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『フラン 拷問』 作者: 木質
フェムトファイバーで両手を縛られ、天井から吊るされたフランドール
手も開けぬように器具で固定されており、羽も折りたたまれて拘束されていた
拘束具以外の衣服を彼女は何一つ身に着けることを許されてはいなかった
吊るされつま先立ちにならざるを得ない彼女目掛けて、執行人は手にした鞭を振るう
「ひぃ!」
鞭の先が彼女の足元を掠め、空気がパンと爆ぜる音が全面石造りの部屋に響く
掠めた踵の皮が剥け、白い肉を一瞬だけ見せてすぐに血が流れ始めた
「や、やめ・・・」
再び振るわれた鞭が彼女の太ももを打ち据える
「ぎゃっ!!」
叩かれた場所はみるみる赤くなり大きなミミズ腫れになる。そしてもう一振り
「ぐがぁ!」
コンクリートを削り取る威力を持った音速の先端が彼女の頭を一打ちした
こめかみの肉が抉られ、目玉が反転しそうなほど目が回る
しかし吸血鬼の持つ強靭さが、気絶を許さない
「も、もういや・・・・・痛いの、嫌ぁぁ」
今度は薄い乳房への容赦無い一振り
「あ゛ぁ!!」
皮がめくれて血が噴出した。それでも執行人は鞭を止めない
体の4分の1に赤い線が引かれた頃にようやく鞭の責めは終わった
報告書を持った玉兎が依姫の部屋をドアを叩いた
「今日は鞭打ちね・・・・・それで、あの子は吐いたの?」
「いいえ『知らない』の一点張りです」
既に自白剤も試したがその時も「知らない」と言い。その薬は吸血鬼に効果が無いと判断して尋問から現在の拷問にシフトさせた
「そう。なら明日も続けなさい」
「了解しました」
上司と部下の短いやりとり。たったそれだけで彼女の明日の運命は決まった
「おぐっ!・・・・・・・ぐゃ!!」
手を後で縛られて逆さに吊るされた体を太い竹の棒で殴りつける
三人の執行人が彼女を囲み、順番に打ちこむ。殴られるたびにつぶれた蛙のような声をあげた
「が、がらだ、バラ、ばらに、なっちゃう」
「このくらいでなるか!」
無防備な腹に目掛けて横振りの一撃
「ぎひぃ!」
腹の痛みに耐えていると、羽の宝石を砕かんと背中からも見舞われる
「ごぉ!」
「楽になりたかったらサッサと吐け」
顔をなんの手加減もなくもう一発
「ごほっ!」
吊るされる彼女の真下の床には血と涎、涙で出来た水溜りが出来。その中に数本歯のかけらが浸かっていた
「あまり頭を叩かないでよ、気絶されたら元も子もないんだから」
「わかっているわ。だからそのあとに腿と胸を打って気付けしてるでしょう」
「はかどっているかしら?」
拷問を行なっていた部屋に一人の女性が入ってきた
それによって執行人の玉兎たちは手を止める
「と、豊姫様。あまりこのような場所に来られては・・・」
「用がすんだらすぐに出て行くわ」
天と地が入れ替わり、顔の腫れたフランドールに歩み寄り優しく微笑んだ
「教えて下さらない。あなたのお姉さんはどこに逃げたのかしら? ロケットでこっちにくる技法についてどうしても訊いておきたいことがあるの」
「じら、な゛い」
「そう知らないの? もしかして本当になにも教えてもらってないの?」
「う゛ん゛、なにも」
豊姫の靴先がフランドールの右目にめり込んだ。優しい顔は今もまだ崩れてはいない
「ーッ!」
蹴られ振り子のように体が前後に揺れる
「それで通るわけないでしょう? あなたたち」
「「「はい」」」
執行官が豊姫の方を向き、横一列に並び命令を訊く隊形を取る
眼鏡をかけた玉兎。ヘルメットを被った玉兎。耳のへたれた玉兎。の順に並んだ
「明日からは人体破壊を入れた拷問も加えなさい。人数も一人増やすわ。依姫には私から伝えておくから」
「「「はっ」」」
「追加の執行官は私が選出します。今日はみんなあがっていいわ、ここじゃわからないけど外はもう夕方よ」
「「「了解しました」」」
部下はテキパキと部屋の片付けをはじめた
最後に吊るされたフランドールを降ろして最低限の手当てをし、フェムトファイバーで手足を拘束し直してから冷たい床に寝かせて4人は部屋を出た
部屋には彼女の小さなうめき声が響いた
―――朦朧とする意識の中でフランドールは思い起こす、なぜ自分がこんな目にあっているのかを
