすぎて老化がとうとうおつむに来てしまった彼女たちを人々は驚愕と軽蔑の念をこめてこう呼んだ。
「高齢者戦隊マジェスティック・ババルテット」と・・・。
「超高齢者戦隊ババレンジャー第1話・爆誕!超高齢者戦隊ババレンジャー」
「スキマの心は正義の心!悪をスキマの彼方に葬り去る女!八雲紫!」シャキーン!
「オンバシラは悪を打ち砕く正義の刃!八坂神奈子!」シュピーン!
「親の健康子の健康!大事な人の健康を守る女!八意永琳!」ピキーン!
「悪党たちを冥界の旅にいざなう女!西行寺幽々子!」ピカーン!
「高齢者戦隊マジェスティック・ババルテット!ただいま参上!」
4人がそれぞれ戦隊ものでお馴染みの名乗り口上ときめ台詞を叫び終わると同時に、彼女たちの後ろで爆音とともに紫、茶色、赤、青の煙が噴出する。
「なんだよこりゃあ!ババァしか出てこねえじゃねえか!」
「つまんねえんだよクソババァども!帰れ!」
洩矢神社境内の特設会場(諏訪子が一晩でやってくれました)で彼女たちはちゃばんげk、失礼、良い子のための公開ショーを公演していた。
がしかし今は平日の昼下がりである。子供たちは皆慧音の寺子屋で退屈な午後の授業を受けている。
平日で寺子屋が休校になることなどほとんどない。
あるとすれば春、夏、冬の長期休暇と慧音の誕生日と幻想郷入り記念日くらいである。
彼女たちは「夏休み特別ショー」という触れ込みでやっていた。
残念ながらその夏休みも10日前に終わっていたのだが。
今ここにいる人々は幻想郷をうろつくアル中の浮浪者たちである。
彼らは「何かよう分からんが一晩の内に洩矢神社の境内に屋根付の建物ができた」といううわさを聞きつけてやってきたのである。
9月とはいえまだ残暑が厳しい。
浮浪者たちは涼をとるために集まってきたようだ。
ババルテットの4人の予想していた年齢層とまったく違う人々ばかりやってきた。
三人は不審に思っていたがババルテットの頭脳永琳の「きっと『大きなお友達』よ」という意見に残りの3人はなるほどと納得した。
決めポーズを決めた4人はビール缶(タバコの吸殻入り)や弁当の空き箱(酒臭いゲロ入り)や生ゴミ(ちょっとすえた臭い付き)と罵声(放送禁止用語入り)のシャワーを浴びる。
しかし4人はまったく気にしない。なぜなら彼女たちは正義の味方だから。
正義の味方は理解されず善良な人々に反発されてしまうこともある。
でも平気、なぜならそれは正義の味方の宿命だから。
正義の味方はこの程度でへこたれてはいけないのである。
荒っぽいけど根は善良であろう彼らはいつかきっと理解してくれるであろう。
「HA★HA★HA★HA★HA★覚悟しろババルテット!!」
突如として会場に響く声、声の主は「悪の枢軸・怪人ケロケロ仮面」、もとい全身黒タイツにケロ○軍曹のお面を被った諏訪子だった。
なぜババァ脳の神奈子はともかく諏訪子がこんなにもくだらない茶番に参加しているのか?
