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『超高齢者戦隊ババレンジャー【第7話】』 作者: どっかのメンヘラ
「あの虎妖怪逃がしてどうするつもりだったのかな船長さん?さっさとここの財宝と寺をすべて明け渡せばいいのに・・・。あの妖怪を逃がしたところで誰もどうにも出来ないなんてわかりきってるはずなのにね?」
そう言ってリグルが縛り付けられ床に倒れている村紗の頭を踏みにじった。
「ぐうぅ・・・黙れ!星はきっとどうにかしてくれる!星のことをなめるな!」
リグルはへらへらと笑った。
「どうにも出来ないよ。もしそいつが誰かほかのもっと強い奴連れてきたってこの結界を破れるわけ無いんだから。」
「くそっ!卑怯者!もっと正々堂々と戦え!」
リグルはへらへらした笑顔のまま村紗の腹を踏みつけた。
「おげっ!がふぅ!」
村紗は苦しさのあまり気を失いかける。
「まったく・・・人質なんだからもっと口を慎みなよ。見てて見苦しいよ、船長さん。」
そういってリグルは持っていた銃で村紗の足首を撃った。
「いぎいぃ!!」
痛みのあまり叫び声をあげる村紗。
「うううぅ・・・こんなことをしてただで済むと思うなよ!!!」
「まったく何度も何度もお仕置きしてもまだ反抗するもんなぁこのバカ。頭くるからまたおしおきな。」
リグルは焼け付くほど熱い銃口をを村紗の右の眼球に押し当てた。
「いぎゃああああ!!!」
右目が焼け、村紗は熱と痛みにもだえた。七転八倒する村紗をせせら笑いながら見下ろすリグル。
「まったく幽霊って奴は面倒だよね。いくら痛めつけても死なないんだもん。この寺をさっさと明け渡せばいいものを、無駄に抵抗するから怖い思いしたり痛めつけられるんだってわかってるのかな?ここの連中はみんなバカだよ。」
村紗がリグルをなみだ目でにらみつける。片方の目は白くにごっていたが、段々と透明度を戻し始めた。打ち抜かれた足首の傷は、もう血が止まりふさがりはじめている。
「あーあもう回復し始めてる・・・。つまんないなあ。」
(星・・・お願い・・・早く・・・。)
その隣では、ルーミアと2人の妖精たちがナズーリン、一輪、ぬえに自動小銃を突きつけている。妖精は二人ともうつろな目だ。彼女達に操られている。
「下手な抵抗しようなんて考えはやめたほうがいいよ〜。みんな能力が使えなくなってるんだから簡単に死んじゃうよ。」
一輪はナズーリンの腕の中で震えている。ぬえは銃に怯えて泣きじゃくっていた。雲山は小さくしぼんで息も絶え絶えだ。
「くそぅ・・・同志達が1匹も来ない・・・。この結界さえ消えれば・・・。」
ナズーリンが唇をかんだ。
「超高齢者戦隊ババレンジャー第7話・取り戻せ!!命蓮寺奪還大作戦!!」
「あなた達は完全に包囲されています!おとなしく降伏して出てきなさい!」
雨の中命蓮寺の前に小兎姫率いるおかっ引たちが並ぶ。小兎姫は拡声器を使い40人にも及ぶ妖精の大軍団を引き連れて人質をとり命蓮寺の本殿に居座るリグルとルーミアへの説得を試みていた。
しかし残念ながら外界の武器で武装した相手と渡り合えるだけの装備など彼女達には無い。ある武器はせいぜい十手と刺叉、小兎姫と一部のものが持っている小型の拳銃ぐらいである。
「小兎姫さん!」
ババレンジャー達が飛んでくる。少し遅れて星もついてきた。
「あっ!皆さん!」
「もう大丈夫よ!私達が奴らを徹底的に懲らしめてくるから!みんな!正義の鉄槌を奴らに食らわしに行くわよ!1.2.3.・・・ウォリャッ!」
五人は命蓮寺の境内の中へと突っ込んでいった。
「ちょっと!待ってください皆さん!」
小兎姫の制止を振り切り境内の敷地に踏み込んだ五人。
「突撃いいいいいい!」
命蓮寺の境内を駆け抜けて本殿へと向かう。銃を持ち入り口を固めている妖精たちがいた。
「うおおお!罔両「ストレートとカーブの夢郷」!!!」
紫が弾幕を放った・・・はずだった。
「・・・・・あれ?」
なにも出てこない。
「オンバシラが・・・オンバシラが出てこないぞ!」
神奈子がうろたえる。
5人とも弾幕を出せない。
「皆さん!危険ッス!今すぐ戻ってくるッス!!!」
星が叫んだ。
その瞬間、入り口を固めていた妖精たちの一人が手を上げて、振りおろした。
だだだだだだだだっ!