レミリアが月でイザコザを起こしたのはなんとなく知っていた
月から帰ってきてからレミリアはどこか挙動不審だった
何かに追われているような、急かされてるような、恐れているような様子だった
そしてある日突然、レミリアは姿を消した
自分の意思で姿を消したのか、第三者の手によるものなのかはわからない
そして姿を消したのはレミリアだけではなかった。その後、行方不明者が続出して気付けば屋敷は彼女を残しもぬけの空になっていた
それからしばらくして、彼女は八雲紫と名乗る妖怪に突然拘束され、綿月姉妹に引き渡された
フランドールの知らないところで様々な密約が交わされていた
「イダイィィィ!!」
三角木馬に一糸纏わぬ姿で座らされていた
最初こそ秘所を守ろうと内股でふんばって角に触れないようにしていたが、背後から首筋を鞭で打たれ馬の背に秘所を落とした
今は両足には重しが下げられており、それが彼女を台に固定している
「ごわれる゛、アソコ、ごわ゛えちゃう」
幼い恥部への残虐な責め苦
股からは鮮血が止めどもなく流れ出ていた
「まんこ破壊されてるのってどんな感じ?」
昨日豊姫によって選抜されたレイセンが尋ねた
鞭を持つ手で顎を摘む
「その重し、ちょうどあなたと同じ重量なのよ。知ってた?」
衰弱した今の彼女では、その程度の重さを堪えるのは非常に困難だった
「おろじで・・・・降ろじでぇぇ」
「おりゃっ♪」
両肩に手を乗せてレイセンは自身の体重を掛けた
「あぎぃぃぃィィィぃぃアァァガオオオオオオオオオオオオあああああああ゛あああああ゛あああああああああああああああああ!!!」
体がミシミシと音を立てているのが伝わってきた
「今のでまんこと肛門が繋がったかな?」
肩に置いた手を離し、フランドールの秘所を凝視する
「これじゃあ、わかんないなぁ。かといって降ろすわけにもいかないし」
「ちょっとレイセン」
「ん?」
初日から拷問を担当しているヘルメットを被った玉兎が声をかけた
「ペース早すぎじゃない?下手にやりすぎたりなんかしたら・・・」
うっかり殺してしまわぬように銀製の器具はあえて用いていない
しかしレイセンはその問いに笑みを浮かべながら、手をヒラヒラと振ることで返した
「吸血鬼って結構頑丈なのよ、昨日顔の原型が無くなるまで殴られたそうだけど、一晩でなかなか綺麗に治ってるじゃない・・・・・ん?」
フランドールの顔を覗き込んで、彼女はあることに気付いた
「右目の色素がおかしいわね」
「豊姫様に思いっきり蹴られてから、まだ治ってないんじゃない?」
実際にその通りで、その目は昨日から見えていなかった
「ふ〜〜ん」
レイセンはフランドールの涙腺と眼球の隙間に指を突き刺した
「あぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」
続いて目尻と眼球の間からも指を入れて、人差し指と親指で眼球を掴んだ
「やめ…」
「よいしょ♪」
のん気な言葉とは裏腹に、高速でその指は引き抜かれていた。後ろにいたへたれ耳の兎の制服に血の珠が数滴かかる
「ーーッーーッアァィィィ〜〜」
吐き気と頭痛を伴う強烈な痛みに、声もあげられず悶絶する。それによって彼女の秘所はもう一段深く台に食い込んだ
「ヒがぃぃ!!」
「みんなもこのくらいやりなよ、折角豊姫様が人体破壊を許可してくれたんだから」
まるで見せ付けるように血の付いた眼球を舐めてみせた。そして目の無い窪地を覗き込む
「へーー、眼孔ってこうなってたんだ、ちょっと想像と違うなぁ。もっと穴とか筋繊維とかごちゃごちゃしてると思った」
「キャッ!」
レイセンが窪みに息を吹きかけると、甲虫のような金切り声をあげた
「拷問用具の中に鉄球あったよね。ピンポン玉サイズのやつ。それ取って」
本来は高温で赤色になるまで熱して押し付けるために使うソレを要求した
受け取った鉄球を眼孔に嵌め込んだ
「痛い゛ィ゛」
目蓋を閉じさせる
「コレ取ってよぉぉ、目がジクジクするぅぅぅぅ」
頭を左右に大きく振って懇願するフランドールをレイセンは、木馬の底を蹴飛ばすことで黙らせた
「ヒンッ!」
幸か不幸か、蹴った衝撃のお陰で鉄球が目から零れ落ちてその苦痛からは解放された
「痛いのが嫌ならさっさとあの吸血鬼がドコにいるか吐いてよ」
「だから゛じらな゛い!」