これを説明するには、まずここ最近の洩矢神社の状況から説明しなければならない。
洩矢神社はここ最近信者の減りが激しかった。神奈子のババァ脳的言動のせいである。
「幻想郷中から強力な妖怪、人間の死体を集めて人里の人間に死体を見せ付けて『生き延びたければ我らを信仰しろ』って言ったら信仰集まるんじゃね?」
といきなり変な毒でも盛られて脳みそが腐ったような電波発言をして神社を飛び出して竹林に行き、そこでどんなにむごい殺し方をしても平然と生き返ることで定評のある少女藤原妹紅に、
「たのむ!100万回死んでくれ!」
といいオンバシラで手足と頭を潰そうとして逆に返り討ちにあって注連縄とオンバシラを燃やされてしまった事件を初め、数々の奇行を行うようになってしまった。
そんなことを繰り返しているものなので、信者は減る一方であった。
さらに悪いことに、最近いきなり空から飛んできた近所のお寺のせいで、信者(特に6歳〜15歳のロボットアニメ好きな男の子)をごっそり持ってかれてしまった。
早苗はこの2つのことが原因で不眠症になり、よりによってその解決策を大して飲めもしない酒に求めてしまった。現役女子高生にしてアル中になった早苗はいまや言動も行動もここにいる浮浪者たちと大して変わらない。信仰を得るため藁にもすがる思いだった諏訪子は紫が持ち出したこのトンデモ案をあまり深く考えずに受け入れてしまったのだった。
(何で神奈子はこうなちゃったんだろう・・・確か去年の宴会で八雲紫と意気投合して仲良くなってマジェスティック・ババルテットに入る前まではごくごく普通だったんだけどなあ・・・。)
そんなことを考えながら4人のパンチやキックをテキトーに受け流していた所、いきなり舞台上に一人の女が登ってきた。
手に鉄製のハンマーをたずさえたこの女の、白黒のドレス、紫と金の特徴的な髪、そしてなによりそこはかとなく漂うババルテットの四人と同じ臭いに諏訪子は激しいデジャヴュ感を覚えた。
そして白昼の惨劇は突然起きた。
「アラお客さん、サインはパフォーマンスが終わってからに・・・。」
「死ねええええええぇぇィ!」
「ぎゃぁぁぁすっごぶきゅっ!!!」
その女は近寄った幽々子の脳天にハンマーを振り下ろした。
幽々子の頭は血液や脳や眼球を撒き散らしながら四散する。
てっ辺の司令塔を失った幽々子の体は崩れ落ちるように倒れた。
あまりの惨劇に一瞬言葉を失うもすぐさま戦闘態勢に入る3人。
そしてその女はおもむろにハンマーを捨てると紫のもとに駆け寄り、こう言った。
「私をマジェスティック・ババルテットの一員にしてください!!!」
一同唖然。会場内に異様な空気が流れる。
「私は今日あなたたちの姿を見て私は感銘をうけました!いや、もう言葉にできないぐらいです!私は聖白蓮というものです!近所のお寺で住職兼魔法使いをしています!こうして幽々子さんもくたばってしまったことですし、私をマジェスティック・ババルテットの新隊員に・・・。」
「そこまでよ!」
後ろから声がした。その女、白蓮にとって本来聞かれるはずがない声であった。
声の主は幽々子だ。
いつの間にか叩き潰された頭は復活し、飛び散った頭の破片は雲か霞のごとく消え去っていた。
「な!?こいつ生きてた!?」
それもそのはず。幽々子は亡霊である。
般若心経や坐禅和讃ならともかく打撃系攻撃では死ぬはずもない。第一もう死んでいる。
「そこまでよ。」
紫の声に反応し振り返る白蓮。
紫は後ろにスキマを展開し、そこから藍がいやそうにでてきた。
神奈子はオンバシラを構えている。
永琳は弓を白蓮に向け構えている。
幽々子は白蓮が自分の頭を叩き割ったハンマーを構えていた。
(ここまでかっ・・・。)
白蓮の頭に今までの思い出が走馬灯のようによみがえる・・・。
(ただなにぶんババァだったので記憶がだいぶ飛び飛びだった・・・)
白蓮は源氏物語をこよなく愛するちょっと夢見がちなごく普通の僧侶だった。
しかし彼女のこよなく愛した源氏物語が、結果的に彼女の進む路を誤らせた。
いつからか白蓮は自分も光源氏様のような絶世の美男子に求婚され、そのままあれよあれよのうちに源氏様と夢のような一夜を過ごす。
そこで女として生きる喜びを教えられ、そのまま駆け落ちという名のランデブーを楽しんでいるところを昼夜も問わず妄想するようになった。
僧侶という身分上本物の男を目の当たりにして現実に引きもどされることもないまま過ごした白蓮。
彼女はいつしか妄想ばかりに身をやつす常識の足りない気味の悪い勘違い女―――現代で言う腐女子になってしまった。
白蓮の弟命蓮も、彼女の目をなんとしてでも覚まそうと奮闘した。
妄想ワールドの彼方へ飛び立った白蓮の手の甲を焼け火箸で焼いたこともあった。
妄言ばかり言う彼女を真冬の川の中に投げ込んだこともあった。
ときには夕日に照らされオレンジ色に染まった浜辺で殴り合いの喧嘩をしたこともあった。
しかし彼女は目覚めなかった。
そして月日は流れる。
ある日床に伏せる命蓮が、布団の脇にいる白蓮にいった。