とたんに妖精たちが一斉射撃を始めた。
「あわわわわ!!!!撤退!!撤退!!」
突撃時の2倍ほどのスピードで逃げ出した5人、幸い威嚇射撃だったらしく5人は被弾せずに済んだ。
「はぁはぁ・・・何で・・・なんで弾幕が出ないの?!」
「お昼ご飯がまだだったからかしら・・・?」
幽々子が首をかしげた。
「結界の所為ッス。」
星が言った。
「結界?」
「はい、主犯格のルーミアによって命蓮寺の敷地内に結界が張られてしまいました。結界は外からの弾幕をや空を飛ぶことを含む魔法などの能力を一切無効化してしまうんです。しかも一度敷地内に入れば入った者の能力も封印されてしまいます!」
小兎姫が言った。
「そういうことは早く言いなさいよこのダメ刑事!!!大門警部に5000回謝れ!!!」
紫が小兎姫にチョークスリーパーをかます。
「ひいいいい言う前にあなた達が行っちゃったんじゃないですかあああ!!!」
「でも困ったわ。弾幕が使えない上に相手は相当やばいもの持ってるわよ。どうしてあの筒からは弾幕が出るのかしら。」
永琳が言った。
紫の腕の中でもだえながら小兎姫が言った。
「あの筒は火薬を爆発させて金属の塊を打ち出す外界の武器です。私も数点持っています。魔法を使っているわけではないんです。」
紫の腕から脱出した小兎姫が襟を正した。
「それはこの前秋姉妹が持っていたものと同じよね?」
「原理は同じですがこちらのほうがずっと強力です。下手に動けば妖怪といえど命が危ないのです。」
紫は困った顔をした。
「困ったわね・・・ただでさえ私の能力は封印されてしまっているのに・・・。白蓮、どうしたら呪いって解けるものなの?」
白蓮は少し考えた後、答えた。
「いろいろありますけど、この手の魔法で一番手っ取り早い方法は相手をある程度まで弱らせることですね。この呪いはここの結界と連動しているようです。結界を張っている本人が死ねば結界も消え、呪いも解けます。」
「・・・としたらどうにかして相手に物理攻撃をしかけないといけないわね。」
紫は考え込んだ。
「弾幕はつかえない、人質はとられてる、相手は銃で武装している・・・一体どうすればいいの・・・?」
紫は自分のババァ化した脳みその細胞すべてをフル回転させて考え続けた。
数刻ほど時間が過ぎた。小兎姫はバカ十字団への不毛な説得に集中しすぎて紫の存在すら忘れていた。。
紫は少しばかり考え続けていたが、なかなかいい案が思いつかず段々正面からまた突撃しようかと思っていたときのことだった。
どこから外界の乗り物の音が聞こえる。
道の遠くの方から一台のトラックが砂埃を巻き上げ走ってきた。
そしてトラックはババレンジャー達の前で止まった。
ドアが開きそこから颯爽と一人の女が降りてきた。その後を追うように一人の女が降りてきた。
一同は二人の姿を見て目を丸くした。
「エィ!ガイズ!お久しぶりだな!」
「フフン!伝説のプリンセスが帰ってきたわよJust do it!」
そこにいたのは輝夜と妹紅だ。
「助けに来たぜホーミィ!」
妹紅は相変わらずなギャングスタ・スタイルだ。
「えーっと姫様、どうされたんですかその格好・・・。」
永琳があっけにとられて聞いた。
輝夜はハイヒールを履き異様に短いピンクのてかてかワンピースの上に毛皮のコートを羽織り、顔には異様にでかいサングラスを掛けていた。
輝夜は指を出し、左右に振り舌を鳴らし言った。
「私はもう姫君なんて過去は捨てたわ・・・。今の私は幻想郷一のセレブなヒップホップシンガー、Princess★KaguyaよJust do it!」
「は、はぁ・・・。」
永琳はあっけにとられたままだった。
「あら妹紅!その銃いったいどこで手に入れたの?!」
紫はトラックの荷台に積まれた山のような銃を見て言った。