「そう、じゃあそこでずっと喘いでて。白状するまでそのままだからね。さあみんなお昼食べにいきましょう、今日は半日勤めだからそのまま寮に戻りましょうか」
白々しく言い、仲間三人の背中を押して外に出ようとする
「まっで! まっで!! このま゛ま゛なんで、イヤ゛!! 死んじゃう!死んじゃう!!」
「だったら言いなさい。そしたら治療もしてあげるし、ご飯もあげるし、温かいふかふかベッドで寝かせてあげるわ」
「だがら、じらないっでぇ」
「何百年も一緒に暮らしておきながら何も知らないなんてふざけてるの?」
一瞬だけ振り向き。凍てつくような声をそう言うと、拷問部屋の扉は閉められた
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
その日、この部屋には誰も訪れることはなかった
翌朝
早朝、拷問部屋に一番乗りしたレイセン
三角木馬の上で気絶するフランドールに静かな足取りで近づく
「あっさでっすよー」
寒さでツンと固くなった乳首に針を横から突き刺して貫通させた
「くぎぃ!!」
脳の奥が焼き切れるような痛みで彼女の意識は一気に覚醒させられた。痛みで飛び跳ねたせいで秘所を擦って悶絶した
その後、足の重しが外されて彼女は24時間ぶりに床に体が触れた
「おねがい・・・すこしでいいからやすませて」
気絶していただけで、彼女は睡眠をとっていたわけではない。疲労はとうにピークを迎えていた
「だーめ♪」
「じゃ、じゃあせめて水だけでも、一口でいいから…」
ここに連れてこられて以降、彼女はなにも口にしていない
「甘えるな!」
乳首に刺さったままの針を握り素早く引き抜いた。神経の集中した患部を摩擦熱が焼いた
「あ゛あ゛っ!!!」
「乾きも飢えも拷問の範疇よ。わかった?」
「は・・・ぁいぃ・・・」
その返事に満足そうに頷くと、レイセンはフランドールの両ヒザを掴んで股を開かせた
「うわー、裂けすぎて股の骨まで見えてる」
慣れた手つきで銃弾を数個解体して、中から取り出した火薬を陰部と肛門の間である会陰にまぶしてマッチで火をつけた
「おぐうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああ!!」
肉が焼ける香りが部屋に立ち込める
生々しい傷口は炭化し、強制的にふさがれた
レイセンはフランドールの手を掴んだ
「ほら、休んでないで立った立った」
「・・・・」
目を硬く閉じ。首を左右に振って、痛みで動けないことをアピールする
そんな時、扉が開かれた
「レイセン。持ってきたよ」
三人の執行人が押してきたカートの上には石の板が積み重ねられていた
「はぁ、重かった」
「ご苦労様。フランちゃんまだ立てないかな?」
彼女はまだ首をフルフルと動かすだけだった
「これからこの綺麗な足と永遠にさよならするんだから、最後の思い出に歩いておいたほうがいいと思うよ?」
それでもフランドールは動こうとしない。未だ痛みで身もだえしてそれどころではなかった
「・・・・いらない」
「そうなの? 折角親切で言ってあげたのに」
不機嫌な声でそう言ってカートに詰んであった、表面が洗濯板よりも激しい段差の石板を持ち上げ床に置く
その上にフランドールを正座の姿勢で座らせた
「つぅ・・・」
石板の大きさは縦横50cm程度でちょうど座布団サイズだった
後手で縛られて自由の利かない彼女の太ももの上に石の板が乗せられる
「くぅぅぅぅあぁ・・・」
石と石に挟まれることによって、スネの部分に鋭利な石の先端が当たり激痛を与える
「これくらいでヘバッてどうするの? これ全部乗せるんだよ?」
「うそ・・・」
まだカートの上には7枚積まれていた
「ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい、ほいっと」
「くぁ、ああぁぁぁぁ・・・・あう」
バケツリレーの要領で四人で協力して石板を運び、膝の上に詰んでいく
一つ詰まれるごとに足の痛みは増していった
フランドールはこの板の数が普段使用するときの三倍以上であることを知る由もなかった
「はーー重かった、手がジンジンする。仕上げにっと・・・」
そのすべてが積み上げられると、石板の上に炒った豆がぶちまけられた。ちょうど彼女の胸の高さである