「姉さん・・・。最後に最期にもう一度だけ言うよ・・・。光源氏は・・・彼は実在しない・・・。姉さん・・・お願いだもう目を覚まして・・・。」
老齢に達した白蓮はそのとき、光源氏は実在しないことにようやく気づいた
そして人生のほぼすべてを実在しない男にささげ、無駄に過ごしてしまったことも悟った。
静かに目をつぶり言葉を発しなくなった命蓮の胸をたたきながら彼女は大声で泣き出した。
「げ ん じ さ ま は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!平安京ぉおおおお!!この!ちきしょー!」
(やれやれやっと理解してくれた、これでゆっくり寝られるNE♪)
目をつぶりさあ寝ようとした命蓮は白蓮の無慈悲な胸への打撃がもとで心臓発作を起こし他界した。
そのあといろいろあって(ここはよく覚えてない)禁断の魔法を身に付け若返り、いろいろあって(そこもよく覚えてない)船に乗り込んでいろいろあって(そこらへんもよく覚えてない)友達もたくさんできた。お寺の信者もいっぱいできた。
今までにない満ち足りた生活。
その中でも彼女の心の中にひとつの不満があった。
(・・・もう一度源氏様のように私の胸を熱く焦がしてくれるものがほしい。)
(・・・もう一度自分の心を熱くしてくれる存在がほしい。)
彼女は情熱を欲していた。
そして今日、特に意味もなくお寺をでてふらふらしていると洩矢神社の境内に見慣れない建物がある。
シカトするつもりだったけど、チラっとそこに立ち寄って見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までの見世物とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚が白蓮のカラダを駆け巡った・・。
「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
そうしてさっさと人里へ行って地面に杭を打ち込むためのハンマー(4500円)を購入した白蓮はこのハンマーを使って「ガッシ!ボカッ!」幽々子は死んだ。亡霊(笑)って感じに倒してその後座を奪う・・・はずだった。
見た目は年増、頭脳はおばあちゃん、その名もセイント・ババァ聖白蓮。
親友を目の前で惨殺しようとした人間がいきなり仲間にしてほしいと言い寄ってきたとき相手がどう反応するかなど彼女の思考回路が答えを出せるわけもなく、またその思考自体どうでもいいものだと判断していた。
会場のなかの空気は凍り付いていた。5人も凍り付いていた。
浮浪者たちはもう全員恐れおののいて逃げてしまった。
「なるほど・・・つまりこういうことね。」
紫が沈黙を破る。
「あなたは幽々子を殺してババルテットの新しい隊員になろうとしたわけね。」
無言で頷く白蓮。
「自分勝手・・・まったく持って自分勝手な理論ね・・・。」
白蓮はつばを飲む。
「自分勝手で、傍若無人で、まったく持って思慮が足りない・・・。」
5人の隣で小便を漏らしへたりこんでいた諏訪子はこれから起こるであろう惨劇に身を震わせていた。
「・・・気に入ったわ!あなたほどすばらしい人材は本当に稀有な存在よ!」
紫がそういうとほかの3人も武装を解いて白蓮に拍手を送った。
藍はうんざりした顔で隙間の彼方へと消えていった。
全員満面の笑みをたたえている。
「目的のためなら手段を選ばない身勝手さ、目的のためならどんなリスクも省みない向こう見ずさ、そしてそこはかとなく香るババァ・スピリット。・・・完璧よ!完璧だわ!」
よろしく、と手を差し出す紫。戸惑いながらも手をしっかり握った白蓮。
おめでとう、と皆が笑顔で彼女にいった。
ただ、諏訪子だけがこの超展開について行けずぽかんとしていた。
「聖白蓮さんでしたっけ・・・?よろしくお願いしますね。」
そういって手を差し出したのは幽々子だった。
「私は・・・私はあなたを殺そうとしたのですよ?」
幽々子はくすくすと笑う。
そして4人は口をそろえてこういった。
「ババァは記憶力が悪い!だから嫌なこと、都合の悪いことはすぐに忘れる!」
「そういうことよ。」
紫は茶目っ気たっぷりにウィンクした。
白蓮は感極まり、紫に抱きついた。
紫は酒臭いゲロやすっぱいにおいがする生ゴミやそれらに纏わりつくハエだらけだったが白蓮はそんなことぜんぜん気にしない。
だって新たな戦友(トモダチ)だから。
新たに芽生えた友情パワーはそんなもの簡単に凌駕する。だからぜんぜんOK、問題ない。
「見てみんな!夕焼けが綺麗よ!」
永琳が空を指刺す。
燃え上がるように鮮やかな夕日が神社の鳥居の向こうに見える山に差し掛かっている。
「あそこまで競争しようか!」
神奈子が言う。
「よーし、1.2.3.・・・ウォリャッ!」
紫が勝手に走り出す。
「あ!こら!待て〜!」
残りの4人も彼女のあとを追う。
5人はあっという間に境内を飛び出し駆けて行った。
こうして
「高齢者戦隊マジェスティック・ババルテット」
改め
「超高齢者戦隊ババレンジャー」
が誕生したのである。
会場には諏訪子だけが残された・・・。
ごすっ!
