薄い雲が空を覆う日のことだった。
私達の住む集落に一人の少女がやって来た。
遠くに見える妖怪の山からやって来たと言う、東風谷早苗と名乗るその少女は私達に自分の祀っている神を信仰するよう熱心に奨めてきた。
しかし私達の集落では既に他の神様を祀っており、その恩恵を十分にいただいている。
新たな神様を信仰するのは私達にとっても、そして私達の集落の神様にとっても都合のよいこととは言えない。
当然、私を含む集落の仲間達は早苗の祀る神を信仰することを断った。
翌日も早苗はやって来た。
集落の仲間の一人に対し、やはり昨日と同様熱心に弁舌を振るっていた。
もっとも、私も暇ではなかったので、すぐにその場を去り、自分の仕事に精を出した。
仕事の途中で二匹の妖怪に襲われたが、集落の神様が追い払ってくれた。
軽く身体を怪我した彼女を心配して声をかけると、笑って返事をした。
「大丈夫ですよ。 それにいつも皆さんに世話されてばっかりなんですから、神様として皆さんの事を守ってあげなくちゃ地獄の閻魔様に合わせる顔がありませんよ」
ああ、そうだ。私達はこの神様とこうして助け合って生きてきたのだ。
「信教の自由」という言葉が叫ばれている今、早苗のように布教活動する者を否定する気は無いが、やはり私達には他の神様を信仰してこの神様を見捨てるような事はできないのだ。
おそらく早苗も今日か明日にはこのことを悟り、布教を諦めてくれるだろう。
早苗は諦めなかった。
毎日のようにこの集落を訪れては説得を続けている。
無駄だということを理解して欲しいものである。
たまに髪飾りを着け忘れていることがあるようだが、そんなことはどうでも良い。
仕事に精を出すべく早苗に背を向けて集落から外へ出ようとした瞬間、私は凍りついた。
集落の出口には……早苗が立っていた。
早苗は私の手を取り、人気の無いところに連れ出した。
そして私に向き直ると、早苗は突然胸をはだけ、露になった乳房を揉み始めた。
何も言えずにその様子を見ていると、彼女の乳首から……緑色の母乳が染み出してきた。
緑色の母乳を滴らせて早苗が一歩近づいた時、私はようやく我に帰った。
私は叫び声を上げて逃げ出した。
次の日、集落の何人かが行方不明になっていることを知った。
二週間が経った。
すでに集落の人口の四分の三は早苗に取って代わられていた。
早苗たちは守矢の神を信仰しており、この集落の神様は日に日に弱っていった。
もう、ここには居られなかった。
私達は御神体として祠に祀られている刀を取り、集落を出た。
行く当ては無かったが、このまま集落に残っていては私達もこの神様もどうなってしまうか分からないのだ。
しかし人間が外を出歩くというのは危険な行為である。
私達は妖怪の群れに襲われた。
力を失った集落の神様は、あっけなく妖怪に倒された。
「ごめんなさい……私が不甲斐ないばっかりに……」
「いいんです……死ぬ時は、……一緒です」
全員が泣いていた。
私達がこれから妖怪に殺されれば、完全に信仰を失った彼女は消滅してしまうのだ。
決して強大な神様ではなかった。むしろ弱かった。
だが、先祖の代からずっと助け合い、幸せに生きてきた。
それがたった一月足らずでここまで落ちぶれてしまったというのが、たまらなく惨めだった。
閃光が私達を包んだ。
私達は生きていた。
ただし、その周りを数十人の早苗に取り囲まれていた。
彼女達は髪飾りをつけていなかった。
私達は集落に連れ戻されていた。
早苗達の中の一人が話しかけてきた。
「駄目じゃないですか、何の準備もなく集落を出たら危険ですよ」
早苗は微笑んでいた。