「ひっ」
「下手に動いたら駄目よ。疲れたから石にもたれようなんて考えないことね」
豆の痛みは今までの責めに比べると薄いが、精神的に追い詰めるという意味では効果大だった
「またこのまま放置して終わり? まあその方が手間が省けて楽だけど」
執行人の一人がレイセンに訊いた
「そうね。二日連続の放置プレイも過酷でいいかもね。あなたたちもここ数日訓練してないから、たまには外で体動かしたら?」
「ぞ、ぞん゛なぁぁ・・・・・ふぐっ」
眼鏡をかけた玉兎がフランドールの口にタオルを噛ませた
「自分で舌噛んで自殺されるのもアレだから、塞いでおこうと思って」
「馬鹿ねぇ。吸血鬼が舌噛み切っただけで死ぬわけ無いでしょう」
「ん゛ーー!! ふぅーー!! ふぅーー!!」
「さ、行こ行こ」
くぐもった絶叫を喚き散らしても、彼女たちはまるで聞こえていないかのように振る舞い、部屋を出て行った
二時間、三時間とそれから時間は流れ、薄暗い部屋で石を詰まれた彼女は、気絶するように意識を手放した
「ぉ・・・ぃ・・・・起・・・き・・・い・・・。起きなさいフランドール」
「嫌っ! もう痛いのは嫌なの!!」
「何を言ってるのアナタ、ついに本格的に頭が湧いたの?」
「え?」
気付けば布団の中だった。あたりを見渡すと馴染みある風景が両目に映った
「ここ、私の部屋?」
「そうよ。いつまで寝ぼけてるの」
姉のレミリアが呆れたように腕を組んだ
「お姉様」
「うわっと」
いきなり妹に抱きつかれて困惑する
「怖い夢でもみたの?」
胸に顔を埋めながらコクコクと頷いた
「裸にされて、縛られて、吊るされて、空腹で、恥ずかしいことと痛いこといっぱいされて、一晩中放置されて、血が一杯出て痛くて寒くてちっとも寝れなくて・・・・」
自分がされたことをすべて吐き出したかった
「もう大丈夫だから安心なさい、悪夢はもう終わったのよ」
頭と背中を撫でられると、優しさに包まれているのが実感できて勝手に涙が出てきた。溢れて溢れて止まらない
「久しぶりにお茶を一緒に飲もうと思って、今日はそのために来たの」
部屋の隅の小さな丸テーブルの上にティーポッドが置かれていた
「一緒に飲みましょうか?」
「うん!!」
袖で涙を拭い、姉に手を引かれてテーブルにつく
姉が注いでくれたティーカップを持とうとしたとき、その手が止まった
「どうしたの?」
「手が震えて、カップが持てないの。まだ夢のこと・・・・引きずってるのかな?」
「もう。しょうがないわね」
優しく微笑んで席を立ち、妹の隣まで移動してカップを取る
「口移しと普通に飲ませるの、どっちが良い?」
冗談めいた口調を言われ思わず苦笑してしまう
「普通のが良い」
「あら。風情の無い子ね」
「だって私、お姉様の妹だもん」
「ふふっ、それもそうね」
口元にカップが寄せられる
「なにか夢みたい、お姉様がこんなに優しいだなんて」
「夢ならさっき見てたでしょう? さあ口開けて」
カップが緩やかに傾き流れ込んできた紅茶を、喉を鳴らして器用に飲んでいく
「んぐんぐ・・・」
そろそろ一息つこうと手を挙げて「ストップ」の合図を送る
しかし姉の手は止まるどころか、さらにカップを傾ける
「ゴポッ・・・ゲホっ」
咳き込み紅茶を吐き出す
「待っで、もうの゛め゛ない゛っ」
それでもなおレミリアは、フランドールの頭をガッリチと掴み固定しカップを注ぎ続ける
「ガポ、プァッ、やめ、止めて・・・」
不思議なことにカップの中身はいくら注いでも無くならなかった。そしていつの間にか紅茶の温かさも消え、ただ冷たかった
苦しさで流れる涙でフランドールの視界がぼやけ、歪む
視界が元に戻ったとき、目の前にいるのは姉ではなかった
玉兎の狂気の目が爛々と輝いていた
「あ、起きた? 寝起きにイキナリ漏斗(ジョウゴ)にイラマチオされている気分はどう?」
鋭利な段差の床に正座させられ、腿に石の板を7枚積み上げられた状態でフランドールは目を覚ました
その彼女の髪を乱暴に掴んだレイセンは強引に上を向かせて大きめの漏斗(ジョウゴ)を口に押し込んでいた
他の兎がポリタンクに入った水をジョウゴに注いでいく
手の自由を奪われた状態で受ける虐待の恐怖は計り知れない
「さっきまでどんな夢見てたのかな〜〜?」