後頭部に鈍い痛みを感じ、諏訪子は酒臭いゲロやすっぱいにおいがする生ゴミやそれらに纏わりつくハエだらけのステージに倒れる。
同時に頭上でガラスの割れる音が響いた。
「おら!ボケガエル!」
後ろから乱暴な怒鳴り声が響く、早苗だ。
「さっさと立て!ケツマンコに爆竹挿すぞ!」
下品な暴言が響く、どうも諏訪子にビール瓶を投げつけたらしい。
茶色いリターナブル瓶のガラス片が散らばっている。
早苗を見上げる。赤い頬と鼻、ヤマンバギャルのくどいアイシャドーのような目の隈と血走った目、ぼさぼさの髪、だらしなく肌蹴た胸元。下着は上下とも着けていない。着け替えるのが面倒だからだ。靴は片方しか履いていない。その片方もかかとをつぶして履いている。風呂ももうずいぶん入っていない。脇から緑色の腋毛も見える。
「いくら稼いだ?!出せ!!」
諏訪子は自分の黒タイツのポケットからがま口を取り出した。
早苗はそれをふんだくり乱暴に開け、手の上でひっくり返し中身を取り出した後、がま口を地面に投げ捨てる。
「・・・1500円しかねえじゃねーかよ!クソガエル!観客5人じゃねーかよ!」
怒鳴り散らしながら諏訪子の腹をける。
「あぐふぅ!・・・あーうー・・・。」
痛みのあまりゲロ溜りのステージに倒れこむ。
早苗はおもむろにスカートのポケットから3000円を取り出し、諏訪子に投げつけた。
「酒かってこい!高いワインとかじゃねえぞ!安い焼酎とかをたくさんだ!」
早苗はそういうとくるりときびすを返した。
ふわりとめくれたスカートのすそから茶色いものがこびりついた尻が見えた。
諏訪子はこの3000円の出所を知っている。諏訪子が内職して作ったわらじを売って得た金だ。
諏訪子は3000円を持ち全身黒タイツでゲロだらけで臭いままとぼとぼと石段を降りる。
かつて諏訪子はいつも酒に走る早苗を叱っていた。神奈子は「正義の味方」としての活動が忙しいらしくほとんど神社にいなかった。しかしある日を境にそれも止めてしまった。
いつだか早苗が本殿で一升瓶から辛口の日本酒をラッパ飲みしていたしていたところ注意したときだ。
いつもより厳しい口調で注意した。というのも早苗はその頃から飲酒をとがめられると暴れて壁に穴を開けたり花瓶を叩き割ったりしたからだ。
「神奈子があんな風なのに何だよ早苗は!酒ばっか飲んで!そんなんだからこの神社の信仰も傾くんだよ!風祝の自覚があるの?早苗がしっかりしなかったから神奈子もああなっちゃったんだよ!」
言い過ぎた。いくら早苗が泥酔して反撃しなさそうだからって・・・。
しかし早苗は何もしない。そしてこちらに顔を向け、力なく微笑んだ。
「ねえ・・・諏訪子さ・・・ま・・・・・。」
早苗はその表情のまま、涙を流し始めた。涙は頬を伝い、つぎつぎと服にしみを作った。
「諏訪子さま・・・なんで・・・でしょうね。いくらお酒飲んでも・・・少しも楽しい気持ちなりません・・・・胸が苦しいのも・・・少しも治りません・・・・。」
早苗はそういって涙にぬれながら空虚に笑っていた。
諏訪子は思わず顔を伏せ、そのままそこから逃げ出してしまった。
それから早苗に注意しようとするとそのことを思い出し、注意する気が失せる様になってしまった。
「あの時・・・あの時逃げ出さなかったら・・・。」
諏訪子はぼそりとつぶやいた
石段を下りきった諏訪子は目の前のほうを見る。畑の真ん中のあぜ道で紫と永琳が相撲をしている。
神奈子は外からどちらかを応援しているようだ。とても楽しそうだ。まるで子供のようにはしゃぎまわっている。
「楽しそうだな・・・。」
諏訪子の中にだんだんと、深い悲しみがわきあがっていった。
もう帰ってこない。ノンベーで、グータラで、ズボラで、テキトーで、でもとても寛大でどこか威厳があってここぞというときには最高にかっこよかった神奈子も、押しに弱くておだてられるとすぐ舞い上がって、でも料理がうまくてとても優しくて世話好きな早苗も、もう二度と帰ってこない。3人一緒に暮らした楽しい日々も。
