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『赤い箱』 作者: 名前がありません号
どうしたものか、と霊夢は悩んでいた。
それは箱だった。四角形の他愛の無い箱だ。
境内の掃除をしている時に見つけたものだ。
呪符が貼り付けられているが、解除の仕方は分からない。
何か入っているのだろうが、特別霊夢は興味を惹かれなかった。
とはいえ、処分しようにも下手に処分して誰かが拾っても困るので、
こうして紫を待っているのだが……こういう時に限って来ないのはお約束であった。
はぁ、と溜息をついて空を見上げると厄介の種が降って来た。霧雨魔理沙だ。
「おーい霊夢!」
「飽きもせず、よく来るわね」
「まーな、ん? そ、その箱は!!」
「何、この箱の事知ってるの?」
「知ってるも何も、その箱はうわとととと!!」
慌てて降下しようとしたが着地寸前でバランスを崩して石畳に強く頭を打った。
当たり所が悪かったのか、ピクピクと震えている。放って置く。
しばらく動いていたが、やがてピクリとも動かなくなった。
適当に野に晒すと匂うので、適当に埋めておいた。さようなら魔理沙。
しばらくして、アリスがやってきた。
「あんたまでやってきたのか」
「あんたまでって事は魔理沙が来たのね」
「ええ、今はそこの土に埋まってるけどね」
「なんですって!?」
アリスは急いで魔理沙の埋まっている場所に向かう。
土を掘り返し、魔理沙の首に手を当てる。脈は無かった。
アリスは目に涙を溜めて、口は笑みを浮かべて、
「やったわ! これで魔法の森の土地の所有権は私のものよ!(嗚呼、魔理沙の馬鹿……頭を打って死んじゃうなんて……)」
「建前と本音が逆よ」
「あ、こ、こほん。あら、その箱……」
「何? この箱の事知ってるの?」
「え、ああ、知ってるも何もこの箱は、っと早く魔理沙の家からマジックアイテムを蒐集しないといけないわ。じゃあね霊夢」
「え、ちょ」
そして、見たことのないスピードでアリスは魔法の森へと飛んでいった。
結局、箱の事は聞けずじまいだった。気になるじゃない。
今度はレミリアがやってきた。
「ごきげんよう」
「何がごきげんよう、よ。近寄ってくるな」
「いいじゃないの、霊夢ぅ?」
日傘を一人で持っている辺り、どうやら咲夜に内緒でやってきたようだ。
今頃、咲夜は大慌てか、仕事の邪魔が居なくて済んだと思っているだろう。
でも私にはいい迷惑だ。猫撫で声を出して擦り寄ってきて、私の大事な所に手を伸ばしてくる。
首を舐められて、つい「ひゃん」と声を出してしまう。
「かわいらしい声……」
「あ、あんたが変なところ触るからじゃない」
そしていやらしい手つきで服越しに私の身体を弄ぶレミリアが、霊夢も興奮してるんでしょ?
私が満足させてあげると言って、おちんちんを出してきた。
白昼堂々巫女を犯すとか、正気なのかこのレイプ魔吸血鬼は。ちなみに最初のレイプ被害者は咲夜らしい。
しかし有無を言わせぬ怪力で霊夢を押し倒す。
その時、私の手からこぼれた箱がレミリアの足元に転がっていく。
「たかが箱如きが私と霊夢の神聖な行為の邪魔をするとは!」
憤怒の余り、レミリアはその箱を蹴っ飛ばす。
箱は神社の鳥居に激突し、反射してレミリアの頭を一撃で粉々にした。ぐえっというレミリアの情けない声。
そこで魅了が解けた私はこの機とばかりに殴る蹴るの暴行を加えて、太陽に身体を晒してやった。
「この、この、乙女の純潔を奪おうとした罰よ! 灰になってしまえ!」
「ギャアアアアア!!」
断末魔をあげて、灰になるレミリア。風で灰が飛ばされる。
自業自得よとはき捨てて、霊夢はレミリアの血で汚れた箱を水で清めた。結局、血は落ちなかった。
血溜りだけが残った境内で、足をぶらぶらさせていると今度は妖夢が現れた。
「みょんみょんみょん……」
「な、何よ……」
「…妖怪が鍛えたこの楼観剣に切れぬものなど、あんまり無い! チェストー!!!」
いきなり楼観剣を正眼に構えて向かってくる。
すぐさま避けるが、箱をまた落としてしまった。
そしてその箱に足を引っ掛ける妖夢。ずっこけたと同時に楼観剣を手から離す。宙を舞う楼観剣。
その様を妖夢はぼーっと見ていると、落ちてきた楼観剣が妖夢の尻を貫いた。
「ひぎぃ!!」
断末魔と共に、妖夢は果てた。
半人前らしい死に方ねと思いながら、人間の方は土に埋めてやった。半霊の方は成仏させた。
箱がさっきより赤みを増した気がする。
もしかすると箱が血を吸っているのかもしれないと思った。
そんな事を思っていると今度はてゐがやってきた。賽銭箱付きで。
「やー、霊夢さん。いい話があるよ。聞いてかない?」
「聞かない。聞きたくない」
「まぁまぁそんな事言わないで」
殺してやろうかと思っていると、てゐは箱に目をやった。
「おーその箱は噂の……」
「何か知ってるの?」
「いやいや霊夢さん、ただじゃあ教えられないね」
このまま何も知らないのは気味が悪いと思って、お金を渡した。お札をこっそり混ぜて。
「おーけーだよ、霊夢さん。それじゃあ教えるよ。その箱はね、人間の血を吸うと」
「こらー、てーゐ!!」
後ろからの怒鳴り声にてゐが逃げ出した。
咄嗟に霊夢はお札を発動させる。金縛りにあったようにてゐの動きが止まる。階段に足を踏み出す途中で。
当然の如く、後は転がり落ちるだけだ。追いかけてきた鈴仙も巻き込まれて、二人とも頭に重傷を負った。
てゐの賽銭箱から自分が渡したお金を取り戻すと、二人を永遠亭に運んでやった。
永琳によれば命に別状は無いが、軽度の記憶障害があるらしい。
結局、てゐからは何も聞き出せなかった。
結局箱の中身は分からずじまいで、ポイッと箱を投げ捨てる。
「はぁ〜い、霊ヴッ」
すると偶然、隙間を開けてやってきた紫の頭に激突した。
紫は隙間から半分体を出した状態で垂れ下がっていた。
口から血が零れている。大方舌を噛み切ってしまったのだろう。
大妖怪の呆気ない幕切れに霊夢は、この世の無常さを悟った。
ポタリと箱に血が落ちて、カチッと言う音と共に箱の呪符が剥がれる。
今ので、箱が開いた……?
身構える霊夢。
そっと箱に近づいて、箱を開けるとそこには
その前にお昼ご飯食べよっと。
とある話を思い出して、アレンジして書いてみました。
ちなみに箱の中身は、おっとこんな時間に誰だろう
コトリバコ! こういうのもあるのか。
ぶっちゃけると赤い洗面器の男。アレンジどころかオマージュですらない改悪じゃねーか!
名前がありません号
- 作品情報
- 作品集:
- 4
- 投稿日時:
- 2009/10/05 16:44:16
- 更新日時:
- 2009/10/06 15:32:52
- 分類
- 霊夢
- 箱
- 無意味
洒落怖で見たっけなぁww
名称も同じだし