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『紅い悪魔 b』 作者: 名前がありません号
霊夢の元に鈴仙がやってきた。
鈴仙は先の永遠亭の大規模な反乱を計画したのは、レミリアだと言ってきた。
事態の収拾を図っていた時、地下室から出て行くレミリアを見た兎が居た。
「理由はわからないけど、レミリアが永遠亭の反乱を扇動したならレミリアを退治すべきよ」
霊夢は鈴仙の言葉を聞き、早速紅魔館へと向かった。
いかなる理由にせよ、永遠亭に与えた被害は軽視できる物ではないからだ。
それが霊夢の紅魔館訪問の要因であった。
倒れたレミリアを、咲夜が抱きとめる。
「どうして……どうしてよ霊夢!」
「永遠亭に反乱を扇動した。それがそいつがやった事よ」
「誰がそんな事を……」
「鈴仙よ。レミリアを見た兎が居たそうよ」
「そんないい加減な……!」
「じゃあ、何でレミリアは地下室にいたのかしら」
「それは……」
咲夜は答えられない。
血塗れで帰ってきた事を話せば、反乱扇動に対する証明を増やすだけになる。
咲夜は黙っている事しかできなかった。
「ともあれ私は仕事を終えたから帰るわ」
「……」
「殺した私が言うのもなんだけど。レミリアは死んだほうが良かったんじゃない?」
「……なんですって!?」
「あんた達がどういう風にレミリアに接してたか知らないけどさ。あの様子じゃレミリアは一生あのままよ」
「……どんな根拠があってそんな事が!」
「なんとなくかしら。でもきっとあんた達が知ってるレミリアは戻らない。あのレミリアをあんたは愛せる自信あるの?」
「……ッ」
そして霊夢は出て行ってしまった。
咲夜は何の反論もできなかった。
今はただ、物言わぬ主を抱きしめている事しか、できなかった。
レミリアの葬儀は紅魔館の住人だけで行われた。
見せびらかすようなものではないし、外から呼ぶ必要などそもそもない。
レミリアの遺体は棺にしまわれ、地下室に安置された。
誰にも開けられないように、硬く魔法の鍵を掛けた。
外では天狗の新聞がばら撒かれていた。
『紅魔館の主、永遠亭の反乱を扇動! その目的とは!?』
という見出しだった。
ある事無い事書かれた新聞だったが、
咲夜もパチュリーも美鈴も、抗議をする気力すら無くなっていた。
やがて妖精メイドの多くは少しずつ数を減らし、気づけばその殆どが紅魔館から居なくなっていた。
そして最愛の友人を、仕えるべき主を失った彼女らもまた、散り散りになっていった。
紅魔館にはレミリアの死体の入った棺だけが残された。
「は、はは、はははははは! やった! やった! やった!」
鈴仙は一人、永遠亭の地下室で笑っていた。
傍らには目の焦点が合っていない永琳がいた。
「ははは、見ましたか師匠! あのレミリアの絶望した顔! 見ていて笑いが止まりません!」
鈴仙は永琳の肩を掴んで、振り回す。振り回しすぎて、床に倒れてしまう。
「あぅ、あぅぅ、あああぅぅぅ……」
永琳は自分で立ち上がる事もできず、鈴仙に助けを求める。
「情けないですねぇ師匠。自分で立ち上がってくださいよぉ!」
そういって助けを求める手を蹴り飛ばす。
下品な笑い声をあげて、永琳をいたぶる鈴仙。
永琳は何も考えられなくなった頭でただ、あうあうと言う事しかできなかった。
数ヶ月前。
鈴仙のフラストレーションは限界に達しつつあった。
輝夜は慧音を殺した後、何処かへ行ったまま帰らない。
輝夜の行方不明が原因で永琳は放心状態。
てゐは重症で寝込んでいる。
自分が永遠亭を仕切ると言う立場にならざるを得ない状態なのに、
兎達はまるで自分の命令を聞かない。
そうして溜まっていくストレスを向ける対象を見つけられないまま、
鈴仙は蓄積するストレスを煮えたぎらせていた。
そんな時だ。
レミリアとフランが空を飛んでいるのを見つけたのは。
その仲睦まじくしている様がとても気に入らなくて、つい狂気の魔眼を使ってしまった。
するとフランは発狂して暴れまわり、森のあちこちを破壊していった。