「うっ・・・ううぅ・・・・あぅ・・あーーうーーー・・・・。」
諏訪子は泣いた。大声で泣いた。その泣き声はこの文面から想像できないほど悲痛だった。
「あーうぅぅっ・・あうーーー・・・ぅあああーーーーーーーーううぅっ・・・・。」
彼女の悲痛な泣き声は新しい友達にはしゃぐ神奈子たちにも、一升瓶を枕にしていびきを掻いて寝ている早苗にも届くことはなかった。
「いや〜いい運動でしたな〜♪」
神奈子が言う。
5人はあたりが真っ暗になるまで相撲をしていた。最初はトーナメント方式で普通の相撲をしていたはずなのに最後のほうは2対2のエクストリーム・タッグマッチ相撲やら空を飛び回りながら行うリアルアフガン航空相撲やら最後には行司まで参加するスーパー・バトルロワイアルデスマッチ相撲になっていた。今は5人で休耕地に寝そべり夜空を見ていた。
「華麗ですね・・・。」
幽々子がつぶやく。
「月が懐かしいわね・・・。」
永琳は遠い故郷を懐かしがっている。
「そうだ!どうせ暇だし人里のハクタクでも冷やかしに行きましょ!」
「そうだな!それはいい。」
そして紫の1.2.3.・・・ウォリャッ!の合図で彼女たちは駆け出した・・・。彼女たちは気づかなかった。彼女たちの頭上の上空に浮いている黒い球体に・・・。その黒い球体はババレンジャーを見送った後、ふわふわと霧の湖のほうへ飛んでいった・・・。
彼女たちはまだ知らない・・・彼女たちが知らない間に悪人たちは自分たちの計画を着々と進めていることを・・・!
行け!超高齢者戦隊ババレンジャー!進め!超高齢者戦隊ババレンジャー!
諏訪子が神社の本殿で首を吊って自らの人生に終止符を打ったことも酔っ払って全裸でふらふら出かけた早苗さんが用水路に落ちておぼれていることも気にする必要はないぞ!!
超高齢者戦隊ババレンジャー
第一話 完
はじめましてこんにちわ皆さん。どこかのメンヘラです。
SS作家の皆様に触発されて作ってしまいました。
パロッた作者様方どうもごめんなさい
なんていうか原作無視設定のオンパレードです・・・。だめだこりゃ。
追記
本文のどっかをちょっと修正
最後に一言、ごめんなさい。
どっかのメンヘラ
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2009/09/26 20:54:40
更新日時:
2009/09/27 09:47:23
分類
幻想郷最凶のババァ軍団
老害
アル中
エログロからっきしだよ三級品
何かもういろいろとごめんなさい
すわちゃん、俺んちおいで!
続きが楽しみです。
絵板のことか…絵板のことかー!!
早速で悪いのですが、このババレンジャーという名前はセンスが悪いと思います。
そうですね……とりあえず、神奈子を抜いて、レミリアと慧音をメンバーにしましょう。
そして頭文字をとって、ケシーという名前はどうでしょうか?
一話ということでまだまだ 描写は少ないですね、これから欲望と血等が沸き上がるのをたのしみに待ってます
本当の悪は・・・次回へ続く!
あとそのセリフはもうちょっと早く言ってあげてほしかった・・・。
>>2
ありがとうございます。
あなたのSSは毎回楽しませてもらってます。
>>3
ババァの奇行をかいてたはずなのにね
何故かケロ子がかわいそうになっているね
不思議だね
>>4
次回も腹筋崩壊としんみりの2本立て予定だよ!
>>5
ごめんなさい
そこまで頭回ってませんでした
>>6
そのセンスの悪さがいいんじゃない!
あと心配しなくても2人とも出すから安心してください。
>>7
気づいてもらえましたかww
欲望と血は知りませんがもうだいぶ脳みそは沸いてます(蛆が)
>>8
何その板こわい
>>9
笑えなくたっていいじゃない
人間だもの
>>10
曲がりなりにも戦隊ものですから
木質様いらっしゃいませ
新作の神聖モコモコ帝国おもしろいです^q^
俺も今年中に死ぬ
あと評価ありがとうございました