「ゴポォッ! ガハ、キヒ」
無理矢理流し込まれた水によって胃は限界まで膨らみ、隣の臓器を圧迫する。鼻からも許容量を超えた水が定期的に飛び出す
幼い頃、高い頃から落ちた時に感じたものを何倍も辛くした苦しさが内臓に爪を立てる
流し込まれる水と胃から逆流した水が喉で絡まり、濁流となり彼女の喉を引っ掻きまわした後、気管へと侵入する
「〜〜〜〜ッ!!!」
もはや吐く事も飲むことも出来ず、今にも体が破裂してしまいそうな激しい痛みが全身を襲った
玉兎たちにとっては数秒、しかし当事者にとって数十分に感じられるほどの苦痛
「お望みどおり水を飲ませてあげるんだから感謝してよ」
太ももで固定されている体を後ろに倒して仰向けにさせ、水で膨らむ腹をレイセンは靴で踏んだ
「オゲェエエエエエエエエエエェエェエエァエェフああえふぁが」
体を痙攣させ胃がポンピングして中の水を口と鼻から吐き出していく
(苦しい・・・・死ぬ・・・・怖い・・・・誰か・・・・誰か・・・)
誰にも届かない悲痛な声を心のなかで必死に訴えた
「ああ、すごい」
陸で溺れブラックアウト寸前の彼女を見てレイセンは体をゾクゾクと震わせていた
すべての水を吐き出して寝転ぶフランドールの羽をレイセンは掴んだ
「自分の足、見える?」
「え・・・・・・・・・・ヒィ!!」
そこには一晩かけて石に圧迫・潰されたことによって真紫に変色した足の付け根があった
「石を乗せる前に私が言ったこと覚えてる?」
『これからこの綺麗な足と永遠にさよならするんだから』
「まさか・・・嫌、そんなの」
「すぐに止血できる準備できてる?」
レイセンが他の執行官のほうを見ると、眼鏡をかけた玉兎が手にバーナーとガスボンベを持っていた
「じゃあ、手の空いた二人はこの子の手をそれぞれ掴んで」
「うん」「わかった」
「待って、お願い、なんでも言うこときく」
「「「それっ!!」」」
まるで海老の皮がむけるように簡単に、フランドールの足は付け根の部分からグジュリと音を立てて、体と離れた
「こうあっさりと離れるとなんか拍子抜けするなあ」
「あ゛、げ、お゛あぁ?」
長時間潰され続けて麻痺した足の感覚は痛みをそれほど感じさせなかった
「ほら止血、急いで」
「傷口から骨がちょっと出てるけど大丈夫かな?」
足の断面がバーナーの火で焼かれる
「いがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「よし、もう片方も」
「ぉぁぎゃぃあああああああああああああああああ!!!」
カラッポの胃から透明な液を吐き出して、フランドールは失神した
報告書を持ってレイセンは綿月姉妹の元に訪れた
渡された紙に目を通す豊姫
「なにか情報は得られたのかしら?」
「あ、そういえば忘れてました」
「忘れてたってあなた・・・」
手を顔に当てて呆れる依姫
「まぁまぁ、いいじゃない。ところでその袋は?」
レイセンが持っていた黒色のビニール袋に豊姫は興味をもった
「まあ臭いで大体わかるわ」
部屋に若干だが血なまぐさい臭いが立ち込めていた
「えっと、吸血鬼の両足です」
「捨ててきて」「捨ててらっしゃい」
「はい。ご報告が終わりましたら直ちに」
袋の口を固く結んだ
「肉体にこれほどの苦痛を与えても口を割らないということは。もしかして本当に知らないんじゃないですか?」
「それでも、あの子しか今は手がかりがないんだから徹底的にやるしかないでしょう。身内である以上必ず何か知ってるはずよ」
「仮に本当に知らないとしても、あの子が姉の耳に届くくらい可愛らしく泣き叫んでくれれば構わないのだけど」
豊姫が無邪気とえげつなさの同居した奇妙な笑みを浮かべる
「アレとは一戦交えましたが極めて自己中心的な性格でした。献身などとてもとても」
小さく肩をすくめた
「それで今後の方針は如何なさいますか?」
腕を組み眉間に皺を寄せて真剣に考える依姫と、まるで今晩の献立でも考えるかのように天井を仰いだ豊姫
先に口を開いたのは豊姫だった
「なら犯しましょうか。獣なら何匹か飼っているでしょう。囚人も何人か収容されていたはず。どう使うかはアナタに任せるわ」
「わかりました。では、そのように他の執行人に伝えて参ります」
一礼してレイセンは部屋を出た
「みんな、これからの拷問の方針だけど・・・」
