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『紅い悪魔 a』 作者: 名前がありません号

紅い悪魔 a

作品集: 5 投稿日時: 2009/10/14 15:26:48 更新日時: 2009/10/15 00:39:31
朝。

私はベッドの中でうずうずと動いていた。
身体が痒い。とても痒い。
すると私は咲夜を呼ぶ。
直ぐにやってくる咲夜。

「背中をかいて欲しいの」と私が頼む。

咲夜はベッドを捲り、私の上着を捲り背中をかいてやると、
私は気持ちよさそうな顔をして、「ありがとう」と咲夜にいった。

咲夜はまたあっという間に帰っていっちゃった。
咲夜は忙しいものね。



昼。

休憩にやってきた美鈴が美鈴の祖国の話をしてくれた。
少し難しくてちょっと眠くなりそうだったけど、しっかり聞いた。
美鈴が私の為に話してくれてるんだもの。

その後も門番の仕事の話をしてくれた。
1時間後、美鈴は門番の仕事があるといって部屋を出ていっちゃった。
ありがとうね美鈴。



夜。

お姉さまがやってきた。
お姉さまは私に、「吸血鬼に必要なのは品格よ」といつも言ってくる。
カリスマブレイク(笑)なのにね。
それを指摘すると凄く怒った顔をするのだけど、
その顔がとてもかわいくて、つい怒らせてしまうの。

お姉さまと夜通し話をすると、なんだか眠くなってきて、そのまま眠ってしまった。
起きると朝食と一緒に手紙があった。
「明日はもう少し話せるといいわね」

ごめんね、お姉さま。






朝。

部屋においしそうな匂いが漂ってくる。
咲夜がいつものように朝食を持ってきてくれた。
早速それを食べる。
咲夜が「はしたないですよ」と言うけど、
冷めないうちに食べないともったいないもの。

そして朝食を食べ終える。
布巾を汚していないし、綺麗に食べられてるじゃない。

「そうですね」と咲夜が言うと、咲夜は部屋を出て行く。
咲夜みたいなメイドが持てて、お姉さまがうらやましいな。



夜。

お姉さまがやってきた。
私は昨日の事を謝った。
するとお姉さまは優しく私を抱きしめて、「いいのよ」といって許してくれた。
お姉さまがとても優しい。珍しい。

ひとしきり話して、今度はお姉さまが眠くなったみたい。
お姉さまに「おやすみなさい」と言うと、「おやすみ」とかえして部屋を出た。






朝。

今日は蒸し暑い。
咲夜が私の夏服を持ってきてくれた。
咲夜は私の着替えを見ている。少し恥ずかしい。
少し着替えに手間取っていると、咲夜が手伝ってくれた。

私が着替え終えると「朝食を置いておきます」と言って、部屋を出る咲夜。
朝食を食べ終えると、トレイと食器は片付いていた。
咲夜はいつも片付けが早いなぁ。



夜。

今日はお姉さまは来なかった。
霊夢の所に泊まりに行くらしい。
少し暇をしていると、小悪魔が遊びに来た。
小悪魔は図書館でやった悪戯の数々を私に話してくれた。
最後に「これは内緒ですよ」と言って、部屋を出て行った。

図書館かぁ。入れるようにお姉さまにお願いしようかしら。



昼。

氷精がやってきた。
部屋がひんやりとして、気持ちいい。
以前は幽霊を捕まえて部屋を冷やしていたらしいけど、
辻斬りさんが持って帰ってしまったらしい。

氷精はチルノと言う。
“ぐもんしき”という本をパチュリーから借りて読んで知った。
チルノは「あたいと弾幕ごっこで勝負だ!」と言って、私はそれを受けた。
もちろん、手加減をして。





「大丈夫?」とチルノが言った。
どうやら弾幕ごっこ中に私が気絶していたらしい。
チルノは気絶した私を気遣ってくれたみたい。
何だかんだ言っても優しいのね。
そう言うとチルノは少し恥ずかしそうにして、
「元気になってからまた弾幕ごっこしよう!」と言って帰っていった。




