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『舟幽霊は毘沙門天に恋をする その3』 作者: かるは
「ああ、もうっ……何か画期的な方法は無いのかしら!」
その日、妖怪の山の神社の巫女、東風谷早苗は信仰の獲得に頭を悩ませていた。
「博麗神社だけでも面倒なのに、さらに仏教徒まで…………本当に、面倒な連中が現れた物です」
神道における競争相手であった博麗神社に加えて、新たに登場した仏門の競争相手、命蓮寺の存在も早苗の頭を悩ませる。
可能ならば、どちらかの競争相手には退場願いたい。
けれども、博麗神社を潰すのは過去に失敗している。
ならば、命蓮寺を潰すしかない――だが、早苗は過去に命蓮寺の尼僧、聖白蓮を相手にしても手痛い敗北を喫しているのだ。
博麗霊夢と聖白蓮を力ずくで潰すのは不可能……それが、早苗の結論である。
「……何か、暴力以外の方法があれば…………獲得していた信者を全て失うくらいの、スキャンダラスな何かが…………」
ブツブツと、うわごとの様に早苗は呟き続ける。
全ては信仰の為に。
【ムラサside】
「はぁ…………ちょっとだけ、疲れちゃったかも」
聖輦船の甲板の上――地上に降りて信者さんを招いて説法を行っている今は命蓮寺の屋根の上で、私はごろりと横になっていた。
聖と星の説法が行われている間、私や一輪、ナズーリンの仕事は大きく分けて二つに分類される。
一つ目は、命蓮寺の裏方仕事。
具体的に言うなら、信者さんに振舞う精進料理を作ったり、お掃除をしたり、柄杓で水を撒いて花の世話をしたり……それら、裏方仕事が一つ目。
そしてもう一つはと言うと――
「ああもう! 尻尾を引っ張るな! コラッ!」
「へっへー! ナズ姉ちゃん、こっちこっちー!」
「貴様等……そこに直れ! ダウンジングロッドの錆にしてくれる!」
「やなこったー!!」
説法の間に退屈であろう、信者さんの子供の相手をしてあげる事だ。
命蓮寺の近くの空き地では、今現在ナズーリンが数人の男の子を相手に鬼ごっこの最中。
無邪気な子供の悪戯に、堅物のナズーリンはほんの少し怒り気味の様子だ。
ナズーリンと交代する前は私が遊び相手をしていたのだけれど、『ムラサお姉ちゃんが相手だと鬼ごっこができない!』との事でナズーリンに交代を求めたのだ。
舟幽霊の身体では、子供と遊ぶ事も満足には出来ない。
つくづく、不便な身体だと思う。
「まあ、やたらと元気な子供の相手をするのは疲れるからなあ……そのお役目を逃れられたのは、嬉しい事だけど。
と言う訳で……頑張れ、ナズーリン」
ナズーリン達の様子をぼーっと見ていると、キィ――と床板を踏み歩く音が後の方から聞こえて来た。
ちらりとそちらの方を見てみれば、一輪と雲山が甲板を歩いている。
どうやら、精進料理の仕込みは終了したらしい。
「……………………」
「『耳と尻尾で妖怪だと分かるのに、子供は怯えたりしないのだな』ですって」
雲山の言葉を代弁しなが、ら一輪が私の隣に腰を下ろす。
気圧が高い地上付近だからだろうか? 今の雲山は、普段よりも二回り程小さい姿で一輪の頭のをふわふわと漂っている。
「そうね。昔では考えられなかった事だと思う」
「……………………」
「『星殿が身分を偽らずとも、人間の前に姿を現せると言うのが未だに信じられぬ。良い時代になった』と雲山も言っているわ。
確か……姐さんが封印されるよりも前は、星が正体を隠していたっけ」
「そうね……今じゃあ幻想郷もすっかり変わってしまったって事なんでしょう。
人里には友好的な妖怪が度々現れているみたいだし、人を喰らう妖怪も大幅に減っていると言うわ。
妖怪が人間を襲い、人間が妖怪を退治する――そんな風習は、旧い昔に廃れてしまったのでしょうね」
それから私は、一輪と他愛も無い話をしながら、ナズーリンと子供達の様子をぼうっと見ていた。
子供達と戯れるナズーリンの様子は、ほんの少しだけ怒り気味。
けれども、本気で子供相手に怒りを露にしたりしない。
あくまでも、子供は子供。
例え悪戯が過ぎようとも、罪を憎んで子供は憎まず。
何が悪かったのかをきちんと諭してあげるのが、仏門に身を置く者としての態度なのだ。
聖なら、問答無用で「許します」と言ってしまいそうな気もするけど……まあ、それはそれで良いのかな。
「聖の説法はあと三十分程だっけ?」
「ええ。予定ではその後にお料理を振舞って、子供を送り届けて終了の筈よ」
「……………………」
「『そろそろ配膳の準備をせねば』らしいから、私は中に戻っているわ。ムラサはもう少しここで?」
「うーん……今日は良い天気だし、特にする事も無いし……もう少し、ここに居ようかな」
「了解っと」
一輪が立ち去った後、再び屋根の上で私は横になる。
私の仕事は後片付けだから、お役目まではもう少しだけ暇なのだ。
「…………ちょっとだけ、子供と遊べるのが羨ましいかも……」
ナズーリン達を眼下に見下ろしながら、私はぽつりとそんな事を呟いていた。
【早苗side】
山の妖怪の信仰だけでは絶対数が足りない――それが、私の出した結論でした。
妖怪の山には河童や天狗と言った多数の妖怪が棲んでいますが、中には私達守矢神社を快く思っていない妖怪も存在しています。
それら妖怪の信仰を得る事よりも、もっと別の方法を選択した方が効率は良いかもしれない――続いて私が導いた結論が、それでした。
妖精の信仰を得る?