「イェア!こいつは私らの店を荒らした悪い河童から奪い取ってきた奴だぜ!あいつらこんなとんでもないファッキンシット隠し持ってたんだぜ!」
妹紅が銃を一つ取り出していった。
「奴ら今流行のアイス・コールドなギャングファミリー、バカ十字団に武器を流して儲けようとしてた。」
「奴らが私らの店を襲撃して金を奪おうとでも思ってたみたいだけど、みんな返り討ちにしてついでにこいつらのアジトまで聞いちゃったわJust do it!」
輝夜も自動小銃を持った。
「そしてそのアジトを襲撃したときに今日バカ十字団の連中が洗脳した妖精を使って命蓮寺を占拠しようって計画を立ててるのを聞いちゃったのよJust do it!」
「こいつは居ても立ってもいられねぇ!って思ってファンキーなウィールをちょいと拝借してここに来たわけだ。もう少し早くきてたら奴らを止められたのにな・・・ガッデム!」
妹紅は足元の小石を蹴飛ばした。
「でも武器があっても人質をとられてるんじゃどうにもならないわ。」
幽々子が困り顔で言った。
「それならいい方法があるぜナニーズ!」
「えっ?何々?」
妹紅と輝夜が紫に耳打ちをする。
「うん・・・何々・・・・よし!やってみましょう!」
「はぁ・・・相手はまだごちゃごちゃ何か言ってきてるよ・・・いい加減うざくなって来たな・・・。よし、誰か殺そうかな。」
リグルの言葉に、人質達は青ざめた。
「誰にしようかな・・・そうだ!お前だ、頭巾野郎!」
リグルが一輪を指差した。
「お前今から見せしめに殺すから。お前ら、こいつをこっちに連れて来い。」
一輪は一瞬リグルの言っていることが分からずぽかんとしていた。
妖精たちが一輪の縄を解いて腕を押さえて本殿から境内の方へ出てきた。
「えっ?!いや!いや!!やめて!!やめてえええ!!」
一輪は必死にもがいたが妖精の腕はびくともしない。
リグルは大声を張り上げていった。
「よく聴け!要求を呑めば開放してやるつもりだと教えてやってもこいつらは聞く耳持たない!だから今からこの頭巾野郎を殺す!それが嫌だったら無理やりにでも突入して来な!」
それを聞いた小兎姫は歯を食いしばった。
「小兎姫さん!今すぐ突入しましょう!」
おかっ引のまとめ役に当たる物が言った。
「待ちなさい!相手は銃を持っています!今突入すれば我々は確実に全滅してしまいます!」
「だからってあなたは人質の命がどうなってもいいと思っているのか!」
「しかし今突入すれば彼女も私達も全員死にます!そしたら相手の思う壺です!」
小兎姫も人質を何とかして救いたいと思っていたが、短絡的に今突入すれば相手は銃弾の雨を自分達に浴びせるだろう。しかし突入しなければ人質は死ぬ。
小兎姫の脳内に人質達が死の恐怖に怯える顔と、致命傷を負い痛みと死の恐怖で顔をゆがませる自分の部下達の顔が同時に浮かんだ。
(どっちに転んでも悲惨な結果しかない・・・くう、どうすれば・・・!)
「いやああ!!助けて!!姐さん!姐さん!!!いやあああああ!!」
一輪はがたがた震えながら叫んだ。
「やめろおお!一輪を離せえええ!!!一輪を離せええ!!!」
ナズーリンが青ざめながら叫んだ。縄で縛られた体をよじらせながら一輪に近づこうとする。
しかしそれもルーミアに蹴倒されて阻止されてしまった。
「ダメだよネズミさん。おとなしくしてないと痛い目にあっちゃうよ?」
ナズーリンの背中を踏みつけるルーミア。ナズーリンはもはやいつもの態度からは想像できないほど取り乱し、泣き叫んでいた。
「はなせええ!!!やめろ!!やめろ!!やめろおおおお!!いやだあああ!!!殺せ!!!私を殺せええええ!!!」
「まったく見苦しいネズミさんだね。ねえリグル、早くその頭巾の頭をフッ飛ばしちゃってよ。」
ルーミアが言った。
リグルは不気味な笑みを浮かべながら言う。
「よしじゃあ撃っちゃていいよ。」
その時だ。
だぁん!