レミリアが自らのスペルでフランを止めるまで、破壊行動を続けた。
そして爆発の余波に巻き込まれた鈴仙は顔に火傷を負った。
その時、完全に鈴仙はキレた。
強烈な呪いを込めた眼で、フランをにらみつけ、
フランの精神を大いに揺さぶり、苦しむようにした。
レミリアが永遠亭にやってきた時、鈴仙は放心状態の永琳を自らの能力で操る事にした。
そしてレミリアに治療の為、入院するように仕向けた。
その後は楽しかった。
嫌がるフランに無理矢理、毒薬を飲ませて苦しませた。
電気ショックや全身に刃物を突きたてた時なんて、たまらない快感だった。
鈴仙はフランを嬲る事が楽しくて楽しくて、仕方が無かった。
しかしそれも長く続けるわけにはいかない。
だからといって、このままフランを帰すわけには行かない。
そこである配合の薬を作り、フランを仮死状態に追いやる事にした。
そしてフランの死をレミリアに告げた。
動揺したレミリアの心につけ入るのは簡単だった。
正常な精神ならば到底受け入れがたい事を受け入れさせた。
後はもうやりたい放題だった。
仮死状態から戻す薬をフランに飲ませ、意識を覚醒させる。
心が折れかかっているフランをさらに追い込むように、
鈴仙は彼女の身体を改造することにした。
頭以外の部位を、鈴仙は一つずつ丁寧に改造していった。
身体がどんどん改造されていく様を、フランはまじまじと見せ付けられて、
フランはついに心が折れてしまった。
壊れたフランに改造兎などとセックスさせたりしてみたが、
どんどん反応が薄くなるフランを見て、鈴仙は飽きてきていた。
そして鈴仙は最後にレミリアを追い詰めてやろう、と考えた。
そう思うと行動は早かった。
レミリアがいつ来てもいいように鈴仙は、
永琳に自分がフランにやってきた事を、
さも永琳がやっていたかのようにメモに書かせた。
そして資料などと一緒にそのメモを兎に渡す。
あらかじめ兎にはレミリアにぶつかるように仕向けてある。
そしてメモを見たレミリアは必ずフランを助けに来る。
そしてそれに乗じて、鈴仙は自分の配下に置いていた兎達に狂気の瞳を使い、
反乱を引き起こした。
疎ましい古参兎らを排除でき、さらにその責任をレミリアに押し付けられるとなれば、これ以上無いものだった。
そして最後に、狂気の瞳を霊夢に使い反乱を扇動した犯人をレミリアだと伝え、レミリアを退治させてすべて御終い。
状況証拠しかないとはいえ、レミリアが永遠亭に侵入したのは事実であり、
混乱の最中に地下室から出て行く所を目撃されている。
レミリアが扇動したことを証明できる物的証拠も状況証拠も無い以上、レミリア以外を疑う線はない。
鈴仙の計画は完璧だった。
そしてストレスを発散させきった鈴仙は清清しい顔で床についた。
そしてその数日後、彼女は自らの計画の代償を支払う事になる。
鈴仙が轟音で目覚めると、永遠亭の庭にたくさんの兎の死骸が転がっていた。
「ひぃっ!? だ、だれが!?」
鈴仙は辺りを見回す。
誰も居ない。
誰も居ないはずなのに、恐ろしいまでの殺気を感じる。
「な、なによぉ!? だれなのよぉ!?」
こんな殺気を感じるのは戦場に居た頃だ。
そんな狂気じみた殺気が辺りを支配していく。
すると手が勝手に自らのこめかみに突き付けられた。
指には妖力が溜まっていく。
「ひ、ひぃ! いや、いやぁ!?」
手をどけようとするが、手は誰かに押さえつけられてるかのように動かない。
恐怖のあまり、鈴仙は失禁してしまっていた。
そして恐怖のせいか、鈴仙の真っ赤な視界に移っていたのは。
鈴仙の手をこめかみに押し付けるフランドールと、その様を見るレミリアの姿だった。
ばぁん
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2009/10/14 15:27:47
更新日時:
2009/10/15 00:39:18
鈴仙は少しばかり、吸血鬼姉妹の能力を過小評価していたようですね。
外道が死ななくて最後まで突っ走るのと
どちらも楽しめるから外道が出てくるたびに胸が躍る