Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『天界哀歌』 作者: 暇簗山脈
※このSSは『ほのぼの逃走劇IN香霖堂』の続編・・・というよりスピンオフかもしれません。
前回のあらすじ
世は乱世。比那名居天子もまた腐った時代の被害者であった。
味噌汁の美味しさの秘訣はダシにあると最近知った天子は、かつての戦友であるNA☆GA☆Eに命を狙われるはめになった。
「乱世は私が統べる!」と豪語していた魔理沙は仲間の裏切りによって死んだ。
魔理沙の理不尽な死に悲しむ暇もなく、天子はNA☆GA☆Eに殺された。
・・・と思われていたが無駄に頑丈なので死ねず、そのまま回収されて天界に戻って来た彼女の明日はどっちだ―――
天子が目を覚ますと、まず目に飛び込んできたのは彼女の見慣れた畳だった。
シミの数から推測するに、ここはどうやら実家の自分の部屋、今風に言うとプライヴェートルームのようだ。
妙に動きづらい首を動かして辺りを見回すと、
『停電でベビーブーム』と仰々しい文字で書かれた掛け軸が目に入ったのでここが自分の部屋だと確信する天子。
「うー、妙に苦しい・・・」
それもそのはず、彼女は天井から吊下げられたロープで首を吊っている状態であった。
これは拷問によくあるシチュエーションである。
「起きたか、我が娘よ」
いきなりプライヴェートルームに入ってくる髭面の親父。彼こそが天子の父である。
「パパ!?何で私こんな状況になってるの!?」
「お前が何故NA☆GA☆Eに追い掛けられたのか考えてみるといい」
「そんなの知らないわ!」
「知らないとか・・・お前パパの話聞いてなかったのか・・・」
首を吊っている状態で普通に叫ぶ天子。
いい加減ロープから脱出すればいいのにね。
「お転婆過ぎるお前をファーストレディにする為にお仕置きを兼ねてだな・・・」
「お仕置きって・・・死にかけたんだけど!?」
「ていうか普通なら死んでる」
「流石だと思わない?」
「もういい・・・NA☆GA☆Eよ、入ってこい!」
三国志の武将みたいな外見をした天子パパが呼ぶと、キャッチャーミットに野球ボールを持ったハレンチお姉さんが入って来た。
天子パパが退出したのを見届けると、NA☆GA☆Eは天子を睨み付ける。
「な、何よ・・・まさかそのボールで私を!!」
そのまさかだった。NA☆GA☆Eは無言で思いっきり振りかぶると、野球ボールを思いっきり天子の顔面に投げつけた。
ちなみに振りかぶった際、天子視点からはバッチリとパンティーが見えた。畜生・・・
「ギャアアアア!やっぱりそのまさかだった!!」
絶叫しながら衝撃でロープから外れる天子。畳の上にドゥンと落ちてゲホゲホと咽ている。
そう、これはやはり拷問であった。
「ゲホッ!衣玖、もう止めて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
NA☆GA☆Eはそんな天子を冷たく見下ろし、更なる追撃を食らわせるために何時の間にか手に持っていたボタンを押す。
すると天井が左右に開いて、もやっとボールが大量に落ちてきた。
「地味に痛い!なんなのこれ!?」
天子がもやっとボールに埋もれている間、NA☆GA☆Eはどこからかライトセーバーを取り出した。
ピシュゥゥゥンという効果音と共に。
「や、やめて衣玖!そんなのでやられたら死んじまうわ!ね?ね?」
ブゥン バチッ
「ほんぎゃああああああ」
ライトセーバーで斬りつけられても死なない辺り、流石である。
一方、NA☆GA☆Eは追撃の手を止めない。
ブゥン バチッ ブゥン バチィッ
「衣玖・・・どうして変わってしまったの・・・」
ブゥン ブゥン ブォン バチッ
「アンタはそんな人じゃなかったはず・・・もっと優しい目をしてた。お願い、目を覚まして・・・」
ブォン ブォン ブォン ピシュウウン
「・・・・・さっきからブォンブォンうっせー!!」
天子は怒りのままに絶叫して、そのまま先ほどの掛け軸をめくってそこにあった穴に飛び込んだ。
実はこの掛け軸、廊下に抜けられるようになっているのだ。
NA☆GA☆Eも通り抜けようとするが彼女のデカい尻が引っ掛かって通れなかった。
「やーいやーい!この変温動物!デブ!こっちまでおーいで!」
それを見た天子は調子に乗って挑発していた。
廊下に出て、とりあえず脱出するために玄関を目指す天子。
彼女は、無駄に広い比那名居邸の廊下を走りながら衣玖が変わった日のことを思い出していた。