「ねえ、どうして集落を出たんですか? 約束したじゃないですか、一緒にこの集落を守るんだ、って」
その言葉は、私が親友と交わした約束だった。
「いえ、言わなくてもいいんですよ。 コイツのためでしょう?」
かつての親友だった早苗が指差した先には、私達と行動を共にしていた、集落の神様がいた。
「まったく、コイツを信仰しようだなんて、信仰心の無駄遣いですよ。
いつもいつもただ飯を食らい、その上満足に私達を守ることすらできないカスだったじゃないですか。
こんな奴、早く消えてしまったほうが良いんです。
守矢の神は私達の信仰を汲み取って、大きく私達を助けてくれます。」
早苗は私の眼前で胸をはだけ、その髪のような緑色の母乳を滴らせる乳首を私の顔に近づけてきた。
「さあ、私達と一緒に八坂様を信仰しましょう。 大丈夫、怖がることなんてありませんよ。」
逃げようとしたが、既に私の身体は他の早苗達によって押さえつけられていた。
振りほどこうとしたが、両手は縛られていた。
「い……嫌だ、嫌だッ!!」
「ふふ、まあ私達も最初は嫌がりましたよ。でも、このお乳を飲んだ時、ようやく八坂様の偉大さが理解できたんです。さあ……」
早苗の乳首が強引に開けさせられた私の口にねじ込まれた。
ドロリとした、ゲル状の粘液が私の口から喉に流れ込んだ。
「嫌だぁ……嫌だぁ…………」
粘液は喉から脊髄へと染み出し、芋虫のように首の中を這い上がって脳へ進入してきた。
脳溝の一本一本に粘液が浸透し、灰白色の脳を緑色に染めていった。
脳味噌をかき回されるような感覚と共に私の意識は薄れていった。
私は夢を見ていた。
気がつくと、自分の家の布団の中だった。
嫌な夢だった。
とても、嫌な夢だった。
しばらく布団から半身を起こしていた私だったが、ふと毎朝の祈りを忘れていたことを思い出した。
私は顔を洗い、身だしなみを整え、集落の祠へ向かった。
祠に安置されている鏡に供物を捧げ、礼を二回、拍手を二回、礼を一回、いつもの動作を行い、自らの信仰を確認した。
「八坂様……今日も私は元気に頑張っております」
私は八坂様をそれは深く信仰している。
それなのに、昨夜の夢は何だ。
全く別の、見たこともない神様を信仰し、あまつさえ八坂様の信仰を嫌がって逃げ出そうとするなんて。
ああ、全く私は罰当たりな女だ。
神奈子様、諏訪子様、どうか私を許しては下さいませんか。
もし私を許されなくても、集落の皆にまで罰を与えないで下さい。
今日も田畑に出る時間がやって来た。
道具を手に取り、集落近くの水田に歩いていった。
その途中、ボロボロに朽ち果てた日本刀が草むらに落ちていた。
付喪神になっても厄介だし、供養をして処分することにしよう。
青空が澄み渡り、太陽は優しく私達を照らしている。
今日も良い一日になりそうだ。
もしや・・・
守矢神社への信仰を受け入れた者全てが「早苗」という存在に・・・
じゃあ最初の早苗さんと言うのは・・・
つまり・・・
アレ?お乳が張ってきましたよ?
もっと恐ろしいものの片鱗を……
八坂様のおかげで今日も平和です
しかし守谷トリオを見たら、「宇宙鉄人キョーダイン」を思い出すな。
「♪飛べ飛べ加奈子〜スカイゼル〜
走れ〜早苗〜
グランゼル〜」
んでもって、諏訪子がゴンベス…
しかし諏訪子のZUN帽はモトネタ的にエイリアン9っポイよな…
わ、ナニヲスルヤメレ…
あ゛あ゛ぁ…
洩谷教に栄光あれー ジーク諏訪子!ジーク加奈子!ジーク早苗!
私もですよ。
何というホラー、そして何という黒崎さんの脳内
けいおんの人です。
夢の中でのビジュアルがそうだったので……
絶対許早苗
三人の爆乳早苗さんに洗脳されるなんてすばらすぃ