楽しい実験 2

皆さんは実験と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか？
物理実験、化学実験、生物実験、心理学実験、エトセトラエトセトラ・・・・
このように色々なものを想像しますよね。

ちなみに実験の経験はどうですか？
オキシドールと二酸化マンガンの混合による酸素の発生実験、
光の屈折の実験、酢酸カーミンを使用した細胞の染色実験、エトセトラエトセトラ・・・
これらのものを体験したことがあると思います。

では今日は一体何をするか？

皆さんは、倫理や道徳的観点から禁止されている実験がある事はご存知ですか？
これらのものを強行した場合、法律によって裁かれることさえあります。
今日の実験は、その中でもっとも禁止されている”人体実験”を行います

第二話:物理実験

さて、物理実験と聞くと直流繋ぎとか交流繋ぎとかを考えてしまう皆さん。
今日はそんなありきたりな実験とは違ったものをやってみましょう。

今日行う実験は大気圧に関する実験です。

皆さんは簡易的な雲の作り方はご存知ですか？
まずはそこから実験してみましょう。


まず断熱の簡易真空容器を用意し、そこに水蒸気を注入します。
ある程度注入したら、容器の体積が変わらないように一気に内部の空気を抜きましょう。
するとどうでしょう！内部に薄い雲が発生したではありませんか！

これは皆さんご存知の通り、”ボイル・シャルルの法則”によるものです。
ボイル・シャルルの法則とは、pV/T=p"V"/T"と言うもので、体積(V)が一定で気圧(p)を下げると、温度(T)もまた下がると言うものです。
先ほどはこれにより容器の温度が下がり、水蒸気が凝結したと言うわけです。


では、本題に入りましょう。
今回の実験は、”人間の急減圧実験”です。
説明すると、人間を先ほどのような容器に入れて急減圧を行うと、その人間はどうなるのかを調べてみましょう。


さて、準備が整いました。
今回はこの超大型断熱真空容器を使用しましょう。
とりあえず被験者として、雲居一輪さんにお越しいただきました。

「ええと・・あの・・・？」ｷｮﾛｷｮﾛ

一輪さん、ちょっと戸惑っているようですね。
もしかして雲山のことが気になるのでしょうか？
あの変な入道っぽい奴なら、水素と酸素に電気分解した後に、それぞれ別の物質と反応させてやりました。
たぶん今頃化学工場で塩化水素とか酸化マグネシウムとかになってるでしょうね。

まあ気にせず実験を続けましょう。
とりあえず一輪さんを容器の中に放り込んであげましょうか。

「や、やめてくださいっ！！ああっ！！！」ﾎﾟｲｯ!ｶﾞﾁｬｯ！！

容器の蓋も閉めましたし、これで準備は完了です。
ちなみに、この容器は強化ガラスが十枚近く使われているからちょっとやそっとじゃ割れませんよ。

「・・・！！！・・・・・！！！！！！」

何か中で一輪さんが喚いているようですが、気にしないでおきましょうか。
あはは、涙目になっていますね。とっても可愛らしいですね。

このまま一輪さんの泣き顔を眺めているのもいいのですが、さっさと実験を始めないとマズイのでとっととやっちゃいましょう。
ではスイッチを入れましょう。ﾋﾟｯ!


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」ｸﾞｼｬ!!


えーと、結果は意外とすぐに出ました。
物理実験のはずが、生物実験みたくなっちゃいましたね。
一輪さんの肛門から、大腸や小腸とかのいろんな臓器が飛び出しています。
あと皮膚表面の血管が破裂したりしてるみたいで、血がドバドバ出ていますね。
なんて言うか、もはや一種のオブジェみたいになっています。
もう一輪さんの面影なんて全く残ってないですね。
脈を計ってみましたが、全くありませんね。お亡くなりです。

まあ、これも科学の発展の為の犠牲です。仕方ありません。


こんなところで、今日の”楽しい物理実験”を終わりましょう。
次回は、生物実験を行います。単位が欲しかったら、忘れずに出席してくださいね。