銃声が鳴り響いた。
小兎姫は一瞬気を失いかけた。最悪の事態が起こってしまった。自分は人質の命を守れなかった。
おそるおそる周りを見回す。おかっ引たちは命蓮寺の本殿を唖然とした顔で見ていた。小兎姫も彼らと同じ方向を向いた。
小兎姫の目の前には、信じられない光景が広がっていた。
一人頭から血を流し倒れているものがいた。一輪ではない。一輪を押さえつけていた妖精だ。
「・・・え?」
状況がまったく読めず、あ然とするリグルとルーミア。
「い・・・一輪・・・?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で呆然とするナズーリン。一輪は放心状態のままそこに突っ立っている。
だぁん!だぁん!だぁん!
銃声にあわせて妖精が2人、3人と倒れてゆく。
「ど・・・どういうことだ!!」
リグルが叫んだ。
「イェア!マッザ・ファッカ!おいたはそこまでだぜ!」
上の方から声が響いた。結界の届かないその場所にいたのは永琳、幽々子、輝夜、妹紅の4人だ。
リグルは四人が手に持っている筒――ライフル銃を見て驚愕した。
「お・・・お前ら!それをどうやって手に入れた!!」
フフンと輝夜は笑い、言った。
あなた達が知る必要は無いわ・・・。理由はケツ穴でもいじくりながらあの世でじっくり考えてなさいJust do it!」
輝夜は中指を立てた右手を突き出した。
「オゥ、セレブなヒップホップシンガーもビッチィなことするねぃ。」
妹紅が能天気に言った。
「いくわよみんな!1.2.3.・・・ウォリャッ!」
幽々子の一声で4人は急降下して銃弾の雨を妖精の上に降らせた。
「ひるむな!!!撃て!撃て!!」
リグルが叫んだ。
妖精たちも銃で応戦する。
40人近くの妖精たちが4人に集中砲火を浴びせた。四人は空中でアッと言う間に銃弾で蜂の巣にされ。ぼろぼろの肉塊になり地面に墜落した。
「何だこいつら?!死にに来たのか?」
リグルがあきれたように言った。
妖精の一人が銃を持ち4人の死体に近づいた。
下半身が完全に胴体と分離している輝夜、顔が完全に潰れている妹紅、体中が穴だらけになり原型をとどめていない幽々子、腹が破れ内臓がすべて飛び出している永琳が落ちていた。
妖精はうつぶせに倒れている永琳の近くに銃を構えながら寄った。
突然ぴくりともしなかった永琳の腕が妖精の足首をつかんだ。
妖精ははっと驚いた顔をする。
「びっくりした?私達は死なないのよ。」
永琳が妖精を見上げながら満面の笑みを浮かべた。そして妖精の足をつかんだまま。手榴弾を取り出し、栓を口にくわえるとそれを引き抜いた。
妖精は無言のまま脚を振り回し永琳の腕を振りほどこうとする。しかしなかなか離れない。そうこうしているうちに反対側の脚にも何かが纏わりついた。
「あんた幻想郷一のセレブに何してんのよJust do it・・・。」
下半身を失い、血塗れてゾンビのようになった輝夜が脚に腕を絡めていた。
どごおぉ!