駄目です。妖精は頭が悪く、ひ弱な存在なので信仰を得るには不適切です。
幽霊の信仰を得る?
駄目です。幽霊はコミュニケーションが取り難く、お裁きを終えれば転世してしまう存在です。
やはり、信仰を得るには人間を相手にするのが一番。
ですが、人間の信仰は現在命蓮寺に集中しているのです。
ならば――
「やはり、命蓮寺を潰す……しか無いですよね」
競争に勝利するには、主に二つの手段が考えられる。
一つは、己を鍛え、高める事。
そしてもう一つは、相手を叩き潰す事。
叩き潰すと言っても、その手段は力ずくに限るものではありません。
例えば……不祥事を起こさせて、信者を離れさせるなんて方法もあります。
幻想郷に住む人間の量が定数である以上、その信仰量にが限度がある。
所詮信仰はゼロサムゲーム。
賢い者が勝つと言う物です。
故に、命蓮寺を貶める策を巡らせるのが私のするべき事。
暴力には訴えず、あくまでも策略で潰す。
空を飛んで呟きながら、私はこれから自分がすべき事を考えていました。
いえ、すべき事は既に定まっています。私の頭の中には、既にとびっきりのアイデアが浮かんでいるのです。
考えているのは、誰を標的とするか。
私は命蓮寺を構成する人員を、頭の中で振り返ります。
命蓮寺の長にして尼僧の聖白蓮と、毘沙門天の弟子である寅丸星。
この二人は非常に強く、相手にするには骨が折れる存在と言えるでしょう。
術で超人と化した白蓮を相手にするのは、自殺行為にも等しい愚考。
十二天の弟子にして、正義の光を操る星を相手にするのもまた厳しい。
鼠の妖怪ナズーリンは――捕らえるのは簡単ですが、鼠達を利用されると手痛い反撃を受ける可能性があります。
万全を期するなら、軍団を相手にするのは避けておきたい。故に、却下。
入道使いの雲居一輪と、雲の雲山。
あまり強くはない存在ですが、雲と言うのは掴み所が無い存在……これから私がする計画にとって、掴み所が無く拘束が難しいと言うのは相性が悪いと言えるでしょう。
同じ理由で、姿を晦ませるのが得意な封獣ぬえも却下。
「と、なれば……」
最後に浮かんだのは、セーラー服に身を包んだ舟幽霊でした。
村紗水蜜……海難事故を引き起こす、聖輦船の船長。
何となく、最初から彼女を狙う事になると思っていたのですが……やはり、予想は的中していました。
海難事故を引き起こすと言うのは中々に恐ろしい能力ですが、裏返すならば弱点も多いと考えられます。
まず、海難事故を起こす能力――周囲に水の無い場所へ拘束したならば、その能力はほぼ無効化が出来るでしょう。
碇を投げる膂力も脅威ではありますが、拘束してから装備を全て奪い取れば脅威とは言えない。
幽霊であるが故に捕らえ処が無いのが唯一の脅威ではありますが――今の私には、その為の対抗手段があります。
懐に収められたのは、数枚の御札。
霊夢さんと魔理沙さんに協力して作って頂いた、幽霊に触れる為の御札です。
この御札があれば、相手が幽霊だとしても素手で拘束する事が出来る。手錠や枷で、束縛する事も出来る。
「決まりですね」
静かに呟くと、私は命蓮寺の停泊している方角へ向けて飛行速度を早めました。
困難なのは、拉致を行う一瞬の作業のみ。
これからすべき事をイメージしながら、私は風を切って空を飛び続けるのでした。
【ムラサside】
空を見上げながら、私は風を感じていた。
流れ行く雲が幻想郷の空を彩っている。
遠くからは、ナズーリンと子供達がかくれんぼをしている声が聞こえる。
聖と星の説法は、もうすぐ終わるのだろう。
そしたら、一輪達のお料理が振舞われて――
――ギィ――
誰かが屋根の板を踏む音が聞こえた。
ナズーリンと聖、星はありえないから……雑用をしていたぬえか、あるいは配膳準備を終えた一輪だろう。
「んっ……ぬえ? それともいちり――」
――ドガッ!!――
「あ゛っ――が…………ぁっ…………!!!」
上体を起こして振り向こうとした私の脳天に、ハンマーの一撃。
後頭部が火で炙られた様に痛み、視界が涙でぼやけてしまう。
思いもよらない痛みに、私の身体は伏してしまった。
「……まさか、こんなにもあっさり成功するとは…………」
何処かで聞いた声が聞こえる。
ぼやける視界の片隅に、青い巫女服のスカートがひらひらと漂っていた。
誰だっけ……あのスカート、誰のスカート……だっけ…………?