地下の研究室で何故かサングラスを付けている天子パパ。
「例えば私が最強の教育係を作ったとする。見せてやろう、NA☆GA☆Eだ」と訳の分からないことを口走る天子パパ。
培養液に入っているNA☆GA☆E(黒パンオンリー)を見て「まるで魚のホルマリン漬けだな」とか口走る天子パパ。
NA☆GA☆Eが培養槽を突き破ったときに飛び散ったガラス片が突き刺さって倒れる天子パパ。
そう、この日から彼女は変わってしまった。
「私のパパ駄目じゃん・・・」
天子は駄目な父に絶望している間に玄関に到達した。
急いで玄関の戸を開けるとそこにはNA☆GA☆Eがいた。
「うぎゃー!」
天子は慌てて逃げ出す。
適当に走ったので家の中で迷ってしまった。
だっせぇ(笑)と思った諸君。迷うほど広い家は存在する!格差社会を如実に表していると言えよう。
「Let's party!!」
「ひぃっ」
突然襖を突き破って妖夢が飛び込んできた。
謎の急展開にもちろんビビる天子。
「ア、アンタその台詞言いたかっただけでしょ」
「うん」
そう言うと妖夢は堂々と去っていった。
「一体何なの・・・」
私が聞きたい。
「あーあ、こんな所突き破っちゃって・・・」
天子は先ほど妖夢がブチ破ってくれた襖を開けるとその部屋に入っていった。
「ここは・・・お客様用の寝室じゃない。一体ここで何をしてたのかしら?」
見るとポツンと置かれた箪笥の上になにやら冊子が置いてあった。
「なにこれ。えーと、『魔法使いの日誌』?超怪しいし・・・」
が、そんなもの見たら中を読んでみたくなるのが世の情け。
その瞬間、
「やめろお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」
「のわーっ!?」
血みどろの魔理沙が箪笥から飛び出してきた。
お決まりの展開だね!
「心臓止まるかと思った・・・っていうか、何故アンタがここに?死んだはずじゃ」
「実は霊夢に私の日誌を変なルートに売り飛ばされて、ここに辿り着いたのは調べてあったんだ・・・
だが、それを燃やさないことには死にきれん」
そういえば天子パパには人の日誌とか下着を見たがる最低な性癖があったということを思い出す天子。
また絶望度が上がった。
「じゃあ何で箪笥の中に・・・」
「この部屋をやっと突き止めたと思ったら、何故か先にいた妖夢に『今からドッキリやるんで箪笥の中に入っていてください』って言われて・・・」
「ああ、そうなの。じゃあこれハイ」
「悪いな・・・これで死ねるぜ・・・」
日誌を渡されると動かなくなった魔理沙。天界で死ぬっていうのも割とシュールである。
「死んだかな?さて、読もうっと♪」
天子もまた外道であった。
12月23日
今日もまたこーりんに『可愛いよ魔理沙特に尻』って言われて
ルンルン気分♪キャハッ☆
12月24日
殺す。ぜったに殺す。
12
おっけ〜ここは魔理沙にまかせて〜
「一体何があったのかしら・・・」
ほんの三日分ぐらいしか書いてない日誌には黒いオーラが満ちていたので慌てて魔理沙に手元に返してあげた天子。
その瞬間、壁をぶち破ってNA☆GA☆Eが入ってきた。
「またやった・・・この家の修理代やばいんじゃないの・・・」
自分の心配より家の心配をしてしまう天子。
だが、NA☆GA☆Eの強烈なラリアットで吹っ飛んでしまう。
「いたああああああああああいもおおおおおおおおおおおおおいやあああああああああああああゲホッゲホッ!!」
叫び過ぎて咽る天子。正直、緊迫した場面でこれは恥ずかしい。
「ウェーッゲホッゲホッ」
「テンシヒナナイ・・・」
「衣玖!?貴方喋れるようになって・・・!!」
「咳をする時は手を口に当ててください」
「え?あ、うん・・・」
衣玖さんは魚類という名の淑女であった。
そもそも心を失ったのは彼女ではなく、我々人類であったのではないのだろうか。
それは誰にも分からない。 ――完――
前回の作品を書いた後から原因不明の頭痛に悩まされる・・・
何かの呪いでしょうか・・・
暇簗山脈
- 作品情報
- 作品集:
- 6
- 投稿日時:
- 2009/11/03 16:01:37
- 更新日時:
- 2009/11/04 01:01:37
- 分類
- スピンオフ
- エロゲー
あと、魔理沙にいったい何があったというのか・・・
続編とかあるといいな
勢いだけのこのストーリーが無駄に壮大になっちゃう
でも書いてみるのもいいのかもしれない