手榴弾は爆発して、あたりに砂埃が舞った。
「げほっ!ごほっ!!くっそ!!あいつら何し・・。」
リグルがそういいかけたとたん、砂埃の中から多数の銃弾が飛んできた。前のほうに居た妖精たちが次々に体中に開いた穴やちぎれた皮膚から血を流して倒れた。
「幻想郷の和を乱し悪事を働く悪人達、覚悟しなさい・・・。」
砂埃が晴れた。そこでは完全に復活した4人がリグルたちに向けて銃を構えていた。
「その命を持って償え!!!」
永琳の声が命蓮寺中に響く。
「さあて、楽しいパーティーの始まりだぜ、ファッカー。」
妹紅がにやりと笑いながらつぶやいた。
「うわわ!逃げろ!逃げろ!」
境内の方で銃撃戦が始まり、あわてて縛り付けられた体を芋虫のように動かし境内の奥のほうへ逃げる人質達。彼女達を監視していたルーミアと妖精たちは皆銃等の武器を携えて境内へと飛び出していった。
何とか本殿の仏像の後ろに隠れた4人、ここに居れば流れ弾には当たらないだろう。
「はぁはぁ。これで一安心だ」
村紗が安堵の表情を見せる。
「ああ・・・またお寺を修理しないと・・・。」
「今はそんなこと気にしてる場合じゃないでしょ!」
自分の身がひとまず安全になったことが分かるや否やすぐにお寺の心配をしだす一輪にぬえが突っ込みを入れた。
「しかし相手が人質をとって油断して隙を見せた瞬間に一気に畳み掛けるように奇襲してくるとは・・・相手もなかなかやるな。」
ナズーリンは4人の作戦に感心していた。
そのころ境内では、熾烈な戦いが繰り広げられていた。
「ほらほらほら!!もっとまじめに攻撃しないとすぐ反撃しちゃうわよ!」
体に何発も銃弾を喰らいながらも立ち続け周りの相手に銃撃を繰り返す永琳。
「おらおらおらあああ!亡霊なめんなこらああああ!!」
両手に拳銃を構えて銃弾の雨の中を縦横無尽に走り回る幽々子。激しい銃撃で頭が半分ふき飛ぼうが体中えぐれて穴だらけになろうがお構いなしだ。
「うーわ・・・あの人銃をもつと人が変わる性格だったのね・・・。」
永琳は幽々子を片目で見ながらいった。
「早く人質を助けなければなりません!!突入です!突入するんです!」
そういって銃弾が飛び交う境内の中を突っ切ろうとする小兎姫をおかっ引が必死に止める。
「やめてください!危険です!!」
しかし彼の制止を振り切り飛び出してゆく小兎姫。
「待ってください!止まってください!!!」
おかっ引の叫びも彼女の耳には届かなかった。
「イェア!これでも喰らえ!」
妹紅が束になって襲い掛かってくる妖精たち2,3人にロケットランチャーを発射した。
ばしゅぅ!・・・どごおぉん!
「イェアアアアア!ファック!大当たりだぜ!!!」
爆発した後には粉々になった妖精の破片が落ちていた。
「妹紅・・・アンタって人はぁ・・・。」
そこには四肢がばらばらになり両目が潰れたぼろぼろの輝夜が落ちていた。
妹紅は親指を立て口笛を吹き、言った。
「ヒューゥ、やっちまったぜ。」
人質の居る本殿へ猛ダッシュで掛けてゆく小兎姫。しかし何かやわらかいグニグニしたものを踏んづけて倒れてしまった。
「痛たた・・・なんですかいったい?」
振り向くとそこに落ちていたのは・・・先ほどの爆発でぐちゃぐちゃになった妖精の残骸だった。
人質を保護することだけで頭がいっぱいになっていた小兎姫はこれですっかり怖気づいてしまった。
「い・・・いやあああああ!!!こわいこわいこわいこわいころされるころされるころされるたすけておかあさんおとうさんおじいちゃんおばあちゃんいやだいやだいやだいやだもうおうちかえる・・・。」
すっかりいつもの調子に戻ってしまった。
リグルはただひたすらバーサーカー状態で暴れまわる4人の攻撃から逃げ回っていた。
「くっそーババァども!」
こんなことになるのなら結界を張らなければよかったとリグルは思った。
「ルーミアの奴、こんなときにどこいったんだ!!」
本殿の人質達はただただ身を寄せ合いながら大仏の後ろに隠れている。外からひっきりなしに銃声や爆発音が聞こえてきた。