「さてと、後はばれない様に拉致するだけですね…………とりあえず、」
そして、誰かが私の手足に何かを貼り付けて――
手足に奇妙な感覚がしたのと同時に、私の意識は深い闇の中へと吸い込まれてしまった。
「…………ふふふっ、任務成功ですっ」
「…………んんっ…………?」
再び私が意識を取り戻すと、そこは見慣れない部屋の中だった。
板作りの小屋の中……と言うべきなのだろうか?
窓が一つしか無く、陽の光が十分に入らない狭くて薄暗い小屋の中。
「…………? ………………何、これ……? 枷…………?」
手足を動かそうとして、私の身体が拘束されている事に気付いた。
一面だけ石で作られた小屋の壁から伸びた金属製の枷が、私の手足を拘束しているのだ。
この枷は、聖輦船の備品……ではないと思う。
「どうして…………っ……私、裸……!?」
やがて、徐々に薄闇に目が慣れた頃、私は自分が枷以外に何も身に着けていない事に気付いてしまう。
普段から身に纏っているセラー服もキュロットも、下着も全て身に着けていない。
今の私に与えられているのは、手足に張られた奇妙な札と枷……それと、頭に載せられた帽子だけ。
ギィ、と扉が開いて部屋の中に誰かが入って来た。
「あら、お目覚めですか?」
「あんたは…………確か、船に入って来た」
「ええ、東風谷早苗と申します。現人神の東風谷早苗、どうぞ宜しく」
「……暢気に挨拶をしている状況じゃあ、ないんでしょう?
また、妖怪退治をするつもりなの? 私を捕らえて、裸で拘束して……何を企んでいるのかは知らないけど、今解放してくれるなら悪気の無い悪戯だって事にして許してあげるから――」
「口を慎みなさい」
ぱぁん、と乾いた音が部屋の中に響いた。
音よりも数秒遅れて、私の頬に熱い感覚が走る。
早苗が、私の頬を張り倒したのだ。
「……痛っ…………」
「舟幽霊如きが、神である私を許す? 身の程を知らぬ愚か者ですね」
「どうして……私に触れる、事が……」
「神に不可能は無い――と言いたい所ですけど、実際はそうではありません。
貴女の手足に貼った札が、実体から幽霊への干渉を可能にしているだけですよ」
成程……私を枷で拘束しているのも、こいつが私を叩いたのも、全てはこの御札のせいなのか……
「さてと、あまり時間はありませんし……ちゃっちゃと済ませてしまいましょうかしら」
「何を……するって言うのよ……?」
早苗が指を鳴らすと、再び部屋の戸が開き、外から数人の男達が入って来た。
薄汚い男、筋肉質の男、下品な笑いを浮かべている男――他、何人か。
共通しているのは、その全員が下半身を露出している事。
ギンギンに反り返ったペニスを隠そうともせずに、私の身体をジロジロと見つめている。
「…………まさか…………」
「では、やっちゃって下さいな。
ああ……膣内射精はNGですよ? 一応仏門に身を置く方ですから……出すのなら、肛門か口にしておいて下さいな
適度に喚起もしないとダメですよー? それじゃあ、頑張ってー」
「ぁぐっ……ふ、ふぁ…………?!」
早苗はめんどくさそうにそう言い残すと、部屋から出てしまった。
残されたのは私と男達。
「ぁ…………あ…………や、ぁ…………!!!」
じりじりと、肉食獣が獲物を追い詰めるかの様に男達が私の方へと近づいて来る。
「や、や…………やめ………………!!!」
恐怖が、声にならない声を喉から絞り出そうとする。
けれども、男達は止めてなんかくれない。
薄汚い男が、私の足に舌なめずりを始めた。
筋肉質の男が、私の肛門に指を這わせ始めた。
私の身体を食い入る様に見ながら、ペニスをしごき始める男も居る。
胸を乱暴に掴む男、私の口にペニスを無理やりねじ込む男、その他色々な男が思い思いの方法で私の身体を蹂躙し始めた。
どうして、こんな事になってしまったの……?
分からない…………けれど、一つだけ分かる事がある…………
私が…………これから、あらゆる手段で犯されるって事だ
悲恋は欝のスパイス(挨拶)
かるはでした
PS 誰か、我が家に小傘ちゃんを派遣して下さい。フタナリじゃなくても良いから!
かるは
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2009/10/18 06:43:31
更新日時:
2009/10/18 17:48:18
分類
寅丸星
ムラサ船長
相変わらず人は死にません
ようやくエロの臭いがしました
何処を探してもグロはありません
ぼちぼち産廃に相応くなったかもしれません
頑張れ船長、香辛料だらけだけど
相変わらず続きが待ち遠しい…。
途中で襲われるに1000$