夜。

お姉さまが少しそわそわしながら、やってきた。
何か今にも泣きそうで、壊れそうだった。
私はそっとお姉さまを抱きしめていた。

いつまでそうしていたかは分からないけど、
多分、私が眠るまでずっとそうしていた気がする。



昼。

暇をつぶしていると、扉の前で音がする。
パチュリーが扉の前で何かをしている。
気になるけど、私はパチュリーの邪魔をしたくないからずっと部屋にいた。
やがて音が止むと、パチュリーが部屋に入ってきた。

「何をしていたの?」と聞くと、
パチュリーは「扉の結界を補強していたの」と言った。
私が壊してしまわないように。
私はふとした事で物を壊してしまうから、
パチュリーが度々扉の結界の様子を見に来ているのを思い出した。

少しパチュリーとお話してから、また本を貸してもらった。
笑顔でそれを受け取ると、パチュリーは部屋から出て行った。
パチュリーみたいな友人がいるお姉さまがうらやましいなぁ。
魔理沙が不満じゃないんだけどね。



夜。

最近凄く眠くなったり、意識が飛ぶ事が多い。
なんでだろう。
パチュリーを呼んで診てもらったけど、なんともないらしい。

疲れてるのかな。
特に自分では何もやっていないように思うんだけど。



朝。

部屋のベッドから転がり落ちていたみたいだ。
布団を巻き込んで、そのまま床でねむっていたらしい。
咲夜が部屋に入ると、私を見て少しあきれている。
恥ずかしいな。



昼。

眠い。
なんだかとても眠い。
寝てはいけない気がするのに。

ああ、また眠くなる。



夜。

誰かの声がする。
咲夜と、聞き覚えのある声。

扉の前で激しく何かのぶつかる音が聞こえる。

そして開かれる扉。

扉の先には霊夢が居た。




霊夢は言う。


「ここにいたのね、“レミリア”」














それはほんの少し、ほんの少しの悪戯だった。
フランが外に出たいとせがむので、私は外に出す事を許可した。
ただし、私が同行する事を条件にだ。

その際に私は運命をほんの少し弄ってやる事にした。
それは外に出たフランが懲らしめられるように、としたものだ。
そうすれば、フランももう外に出るだなんて思わないはずだ。

その時は本当にそんな程度の運命しか弄っていなかった。
しかし運命は思いもよらぬ結果を招いてしまった。



外に出て魔法の森に入った瞬間、
突然フランが発狂し、森を破壊し始めた。
それを止めようとするが、暴走は収まらない。
私はどうしようもなくなり、
フランを沈める為にスピア・ザ・グングニルを放つ。
力をセーブしている余裕は無かった。
それにフランがこれを受けても、死ぬ事は無い。

スピア・ザ・グングニルがフランを貫く。
落ちてくるフランを拾うと、フランは苦しそうな顔をしていた。
「直ぐに治るわ」と言って、そのまま紅魔館へ引き返した。

しかしその後、フランの容態が悪化していた。
原因不明の病がフランを襲い、フランを永琳に見せたところ、
永琳にも原因が分からないという。

ともあれ、永遠亭で治療の為に入院させる事になった。



不安が私を襲う。
出来れば治って欲しいと。
しかしそれは叶わなかった。

鈴仙が紅魔館にやってきた。
フランの容態が急変したというのだ。
永遠亭に向かった頃には、既にフランは死亡していた。

永琳は悲痛な面持ちでこう言った。

「ごめんなさい、もう手遅れだったわ……」

私は自分を呪った。
自分があんな運命を弄ったりしなければ。
フランの死に顔はとても苦しそうだった。
そしてとても言い難そうに、永琳が言う。

「出来ればで良いのだけど……彼女をしばらく引き取らせてもらえないかしら」
「……え?」
「またこんな病気が起きたときの為に活かせる事があると思うのよ」
「……」
「……無理にとは言わないわ」

私はその発言に戸惑った。
だが運命を弄った私の責任ならば、フランは私を拒むだろう。

「分かった……ただし、かならず活かして頂戴。そうしないとフランが不憫だから」
「ええ……」

そういって、永琳がフランの亡骸を鈴仙に渡す。
私は永遠亭を後にした。
それから永遠亭からは特に連絡が無かった。



私は嫌な予感を感じて、永遠亭に向かうが永琳には会えないと言う事だった。
やむを得ずあきらめて帰ろうとしたとき、兎が私にぶつかった。
「す、すみません!」と兎が言う。別に私は怒っていない。
ただ床にばら撒かれたメモの中に一つだけ目に留まったものがあった。
そこに書かれていた文は、私の想像を超えたものだった。



