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『フランドールのドキドキ脱出大作戦 halloween final』 作者: 名前がありません号
フランドールは図書館の扉を開けた瞬間、はいになった。
いきなりのことで何が起こったか予測できなかったので、ゆっくり扉を開けてみる。
そこにはレミリアの頭、パチュリーの顔の胴体、股間に美鈴の顔がある、とても出来の悪いキメラが居た。
美鈴がこちらを見つけると、パチュリーの口から火球が、レミリアの口から光線が放たれた。
思わず扉を閉める。扉ごしに響く爆発音。あの攻撃で消し飛ばされたようだ。
とりあえず扉や壁にあたると弾は消えるようなので、
私は扉を盾にしながら、手だけ出して魔力の弾丸を撃ち込む。
当たる時に「バビッ」「ヘブゥ」「ヒデブゥ」と声を上げる。
しばらくすると、ピーピーボボボボボという音を立てて、不気味なキメラはぐちゃぐちゃのどろどろになった。
最後っぽいのに、なんてあっけなさ。流石はお姉さまのキメラね。
「いやあ、お見事お見事」
図書館に入ると待っていたのは、白目をむいて失禁しているパチュリーと小悪魔が居た。
「あなたが、私のあの地下室に閉じ込めた奴?」
「そのとおりでございます」
「理由は?」
「ハロウィーンのちょっとしたお遊びですよ。今考えたんですけどね」
小悪魔はしゃがれた老婆と老人の声で喋っていた。
不思議そうに私が見ていると、小悪魔が言った。
「ああ、申し遅れました。私ヴワルと申します」
「ヴワル? この図書館そのもの?」
「はい。この身体は端末のようなものとお考えください」
「ふーん。まあどうでもいいや。それで、何か商品はないの?」
「ああ、そうですね。折角ですので、何か希望がありましたら叶えて差し上げますよ」
「そう、それなら私は―――」
「はい、かしこまりました。それでは、次のハロウィーンまで―――」
小悪魔の姿がゆっくり消えると、私の意識も霞んできた。
そして私の意識は闇に落ちていったとさ。
ちゃんちゃん♪
「……様。妹様。起きてますか?」
「ん……あ、咲夜」
咲夜に揺り起こされて、私は目を覚ました。
どうやら図書館で眠っていたらしい。
「眠っていたのね、私」
「はい、それはもう。魔理沙は『起こしてはいけないから、こっそり帰るぜ』と言っておられました」
「ふーん。ちょっと残念だなぁ」
久々に魔理沙が会いに来てくれたのに、眠ってしまうとは一生の不覚だわ。
「ああ、妹様。これを」
「え? わぁ、何これ。おいしそう」
「カボチャのモンブランです。折角のハロウィーンですので」
「わーい。ありがとう咲夜」
「いえいえ、では私はこれで」
そういって、咲夜は図書館を後にした。
私はカボチャのモンブランを早速食べる事にした。
結局、ヴワルに私がお願いしたのは「おいしいお菓子が食べたい」だった。
ヴワルは御安い御用です、と言って魔法をかけてくれた。
モンブランおいしい。
ちなみにヴワルの横で白目剥いてたパチュリーは、
本棚に押しつぶされて、今永遠亭にいるらしい。
あいつが甲斐甲斐しく世話をしているらしい。
そのため、今となっては図書館は私の新しいお城になったのでした。
めでたしめでたし♪
ハッピーエンドで終わりました。めずらしいもんだ。
え? なにこの消化不良の結末って? これで脱出物とかふざけんなボケ?
ケーキ食べるフランちゃんが書きたかったんだ。
名前がありません号
作品情報
作品集:
6
投稿日時:
2009/10/31 15:00:00
更新日時:
2009/11/01 00:00:00
分類
フランドール
そんなのいいから楽しむんだよ
トリックァトリート!!