「あ゛あ゛あ゛あああああああアアアアアアアアアアアアア!!」
足を処分してから戻ってきたレイセンが拷問室のドアを開けると、フランドールの叫び声が出迎えた
三人に押さえつけられた状態のフランドールは手からおびただしい量の血を流している
「『白状しろ』と尋ねて、コイツが『知らない』と答える度に指を第一関節分を切り落としてるんです。今ちょうど左手が全部終わったところです」
枝葉を切るための剪定バサミを持つヘルメットの兎が説明する
「吸血鬼の指ってどれくらいの時間で再生するの?」
ここ数日の責め苦でボロボロになった歯を懸命に食いしばって耐えるフランドールに問いかける
「・・・・して」
「ん? ごめん、よく聞こえなかった」
―――もう殺して
部屋に一瞬だけだが静寂が訪れた
彼女は言葉を続ける
「今まで生きてきて楽しいことなんて一度もなくて、それでこれからもこんな目にあうくらいなら、死んだほうが・・・・ずっとマシ」
枯れ果てたと思っていた涙がポロポロと頬を伝う
「ふ、グスッ、うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」
赤子のように彼女は泣き出した
「そう、白状する気が無いなら」
レイセンは壁に立てかけてあったナタを手に取る
「ちょっとまって!」
一人がレイセンを羽交い絞めにした
「なによっ!?」
「この子の生き死になんてどうでもいいけど、勝手に殺したらお二人になんと言われるか」
「・・・・わかった、もう一回お二人の意見を聞いてくる」
レイセンは拷問部屋を出た
再び姉妹がいる部屋に戻ってきたレイセンはことの顛末を説明する
「自分から死にたいなんて・・・・どうやら本当に知らないみたいね」
「どうのように致しましょうか?」
それぞれが考えるポーズをとり、今度最初に口を開いたのは依姫のほうだった
「なら殺してあげましょう。望みどおり」
「では早速準備を」
「急ぐ必要はないわ」
部屋を出ようとするレイセンを豊姫が制した
「あなた達で交代交代で一晩中彼女を苦しめ続けなさい『生きたい』という気を再び起こさないために、死を渇望できるように」
それが姉妹なりの慈悲だった
「明日の朝、刑の執行は私とお姉様の二人で行ないます。その時、徹夜明けのあなたたちは休んでいていいわ」
「はい。わかりました」
先ほどよりも深く頭をさげてレイセンは出て行った
拘束されてうめき声を上げるフランドールの前にさまざまな道具が並べられる
レイセンが姉妹から聞いた指示を三人に伝えていた
「一人一時間のローテーション。痛めつける方法は各個人で任せる」
鉄棒に針と焼きゴテ器、電気の流れるスタンロッド、鞭や蝋といった器具の他に、輸血パックと止血剤も準備されていた
「どれだけ苦しめても構わないけどくれぐれも死なせないように。いいわね?」
「なんでこんな回りくどいことをわざわざ? サクっとやってそれで終わりのはず」
「お二人曰く『これは地上の民に対する“見せしめ”であり、今後のための“前例”にするため』だそうよ。ちゃんと意味があるみたい」
政治が絡む難しいことは玉兎にはわからなかった
彼女たちはただ忠実に任務を実行することだけを考え、日々訓練を詰んでいた
「不測の事態が起きたら、隣のへやで仮眠をとる次の子を起こして対処を手伝わせて。あと『右手は残しておいて欲しい』と仰っていたわ」
「「「はい」」」
「それじゃあ始めましょう」
明朝。姉妹が拷問部屋を訪れたときには、変わり果てた彼女の姿があった
羽の宝石はすべてモがれ、枯れ枝のようになった羽
顔は殴られ続けたせいで腫れあがり、窪んだ右目蓋と隙間だらけの歯がなんとも痛々しい
両足と左手の指はもう無く、体のあちらこちらに火で炙られ、髪の量も明らかに減っていた
フランドールは自分を見下す二人に問いかける
「終わったの? ワダジ、もう死んでもいいの゛?」
「ええ、今までお疲れ様」
「えへへへ」
ここに来て初めて彼女は笑った。今の苦痛から解放されればもうすべてどうでも良かった
死ぬことですべて楽になれると信じて兎たちの暴力を受け続けた
依姫が一本銀のナイフを放る。咲夜が月に来た時に弾幕で使い回収し忘れたものだった
「殺すと私たちが穢れるから、これで自殺なさい」