フランドール・スカーレットを引き取りに、レミリアがやってくるらしい。
それは困る。折角の検体を失うわけには行かない。
まだまだデータを取っていないのだ。
そこで私は嫌がるフランドールに○○○を投与。仮死状態にする。

それを私が死んだと知らせ、鈴仙を使い紅魔館に報告させに向かう。
そしてやってきたレミリアに私がフランを引き取るように持ちかける。
心の不安定なレミリアは私の取引を受け入れた。
馬鹿な娘だ。まだ妹は死んでいないのに。

それから私は再び投薬でフランドールを覚醒させた後……


そこから先は読んでいない。読みたくもない。
それを拾って、兎に渡すと私は紅魔館に戻った。



その後、永遠亭で大規模な反乱が発生した。
若い兎妖怪を中心にした暴動で、永遠亭に混乱が広がった。
鈴仙と永琳が事態収拾に向かう中、地下の研究室からフランドールが居なくなっていた。





レミリアはフランドールを抱えて永遠亭から逃げていた。
永遠亭で起こった反乱の最中、レミリアは地下の研究室に居るフランを救出した。
研究室にいたフランは無事だった。命だけは。

頭だけはフランのまま、腕や足や胴体は既に別の生き物だった。
その変わり果てた姿がレミリアの心を抉った。

フランは口を動かす。
その言葉をレミリアは読み取った。
レミリアは魔力を手に集め、フランに振り下ろす。
欠片も残さないその一撃はフラン以上にレミリアに打ち込まれたようにも見えた。





血まみれの主が帰ってきた時、紅魔館の住人は何事かと騒ぎになった。
咲夜がいち早くレミリアに駆け寄る。
その時、レミリアは言った。

「ねぇ咲夜。私、お姉さまとはぐれたの。早くお姉さまを探さないと」

パチュリーの診断ではレミリアは精神不安定な状態に陥って、
なんらかの精神障害が起こっているという事だった。

何があったかは紅魔館の住人には分からない。
いずれにせよ今のレミリアを他人に知られるわけには行かない。
レミリアを地下室に閉じ込める事にした。

そして紅魔館に誰も入れないよう、美鈴は門番隊と共に門を守っていた。



それからしばらくして。
地下室のレミリアの世話を咲夜とパチュリーが行う事になった。
レミリアは部屋から出る様子は無く、
パチュリーが貸した本やちょっとした事を頼む程度だ。
まるで本当にフランドールになってしまったかのようだった。

時々、咲夜を前にして「お姉さま」と言って独り言を言ったり、
急に抱きついてきたりした。
そんな主の変わり様は咲夜の心を痛め、咲夜が泣いてしまった時、
レミリアは優しく咲夜を抱いていた。
その優しさが余計に咲夜を苦しめた。



ある日、霊夢がやってきた。
レミリアはいないかと訪ねてきた。

咲夜は居ないと言ったが、霊夢は咲夜を無視して地下室に向かう。
咲夜は霊夢を止めようとするが、霊夢は軽く捻るように咲夜を倒す。
地下室へ続く道を守るようにパチュリーは居た。
しかしパチュリーもまた、霊夢によって倒されてしまう。

そして霊夢は地下室の扉を開く。

「ここにいたのね、レミリア」
「れ、霊夢?」
「覚悟しなさい」

霊夢はレミリアに向けて、一本の針を心臓に放った。
針はレミリアの心臓を射抜くと、レミリアの背中を突き抜ける。
意識が遠のく最中、レミリアは咲夜とパチュリーの身を案じて意識を闇に落とした。
続く
名前がありません号
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2009/10/14 15:26:48
更新日時:
2009/10/15 00:39:31
1. ぐう ■2009/10/17 17:23:21
変わってしまったレミリアに泣く咲夜の心境を思うとこっちまで辛い
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