「こわいよぉ・・・一輪・・・こわいよぉ・・・。」
ぬえはすっかり銃声に怯えて泣いている。
「くそッ!!星!私達はここだ!早く助けに来てくれ!星!」
ナズーリンがいらだってつぶやいた。そのときだ。
「ナズさん、ナズさん!助けに来たッス!」
ナズーリンがはっとした顔で辺りを見回す。
「星・・・?星なのか?!どこだ?!」
星の声がどこからか聞こえた。しかし姿が見えない。
「ナズさん、こっち!こっち!上ッス!」
天井を見上げる。天井板が一枚はずされて、その穴から星がこちらを覗いていた。
「星!きてくれたのか!」
ナズーリンが歓喜の声を上げた。天井の穴から星が飛び降り床に着地・・・し損ねて顔から墜落した。
「星、大丈夫か?まったくどん臭い奴だなあ。」
星が鼻血をたらしながら起き上がった。
「みんな大丈夫?助けに来たわよ!」
その後から紫、神奈子、白蓮が出てきた。まず紫が頭から着地、その上に神奈子が、そして白蓮が着地した。
「うぐぐぐ・・・みんな、今その縄を解くからちょっと待っててね・・・その前にどいてくれないかしらみんな?」
紫が苦しそうに言った。
「みんな早く逃げるッス!早くしないと奴らが戻ってきてしまうッス!」
星が皆を縛り付けていた縄を解きはじめた。
「私も手伝うわ。みんな無事で本当によかったわ!」
全員の縄が解かれた。白蓮が安堵の表情を浮かべる。
「いてて・・一時はどうなることかと思いました。」
一輪がホッと胸をなでおろす。
「陽動作戦が功を奏したようね。まさかここまでうまくいくとは思わなかったわ!」
そう、あの四人が境内で大暴れしていたのは突撃して突破するためではなく、陽動作戦のためである。あの死なない四人が表で大暴れすれば必ず敵は、たとえ全員でなくても、そちらのほうに出向かなくてはいけない。彼女達はそのスキに命蓮寺に侵入したのである。
「じゃあみんな、このスキに裏口から逃げるわよ!」
白蓮が言った。しかしそのときだ。
「ぐっ!」
どさりと後ろから音がした。振り返るとそこには頭から血を流し地面に倒れている星、そして血のついたサブマシンガンを持った能天気に笑うルーミアが妖精たち数人を引き連れて立っていた。
「あらら〜?みんなしてどこへ行くのかな?」
ルーミアは紫たちに銃を向けて言った。
「あの表で暴れまわってる四人がこっちになかなか来ないからいったいどうしたのかと思ったらこういう作戦だったんだね。でも残念だったね〜。こそこそ逃げようとする悪い人質には痛い目にあってもらわないといけないね。」
「くそっ!見つかったか・・・・。」
神奈子が唇をかんだ。
「黙れ!!もうお前らの味方はほとんど死んでいるんだ!!降伏しろ!!!」
村紗が叫んぶ。ルーミアは相変わらず能天気な笑顔だ。
「うるさいなぁ。」
だだだっ!
「がはっ!」
ルーミアは村紗の喉に銃弾を打ち込んだ。倒れた村紗の喉を踏み付けた。
「ひゅー!ひゅ!」
呼吸音を喉の穴から漏らしながらじたばたと暴れる村紗。喉元から血の海が広がる。
「さぁて、やっと静かになったね。じゃあ今度は誰にしようかな・・・。そうだ、さっき殺し損ねた頭巾にしよう。」
ルーミアは銃口を一輪に向けた。
「いやっ!やめて!一輪を離して!!」
白蓮が叫んだ。
「大丈夫だよ〜。心配しなくてもわたしがちゃんとみんなをあの世に送ってあげるから。じゃあね。さっさと死んでね。」
ルーミアが引き金に指を掛けた。
その時だ。
「やめろおおおお!!!!」
星がいきなり飛び起きてルーミアに飛び掛った。
「うわわ!」
ルーミアから銃を取り上げようとする星と、とられまいとするルーミアが取っ組みあいをはじめた。両者は団子になってもみあっていた。
「はなせええええ!!離すッス!!」
「そっちが離してよ!この妖怪風情がああ!!」
後ろで銃を構えていた妖精たちは銃口を二人に向けた。しかし二人が取っ組み合っているため発砲は出来ない。
「離して!離してよ!このっ!」
ずだだだだ!!!