「ありがとう、ございます・・・・・・」
心から感謝してナイフを取る
衰弱した今の状態で心臓に突き立てれば、確実に死ねる自信があった
右手が残っていることを感謝しながらフランドールはナイフを握りしめ、いざ振り上げようとすると豊姫に声をかけられた
「心臓に刺しては駄目よ、なるべく苦しむ方法で死んでもらうわ。これも拷問のひとつ」
「もし少しでも心臓に突き刺すようなそぶりを見せたら、そのナイフを塵にして没収して拷問を再開。もう自殺の機会は与えないわ」
依姫が釘をさした
豊姫は自らの下腹部を指差した
「女として生まれて一度も使われずに死ぬのは気の毒でしょう? だからココを使って死になさい」
「 ? 」
「子宮の両隣にある卵巣よ。それを潰すの、このあたりにあるはずよ」
「・・・・・わかっ、た」
ヘソの下にナイフを当てる。まさにこれから切腹すると言わんばかりの姿だった
小さく息を吸ってから、刃を沈み込ませた
「はぐううううううううううぅぅぅぅぅぅ〜〜ッ!!」
指の無い左手を右手に添えながら、刃を横にゆっくりスライドさせる
「お、ぉぐぅ」
胃がせり上がる感触に耐えながら刃を引き終わる
ナイフを置いて切り口に手を突っ込み、血でぬめる腸を掻き分けて目的のものに到達する
「ぃぃぃ!!」
触れただけ体が飛び上がった。脳が「これは触れていけないものだ」と命令を下す
それを無視して腹の切れ目の前まで移動させる
「ぐが、ふー、ふー、ふー・・・・ごれで、あっでう?」
顔を真っ青にさせて豊姫に確認をとった
「そう。それが子宮よ。その左右にあるのが卵巣ね。握りつぶせる?」
「やってみ゛る」
白くプチプチとした触感。得体の知れない手触りに背中に寒気を感じる
「だめ、つぶせない、こわい」
「ほら頑張って」
依姫がフランドールの頭を一度だけ撫でてから、小さな手に自らの手を重ね包み込む
「それじゃあいくわよ・・・・・・せーのっ」
包む手に力を入れた
「キイイイイイイイィイイイイイイイイイイイイィイイイイイイゥクアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア゛アアアアェアアアアアアアア!!!」
フランドールの手の中で卵巣の一つが潰れた
失神しそうな痛みが何度も何度もやってくる
「う゛う゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
「あと一つよ。それで楽になれるわ」
もう一つの卵巣を摘んで外に引っ張り出すと二人を見た。潰すのを手伝って欲しいと目が語っていた
「おねがいじまず、じなぜでぐだざい」
「最後は自分の力だけで頑張りなさい」
「ムリ、もうそんなチカラ、ない」
どれだけ頑張っても手の中で卵巣を揉む程度の力しか出なかった
「つぶれてよぉぉぉ、いたいよ゛、はやくおわりだいのにぃぃぃぃ」
見かねた豊姫が助け舟を出す
「あなたの能力、なんだったかしら?」
「え゛、あ・・・・」
左手の手の平に卵巣を置いて、右手をかざす、唯一見える左目で今自分が壊したいものを凝視する
彼女がグッと手を握ると、最後の卵巣が弾けた
その瞬間、彼女は床に倒れこんだ
叫び声もあげず静かに
それを見届けた二人
「地上の民ながら見事。依姫、玉兎たちが起きたら掃除させるように行っておいて頂戴。私はこのことを八雲紫に伝えてくるわ」
「はい。お気をつけて」
二人が去ったその後、しばらくして玉兎たちが部屋にやってきた
「うへ〜〜、こりゃ酷い」
「まあ殆ど私たちがやったんだけどね」
「さっさと終わらせようよ。私、道具の片付け係り」
「あ、ずるい! じゃあ私、床をブラシで磨く係り」
誰がフランドールの死体を片付けるのかは、結局ジャンケンになった
彼女が苦しんでいたときの様子など、もう頭に残ってはいなかった
「けっこう重いわねこの袋」
ジャンケンに負けた眼鏡の兎は黒いビニール袋を運んでいた。袋のなかにはフランドールだったものが入っている
死体は明日、八雲紫に引き渡す手はずとなっているため、霊安室に保管しておくようにと依姫からの指示された
殆ど使われることのない死体安置所。その部屋の片隅に死体の入った黒いビニール袋を乱雑に置く
亡骸入れにこのようなお粗末な袋を使うのは「穢れた地上の民を入れるのはこれで十分」という考えが根底にあったためである
「さーて、帰ろう・・・・・ん?」
袋が動いたような気がして振り返る
(まさかね・・・・)
近づいてつま先で蹴る。縛ったビニール口の隙間から灰の粉が出てきた
「なんだ、体が灰化して中身が崩れただけか」
吸血鬼は死ぬと灰になると仲間から聞いたことがあった
額に浮かんだ脂汗を拭う
安置所を出ようとするとき、彼女はもう一度足を止めた。またビニール袋が動いたような気がした
「まったく」
振り返った瞬間、彼女の着用していた眼鏡がなんの前触れも無く砕け散った。破片が目に突き刺さる
「ひぎぃ!!」
袋から細い一本の腕が伸びていた。それが握りこぶしを作っている
「目ぇ・・・・私のめぇ・・・」
目を押さえてうずくまる玉兎
袋から這い出したフランドールは右手と指の無い左手を使い目を負傷した玉兎に近づく
足を失い臓物を引きずりながら這いずるその姿は亡者そのものだった
一方の玉兎は目にガラスの破片がささった痛みで逃げるどころではなかった
襟を掴まれ引き寄せられ、自分が捕まったと理解した時にはもう遅かった
唯一抜けるのを免れた一本の牙が、彼女の首筋に突き立てられた
「じゅるっ・・・・じゅるるるるるるるるるるるっ!!!!」
自分の体からもの凄い勢いで血が無くなっていくのがわかる
「待って! 待ってそんな、イヤ! 吸わな・・・やべでぇぇぇええええぇええええええええぇえええええええ!!!!」
強烈な寒気を感じた後に兎は事切れた
玉兎以上に赤い瞳を持った吸血鬼の少女は卸し立ての足で立ち上がると
防音の効いた部屋の中で笑い声とも咆哮とも取れる声で鳴き始めた
本当はフランちゃんが死んで終わる鬱エンドの予定でしたが、そうする度胸のなかった自分はこのようなエンディングになりました。
この話はそもそも紅魔館の借金返済のためにM嬢として働くフランちゃんが、色んな人に支えられながら健気に頑張っていく姿を描くほのぼのグロ話になるはずだったのですが
以前コメントで暴力分が足りないと言われ、初心に帰ってバイオレンス度を取り入れていったらこんな感じに・・・
救いのない残酷SSと、ほのぼのチックなノリのSS・・・・自分はどっちが書きたいのかと自問自答する今日このごろであります。
PS
ここ産廃には素晴らしい狂人が多々いらっしゃいます。皆さんそれを表に出さないように上手に折り合いをつけながら日々生活しているのだと思われます。
ここでSSを書く私もその狂人の中の一人だと思った方。それは間違いです。(誰もそう思ってないかもしれませんが)
私は狂っておりません。狂っている“フリ”をしている一般人です。
一般人というのもやや語弊があるような気がするので
『狂人になりきれないため、理性を駆使して狂人を演じる一般人』と表現するのが一番しっくりくると思います。
狂えるのは才能です。私にはそれがありません。だから“フリ”をするしかないのです。
狂える方が本当に羨ましいです。
木質
- 作品情報
- 作品集:
- 5
- 投稿日時:
- 2009/10/12 15:46:29
- 更新日時:
- 2009/10/13 00:46:29
- 分類
- フランちゃん
- 拷問
- グロ
- 綿月姉妹
- ドSレイセン
- 名無し玉兎
筒井さんの小説の解説にそんなのがあった。
ちなみに自分はただの自己満足野郎です。
フランちゃん可愛いよフランちゃん
やっぱり木質さんの暴力は素晴らしいわ。責め方が自分の好みなのもあるけど、ぴったりしっくりなんだそれが
自分がやりたいと思ってた責め苦のほとんどが使われててすごいびびった、シンクロニシティか?
300イヤーズアフターと違い、読み手にも希望の無くなった最後の最後でカウンターが来るのもたまらんね
狂人と思ってはないが、すばらしい才能を持った人だ。
ふふふ
そんで木質さんに土下座する。
夜食はウサギ鍋姉妹ミックスかー
木質さんはすばらしい
そのまま輝夜の本拠地を徹底壊滅するモコ!!
後の惨劇が目に浮かぶ救いと言い、お見事としか言いようが無い
主に自分が正常だと思い込んでいるところが
でもかいたら げんじつに もどれなくなって しま う
どうし よ う うしろからふらんちゃんがみてるかも しれない
ちょっと笑ったww