「があああ!!!!!」
銃声と星の苦痛に満ちた叫びが響いた。銃が暴発し星の腹と胸に当たったのだ。
多量の血を流し地面にしゃがみこんだ星。ルーミアは青ざめた。ルーミアの手に銃は無かった。星は破れて血をながしている腹も押さえずにルーミアに銃口を向けた。星の表情はもはやいつものそれではない。激昂した猛獣のそれだった。
「ひいいぃ!返して!早くそれ返して!何する気なの!!」
「ううぅ・・・地獄に堕ちるッス!自分の命に代えてでもお前を殺すッス!!!」
星は最後の力を振り絞り銃の引き金を引いた。
銃声が2発、3発と鳴り響く。その音にあわせルーミアの腕、胸、頭の順に血が吹き出た。そしてルーミアが地面に倒れる。
「はぁはぁ・・・ううぅ・・・。」
銃が星の手から落ちる。星は崩れ去るように倒れた。
「何の騒ぎだ!?」
リグルが駆けつけた。
「ルーミア!!・・・・お前ら!!よくもルーミアを!!!殺してやる!!!」
リグルは倒れているルーミアを見るとすぐに状況をつかんだようだ。
「そいつらを撃て!!!皆殺しにしろ!!!」
妖精たちが星に銃口を向けとどめを刺そうとした。次の瞬間妖精たちの後ろに隙間が展開された。そこから飛び出た何百本もの黒い手につかまれ、そのまま引きずり込まれた。
「リグル、観念しなさい・・・あなたをもう許すわけにはいかないわ。」
扇に隠れた紫の顔はいつものババレンジャーパープル八雲紫ではなかった。幻想郷のすべてを支配する大妖怪の顔であった。
「くそう!もうちょっとだったのに!!」
「残念ながらこの幻想郷は重大な罪を犯したあなたをうけいれることは無いわ・・・。」
紫の冷徹な目に激しい怒りの炎が燃え盛った。
「苦痛と恐怖に満ちた世界で永遠に苦しみなさあばばばばば!!!!」
その瞬間紫の顔面にゴキブリの大群が飛んできた。
「ぎゃああああ!!!!いやああああ!!!ゴキはいやああああ!!!!助けてえええ!」
ゴキブリの大群の奇襲に先ほどまでの幻想郷最強の大妖怪八雲紫はあっという間にババレンジャーのしがないリーダー八雲紫に戻ってしまっていた。
「紫!表の妖精は殲滅したわよ!・・・っていやああゴキブリのお化けえええ!!」
ゴキブリに纏わりつかれて床を転げまわる紫をみて永琳が悲鳴を上げた。
「ひいい!!!助けて誰かあああ!!」
紫は神奈子たちのところへ這いつくばり近づいた。
「ひいい!!えんがちょー!!」
紫がじたばた暴れていたせいか少しづつゴキブリは数を減らし始めた。何とかゴキブリをすべて追い払った紫は地団駄を踏んだ。
「ちくしょー!!せっかくのカリスマの見せ所つぶしやがってあのゴミ虫!!!覚えてなさい!!!」
このドサクサにまぎれてリグルは逃げ出したようだ。倒れていたルーミアもいなくなっていた。
「星!!星!!大丈夫か!!」
ナズーリンが駆け寄る。ナズーリンは何度も星の頬を叩いた。星は何一つ反応を示さない。ただか弱く息をするばかりだった。
「星!!!死ぬな!!!星!!!お前は毘沙門天の弟子だろう!!その程度で死ぬタマじゃないだろ!!!星!!!」
ナズーリンの呼びかけにもまったく反応しない。
「星ちゃん!大丈夫?星ちゃん!!!」
聖やほかの全員も駆け寄った。星の顔は段々と青ざめてきていた。
「今すぐ永遠亭まで運びましょう!!一刻の猶予もないわ!!」
紫がスキマを展開させて中へ入っていった。
「ああぁぁん!!!藍しゃまあああああ!!!!」
「いくううううう!!ちぇえええええええん!」
あでやかな声を張り上げ布団に倒れた二人に紫が叫ぶ。
「はぁはぁ・・・藍さまぁ・・・だぁいすき・・・。」
二人は濃厚なキスを交わした。
「うん・・・ちゅ・・ちゅぱっ・・・んんぅ・・・はぁ・・・橙、もう一度しよう・・・。」
藍はまたバイブを橙の目の前にさらす。橙がお尻を突き出し自分の秘所を指で広げた。
「えへへ・・・藍さまぁ・・・もう一回頂戴・・・。」
その瞬間二人の後ろでスキマが展開された。
「藍!緊急事態よ!!藍!」
「てひょえええええ!!ゆっ紫様!!!どうされたんですか!!」
「どうしたもこうしたも無いわよ!!!橙と百合ファックかましてる場合じゃないわよ!!!妖怪が一人死にそうなのよ!!!!早く病院に連れてくの手伝いなさい!っていうか病院連れて来い!!!病院!!」
藍の首を絞めてぶんぶん振り回す紫。
「あわわわわわわわわ分かりましたから離してくださわわわわわわわわ!!!!」
永遠亭の手術室の前の長いすに腰掛けるババレンジャーたちと命蓮寺の4人。手術室の中ではいま永琳たちが星の処置をしている。手術室の煌々と赤く輝く「手術中」のライトはまだ消えそうに無い。誰一人として言葉を交わさず、彼女達は待っていた。重く沈痛な空気が当たりに流れる。
何一つ音はしない。ただただ長いすの前の廊下の壁に掛けられた時計だけがこちこちむなしい音を出し続けた。
ふっと「手術中」の明かりが消えた。永琳が中から出てきた。
白蓮が永琳に駆け寄った。
「永琳!!手術は成功したの??星ちゃんは!?星ちゃんは助かるの?!」
永琳は静かに言った。
「手術自体は何一つ問題なく終わったわ・・・・。」
「ほ・・本当?」
「ええ、でも出血がひどすぎて脳がずっと虚血状態になっていたわ・・・。最悪の場合死なないまでももう一生目を覚まさないかもしれないわ。」
「そんな・・・そんな!」
白蓮は泣き崩れた。
「星ちゃん・・・何で・・・何で・・・。」
白蓮を慰めながらも顔を涙でぬらす一輪と雲山。ただ呆然と地面にへたり込む村紗。長いすに座ったままさめざめと泣き続けるぬえ。ただ悲しみと悔しさに顔をゆがませるババレンジャー達。誰もが悲しみにくれていた。
「一生目を覚まさない・・・だと?」
ナズーリンがふらふらと立ち上がった。
「・・・ふざけるなああああ!!!このやぶ医者がああああ!!」
ナズーリンは永琳を突き飛ばし壁に押し付けた。
「どういうことなんだ!!!何故助けられないんだ???お前は月面一の医者じゃなかったのか!!」
永琳の胸をたたきながらナズーリンは叫び続ける。
「それともなんだ!?金が足りないのか??!!いくらあればいいんだ??金に糸目はつけないぞ!!」
永琳は何も答えず、ただ悲しそうな顔をするだけだった。
「お願いだ!!お願いだから星を何とかしてくれ!!星が助かるなら私は何でもする!!だから後生だ!・・・後生だから・・・ううぅ・・・お願いだ・・・うぐぅ・・・ううぅぅ・・ひぐっ・・・うううぅ・・・・。」
永琳の前に泣き崩れるナズーリン。永琳はただナズーリンを見下ろすことしか出来なかった。ババレンジャーのほかの全員もただ悲しみにくれることしか出来なかった。
紫は悲しみにくれる命蓮寺の人々を見ていた。紫の目にはこれまでに無いほど激しい怒りの炎が燃え盛っていた。
「ゆるさない・・・・絶対に許さないわバカ十字団!!!」
紫はバカ十字団に復讐を堅く誓ったのであった。
しかし彼女たちは知らない・・・彼女たちが知らない間に悪人たちは着々と自分達の野望を達成させるため不気味に動き始めていることを・・・!
行け!超高齢者戦隊ババレンジャー!進め!超高齢者戦隊ババレンジャー!
もう霧の湖の大部分をバカ十字団に制圧されて妖精はみんなバカ十字団の配下にあることは気にする必要はないぞ!!
超高齢者戦隊ババレンジャー
第7話 完
ふう・・・やっと出来た。このところ調子出ない。
私の脳減る症はいつになったら治るのやら・・・
どっかのメンヘラ
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2009/11/18 10:45:54
更新日時:
2009/11/18 19:53:36
分類
幻想郷最凶のババァ軍団
老害
銃撃戦
筆者の脳みそすっからかんだよ三級品
いけませんよ
しかし相変わらず良い意味でカオスだなぁ
さすが蟲の女王
加齢で遠くなる耳に
聞こえる罪なき人々の
助けを求める叫び声
この世に悪がある限り
そこに奴らは現れる
超高齢者戦隊ババレンジャー
鼻唇溝はババァの・・・いや勇気のしるしッ!!
初期路線?知るかばか!そんな事より熱血だ!!
「頭の中からっぽのほうが夢つめ込める」
って言ってた
頑張れナズーリン
紫…一瞬、あのロアナプラの女ジャイ…某遊撃隊の女大尉のようなカリスマ溢れるのにゴキを見た瞬間に…。
輝夜…変わったな…まあ、悪徳院長よりはましだが。
ナズよ…今回お前が一番くさいぜ。
PS
ところで、子兎姫って誰?
それ以上に存在そのものを忘れちゃってて本当にごめんね神奈子さん
なんてこんなイカス蓬莱ピープルどもがいるんだ・・・・。
さあ、寅丸の命運やいかに?
>>7が旧作の自機を知らない事に俺は深い悲しみに包まれた。